ニジガクビルドダイバーズ   作:バース・デイ

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開戦!ダブルオーVSビルドストライク

 

ミカミ・リクのガンプラバトル人生は、とある試合を見たことから始まった。

それは、GBNのβ版がリリースされて間もない頃……リクがまだ中学1年生だった4年前の春。

 

 

チャンピオン率いるナンバー1フォース『AVALON』と、智将ロンメルが統率する『第七機甲師団』のフォースバトル。

 

 

それまでリクはガンプラやガンダム自体は好きであったが、あくまで親友であり生粋のガノタでもあるユキオに付き合うような形であった。

時々一緒にガンプラを作ったりする程度で、基本的にはサッカーなどのアウトドアの方が好きな少年だったリク。

しかし、このバトルをきっかけに、リクはガンプラバトルに魅了されてしまった。

いずれGBNの最高の舞台で、チャンピオンに挑戦したみたいと夢見るようになったリクは、中学2年生になってGBNへ参加するようになった。

 

 

その時に出会ったガンプラこそが、『HGOO ダブルオーガンダム』

 

 

『機動戦士ガンダムOO』アニメ第二期での刹那・F・セイエイの愛機であり、ガンダムエクシアとOガンダムのGNドライブを受け継いだソレスタルビーイング最強のモビルスーツ。

ガンプラとしての出来栄えは、当時としては革命的な可動範囲をほこり、それでいて組み立てやすく安価なキットで、多くのガンプラファンに絶賛された。

ただ、ガンプラとしては初心者向けではあるものの、GBNでのガンプラバトルとなるとかなりの上級者向けな機体へと変貌するこのダブルオーガンダム。

なぜなら、ただでさえGNドライブ搭載機はトランザム再現の為に緻密な作りこみが要求されるのに、子のダブルオーガンダムはツインドライブシステムのせいでその要求難易度は他の追随を許さないほど。

リクが作り上げた最初の愛機『ガンダムダブルオーダイバー』も、当初はトランザムの発動をすればすぐにシステムダウンを起こしてしまうほどだった。

 

だが、サラとの出会いや強力なライバルの出現、ブレイクデカール事件などで徐々に力をつけてきたリクは、フォース『ビルドダイバーズ』のエースと呼ばれるまでに成長。

愛機も『ガンダムダブルオーダイバーエース』へと進化し、第1次有志連合戦では奇跡のトランザムにより超巨大モビルアーマー ビグ・ザムを撃破。

新たに『ガンダムダブルオースカイ』を手に、リクはさらにその躍進を続けていった。

 

 

 

「……いよいよだね……ダブルオー。」

 

 

そして現在、ガンダムベースダイバーシティ店のビルドスペースで、一人になったリクは手に取った現在の愛機……ガンダムダブルオーセイバーへ語り掛ける。

彼がダブルオーセイバーへと語ったのは、ダブルオーと出会ってから今日までのリクとダブルオーの闘いの日々。

どんなに辛い状況や悲しい戦いでも、彼の傍にはいつも仲間と、ダブルオーがいた。

 

 

「俺たちは強くなった。みんなのおかげで、ここまで来れたんだ。だけど、ここがゴールじゃない……そうだよな、ダブルオー。」

 

 

これから始まるのは、伝説のビルドファイター イオリ・セイとのバトル。

しかしリクが見据えている夢はその先にある。

チャンピオンであるクジョウ・キョウヤとバトルし、勝利し、GBNのチャンピオンとなるというリクの夢を叶える為にも、セイとのエキシビションマッチ、絶対に負けるわけにはいかない。

ダブルオーセイバーに変形させたインフィニティライザーをドッキングさせ、リクは愛機を最強形態であるダブルオーインフィニティセイバーへと合体させる。

ダブルオーザンライザー、デスティニーガンダム、フリーダムガンダム、セイバーガンダムの要素を盛り込んだこのガンプラこそ、リクとヒロトが現状作り上げられる最強のガンプラ。

その最強のガンプラを手に立ち上がり、リクはいよいよ決戦の舞台へ向かう覚悟を決めた。

 

 

「行こうダブルオー!俺たちの最高のバトルを、イオリ・セイさんにぶつけるんだ!!」

 

