逃走せよ、果ての果てまで   作:影ノ月

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夢と現実と願いと決別

カンナは迷っていた。

これからどうするかと。

『逃げる』そう決めたはいいものの、相手のことを少々あまく評価していたことを思い知らされた。

「どうしたものかねぇ」

平日の昼下がり、カンナはどこかの企業のビルの屋上で独り言を呟いていた。

特に学校が休みというわけでもないのに、なぜカンナがこんなところにいるかというと、少し時間を遡るとこになる。

 

 

 

 

 

~同日 朝~

「おはよー」

カンナは普通に学校に登校していた。

普通に登校し、いつものように友人と話し合っていた。

もちろん、両腕の事は聞かれたが、嘘でどうにか流した。

教科書やノートは基本的に学校のロッカーに置きっぱなしであるため、ペンケースだけを持ってきていれば、授業を受けるのに困りはしなかった。

服装も私服が許可されていたのが、カンナにとって救いであった。

一限、二限が終わり、三限目の授業を受けているときであった。

 

バリン

 

突如、教室の窓が割れた。

皆の視線が一斉にそちらの方に集中する。

その時のカンナといえば、三階の教室だからどうせカラスとかが突っ込んできたのだろうと考えていた。

だが、その場所からは、声が聞こえた。

人の声が。

聞き覚えのある声が。

「見つけた、カンナ♡」

名前を呼ばれた。

あまりの出来事に、一瞬カンナの思考は停止したが、すぐに最高速度で動き出す。

その為、今起きたことを理解するのに差程時間はかからなかった。

「それはレギュレーション違反だろうが!」

次の瞬間、カンナは窓の側に立っているソレに怒鳴っていた。

「先生!すまん!早退する!」

そう言って、カンナは荷物を手に取り、教室を出た。

下駄箱から自分の靴を取り、履き替え外に出る。

カンナはなんとなく察してはいたが、そこには黒服の者たちが大勢待ち構えていた。

素直に階段を降りれば間違いなく捕まる。

だから、カンナは階段とは逆の方向に飛び降りた。

学校の校舎とはいえど、三階だ。

上手く受身を取り、そのままカンナは逃走する。

地面がコンクリートではなく、土だったことが幸いしてか、それとも受身が上手く取れたからか、カンナにはそれほどのダメージはなかった。

自転車を使えればよかったのだが、残念ながらそこは黒服に占領されていたため、逆方向に逃げるしか無かった。

 

 

 

校門を出て、逃げ続けビル街に着いた。

なおも、黒服達は追ってくる。

カンナは、ビルとビルの間に逃げ込んだ。

狭い路地だ。

複数人が横になって、入れるほど広くない。

1人なら余裕はあるが、2人では狭い。

そんな路地である。

カンナを追って、黒服達も路地に入る。

だが、不思議なことが起きた。

そこに、カンナの姿はなかった。

そんなに短い道ではなかった。

そんなに距離があった訳ではなかった。

見た限り、隠れられる場所も、他に続く道もない。

なのに、まるで神隠しにでもあったかのように、カンナの姿は消えていた。

しばらく周辺を探してみるが、やはりカンナの姿はなかった。

 

 

 

 

そして、今に至る。

「パルクール練習しといてよかったぁ」

つまるところ、そういうことである。

路地に入り、すぐに壁をのぼり、上に逃げたのである。

決して許された行為ではないが、仕方の無い行為ではあった。

しばらく、ビルの屋上で座って悩んでいたが、やがて立ち上がり、逃走を再開した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから、一週間が経った。

