ニジガクビルドダイバーズ   作:バース・デイ

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(6/15追記)私用により、次回はお休みします。



出撃、レインボーユニコーン

 

ついにガンダムフェス……通称ガンフェス前夜祭を目前に控えた日。

GBNはガンフェスの話題で持ちきりであった。

どのディメンションに行っても、そのディメンションに合わせた催し物の準備がされ、出店やパーツショップが数多く設置。

リアルの方でもガンダムベースダイバーシティ店をはじめ、横浜のシーサイドベースや福岡のガンダムベース福岡、更にごく最近オープンしたららぽーと福岡のガンダムパークなどもガンフェスに合わせた催しがなされる。

しかも日本だけでは無く全世界同時開催のお祭りであるため、各国に支社を構えるヤジマ商事はそれぞれの国でも日本と同等以上の規模のイベントを用意し、世の中はまさにガンダム一色といった空気が流れていた。

特にガンダムベースダイバーシティ店は、『機動戦士ガンダム』の生まれ故郷である日本に初めて生まれたガンダム専門店と言う事でガンフェスの中心地となっており、ユニコーンガンダム立像を中心に様々なイベントが企画されている。

 

その中でも目玉であるのが、最近注目のフォース『虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』による前夜祭ライブと、その翌日に行われるガンフェスオープニングセレモニー特別エキシビションマッチ。

 

前夜祭ライブはGBN内で行われ、このイベントにはガンダムに興味が無い若い女性層も注目されている。

そしてエキシビションマッチでは、伝説のガンプラファイターであるイオリ・セイと、GBN次期チャンピオンとも言われるミカミ・リクのバトル。

 

 

そんな楽しいはずのお祭りなのだが、このイベントにある意味もっとも深く関わる人物でもある侑の心は穏やかでは無かった。

 

 

 

~~

 

 

「行くよ!!レインボーユニコーン!!」

 

 

GBNでフォースネストにライブステージを完成させたユウは、ビルドダイバーズのフォースネストへと赴き、リクのダブルオーセイバーとユッキーのデュナメスロックオンマスター、そしてアヤメのRX-零丸を相手に特訓に明け暮れていた。

デストロイ・アンチェインドとなったレインボーユニコーンの猛攻歯凄まじく、ダブルオーセイバーと零丸ですら攻撃を受け切るので精一杯となっている。

だが、その隙をついてデュナメスロックオンマスターがレインボーユニコーンを狙撃し、攻防は一進一退。

 

 

「はぁ……はぁ……!」

『ユウちゃん、大丈夫?』

「はい……もう一回お願いします、アヤメさん!」

『だけど明日は前夜祭ライブ本番だよ。俺は特訓できるからありがたいけど、ユウは少しでも体力を残しておかないと。』

「だけど、今の私じゃバンシィを止められるかわからない……もっと強くならなくちゃ!」

 

 

そうして操縦桿を握ったユウ。

再び攻撃を繰り出そうと操作をするが、その時に少し違和感を感じた。

 

 

「あ、あれ?ユニコーン?あれあれ?」

『どうしたの?』

「いや……なんか、ユニコーンが動かなくて……おっかしいなぁ……。」

 

 

何故かレインボーユニコーンが思う通りに動いてくれない。

ユウはまだ体力は残っているし、先ほどまでは快調に動いていたが、どういう事か操作がままならなくなってしまった。

するとレインボーユニコーンの前にダブルオーセイバーがやってきて、コックピットハッチを開けて中からサラが飛び出す。

彼女がレインボーユニコーンのコックピットハッチを叩くと、ユウはそこを開けてサラを中へと迎え入れた。

 

 

「どうしたのサラちゃん?」

「この子が……、」

「ユニコーン?」

「この子が、ユウに休めって言ってる。あんまり無理してほしくないんだって。」

「そうなの……?」

「うん。」

 

 

サラはELダイバー。

ガンプラの気持ちがわかる彼女に言われたら、そうなんだと信じるしかない。

レインボーユニコーンがその場に膝をつくと、ユウとサラはコックピットから出てきた。

それを見た他の3人もガンプラから降り、ユウの元へと集まった。

全員が集まると、ユウはレインボーユニコーンを見上げる。

 