 

 

 

~~

 

 

「あれ?カリンどこ行っちゃったの?もうすぐ開会式始まっちゃうよー!」

「また迷子になったのか……ホントすぐいなくなるな……。」

 

 

開会式に出席するため、GBNへとログインしたニジガク同好会の面々。

しかしカリンの姿が見えない事に気が付いたアイが大声でカリンを呼び、ミアがあきれて頭を抱えていた。

GBNではしっかりと両足で立っているマリナと、彼女の後ろに出現したバンシィ・ノワールが辺りを見渡し、『ふむ……』と冷静な口調でアイたちへ告げた。

 

 

『ここにいないという事は、朝香果林はログインするスポーン地点を間違えた可能性がある。』

「たぶんそれが一番ありえそうだね。っていうかカリン先輩って方向音痴だったの?意外だなぁ。」

「そう!そうなの!だからしっかり見てなきゃいけなかったのに……私のせいだよ~!」

「いやいやエマ先輩別に悪くないじゃないですか。ねぇりなこ、カリン先輩今どこにいるかわかる?」

「もちろん。りなこちゃんボード『ドヤッ』!」

「へぇー、さすが璃奈だ。で?どこにいるの?」

「うん。えーっとね……。」

 

 

 

~~

 

 

 

その頃、一人ログインする地点を間違えたカリンは、開会式の会があるシティの隣のシティに降り立ってしまっていた。

両方とも大都会であるため見分けがつけ辛く、方向音痴であるカリンは当然自分がログインした場所が隣街のログインルームだとは気づいていない。

 

 

「皆どこへ行っちゃったのかしら……でも妙ね……ミオちゃんも含めると15人もいるのに、そのうち14人も迷子になっちゃうなんて……。」

 

 

自分が迷子になっていると認めたくない負けず嫌いのカリンがシティへと繰り出すと、そこには巨大なスクリーンがいくつもビルに備え付けられており、そこにはガンフェス開会式の会場が映し出されていた。

画面越しでもわかる圧倒的なスケールの会場。

だがエキシビションマッチはこの会場で行われるわけでは無く、この会場から飛び出した二体のガンプラがGBNの全フィールドおよび全ディメンションを舞台に戦う事となる。

 

 

「凄いわね……リクくん、とんでもないスケールだわ……。さすが、チャンピオンに一番近い男って言われるだけあるわね。」

 

 

ニジガクの中でも屈指の実力者であるカリンだが、一度だけリクと手合わせした事があるがさすがにタイマンでは彼には手も足も出なかった。

エマとカナタとチームを組んでようやくといったところだが、きっとリクはあのころよりも強くなっている違いない。

 

 

 

「私たちも負けてられないわね!……って、早く会場へ行かないと!えっと……どっちかしら……?」

 

 

 

 

「……うぅぅ~………。」

 

 

 

「え?」

 

 

 

突然うめき声のような、泣き声のような奇声が聞こえてきて、思わずカリンはそちらの方へと視線を向けた。

するとそこには髪がボサボサになった姿のダイバーが座り込んでおり、彼は何故か泣いている。

30代後半から40代前半ぐらいの姿のダイバーではあるが、落ち込んでいるせいか年齢以上に老け込んで見えてしまう。

こんなところで泣いている人を放っておくわけにもいかず、恐る恐る近づいたカリンは彼に話しかけようとした。

 

 

「あ……あの~……大丈夫ですか……?」

「うぅぅ~……きららぁ~……どうしてなんだぁぁ~……!?」

「え?きらら?誰……?」

 

 

『きらら』という謎の単語を呟く男に、カリンの声は届いていない様子。

呆然と彼を見ていると、カリンの上に急に巨大な影が落ちてきた。

見上げてみると、黒一色のモビルスーツが彼女の頭上を飛んでおり、それは彼女の傍まで下りてくると手の上にのせていた人物がカリンへと駆け寄ってきた。

 

 

「いたいた!おーい!カリンちゃーーん!」

『なるほど。天王寺璃奈のGPSは正確のようだな。』

「カリン先輩!そろそろ開会式始まっちゃいますよ!」

 

 

