ニジガクビルドダイバーズ   作:バース・デイ

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デリートシステム

 

「おーい!皆ー!こっちこっちー!」

『リッくーん!旗少しずれてるよ!』

 

 

『ヒロトー、こっちの資材も向こうに運んでくれ!』

『わかった。』

 

 

ニジガクのフォースネストに集まった、ビルドダイバーズとBUILD DiVERSの面々。

リクが乗るガンダムダブルオーセイバーとユッキーの乗るデュナメスロックオンマスターがGBNの運営から支給されたガンフェス用の旗をフォースネストへと張り、ヒロトのサタニクスガンダムとカザミのガンダムイージスナイトがライブステージ用の資材を運ぶ。

それをカナタのビヨンドバルバトスリベイクやりなこのAEドムと言った力自慢のガンプラが組み合わせ、自分たちのステージを作り上げていた。

 

「うわぁ!すごいすごい!どんどんステージが出来ていってるよ!」

「お、来たねユウちゃん!」

「モモちゃん、お疲れ様!遅くなっちゃってごめんね。」

「構わない。ところで高咲、鐘の様子はどうだった?」

「元気にはなってきたけど、やっぱりGBNには入れないみたい。」

「そうか……。」

 

ランジュのお見舞いに行ってきたため、他の同好会メンバーよりも遅れてフォースネストにやってきたユウ、しおこ、ミアの3人。

その3人を出迎えたモモとシドからランジュの様子を聞かれたが、やはり彼女はバンシィ・ノワールとの一戦による精神的ダメージが大きいせいでGBNにログインできずにいた。

そこへユウ達の下へ、ガンフェス用ステージの進捗具合を見に来たキョウヤと、彼を案内しているアユムとエマもやってきた。

 

 

「お疲れ様、ユウちゃん、しおこちゃん、ミアちゃん。」

「チャオ~♪」

「アユム!エマさん!あ……こんにちは、キョウヤさん!」

「やぁ、ユウくん。それに皆も。いや、ステージの進捗を確認しに来たんだ。リクくんやヒロト達が手伝ってくれているようだね。」

「はい!すっごく助かってます!」

「ふむ……それにしても驚いた。ライブを披露してくれると言う事もだが、自分たちのステージは自分たちで作りたいとは……。」

 

 

本来、ガンフェスほどの大規模なイベントであれば、GBN側がステージを用意してくれる。

それこそドームレベルの物や、ニジガクほどの人気があればスペースコロニー級のステージだって用意してもらえる。

しかし同好会メンバー13人全員その申し出を断った。

自分たちのステージは、自分たちで作ると言い出したのだ。

 

 

「だって隊長、私達、アイドルじゃなくてスクールアイドルなんだよ?」

「せっかく私達のフォースネストを使って貰えるんだから、ステージは私たちが準備しなくっちゃ!」

「なるほど……君たちなりのこだわりってわけか。素晴らしいね。」

「それに、私達の本気のステージを届けなくちゃいけないから。だから、ステージは私達で用意したいんです。」

 

 

 

ガンフェスの前夜祭ステージを一番見せたい相手である、『大嫌い』の化身バンシィ・ノワール。

彼に奪われたマリナを奪還するために、最高の『大好き』をぶつける必要がある。

その為の一番ニジガクらしさを見せられるステージは、自分たちの手で作りたいと言うのが同好会の総意。

これに関してはリクやヒロト達、更にキョウヤの後押しもあり、GBN運営をなんとか説得できた。

ただし、今回の作戦には重要にして重大な欠陥が一つある。

 

 

 

「だけど、まだバンシィの居場所はわからないんだよね。」

「そもそも奴が尻尾を掴ませてくれるとは思えない。」

「…………。」

「隊長、どうしたの?」

「……いや、なんでもない……。」

 

 

 

未だに、バンシィ・ノワールの行方が分からない。

それどころかセツナとランジュとの一戦以降、マリナの行方すらわからなくなってしまっている。

その事でキョウヤが一瞬表情を歪ませたが、エマが尋ねるとすぐにいつもの顔に戻った。

 

 

「今、GBNが総力を挙げてバンシィ・ノワールの行方を追っているが……一体ヤツはどこにいるんだ?」

「いきなりライブ会場に押しかけられると、ライブを見せる前にステージを壊されちゃうよね。俺達が戦ってもいいんだけど、今回はそれじゃダメなんだろ、ユウ?」

「うん。私たちはバンシィを倒したいわけじゃ無いんだ。セカイさん達が一生懸命居場所を探してくれてるんだから、私達は私達に出来る事をしないと!」

 

 

(……カツラギさん…。)

 

 

1人、キョウヤは静かに拳を握る。

カワグチから、カツラギがヤジマ商事を退社した事を聞いたキョウヤは、カツラギがどのような行動に出たのか大方の予想はついていた。

ミス・トーリならば彼の事を知っているかと思い尋ねてみたが、彼女は何も語ってはくれなかった。

彼が今、どうなっているのか、どこにいるのかはキョウヤにはわからない。

彼はただ、チャンピオンながら戦友の無事を祈る事しか出来ないもどかしさを心の中で嘆いていた。

 

