魔法の杖ってドロップアイテムだけじゃないの?   作:星火 悠瑠璃

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 お久しぶりです。悠瑠璃です。

 大学6連レポート締め切り三日間に集中の型を最後の最後に食らい、やり遂げ…ではなく、何とか耐えきりました。

 そして来週は外部の英語の試験です。勉強期間とはいったい…


 ということでお待たせしてしまった方、次から展開が動き出します(おい)。

 テスト勉強の傍らで恐縮ですが、リュシー嬢の波乱の日常をお楽しみいただければ幸いです。

 ごゆるりと。


#9 魔女の誘い After

 なんとかお爺様の帰る時間に間に合いました。

 

 行きは私の家の、私が独自に手をかけた野菜を運んでいた部分には馬のエサらしき藁、もしくは寝藁でしょうか、それがあるからかはわかりませんが、何処か馬の脚も子気味良く、心地の良いリズムです。

 

 そうして何事もなくゆらゆらと馬車に揺られて見慣れた村へと帰り着きました。

 

 道に沿って似たような大きさの家が立ち並び、井戸の近くには大きめの広場、建物によっては玄関の近くに屋台の骨子のようなものが残り活発に商品のやり取りが行われていることがわかります。雪解けを迎えたばかりなので行商人の馬車も見当たりませんが、そのためのスペースや客室や酒場を兼ね備えた一際大きな建物。

 街のようにレンガ造りではなく、多くがウッドハウスのような質素かつ素朴で、手早く作られた中でも質実剛健といったコンセプトにも感じられます。

 

 私は村の井戸の近くでお爺様にお礼を言って馬車から飛び降り、清水をバケツより一回り小さいほどの木製の桶一杯分だけ汲み取って、帰路につきました。

 

 どうやら近くの酒場では街からか新しい植物の種を購入した、という声も酒に酔った大声に乗って漏れ聞こえてきました。

 

 閑静な村々に時折、陽気な農夫の声が聞こえる。少しだけ冷えるけど、一年を通して住み心地の良い気候。多分、前世を鑑みても極めて人の居住に適した環境と言えるでしょう。

 

 えぇ、なんてことのない日常が恵まれている、そういうことに気付けるときは足取りが軽くなるというものです。先ほどの馬もそうだったのかもしれません。

 

 そういえばお爺様が別れ際に、私の次もよろしくお願いしますという言葉に対して、今晩でも構わないとおっしゃっていました。あれは一体どういうことなのでしょうか。

 

 ふとした疑問もあまり脳裏に残ることなく、家までたどり着きました。

 

 我が家は私の魔改造…というのも何ですが、前世の寒冷地のお宅に倣って木製ながら玄関フードというものをつけています。云わば二重玄関というやつです。これは外の冷気を玄関を通して家に入れる

過程でもう一段改工程を踏むことで、寒さを和らげさせるものなのです。が、残念ながら現代ほどの遮熱素材ではない以上、そも家自体が冷えることもあるため、あまり意味を為しませんでした。

 

 お爺様に頼まれてお爺様の家にも作ったのですが、そちらはちゃんと機能していたのに。我が家のこれは要改良なのですが、あまり大きな木材が手に入らなかったことも含めて計画が滞っています。

 

 さて、井戸水を数少ない金属鍋に移し替えて調理窯(現代でいう所のコンロなのだが言葉が…)の上に置いて居間を見やると丁度母が編み物をしていました。

 

 都での働き口を見つけました。

 

 母にそう報告すると少し目を見開いたすぐに、どんなところなのか、と聞いてきました。

 

「今度街にできる魔法の学校の先生の助手です。都では研究一筋だった方だそうで、現地要員としての働き手を探しているとのことです。」

 

「そうなのね、貴女が大丈夫だというのならきっと大丈夫なのでしょう。」

 

 少し目を伏せた母でしたが、そういえば、と思い出したようにこちらに向き直りました。

 

「いつもお世話になってる、えぇと…ほら、今日も街まで乗せてくださった。」

 

「オールデンお爺様のことですか?」

 

 今日も街まで乗せてくださった、という言葉で母が言おうとしているのがお爺様の事だと分かりました。絵画やファンタジー映画によく出てくる白くてフワフワのサンタクロース髭が珍しいので印象に残りやすいのですが、こちらでは一般的なのでしょうか? 私以外の人からはあまり覚えられていないようです。

 

「そう、その方がね、もしこれから貴女が街で仕事を得て、それでもここで暮らすようなら、その子のお昼ご飯と引き換えに1頭老馬を貸して下さるそうよ。」

 

 …いや、馬って結構食べますよね? 食費が馬鹿にならな、い。あぁ、はい、そういえば私のお仕事って物価が違う職業なんでした。給料の前借とか大丈夫ですかね。

 

 というか、そもそも馬なんて一人で乗った経験なんてないのですが…、もっと言ってしまえば、補助が居ようと居まいと、前世も含めて30年以上の記憶の中に馬の背に乗るはおろか、直接馬に触れた事すらないのですが。

 

「かなりのお年寄りみたいだから速度は出せないけど、あまり食べないし、散歩がてら街まで歩かせてやってくれって。」

 

 練習する時間が欲しいです。あと定年後の道楽だとして馬って何頭も養えるものですか? 少なくともお爺様は3頭以上馬を所有しているように感じられるのですけれど。

 

 それこそ都出身でもなければ…いえ、詮索は失礼ですよね。

 

「それならば先ほど直接話してくださったらよかったのに。」

 

「貴女の方が働くかもしれないという話をしてあげてないのではなくて?」

 

 たしかに。

 

 帰り道の中、お爺様には今日の就職関連のお話をしていませんでした。今年は何育てよう程度の話と言いますか、普通に農村トークでした。

 

「今回のお誘いの返事をしに行く際にお話しすることにします。」

 

「えぇ、それがいいわ。あっ、でも未だ日があるのだし、夕食の用意は私がしておくから、今のうちにあの方のところにお伺いしてみたらどうかしら。それで都から来た新参者の方はとかく信用が落ちぶれようが、利益を出せるなら構わないところがあるから、ちゃんと仕事が始まったらお祝いしましょう。」

 

 あの、お母様? 貴女の中の都会から田舎へ来た人のイメージはどうなっているのですか?

 

「数字っていうのは慣れなのよ。生活にかかる金額、儲けとしてでる金額。あとは特産品みたいな場所によってはたくさんあるもの。そういうものの使い慣れた量とズレてしまうと、どうしても帳尻を合わせようとして、後々大事になるものを切り売りしてしまう人も少なくないのよ。」

 

 どこか懐かしむような、悲しむような目で手元を見やった母でしたが、さて、と立ち上がって、私に明日にでもお爺様に預けてくださる予定だという馬を明日借りれないか、聞いてくるよう言いました。

 

 日も暮れかかっていますが、少し早足で行けばお爺様の家まで行って帰ることはできるでしょう。

 

 

 

 行ってきます。

 

 

 

 たったそれだけの言葉が生涯耳に残り続けるとは、この時の私は思ってもいなかったのです。




 短いし質も低いですって?

 私も思います()


 徐々に勘を取り戻しながら、改めて魔法学校支部編(今考えたテキトーな名称)を次の次あたりからお楽しみいただけるよう、次話を執筆していきます(えっ)。

 趣味を再開し始めまして、学業でシャレにならないから、やりたいことが多すぎてシャレにならないに比重がシフトしています。ですが、いろんなことを経験して、作品内でキャラクタに還元できれば、という思いも2割くらいはありますので、もうちょいこっち優先しろや、位でご容赦いただけると幸いです()

 では、また、今度こそ近いうちに。
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