GBN、ロビー
荒野フィールドから帰って、ロビーに着いたヒロトとフィオは一緒に歩いていた。
「最近のミッション、マジリアルじゃねぇ?臨場感マシマシでアガるよな!」
「なんかNPDも、前より個性出してきてるよねー。ロックオンの色気とかヤバすぎー!」
「めっちゃ分かる!ハマーン様めっちゃいい匂いしたし」
「なにそれ、嗅いだの?」
(うわぁ………)
歩きながら一部ダイバーたちの会話を聞いて、若干引いているフィオ、彼女はこの後どうするかヒロトに聞いた。
「この後はどうします?ヒロトくん」
「この後は、もうログアウトして帰ります。もう遅いですし、フィオさんは?」
「私はもう少しーー」
「ようっ!あんたら!」
「「ん?」」
会話をしながら歩いていると、一人のダイバーに話しかけられた。
「探したぜ!俺の名はカザミ!人呼んで、ジャステスナイト!キャプテンと呼んでくれてもいいぜ!」
(ナイトなのにキャプテンって………)
「あぁ……悪いけど」
「ズバリ!ヒーローになる男だ!ふんっ」キラン
「「あ………」」
あまりの自信たっぷりな自己紹介に、呆然となるヒロトとフィオ。そして、カザミはヒロトに肩を組み、二人を見ながら続けた。
「見てたぜ!さっきのバトル。やるじゃん!…えっと、ヒロトとフィオ?」
「呼び捨てしないでください」
「あ、すみません。じゃなくて!」
おほんと咳をたて、一泊置いてからカザミは続ける。ちなみにフィオはどこか冷たい視線。
「今度のバージョンアップで増えた高難度ミッション。最初にクリアしたパーティだけがもらえる、特別称号を狙ってるんだ」
「興味ない」「興味ありません」
「なんだよ、オレの実力を疑ってるのか?2年前の第二次有志連合戦知ってるか?」
カザミは自慢するように続けて言っているが、ヒロトとフィオは興味を持っていなかった。だが……
「並居るトップランカー達を蹴散らし、あのチャンピオンを撃破した、“ビルドダイバーズ”の攻撃隊長……」
「!」ギロ
(ヒロトくん?)
ビルドダイバーズと聞いた瞬間、ヒロトはカザミを睨むように見た。それにたじろぐカザミ。ヒロトの変化に驚くフィオ。少しの沈黙、
「……にもなれたかもしれなぇくらいの、逸材が、この俺のわけよ」
持ち直したカザミがいう。しかし、
「あいつ、またやってるぜ」
「この間は、元アヴァロンとか言ってよ。よくやるよな」
ロビーにいたダイバーたちの話を聞いて、フィオは目を細めてカザミを見た。
「へー……」ジト
「ギクッ……あ!ちょっと!」
ヒロトはカザミの腕を振り解いて離れた。
「悪いけど、俺はここにガンプラバトルをしに来てるわけじゃないんだ」
そう言い、ヒロトはログアウトをして、消えた。
「ぐっ!んだよ!じゃあ……フィオ…さんは……」
「嘘つきさんと一緒に組みたくありません」
「え!?」
「では」
そう言い、フィオもログアウトした。
「」ガーン
カザミは真っ白になっていた。
※
ディメンションから現実に戻り、一人の女性がヘッドギアを外す。
「ふう……」
彼女は先ほどログアウトしたフィオこと【フィオナ・エンフィールド】、彼女は筐体に置いているラプターガンダムを持ち、部屋から出た。
部屋から出てカウンターを見ると男性店員と学生が話をしていた。
「ん?おお、お疲れフィオナちゃん」
「お疲れ様です、マツムラさん、ヒロトくん」
「お疲れ様です、フィオナさん」
男性店員は【マツムラ・ケン】、ここ【THE GUNDAM BESE】の店長を勤めている。Zガンダムのヘンケン・ベッケナーのファンで、彼の髭はリスペクト証である。
学生は【クガ・ヒロト】、フィオナよりログアウトしたダイバー【ヒロト】である。
「ねえねえ、フィオナちゃん」
「ん?」
「これ。本当にやってくれない?」
マツムラは後ろに出ているバイト募集の張り紙を見せて聞いた。話から察するに何度も勧誘しているようだ。
「すみません、大学とGBNに集中したいので」
「そっかー、ガクシ」
「あはは(苦笑)、今度同じサークルの子達に聞いてみます」
「本当!よろしくね」
「はい」
その後、フィオナとヒロトはガンダムベース出た。
「それでは、私はこっちなので」
「はい、さよならフィオナさん」
「はい、さよならヒロトくん」
そう言い、二人は別れた。
「ヒロトくん!」
「?」
「またガンダムベースに来たらまた一緒に組みましょう!」
「………考えときます」
それだけ言って、ヒロトは帰った。フィオナはそれを見て、
「ヒロトくん……いったいあなたに……なにが………」
ヒロトの背中を見ながら、フィオナは悲しい顔をして呟いた。
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