カンナはもう、学校には行っていない。

あんなことがあったのだ。

行けるはずもなかった。

この一週間の間に一度、カンナは家に連絡をとってみた。

どうやら、カンナが家を出たあの日以来、父も家から消えたことがわかった。

だが、それ以外家には以上がないことがわかったことに、カンナは安堵していた。

カンナは父を信頼している。

何らかの事情があったのだろうが、きっと無事であるとカンナは確信していた。

それ以外は、特に変わったことのない一週間であった。

『追われている』という状態を除けば、だが。

この一週間、逃げて逃げて逃げ続けた。

さすがにカンナにも、徐々に疲れが見え始めている。

まともに休息も取らず、走りっぱなしともなればむしろ一週間その状態を続けている方がすごいだろう。

昼夜問わず、常に狙われているこの状態が、いつ終わるのかわからない。

ただそれでも、カンナには逃げる以外の手段がなかった。

プルルルル

不意に携帯がなり、カンナは応答する。

「はい、もしもし」

『俺だ、健人だ』

「あぁ、どうした」

『どうしたじゃねぇよ』

『あの日以来1回も学校に来てねぇじゃねぇか』

「まぁ、行ける状況じゃないからねぇ」

『やっぱり、こころが?』

「なんで追われてんのか未だにわかってないんだけどね」

「ただ話が通じないってのだけはわかってるから、逃げるしかないのよね」

『何か手伝えることはないのか?』

『その調子じゃ全く休めてないんじゃないか?』

「大丈夫だよ」

「まだしばらくは、ね」

『無理、してるだろ?』

「…一つだけいいか?」

『…!なんだ?何をすればいい?』

「定期的に俺の家に様子見に行って欲しい」

『…は?』

「今のこの状態だと、携帯の充電も文字通り有限なんだわ」

「あんまり通話できる状況じゃあないのよ」

「なんの異常上もなければそれでいい」

「異常があった時だけ連絡してくれればいいから」

『そんなに、追い詰められてるのか?』

「まぁ、勝利条件が相手のリタイアだけの戦いだからねぇ」

「さすがに…女殴るわけにはいかんだろうよ」

『そりゃそうだけど…!』

「大丈夫だよ」

「必ず、勝ってみせるからさ」

『約束だからな』

「ああ」

『破ったら地の果てまで追いかけてぶっ飛ばすからな』

「はは、当たればいいけどな」

『手足ガッチガチに拘束してからぶっ飛ばす』

「つい最近鎖引きちぎった話する?」

『…やっぱりお前の手首は』

「ま、そういうこった」

『…やっぱりなんk』

「そろそろ移動しなきゃだから電話切るぞ」

『あ、』

「絶対帰るよ、必ず」

『あぁ、華にもそう伝えとく』

「おう、頼んだ」

「じゃあな、頼んだぞ」

『あぁ、待ってるからな』

 

 

「ふぅ、あと押しもらっちゃったし、頑張んなきゃな!」

通話が終わり、改めて周囲に注意を向ける。

黒服を見つけた。

カンナは一度深くため息を吐き、立ち上がり、もう何度目かの逃走の準備を始める。

最後にスマホで時間を確認する。

時刻は22:17

また今夜も、まともに睡眠は取れないことを確認し、ため息をついた。

 

 

 

 

 

 

「昨日、カンナに電話してみたんだ」

翌日、健人は華に昨夜の電話の話を切り出した。

「カンナくん、大丈夫だった?」

「いや、大丈夫ではないと思う」

「でも、多分俺たちにできることなんてないんだと思う」

「なんで?探せばなにか…!」

「カンナは、定期的に家の様子を見てくれって言ってきた」

「え?」

「詰まるところ、それ以外に俺たちに出来ることはないってカンナが判断したんだ」

「もしかしたら、巻き込みたくなかっただけかもしれないけどさ」

「きっとそうだよ!なんか…なんかきっとあるよ!」

「ないよ」

「どうして!」

「この頼みだって、俺が無理に聞いたものだ」

「もし俺たちに、手助けできることがあったなら、カンナはきっと言ってくれる」

「それぐらい、華、お前にもわかるだろ?」

「それは…そう…だけど…」

「でも!」

バン!

