「だから……だから目覚めてくれダブルオー……!お前の中には、ダブルオーダイバーと……ダブルオースカイと……俺たちがいる!!!」
『TRANS-AM INFINITY/BURST』
リクの呼び声と共に、身体中へGN粒子を浸透させ、さらにそれを直列・並列接続させたGNドライブから散布させるガンダムダブルオーインフィニティセイバー。
無限に生成されるエネルギーにより全身が赤く発光しはじめ、その光は徐々に青みを帯びていき、最終的にダブルオーの全身を淡い青色の光が包み込む。
そして背面には、放出されたGN粒子が『∞』の形を形成し、それを光の翼として出現させた。
機動戦士ガンダムOOの主人公機であるダブルオーライザーの使う高濃度圧縮粒子を大量散布させるトランザムの上位互換『トランザムバースト』
リクのガンダムダブルオースカイの使うGN粒子をウイングバインダーにより高速加速させエネルギーを高める『トランザム・インフィニティ』
その二つを組み合わせ、直列と並列に4つのGNドライブを繋ぐダブルツインドライブシステムを採用した事で、無限のエネルギーを実現させた究極のトランザム……それが『インフィニティバースト』
光のマントを翻し拳を構えるビルドストライクレイジングスターに対し、光の翼を広げ大剣を構えるダブルオーインフィニティセイバー。
その姿を見たセイは、対戦相手であるにもかかわらずにリクのダブルオーの美しさに目を奪われてしまった。
『こ……これは……!』
「……インフィニティバースト……これが俺たちと、ダブルオーの本当の力だ!!」
リクがそう叫んだ瞬間、リクの目の前からビルドストライクが姿を消した。
一瞬の事でハッとしたリクだったが、気が付いた時にはビルドストライクはすでにダブルオーの後ろへ。
そのままビルドストライクは拳を繰り出すが、なんとダブルオーはその動きに合わせてインフィニティバスターソードを構え、ビルドストライクの拳をインフィニティバスターソードの刀身で受け止めた。
『止めた!?』
「もう……あんたの攻撃は見切っている!!」
凄まじい速さで動くビルドストライクに、ダブルオーも同等以上のスピードを繰り出し、ビルドストライクの拳と剣をぶつける。
インフィニティバーストとRGスターシステムによる光の筋だけがスクリーンに残るが、両機の本体の動きをカメラで捉えることができず、観客たちには今何が行われているのか状況が全く伝わらない。
それでも戦っている本人たちは互いの攻撃を完全に見切っており、どちらも決定打には欠けるがお互いに着実にダメージを与え続けている。
あまりのスピードとエネルギーにより、衝撃だけで建物や山が崩れる。
リアルロボットが売りのガンダムシリーズの戦闘シーンというよりも、少年漫画や特撮映画のバトルシーンを見ているような光景に、会場でバトルを見ている観客たちは口をぽかんと開けていた。
『スピードはほとんど互角……だけど攻撃力は、ダブルオーの方がわずかに上か……!』
「うおおおおおおお!!!」
全身から光を放ちながら、ビルドストライクを蹴り飛ばしたダブルオー。
直撃を受けたビルドストライクはまっすぐ吹っ飛び、ビル数棟を破壊しながら地面へとたたきつけられる。
だが体勢を立て直して一瞬でダブルオーの後ろへと回り込み、シールドライフルで狙撃。
放たれたビームを体中からあふれ出したGN粒子でかき消すと、インフィニティバスターソードをビルドストライクへと振り下ろした。
ビームサーベルを抜き取り、ダブルオーの攻撃を受け止めたビルドストライク。
しかし、その攻撃を止めるにはビームサーベルの出力がわずかに足りず、そのままダブルオーのインフィニティバスターソードがビルドストライクのビームサーベルをぶった切る。
ダブルオーの攻撃はビームサーベルを貫通してビルドストライクの左肩を貫き、そこでようやく両者の動きが止まった。
~~
「あ、リク君たちの姿が見えたよ!」
「凄い!ビルドストライクの肩に攻撃を当ててる!」
「やっぱりリク君は強いよ……だって私は、リク君のあの力で救われたんだから!」
ダブルオーとビルドストライクの戦いをようやく目視できた観客たちは、その状況に驚いた。
ユウとアユムはダブルオーがビルドストライクの肩を貫いている事を喜び、2人で手を合わせてはしゃいでいる。