 

「私、大丈夫かな……。」

「不安?」

「うん……私、今まで何度かバンシィ・ノワールとは戦った事はあるんだけど、一回も勝てて無くて……自分から言いだしたことなんだけど、皆の大好きって気持ちを、私が伝える事が出来るのかなって……。」

 

 

バンシィ・ノワールは非常に強力な相手。

更に今回は、それに加えてモビルアーマー『アナザーノワール』も相手にしなければいけない。

そんな相手に、皆のライブを見せてマリナを助けることが出来るのか……ミス・トーリからカツラギのデータを貰ったユウは、それからずっと不安を隠し切れていない。

その事がガンプラバトルに影響しているのか、ユウの戦い方は以前自暴自棄になってマスダイバーに戦いを挑んでいた頃の彼女に似ていた。

不安に俯くユウだが、その背中をリクとユッキーが叩いた。

 

 

「大丈夫だって!」

「いてっ!?」

「あ……ごめん、強すぎた……?」

「う、ううん……。」

「ユウなら大丈夫だよ。君が皆の大好きって気持ちを届けるために毎日頑張ってる事は、俺達がよく知ってる!」

「ユウちゃん、毎日遅くまでフェスの準備や特訓やってたし、きっと大丈夫!ボク達が保証するよ!」

「まだであって日の浅い私達のお墨付きじゃ心もとないだろうけどね。」

「リクくん、ユッキー、アヤメさん……皆、ありがとう。」

「ユウはコレからどうするの?」

「実は私、今皆の為に新曲を作ってて……。」

「新曲?」

「12人の為の曲と、あともう一つ。ランジュちゃんが戻って来た時の為に、皆で歌える曲を作ってるんだ。」

「もう一つの曲っていうのは?」

「アハハ……それはね、秘密!」

 

 

そう言い残すと、ユウはそのままログアウトして行った。

今日のユウは自宅からログインしているから、そのまま曲作りをするのだろう。

 

 

 

「俺達も、何かユウの助けになれないかな……。」

「確かに、私達が手助けした方がバンシィ・ノワールに勝てる確率は上がるとは思うわ。だけど、今回はただ相手を倒すだけじゃない。」

「マリナの心を救わないと、本当の解決にはならない……か……。」

「もしバンシィがユウちゃんの説得に耳を貸さない場合は、ヤジマ商事が手助けに入るようになってはいるけど……。」

「こういう時、信じて待つことしか出来ないって、もどかしいな……。」

 

 

 

~~

 

 

「あれ?」

 

 

その頃、ガンダムベースダイバーシティ店にやってきた歩夢は、ユニコーンガンダム立像を見て驚いた。

全身の関節部に固定金具がされており、動かす予定のパーツが全て動かないように固定されてしまっている。

しばらくユニコーンガンダムを見上げていると、歩夢の姿を見つけた人物から彼女は名前を呼ばれた。

 

 

「おーい!歩夢さーーーん!」

「こっちでーーす!」

 

 

「あ、せつ菜ちゃん!しずくちゃん!」

 

ダイバーシティの前で歩夢を待っていたせつ菜としずく。

2人と一緒にガンダムベースへと足を運ぶと、彼女はまず最初に二人に礼を述べた。

 

 

「ごめんね二人とも、練習も忙しいのに呼び出しちゃって。来てくれてありがとう!」

「いえ、お気になさらず。」

「……ですが、ユニコーンガンダムは残念でしたね。」

「うん……でもこればっかりは仕方がないよね。」

 

 

バンシィ・ノワールの目的がユニコーンガンダムを乗っ取って虹ヶ咲学園を破壊する事だと判明した今、ユニコーンガンダムを動かせる状態にしておくのは非常に危険。

しかし、かと言ってこれからユニコーンを撤去したり、関節部を動かないパーツに交換する時間などは無い為、固定金具を付けるぐらいの処置しか出来ない。

それでも一応はELダイバーが操縦できないようにシステムには何重にもプロテクトはかけている。

サラとメイの二人掛かりでも動かせなかったため、対策としてはかなり厳重にされている。

 

 