 

 

 

~~

 

 

ミス・トーリの計らいにより、自身のダイバーギアにバンシィ・ノワールの座標をインストールし、その場所へと向かうカツラギとその愛機であるデルタソニック+。

本来GBNのワープゲートを潜れば目的地までは一瞬で到着するのだが、今回は妙に長い。

もう数分は飛んでいるにも拘らず、未だに出口が見えてこない。

 

 

「どういう事だ……しかもこの先のエリアは……バンシィ・ノワール、一体何をたくらんでいる……?」

 

 

この先のエリアは、GBNからアクセスする事は可能だが、厳密にはGBNのディメンションとは言い難い場所。

GBNと直結しているとあるシステムの制御用ディメンションとなっている。

誤進入を防ぐため、通常よりも何百倍も長い距離を航行するルートとなっているのだが、もし本当にバンシィ・ノワールがその先にいるならば、事態は想像以上に深刻で最悪な事となる。

カツラギの想定する最悪の事態は、必ず防がなければならない。

そして、航行を続ける事およそ1時間……ついにワープゲートの出口が見えてきた。

飛び出したその先は、普段のGBNのディメンションの様な広大なエリアや宇宙空間が広がった光景では無く、0と1で構成された無機質なデジタル空間。

 

そして、その先に待ち受けるのは、全身に黒いサイコフレームを搭載した最凶のガンプラ。

 

 

 

「マリナ!!!」

 

 

『……何故、ここがわかった……?』

 

 

 

ユニコーンガンダム2号機『バンシィ』をベースとしたマリナの愛機、バンシィ・ノワールだ。

その姿はユニコーンモードのままであり、デルタソニックのレーダーで内部にマリナのデータがある事がわかる。

間違いなく、マリナは今バンシィ・ノワールのコックピットに乗っている。

ウェイブライダー形態からモビルスーツ形態へと変形したデルタソニックはバンシィ・ノワールの前に立ちはだかった。

 

 

『その機体……お前は……カツラギ……。』

「バンシィ・ノワール。お前の正体はすでにわかっている。マリナから生まれたELダイバー……GBNを破壊する悪意そのもの。」

『悪意だと……?』

 

 

ゆらりと構えるバンシィ・ノワールは、腰部にマウントしていたビームマグナムを手に取った。

それを見て、デルタソニックもビームサーベルを構えた。

 

 

『お前まで俺の事を悪意と呼ぶのか……?お前が俺を作ったと言うのに……。』

「そうだ。確かにお前は俺とマリナが2人で作ったガンプラだ。だがそれは心身共に傷ついたマリナの心を癒すための、友達となってもらうために作ったんだ。マリナを傷つけるためでは無い。」

『傷つける……?傷つけるだと……?マリナを傷つけたのは……お前たちだろう……!?』

 

 

 

そう言うと、バンシィ・ノワールはビームマグナムの引き金をデルタソニック相手に躊躇なく引いた。

だがデルタソニックはその攻撃を難なくかわし、バンシィ・ノワールへと接近する。

この攻撃はせつ菜やランジュではかわすことが精一杯だったが、カツラギはバンシィ・ノワールのわずかな動きからその行動を全て予測し、的確に攻撃を躱しつつ、ビームサーベルでビームマグナムを一刀両断した。

今度はバンシィ・ノワールもビームサーベルを抜き取り応戦しようとしたが、デルタソニックはその攻撃を完全に見極め、ビームサーベルを握っているバンシィ・ノワールの右腕を掴んだ。

今まで戦ってきたニジガクのメンバーやビルドダイバーズのリクも強敵ではあったが、カツラギの動きはそんな彼女たちやリクよりも更に洗練されている。

その事に一瞬驚いたバンシィ・ノワールだったが、すぐにカツラギの正体を思い出した。

 

 

『そうか……お前は、クジョウ・キョウヤにガンプラバトルを教えた張本人だったな……カツラギ……。』

「本当の姿を見せろ、ノワール。貴様を叩き潰し、その呪縛からマリナを解放する。」

『違う……俺が、お前たちからマリナを解放するのだ……!』

 

 

『NT-D』

 

 

バンシィ・ノワールがそう言った瞬間、彼の全身の装甲が開き始め、内部から漆黒のサイコフレームが露出。

各部位のパーツが組み変わり、バンシィ・ノワールはユニコーンモードからデストロイモードへと『変身』を遂げた。

それと同時にバンシィ・ノワールの背後から、『ブォン』という、モビルスーツの起動音に似たような音がディメンション中に鳴り響いた。

目を凝らすと、バンシィ・ノワールの背後には、モビルアーマー級の巨大な黒い塊のような物があり、それはバンシィ・ノワールからエネルギー供給を受けているように見える。

ここがGBN同様のネットワーク空間であるならば、バンシィ・ノワールの後ろの塊はその大きさからして相当な容量を持つプログラムであることがわかる。

 