ユウとアユムだけではなく、ニジガクメンバーのほとんどはその状況を喜んでいた。
一緒に観戦していたモモやカザミ、パル、ヒナタもリクの一撃に歓声を上げ、全員で彼の勝利を確信する。
「凄いですリク先輩!さすがはビルドダイバーズのリーダーですねぇ!」
「おぉ!やるじゃねぇかリク!!やっぱヒロトと一緒に作っただけはあるよなぁ!」
「当然!うちのリっくん舐めんなっての!」
自慢げに胸を張るモモ。
しかし、そんな自信満々なモモとは対照的なのは、彼女の隣に座っていたチームメンバーのアヤメとユッキー。
同じようにニジガク側もエマとカリンが口に手を当てている。
さらに観客席からヒロトが思わず身を乗り出し、スクリーンに向かって叫んだ。
「ダメだリク!!今すぐビルドストライクから離れるんだ!!」
「お、おい……どうしたんだよヒロト?何熱くなってんだよ。どう見てもリクが優勢じゃねぇか。」
「カザミ……どうして最初にリクがトランザムを使わなかったのか、忘れたのか?」
「メイまで……えーっと、そりゃ、エネルギーをビルドストライクに吸われるから……あ。」
「そういう事だ。」
~~
剣が肩にめり込んだタイミングでビルドストライクはインフィニティバスターソードをもう片方の手で受け止め、なんとか致命傷を避けた。
それだけではなく、掴んだ方の腕に装備しているシールドライフルのアブソーブシステムを発動し、そこからリクのインフィニティバーストの力を吸収し始めた。
徐々に無限の光の翼が小さくなり、ダブルオーからも力が抜けていく。
「くっ……ち、力が……!」
『君のスピードの方が速ければ、正直危なかった……だけど、これで君の力はボクたちの物だ!!』
アブソーブシステムにより吸収されたインフィニティバーストの力が、ビルドストライクのRGスターシステムの力へと還元されていく。
ダブルオーは膝をつきそうになるが、リクは必死に操縦桿を握り締め、なんとかそれを耐える。
両手で握っていたインフィニティバスターソードから右手を放し、その手でビルドストライクの左肩をがっちりと掴んだ。
「……捕まえた……!」
『捕まえた?いったいどういう……?』
「もう少しだけ頑張ってくれダブルオー……!俺たちの、無限の力を見せてやれ!!」
リクの呼び声にこたえるように、ダブルオーの合計4つのGNドライブがフル稼働を始めた。
凄まじいGN粒子が、今戦っているディメンションだけでなく、GBNのありとあらゆる場所へと放出される。
ダブルオーインフィニティセイバーのインフィニティバースト最大の特性……無限の高濃度圧縮粒子だ。
無尽蔵に生み出されるエネルギーは、再びダブルオーに立ち上がる力を与える。
しかし、それと同時にビルドストライクにも力を与えてしまう。
立ち上がりながら、ダブルオーはビルドストライクを絶対に放さないようにしっかりと肩を掴む。
『まさか、許容量以上のエネルギーを与えてレイジングスターのエネルギーをオーバーフローさせるつもりか!?だけど……それは無駄だよ、リクくん!』
エネルギーのオーバーフロー問題は、ビルドストライクレイジングスターにとっての最大の課題だった。
しかしそれをクリアしたのが背面バックパックにもなっている支援機のギャラクシーブースターII。
必要なエネルギーだけを本体へと供給し、余分なエネルギーはすべて放出して光のマントへと変換してしまうこのRGスターシステムに、オーバーフローなどありえない。
並みのビルダーではこのディスチャージ機能には限界があるだろうが、セイは世界最高峰のビルダー。
リクのこの作戦は、セイだけには通用しない。
そう、本来ならば。
「……いや……これでいい……今なら……あんたは逃げられない!!」
『………まさか!!』
気が付いた時には、ダブルオーの右肩に装着されていたGNOOセイバーがいつの間にか外れて、ダブルオーの左腕に装着されていた。
このGNOOセイバーは、通常時は両腕に備え付ける接近戦用の実体剣だが、インフィニティセイバー時には両肩に装着されてGNドライブの安定稼働を図るためのオーライザーのような役目を果たしている。
それを外したという事は、普通のトランザムとはくらべものにならないほどのエネルギーを使うインフィニティバーストの負荷に、機体が耐えきれなくなってしまう。
それでもリクは、セイの意表を突くために、この一撃にかけた。