「それで歩夢さん、お話と言うのは?」

「あ、そうそう!2人に相談があるの!」

「相談ですか……もしかして、侑先輩の事ですか?」

「えぇ!?ど、どうして!?」

「歩夢さんの悩みといえば、大抵侑さん絡みですから。」

 

 

ニコッと笑うしずくの顔を見て、歩夢は顔を赤らめながら俯く。

カバンを開き、そこから一枚の紙を取り出すと、それをしずくとせつ菜の前に広げた。

 

 

「これは!」

「私と歩夢さんとせつ菜さんのガンプラによる、レインボーユニコーンガンダムの強化プラン……?」

「う、うん。少しでも侑ちゃんの力になりたくて……だけどみんなライブの準備や練習で忙しいから……だけど私一人で考えるのも不安だし、同じユニットの2人に協力してもらえたらなって……ダメ、かな?」

「ダメなわけないじゃないですか!!というか、実は私も同じことを考えていました!!」

「そ、そうなの?」

「私とせつ菜さんも、侑先輩の為に何かできないかなって、考えていたんです。でもなかなかいいアイデアが出なくて……歩夢さんのアイデア、凄く良いと思います!」

「よ、よかったぁ~!断れたらどうしようかと思ったよ~。」

 

 

 

歩夢が提案してきたのは、ガンダムブレイブインパルス、ガンダムスカーレットクアンタ、O-ドリーガンダムによるレインボーユニコーンガンダムの強化プラン。

レインボーユニコーンガンダムにはドリームシルエットとの合体機能が備わっているため、その機構を利用しての機動性及び運動性向上目的のアームドアーマーの製作を目的としたプランである。

 

 

「ふむふむ……歩夢さんのパーツを起点に、私としずくさんのパーツを合体させると言う事ですね。」

「ドリームシルエットと合体できるなら、ブレイブシルエットとも合体できると思うんだ。2人のGNドライブと組み合わせれば、もっと強いシルエットを作れると思うの。」

「面白そうなプランだと思います歩夢さん!ですが、明日までに間に合うんでしょうか……。」

「この3人で力を合わせればきっと大丈夫ですしずくさん!歩夢さん、やりましょう!」

「ありがとうせつ菜ちゃん、しずくちゃん!」

 

 

 

 

~~

 

果林と愛の2人は歌とダンスの練習は万全に整え、休憩がてら愛の実家のもんじゃ焼きに舌鼓をうっていた。

香ばしいもんじゃ焼きの香りと味を楽しみながら、果林はウーロン茶に口を付ける。

すると一仕事終えた愛がエプロンを外して果林の座る席の対面に腰かけた。

 

「お疲れ様、愛。ごめんなさいね、あなただって練習で疲れているのに、私だけ先に戴いちゃって。」

「ううん、気にしないでよ果林。それより、いよいよ明日だね。」

「えぇ。」

「ゆうゆ……大丈夫だよね……?」

「不安?」

「そう言うんじゃないけど、なんか、色々ありすぎて。」

「気持ちはわかるわ。」

「アタシ達も、ゆうゆの為に何か出来たらいいんだけどなぁ。」

「その事なんだけど、後で少し話せる?」

「?」

 

 

もんじゃ焼きを全て平らげ、果林と愛はそのまま店を出て愛の家の玄関の方へと回り込み、愛の自室へ。

果林は鞄の中からキュベレイ・ビューティーを取り出すと、それを愛の机の上に置いた。

 

 

「相変わらず果林のキュベレイって綺麗だよねぇ。キュベレイって、けっこう胴体太いイメージがあるけど、果林のやつはスラッとしててモデルさんみたい。」

「そこよ。」

「え?」

「キュベレイ・ビューティーは細めの改造をしてるから、偶然にも一部のパーツは他のガンプラと互換性があるの。まぁ、これはエマが気付くまで私も知らなかったんだけど。」

「あ、ってことはもしかして!」

「コレとあなたのガンプラを使って、侑の助けにならないかしら?」

 

 

キュベレイ・ビューティーは通常のキュベレイよりも細い為、リアスカートの接続を少し工夫すればレインボーユニコーンガンダムに装着が出来そうなサイズ。

愛の愛参頑駄無もSDガンダムゆえに改造の汎用性は高い。

果林の提案を聞いた愛はすぐに引き出しを開けて、そこからとある物を取り出した。

 