華が次の言葉を口にしようとしたが、健人がそれよりも早く机を殴った。

「お前だけがそう思ってると思うなよ!」

「俺がなんも考えず!何も悩まず!ただ何もないって悲観的になってるって!お前はそう思ってんのか!あ?」

「昨日の電話で何も思わねぇわけねぇだろ!何度も悩んださ!何度も聞こうとしたさ!きっと何かあるって!あいつが巻き込みたくないだけだって!そう思ってる方が楽だったさ!だがなんもねぇんだよ!何もないんだよ!あいつを…信じて待つ以外…ないんだよ」

健人は怒鳴っていた。

怒鳴りながらも、無意味なんてことは自覚していた。

自分の無力を、昨夜の思いを、再度見せられているようで、昨夜の自分と同じことを考えている華に怒りをそのままぶつけてしまっていた。

「…すまん、怒鳴っちまって」

「ごめんなさい、昨日電話してる健人くんが考えないわけないものね」

「待ちましょ、カンナくんが待ってろって言ったなら」

「あぁ、なにか変化あって手伝えることが出来るかもしれないからな」

 

 

 

 

 

それから、一週間、さらに一週間。

気づけばあの日、カンナがこころに1度捕まってから一ヶ月が経過していた。

未だに、カンナは逃走を続けている。

だが、さすがに限界が近づいていた。

身体的なものもある。

だが、精神的な面に限界が来ていた。

24時間常に周囲に気を配り、逃げ続ける。

食事も休息もろくに取れない生活を一ヶ月も続けてきた。

カンナの精神はもうズタズタだった。

「はぁ…、はぁ…」

夕暮れ時、カンナは息を切らしながらも道を歩いていた。

つい先程、黒服を巻いてきたばかりだ。

数日前からだ。

カンナの身体には目立った傷が増えてきた。

「どうして、俺は逃げてんだ?」

「俺が何したよ」

「逃げる以外、なんかねぇのか」

「話し合い、はダメだな」

「あいつの精神状態で話し合いなんて狂気の沙汰だぞ」

「知り合いに聞いてもらうか?」

「いや、他のやつを巻き込むのはまずいな」

「授業中にもお構いなしで突っ込んでくるやつだ」

「時間経過…一ヶ月経っても変化なし、と」

「頭ぶっ叩くのが…」

 

ドゴン

 

それを口にした次の瞬間、カンナは壁を殴っていた。

傷が開き、再度出血する。

「それだけは、絶対やっちゃいけねぇことだろうがよ」

最近はこれの繰り返しだ。

解決策を探すが、毎回ここに行きつく。

その度、自らの身体を傷つける。

「はぁ…、はぁ…」

「次の隠れる場所、探さないとな」

 

 

 

 

 

目の前に、それはいた。

いや、『いてくれた』の方が正しいか。

一週間探してようやく見つけた。

足音は立てちゃいけない。

バレてはいけない。

チャンスは一度きり、逃したら次はない。

静かに近づく。

荷物の中から、ソレを取り出す。

幸い、近くにほかの人はいない。

絶好のチャンスである。

背後についた。

あとは、振り下ろせば…!

「辞めといた方がいい」

「それはこの状況で最低最悪の悪手だ」

振り下ろす前に、目の前のそれは語りかけてきた。

 

 