 

「!? なんだそれは……?」

『コレはマリナの大嫌いを叶える為の物。彼女の大嫌いな物を、全て破壊するための俺の存在意義そのものだ。』

「よくわからんが、これだけは判るぞ、ノワール。貴様もそのプログラムも、この世に存在してはいけない物だと言う事はな!!」

 

 

 

ビームライフルを構え、バンシィ・ノワールを撃ち抜くデルタソニック。

対するバンシィ・ノワールも右腕のノワールブラスターでデルタソニックの銃撃を相殺し、近接格闘戦に持ち込むためにノワールクローを展開。

ガバッと開いたノワールクローがデルタソニックを掴もうと急接近してきたが、デルタソニックは一瞬でウェイブライダー形態へと変形してギリギリでその攻撃を回避した。

バンシィ・ノワールの真上を陣取ったデルタソニックが再びバンシィ・ノワールをビームライフルで撃つと、その攻撃は見事バンシィ・ノワールの右肩に命中。

今まで感じた事の無いほどの痛みに、バンシィ・ノワールは思わずその場で動きを止めた。

 

 

『……? なんだ、この攻撃は……!?』

「どうやら効いているようだな。」

『カツラギ……俺の身体に何をした?』

「俺が何の策も無く、こんな所まで来たと思うか?」

 

 

デルタソニックは空中で体勢を立て直すと、バンシィ・ノワールの前にコンソールパネルを出現させる。

そこにはどのガンダムシリーズにも該当しない、見覚えのないシステム名が書かれており、それがカツラギのスキルとしてデルタソニックに発動されていた。

 

 

「『デリートシステム』。暴走したELダイバーを完全消滅させるため、ゲームマスターの機体に組み込まれた人工知能破壊プログラムだ。」

「デリートシステムだと……!?」

 

 

このシステムは、実は3年前の第二次有志連合戦の時にはすでに完成していたプログラム。

その時はGBNに悪影響を及ぼすサラを消滅させるために作られ、キョウヤのガンダムAGEIIマグナムに組み込む予定だったが、結局は採用されずにペーパープランとして終わったシステム。

だがこのプログラム自体はずっとカツラギのダイバーギアに保存されており、今回バンシィ・ノワール特攻としてデルタソニック+に搭載された。

 

チャンピオンに匹敵する強さを持つカツラギと、ELダイバーを完全消滅させるためのデリートシステム。

 

この二つが組み合わせは、まさにバンシィ・ノワールにとっては天敵とも言える。

想定外の能力を前にバンシィ・ノワールは驚いたが、すぐに体勢を立て直し、再びノワールクローを構えた。

 

 

『何故お前たちは、この俺を否定する……?』

「愚問だな。」

『俺はマリナの心から生まれた存在だ……マリナがこの俺の存在を願ったのだ……!マリナの嫌いな物からマリナを守るために戦うこの俺を、マリナの親代わりであるお前が否定するな……!!』

「話にならん。マリナは、お前に守られなければならないほど弱い人間では無い。」

 

 

 

再びあいまみえる両者。

両者の攻撃がぶつかる瞬間、バンシィ・ノワールの背後の黒い塊が再び『ブォン』という音を上げながら、静かに、怪しげに呼応した。

 

 

 





~にじビル毎回劇場~

第99回:高咲侑スクールアイドル化計画

歩夢「…………。」

侑「小っちゃい頃の歩夢ってばそれはそれは可愛くて、特にあゆぴょんは最高だったよ~!」

愛「なにそれ愛さんも見たい!」

侑「あゆぴょんだぴょん♪」

愛「めっちゃカワイイ~!」

歩夢「………カワイイ……。」

侑「あれ?歩夢、いつの間に部室来てたの?」

歩夢「やっぱり侑ちゃんカワイイよ。こんなにカワイイ侑ちゃんがスクールアイドルやらないのはもったいないと思う。」

侑「え?いや、私はそういうの似合わないっていうか……。」

愛「愛さんもゆうゆがスクールアイドルやったら人気出るとおもうけどな~。」

侑「愛ちゃん!?」

歩夢「そうだよね!愛ちゃんもそう思うよね!?私の衣装着て見ない!?絶対に似合う!!」

侑「ちょ……あ、歩夢……圧が凄い……。」

せつ菜「でしたら私にもプロデュースさせてください!!」

ランジュ「そう言う事ならランジュに任せなさい!!侑を世界の人気者にしてあげるわ!!」

侑「2人ともいつの間に!?」

歩夢「じゃあまずは私達で侑ちゃんの曲を作ろっか愛ちゃん!あ、ミアちゃんにも協力してもらおうよ!」

愛「よーし!そうと決まればレッツゴー!」

侑「いやだから私は……だ、ダレカタスケテー!!」



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