 

「それは?」

「ほら、愛参頑駄無大笑軍って使える時間短いのが欠点じゃん?そこで愛さん、ずっと大笑軍でいられるようにそれ用の鎧を作ったんだよね!ほら、大砲とかファンネルとかいっぱいついてて強そうっしょ?」

「凄いじゃない愛!これとキュベレイ・ビューティーのクリアファンネルを侑が使えるようになれば……、」

「最強のユニコーンの完成じゃん!」

「そうと決まれば、早速やるわよ!」

「果林のパーツはスカートのところなんだよね?じゃあ愛さんのは取り回しが邪魔にならないように脚に付けれるようにしよう!」

 

 

 

 

~~

 

 

エマ、カナタ、かすみん、りなこの4人はまだGBNでライブの振り付けの再確認をしていた。

特に今回のライブ、エマはかなり気合が入っている。

彼女はAVALON時代に第2次有志連合戦に参加したという事もあり、同好会13人の中では特にバンシィ・ノワールへ対する想いは強いようだ。

愛機であるヴェルデブラストガンダムの前でダンスの練習をしているエマのもとへ、へとへとになった3人がやって来た。

 

「ふぅ……あ、皆お疲れ様!」

「頑張ってるねぇエマちゃん。」

「かすみん達もうへとへとですぅ~……。」

「エマさん、やっぱりバンシィ・ノワールの事気になるの?」

「そうだね。マリナちゃんの事ももちろん心配なんだけど……私はノワールの方も気になる、かな。」

「エマちゃんはそうだよね。」

 

 

バンシィ・ノワールは確かに元はガンプラであるが、どういう経緯で生まれたとはいえ今はELダイバーとして命を持った存在。

GBNの運営はそんな命を持ったバンシィ・ノワールを消滅させるように考えていたが、エマはそうは考えられない。

それでは3年前のサラの時や、ヒロトから聞いたイヴの時と同じになってしまう。

 

 

「私も侑ちゃんやせつ菜ちゃんみたいに、ノワールに大好きって気持ちを伝えたい。その為のライブだけど、私もノワールと戦いたいって気持ちはあるかな。」

「んー……だったらさ、間をとっちゃおうよ。」

「どういうこと?りなこちゃんボード『はてな?』」

「侑ちゃんに、カナタちゃん達のガンプラも一緒に連れていてもらおうって事~。そうすればライブは出来るし、カナタちゃん達だってバンシィと戦えるし。」

「連れて行ってもらうって、どうやってですか。」

「そっか!そう言う事だねカナタちゃん!」

 

 

カナタに言われて、エマは思い出した。

ユニコーンガンダムの強化プランの一つに、『フルアーマー・ユニコーンガンダム』という物がある。

カナタはつまり、自分たちのガンプラのパーツを使ってそれを再現しようというのだ。

 

 

「私達のガンプラは高火力の物が多いから、上半身に武装を集中させればいけるかも!」

「カナタさんのダブルリベイクライフルの接続パーツを使えば、色々できそうかも。」

「大丈夫なんですかコレ?ごちゃごちゃしてません?」

「その方が私達らしいよ~。」

「それじゃあさっそくログアウトして取りかかろう!本番は明日だよ!」

「ま、間に合うんですかねぇコレ!?」

「間に合うかどうかじゃなくて、間に合わせる!りなこちゃんボード『むんっ!』」

 

 

 

~~

 

 

「ランジュ、お花取り替えますね。」

「もうすぐ退院なんだからそこまでしなくてもいいのに。」

「黙って受け取ってやれよランジュ。栞子、この花を選ぶのに相当時間かけてたんだから。」

「み、ミアさん!」

 

練習の合間にランジュのお見舞いにやって来た栞子とミア。

医者も驚くほどの回復力を見せたランジュは、もうすぐ退院できるそうだ。

しかし元気になってもランジュはガンプラバトルを無意識で避けており、GBNにログインする事が出来ないどころかガンプラに触る事すらままならない。

バンシィ・ノワールから受けた衝撃と恐怖は、想像以上の物だった。

そのせいでライブにも参加できず、折角13人揃った同好会なのに1人だけ出場できない事に、ランジュは申し訳なさそうにしていた。

 