「エマ……それにマリナちゃんにノワールまで……あれ?もしかして、私また迷子になっていたの……?」

「そうだよカリンちゃん!早くノワールに乗って!」

『もう時間が無い。急げ、朝香果林。』

「え、えぇ……わかったわ。あら?さっきの人……どこ行ったのかしら?」

 

 

エマとマリナがバンシィ・ノワールに乗って迎えに来てくれた。

急いでカリンもバンシィ・ノワールの手の上に飛び乗るが、先ほどまで泣いていた男性の姿がもう見えなくなっていた。

不思議に思いながらももう時間が無いので、カリンはそのままバンシィ・ノワールに連れられながら会場へと向かって行った。

 

 

 

「さっきの人……なんだったのかしら……。」

 

 

 

 

~~

 

 

さすがにデストロイモードのバンシィ・ノワールはかなり速く、あっという間にカリンたちは会場へと辿り着いた。

ガンフェスの開会式の会場はモビルスーツに搭乗していても観戦できるぐらい巨大であり、バンシィ・ノワールもそのままの大きさで十分収容できた。

降りてきたカリン達がユウたちへと合流すると、まずは皆に謝罪。

 

 

「ごめんなさい皆、私また迷っちゃったみたい。」

「ううん、間に合ってよかったよカリンさん!」

「席はとってあるよ!行こう!」

 

 

アユムとユウに案内されて着席したカリン、エマ、マリナ。

彼女たちの隣にはモモカ達ビルドダイバーズや、ヒロトたちBUILD DiVERS、それにマギーやシャフリ、タイガーウルフにドージといった、リクと関わりの深い歴戦のダイバーたちも座っている。

さらにドージの隣には圧倒的なオーラを放つ男……オーガも座っており、彼は瞬き一つせずに開会式の檀上を睨みつけていた。

 

 

「はぁ~いユウちゃん♡それにみんなも、よく来たわね!」

「マギーさん!もちろんです!皆今日を楽しみにしてたんですから!」

「それは私たちもだよ。リクくんのガンプラ愛……あのイオリ・セイにどうぶつけるのか、気になるところだね。」

「皆さんはどっちが勝つと思いますか?」

「言うまでもねぇ。リクだ。」

「へぇ……それはどうしてだい?」

「あいつは俺が認めた男だ。こんなところで負けるようなタマじゃねぇ。」

「相変わらずのバトル馬鹿の考え方だ。イオリ・セイの強さは底知れない。リクくんでも勝てるかどうか……。」

「なんだとぉ!?」

「だが、私はリクくんに勝ってほしいと願っている。彼のガンプラへの愛は、この私にも負けていないからね。」

「……へっ。だったら余計な事考えずにリクを応援してやれってんだ。」

「言われなくても応援するが?」

「いちいち腹の立つ言い方しかできねぇのかテメェは!?」

「はいはいそこまでよ2人とも。ホント仲いいわねアンタたち。チャンピオンがしゃべるわよ。」

 

 

マギーがタイガーウルフとシャフリの口喧嘩を宥めつつ、彼らに壇上を見るように促す。

そこにはすでにマイクを持った現GBNチャンピオンであるクジョウ・キョウヤがおり、彼の後ろには後ろで手を組んでいるカルナとエミリアの姿が。

ガンフェスの始まりのあいさつ……キョウヤがマイクを通して、全世界のガンプラファンへと言葉を届ける。

 

 

 

 

『全世界のガンダムファンの皆!世界最大のガンダムの祭典……ガンダムフェスティバルへようこそ!度重なる苦難や困難を乗り越えて、私は今日、この場所に立てている事を幸運に、そして誇りに思う!』

 

 

 

キョウヤの言葉に、一斉に湧き上がる観客たち。

当然だ、彼の言葉こそが世界最大のお祭りの始まりなのだから。

さらにキョウヤは言葉を続ける。

 

 

 