気づかれた。

まずい。

一番バレちゃいけないタイミングでバレた。

「女がそれを持つのは厨房って相場が決まってんだ」

「他の人が来る前に早くそれをしまいな、奥沢美咲さん」

目の前のそれは、こちらに振り向き、名前を口にした。

「なんで、怒らないの?殺されそうになったんだよ?」

「殺されてない」

「殺そうとしたんだよ?」

「俺はまだ何もされてない」

「その調子だと、あいつも学校に行ってないのか」

「…」

カンナの問いに、美咲は無言で頷く。

「…健人さんに聞いた」

「あぁ、あいつの連絡先は持ってたっけか」

「それで、俺も学校に行ってないこととかわかったと」

「でも、それだけはやっちゃいけねぇ」

「さっきも言ったが、それは最低最悪の悪手だよ」

「どういう意味?」

「お前も死ぬ、いや、殺させる」

「誰に?」

「そりゃあ、あいつ以外にいないでしょ」

「俺は、追われてるだけだよ」

「なんで…逃げてるの?」

「受け入れてあげればいいのに」

「まぁ、受け入れても良かったのかもしれないね」

「でも、こんな俺にもさ、好きな人くらいいるんだよ」

「そう…なんだ」

「だがね、その好きな子にさ、好きな子がいたんだ」

「それが、『弦巻こころ』だ」

「え…?好きな人の好きな人がこころ?」

「もしかして、そういうこと…?」

「いや違うよ?ホモとかそういうことじゃないよ?」

「だからね、俺は受け入れるわけにはいかないんだ」

「まぁ、それ以外の理由もあるんだけどね」

「どっちかというとそっちがメインなんだけど」

「誰が好きなの?」

「へ?」

「誰が好きなの?」

「え?そんな流れだったっけ?」

「なんとなく知りたいなーって」

「あたしの知ってる人?」

「…まぁそうだね、知ってるよ」

「あたしの知ってる人で、こころを好きな人かー」

「絶対俺より奥沢さんの方が詳しいよ」

「本当に?」

「絶対、奥沢さん以上にその人を知ってる人はいないと思うよ」

「…」

(最大限のヒントは出してるはずなんだけどなぁ…)

(まぁここではっきりと言葉にできないあたり、つくづくヘタレだよなぁ俺って…)

「…」

「もう少しヒントない?」

「えぇ…」

「いっそもう答え教えてくれても」

「察しが悪いなぁ…」

「え?」

「俺が好きなのはな!おま「見つけたわ」」

ようやくカンナがソレを口にしようとした時に、運悪く、こころに、黒服に見つかってしまった。

「チッ」

カンナは小さく舌打ちをして、すぐに逃走を開始した。

それを黒服達が追いかける。

そしてその場所には、弦巻こころと奥沢美咲だけが残された。

「カンナと何を話してたの?」

「こころが最近学校に来ないから、何か知ってるか聞いただけ」

「…なんで?」

「カンナは答えてくれなかったのかしら」

「答えてくれたよ、追われてるって」

「どうして、追ってるの?」

「美咲には関係ないわ」

「一ヶ月も学校来てないんだよ!?バンドの練習にも!!ソレで関係ないはないでしょ!?」

「関係ないわ」

「あたしとカンナに関わらないで」

その言葉を残して弦巻こころは、奥沢美咲をその場に残し、龍崎カンナを追っていった。

 

 

ポロ…ポロ…

(あたしとカンナに関わらないで)

拒絶された。

真正面から、拒絶された。

ポロ…ポロ…

(好きな子にさ、好きな子がいたんだ)

(奥沢さん以上にその人を知ってる人はいないと思うよ)

意味がわかった。

拒絶されて、突き放されて、わかった。

「こころが、好きだったんだ」

こころが好きだった。

ずっと目で追ってた。

その笑顔が好きだった。

その元気な声が好きだった。

こころと一緒にいたかった。

こころと一緒に過ごしたかった。

学校が好きだった。

こころと一緒にいれるから。

バンドの時間が好きだった。

こころが楽しそうに笑うから。

それなのにこころは急に姿を見せなくなった。

学校にも、バンドにも来なくなった。

それで、もしかしたらと思って聞いてみたんだ。

そしたら、同じ時期から彼も学校に来てないことがわかった。

気づいた時には、探してた。

奪われたと思ったんだ。

奪い返さないとと思ったんだ。

だから殺そうとしたんだ。

なのに、それに気づいたのに、彼は怒らなかった。

好きな人の好きな人に、追われている。

好きな人に殺されかけた。

なのに彼は…。

ポロ…ポロ…

取り残された奥沢美咲は、どうすることも出来ず、ただ1人そこで泣いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「…」