「それより、本当にごめんなさいね、2人とも。」

「何回謝るんだよ、全く君らしくもない。」

「な、なによぉ……。」

「フフフ、こんなに大人しいランジュも珍しいです。」

「栞子までぇ!」

 

しばらく談笑しあった3人。

すると、ランジュが再び話を切り出した。

 

 

「ねぇ、明日にはマリナ、ちゃんと戻って来てくれるのよね?」

「あぁ。ベイビーちゃんならやってくれるよ。」

「侑さんを信じましょう。」

「アタシ、マリナが戻ってきたら、あの子に伝えたい事があるの!だけど、アタシはまだライブに出られないし……でも、何かしたいの!ねぇ2人とも、ランジュはどうしたらいいと思う!?」

「その事なんですが、実はミアさんと話し合って、ランジュにお願いをしようと思いまして。」

「なに!?何でも言って頂戴!」

「だったら遠慮なく。ランジュ、君から借りていたシランジュのパーツ、もう少しだけ借りててもいいかな?」

「シランジュの?いいけど、どうするの?」

「私のデスティニーフリーダムとミアさんのライトニングトールギス、そしてランジュのシランジュを組み合わせて、侑さんの為の武器を作ろうと思うんです。」

「武器を?」

「あぁ。ボク達の歌だけじゃなくて、ボク達のガンプラに乗せた想いも一緒に、マリナに届けてもらうんだ。」

「良い!すごくいいアイデアだわ!むしろランジュからお願いしたいぐらい!アタシのシランジュも使ってあげて!」

 

 

快くシランジュの提供を了承してくれたランジュ。

早速製作に取り掛かりたいところだが、あいにくここは病院。

さすがにこの場でガンプラ作りをするわけには行かず、栞子とミアはいったん栞子の家へと行く事になった。

2人が去って、病室に残されたランジュはスマホでガンフェスの告知PVを見る。

そこでは同好会のライブの告知もされていて、今でも凄い勢いで拡散されている。

 

 

「アタシも、ここに行けたら……。」

 

 

 

 

~~

 

 

「出来たーーーーー!!!」

 

 

GBNからログアウトした侑は、その日の深夜まで曲作りに没頭していた。

同時に二曲を作曲するのはかなり大変だったが、不思議と疲れは無かった。

 

 

「うん。今までで一番の曲だ!……ランジュちゃんもいたら、この曲をガンフェスでやってもらいたかったんだけどな。」

 

 

あくまで今回作った曲は、同好会の12人の為の曲。

11人で歌う為の曲では無い為、ランジュがライブに参加できない今回は出番が無いだろう。

そしてそれは、もう一曲の方も同じで、今回ライブで披露できる曲では無い。

しかし、それでも侑は作りたかった。

というより、作らないといけない……レインボーユニコーンガンダムを見ていると、そんな風に思えた。

 

 

「どうしてかな?レインボーユニコーンを見てると、この曲をすぐに作らなきゃいけないって気がしたんだよね……思えばあなたは、最初から不思議なガンプラだったよね。」

 

 

侑が最初にユニコーンガンダムを手に取った時、このガンプラに同好会の皆の様なトキメキを感じた。

それから侑は、GBNでは初めてのアシムレイトを取得し、レインボーユニコーンは本来ありえない様な力を発揮して侑や同好会の皆を助けてくれた。

明日は侑と同好会、そしてレインボーユニコーンガンダムとの絆が試される、運命の日。

 

 

「いよいよだねレインボーユニコーン。」

 

 

ガンフェス前夜祭ライブ、そしてバンシィ・ノワールとの最後の戦いまで……残り14時間。

 

 

 

 

 

~~

 

 

一夜が明け、いよいよガンフェス前夜祭開催当日。

本番のガンダムフェスが開催される前の、特別なライブの日。

GBNのフォースネストに集まった虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の面々と、彼女たちと絆を深めたGBNの仲間たち。