『ガンダムが心から好きな者、ガンプラを心から愛す者、これを機にガンダムに興味を持った者、さまざまな想いを持ち、今日という日を心待ちにしていた者たちがここにいるだろう。そして、同時に不安になる者もいるだろう。ガンダムをよく知らないけど、本当に楽しめるのだろうか?初心者だが参加していいのだろうか?そう思う人たちも少なからずいるだろう……だが安心してほしい!このガンダムフェスティバルは、どんな者をも受け入れてくれる!!なぜなら、ガンダムは自由だからだ!!君たちがどんなふうにこのガンフェスを楽しむのか、それを私に見せてくれ!!』

 

 

ガンダムは自由。

この言葉は、3代目メイジン・カワグチが口癖のように言っていた言葉だ。

そして、キョウヤの言葉はついに、これから始まる最大のイベントの紹介へと移る。

 

 

 

「そして、今から今日という素晴らしい日を盛り上げてくれる、スペシャルバトルが始まるぞ!!皆!!拍手で迎え入れてくれ!!」

 

 

 

キョウヤがそう言うと、会場だけでなく、開会式を中継で見ている者たちもモニター越しに拍手を始めた。

それと同時に会場の両サイドに設置されたカタパルトが開き、そこから二体のモビルスーツが姿を見せ始めた。

 

トリコロールカラーのガンダムと、青をメインカラーに据えたガンダム。

 

 

両者から漂うオーラは、見ている者を彼らにくぎ付けにしてしまうほど。

二体のガンダムが登場した事を確認すると、キョウヤはさらに続ける。

 

 

 

『まずは、GBNを救った英雄!!機体の超新星……フォース『ビルドダイバーズ』より、ミカミ・リク!!』

 

 

「……覚悟は決まったよな……ダブルオー。」

 

 

 

ダブルオーの中で目をつむるリク。

そんなリクを見て、観客席にいるサラは胸の前でギュっと手を握った。

 

 

 

 

『対するは、伝説のビルドファイター!!世界最高峰ビルダー……イオリ・セイ!!』

 

 

『ようやくここまで来たね、ビルドストライク。……勝とう!』

 

 

 

 

ビルドストライクの中で、今はもう会えない友へと想いを馳せるセイ。

 

いよいよ役者はそろった。

あとは、お互いの意地と信念をかけてぶつかるのみ。

 

 

『RIKU (OO INFINITY SABER)VS SEI(BUILD STRIKE RAISINGSTAR)』

 

 

会場の巨大モニターに、2人の名前が表示される。

ヒロト達も、モモ達も、ユウ達もこぶしを握り締めた。

そして……、

 

 

 

 

『ここまでくれば、もはや言葉はいらない。最高のバトルを見せてくれ!!ガンプラバトル……スターーーート!!!』

 

 

 

 

「ミカミ・リク!!ガンダムダブルオーインフィニティセイバー!!行きます!!!」

 

『イオリ・セイ!!ビルドストライクレイジングスター!!出ます!!!』

 

 

 

『GET READY!BATTLE START!』

 

 

 

 





~にじビル毎回劇場~

第108回:好きな作品

エマ「えへへ~、デビルガンダムのクリアカラー買っちゃった~♪」

璃奈「……なんだか、造詣が微妙……?」

エマ「古いキットだからねぇ。発売した時には私も璃奈ちゃんも生まれてなかったんだよ。」

璃奈「エマさんってそんなに古い作品も好きなんだね。一番好きなのはやっぱりSEED?」

エマ「うん!SEEDが一番好きかな!あ、でもどの作品も好きだよ。お父さんがファーストが好きだから初代も見たし、そのあとの作品もだいたい見たかなぁ?」

璃奈「そんなにたくさん見てるなんてすごい。エマさんぐらい強くなるにはそれだけ見ないとダメなのかな……。」

エマ「そんなこと無いよ!璃奈ちゃんだってじゅうぶん強いよ!それに、たくさん見てなくても、好きな作品のガンプラで戦えば誰だって強くなれちゃうよ!私だって、バスターガンダムが大好きだったからヴェルデブラストを強くできたんだよ。」

璃奈「そっか。じゃあ私、初代とSDが好きだから、AEドムの事、もっと強くしてあげたい!璃奈ちゃんボード『むんっ』!」

エマ「手伝うよ璃奈ちゃん!あ、じゃあ作業用BGM代わりにコレ流してていいかな?」

璃奈「GガンダムのDVDだ!私も見たい!」

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