日も暮れ、人気のない公園で、カンナは一人ベンチに腰かけていた。

もう、疲弊しきっていた。

カンナ自身、この公園のことは知らなかった。

ただ逃げているうちに、たまたま見つけた公園だ。

狭い路地裏を抜けた所にあった、もう何年も誰にも使われていないであろう公園。

遊具はサビつき、電灯はもう辺りを照らす気配はない。

真っ暗だ。

誰もいない。誰も来ない。誰も知らない。

だがそれでも、何故かこの場所がカンナには心地よかった。

「俺は…ヒーローなんかじゃない。英雄なんかになれるはずなかったんだ」

「どれだけ憧れても、どれだけ努力しても、そうなれるわけがない」

「だってこの世界には、ソレは必要とされてないから」

「だってこの世界には、怪人も怪物も、正義の味方がいないと倒せない災厄なんてないんだから」

「だから、所詮俺は強く憧れたその他大勢のうちの一人でしかなかったってことか」

「はは…なんか、魔法、解けちゃったかな」

 

ザー

 

「…雨、か」

「なぁ、お前は泣いてんのか?」

「それとも、こんな無様な俺を嘲笑ってんのか?」

「まぁ、どっちでもいいや」

「どっちでもいいからさ」

「もっと強く、もっと激しく」

「もういっそ、何もかも…流してくれないか」

カンナはベンチに座ったまま、天にそう話しかけた。

この一ヶ月逃げ続け、カンナは初めて何かに願った。

カンナはもうとっくに限界だった。

いや、カンナはとっくの昔に己の限界を迎えていたんだ。

それでも、カンナは一度として弱音を吐かなかった。

強さを求めた。

大切なものを守りたかったから。

ヒーローに、英雄に憧れた。

なら、弱音を吐いている暇なんてない。

だったら、膝をついている余裕なんてない。

限界なんて知っていた。

無理なんてことはわかっていた。

どれだけ憧れても、どれだけ強く願っても、それらは全て想像上のもの。

決して、そう在ることなんてできないのだから。

だが、遂にカンナは認めてしまった。

自分の限界を。

そうはなれないということを。

それが『魔法』だったのだ。

カンナの唯一の支えが、唯一の頼みがついに壊れてしまったのだ。

「なぁ、雨は好きかい?」

カンナはベンチから立ち上がり、路地裏から入ってきた少女に話しかける。

「俺は好きだよ、雨」

「強ければ強いほど、激しければ激しいほどに」

「気に入らないわ」

「はは、天候にまで嫉妬すんなよ」

「なぁ、これが最後だ」

「俺に構うな。追ってくるな。回れ右して家に帰ってくれ」

「それだけでいいんだ。それだけで、全て平和に終わるんだ」

「……」

カンナは、目の前に立つ少女に最後の警告を発した。

願った。

目の前の少女が従ってくれることを。

この一ヶ月に及ぶ逃走劇が、『何も起こらなかった』で終わってくれることを。

「……」

だが、目の前の少女は動かない。

それは、カンナの最後の願いすら、叶わなかったことを意味する。

「はぁ…、まぁこれで言うこと聞いてくれるなら一ヶ月も逃げてないよな」

「わかった、もうわかったよ」

「よく頑張った、うん、よく頑張ったよ」

「だから、もういいよ」

それを聞いて、目の前の少女が暗い世界でもわかるほど、明るい顔をした。

「ようやくあたしのも「全部捨ててやるよ」」

しかし、その希望的観測は、被せられた言葉で一瞬にして破壊される。

「何もかも、俺の全てを投げ捨ててやる」

「俺は主人公じゃない」

「ヒーローになんて『英雄』になんてなれるはずなかった」

「紛い物『龍崎カンナ』は死んだよ」

「ここに居るのはただの化物だ」

「覚悟はいいか?」

「俺はできてる」

「死にてぇ奴から前に出ろ」

「さぁ始めようか、このお誂え向きの空の下で」

「ここが正真正銘『最終決戦(LAST DANCE)』だ!」


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