今日の夕方16時、ついにガンフェス前夜祭ライブが幕を開ける。

そして、バンシィ・ノワールとの決着も。

すでにユウは出撃準備が出来ており、格納庫にはレインボーユニコーンガンダムが待機していた。

 

 

「ユウちゃん!!」

 

 

「! アユム!皆!」

 

 

レインボーユニコーンに乗り込もうとするユウの下へ、アユムをはじめとした同好会のメンバー達が集まって来た。

彼女たちだけでは無く、リクやヒロト達、マギー、シャフリヤール、タイガーウルフ、キョウヤ。

それに4代目メイジン・カワグチとセカイ、ニルスも一緒だった。

 

 

「皆、ライブ頑張ってね!皆の気持ちは、私が絶対にマリナちゃん達に伝えるから!」

「うん……あの……あのね!」

「?」

「コレ!受け取ってほしいの!!」

 

 

そう言いながらアユムが出してきた物は、ガンプラのパーツだった。

それを受け取り、ユウはマジマジと見つめる。

 

 

「これって、ブレイブシルエット?でも、なんか少し形が……セツナちゃんとしずこちゃんのガンプラのパーツみたいな物もついてるし……。」

「はい!!アユムさんの提案で、ユウさんの手助けが出来ればと思って作ってみました!!」

「是非使ってください、ユウ先輩!」

「も、もう2人とも!私が言いたかったのに!」

 

 

GNドライブとが取り付けられたブレイブシルエットを見つめるユウ。

すると、3人を押しのけて、更にカリン、エマ、しおこもユウの前に出てきた。

 

 

「あら、アユム達だけにいい格好はさせないわよ?ユウ、これは私とアイからよ。受け取って。」

「えぇ!?カリンちゃん達も作ったの!?私とカナタちゃんとかすみんちゃんとりなこちゃんも作って来たんだ~。ユウちゃん、私達のガンプラも連れて行って!」

「奇遇ですね……実は、私とミアさん、ランジュも、ユウさんの力になれればと思って持ってきたんです!」

「え?えぇ!?」

 

 

そうして、全員からパーツを受け取ったユウ。

本来、これだけたくさんのパーツを付ける事など不可能ではあるが、受け取ったパーツを見てユウはある事に気が付いた。

 

 

 

「コレ……全部つける箇所が違う……アユム達は背中、カリンさん達は下半身、エマさん達は上半身、しおこちゃん達のは武器だ!」

 

 

 

勿論、全員が相談しあってこの装備を作って来たわけでは無い事は、先ほどのやりとりですでに分かっている。

バラバラでも、全員が同じ方向を向いているこのスクールアイドル同好会でなければ、こんな奇跡起きるはずが無い。

パーツを受け取ったユウの前に、再びアユムがやってくると、ユウの手を握って彼女の目をまっすぐ見つめた。

 

 

「あなたが私達を支えてくれたように、私達だって、あなたを支えたい!普段はバラバラな私達だけど、その想いはずっと同じ……私達の応援、受け止めてくれる?」

「……うん……うん!ありがとう皆!私、今ならどんなバトルにだって勝てそうな気がする!皆の力があれば、どんな大好きだって届けられるよ!!」

 

 

 

アユムの手を握り返し、ユウは力強くそう答えた。

そして今度はカワグチとキョウヤが、ユウの前にやってきた。

 

 

「ユウくん、気負う事は無い。君の全力を見せてくれ。」

「私達ではバンシィ・ノワールを止めることは出来なかった。だが君なら……。」

「はい!任せてください!私達が、必ずマリナちゃんもGBNも救います!」

「その意気だユウくん!頼んだぞ!」

 

 

出撃前に、ユウは思い出したかのようにコンソールパネルを開き、そこから一つのデータを取り出すと、それをアユムに渡した。

 

 

「これは?」

「昨日出来た新曲だよ。ランジュちゃんが戻って来てから発表しようと思ってたヤツなんだけど、お守りに持ってきたんだ。」

「じゃあコレはユウちゃんが持ってた方が……!」

「ううん。皆に持っていてほしいんだ。皆が私にガンプラを託してくれたみたいに、私もこの曲を皆に託したい。私の気持ちも、一緒にステージに持って行ってほしい!」

「わかった。ユウちゃん、信じてるよ!」

「うん。皆、信じてる!」

 

 

今度こそ、ユウは振り返り、レインボーユニコーンへと乗り込んだ。

するとそこへサラがやってきて、彼女もレインボーユニコーンのコックピットへと乗り込んでいく。

 

 

「ユウ、私も連れて行って。同じELダイバーとして、バンシィ・ノワールに伝えたい事があるの。」

「サラちゃん……わかった、行こう!」

 

 

2人が乗り込み、レインボーユニコーンガンダムの目が光る。

先ほど皆から受け取ったガンプラのパーツのデータをレインボーユニコーンへとインストールをすると、格納庫内にパーツが出現し、次々とレインボーユニコーンへと装着され始めた。

 

 

 

デスティニーガンダム・エデンロードのコレクションアロンダイトを軸とし、ライトニングトールギスのテンペストランスとシランジュリペアライフルを接続し、巨大な槍型の武器となった『アームドアーマーR3』

 

ガンダムビヨンドバルバトスリベイクのダブルリベイクライフルの接続パーツにスーパーヴェルデブラストガンダムのミサイルポッドを取り付けて肩部に接合。

そこから右腕に小型化したAEドムのドムちゃんメガランチャー、左腕に無敵武者魔殺駆罠の黒星砲を合体させた『アームドアーマーQ4』

 

リアスカートにキュベレイ・ビューティーのファンネルラックを丸ごと取り付け、両足には愛参頑駄無大笑軍の大筒とフィンファンネルを装備させ、遠距離攻撃に特化させた『アームドアーマーDD』

 

そしてガンダムブレイブインパルスのブレイブシルエットを起点として、ガンダムスカーレットクアンタとO-ドリーガンダム・クアトロアトリーチェのGNドライブを並列に接続し、シルエット内部でGN粒子を生み出しながら無限のエネルギーを得ることの出来る『アームドアーマーAZN』

 

 

 

「感じる……皆の大好きって気持ち……行くよ、レインボーユニコーン!大変身!!」

 

 

 

全てのアームドアーマーを装着したレインボーユニコーンは、内部から漲るエネルギーを感じながらその姿をデストロイ・アンチェインドへと変貌させた。

無限に生み出されるアームドアーマーAZNのエネルギーのおかげで、時間制限無くこの姿となったレインボーユニコーンは、新たな姿を得てカタパルトへと立つ。

カツラギから受け取ったデータにより開かれたワープゲートを見据え、ユウは叫んだ。

 

 

 

「高咲侑!!フルユニット・レインボーユニコーンガンダム!!行きます!!!」

 

 

 

ガンフェス前夜祭ライブまで、残り1時間。

 

 

 

 





~にじビル毎回劇場~

第101回:ガンプラ一番くじ

リク「おっ!やったぁ!」

彼方「あれ~?リクくん何してんの?」

リク「彼方さん?そういう彼方さんこそ……あれ?その制服って?」

彼方「彼方ちゃん、このコンビニでアルバイトしてるんだよ~。あぁ、ガンプラのくじだね。何かいいの当たった?」

リク「キョウヤさんのAGE-IIマグナムのアクリルキーホルダーが当たったんです。」

彼方「お~、結構カッコいいね。」

リク「彼方さんもやりませんか?今回の景品にバルバトスありますよ。」

彼方「へー、そうなんだ。じゃあ運試しに一回だけやってみようかな。」

リク「頑張って!」

彼方「んー……じゃあ、コレ!えっと……B賞ってどれ?」

リク「え、す、すごっ!?B賞ってMGのバルバトスだよ!」

彼方「おー!やったぜー!」

リク「彼方さんってくじ運良いんですか?」

彼方「いや、そうでも無いんだけど。多分バルバトスが彼方ちゃんのところに来たがってたのかもね~。ちなみにリクくんはさっきの1回だけ?」

リク「いや、別々の店舗で計5回やったんですけど、何故か毎回SDのダブルオーガンダムでした。」

彼方「一発で大物当てるよりそっちの方が凄くない?ダブルオーに選ばれしものじゃん。」

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