「うおおおおおおおお!!!」
左腕を思いっきり突き出し、GNOOセイバーがビルドストライクの胸部を貫いた。
わずかにコクピットは避けていたが、その攻撃はビルドストライクを貫通。
そして、ビルドストライクの力を底上げしていたRGスターシステムの要である、ギャラクシーブースターIIを貫いた。
ビルドストライクの接合部を破壊されたギャラクシーブースターIIが機体から剥がれ落ちると、余剰エネルギーを変換できなくなったビルドストライクは、吸収しすぎたダブルオーのGN粒子に耐えきれなくなり、機体が爆発。
機能停止にこそ陥らなかったものの、ためていたエネルギーが根こそぎ枯渇してしまい、体中に亀裂を走らせながらその場に倒れたこんだ。
『くっ……!さ、最初からビルドストライクじゃなくて、ギャラクシーブースターの方を狙っていたのか!ボクに、RGを使わせないようにするために……!』
「はぁ……はぁ……う、うまくいって……よ……良かった……!」
『だけど、今の戦法は諸刃の剣。君だって、ただでは済まないはずだ!』
セイの言う通り、今の攻撃はかなり危険なもの。
インフィニティバーストを安定させるための装置を切り離したせいで、ダブルオー自身も無限のエネルギーを制御できなくなり、オーバーフローを起こして今のビルドストライクが受けたダメージと同等が、それ以上のダメージを負ってしまった。
おまけにそれによってインフィニティライザーも故障してしまい、ダブルオーから切り離されて地面に転げ落ちる。
インフィニティバスターソードも今の攻防により二本とも破損して使い物にならなくなってしまい、リクに残された武器は左腕のGNOOセイバーただ一つのみとなってしまった。
「………は……ハハハ……!」
『!』
「アハハハ!!あ……す、すいません……楽しくって、つい……。」
お互いにどうなってもおかしくない状況で、思わず笑いがこみあげてきてしまったリク。
その笑い声を聞いて、セイはぽかんと口を開けてしまった。
しかし、数秒の沈黙の後、セイの方も笑いをこらえきれなくなり、彼もまた笑い始めた。
『ハハハハ!ううん、謝ることなんて無いよ!まったく……こんな状況でも笑えるだなんて……本当に君は、あいつにそっくりだな……。』
「あいつ?えっと……それってどういう……。」
『ボクも、最高に楽しいって事さ!!』
セイがそう叫ぶと、ビルドストライクの身体中が光始めた。
いや、そうではない。
ビルドストライクはすでにRGの力を失い、機体内部のエネルギーは枯渇気味のはずだ。
この光は、実際にビルドストライクが放っているものではなく、セイの闘気が見せるオーラのような物。
(こんな状況で……まだこれだけの力を持っているだなんて……やっぱり、イオリ・セイさんは凄い……だけど、俺だって……!)
「俺とダブルオーセイバーだって、まだやれる!!俺たちは、絶対に負けない!!行くぞ、ガンダムダブルオーセイバー!!」
『来いリクくん!!やるぞ、ビルドストライクレイジングスター!!』
ビルドダイバーズやニジガク同好会メンバーたち、そして大勢の観客が見守る中、ついにダブルオーとビルドストライクの最後の戦いが始まった。
ビームサーベルすら構えず、素手でダブルオーへと殴り掛かってくるビルドストライク。
GNOOセイバーを振るい、ビルドストライクへと斬りかかるダブルオー。
振り下ろしたGNOOセイバーを、ビルドストライクがダブルオーの左腕ごと掴み、ダブルオーを背負い投げ。
地面に倒れたダブルオーは、その顔面へビルドストライクがパンチを命中させる寸前に身体を揺らしてそれをかわし、背中の小型バーニアで上体を起こして元の態勢に。
起き攻めといわんばかりにビルドストライクがダブルオーへとラッシュを繰り出し、ダブルオーはそれをまるでボクシングのような構えでガード。
しかし、パンチばかりを繰り出しているおかげか、ダブルオーの注意は現状パンチのみに集中している。
そこへビルドストライクが足払いをし、ダブルオーのバランスを崩した。
「しまっ……!」
『もらった!!』
バランスを崩したダブルオーへ、ビルドストライクの渾身のパンチが叩き込まれる。
すかさずダブルオーは右手を前に出し、そのパンチを受け止めてギリギリ直撃は免れた。
だが、ビルドストライクの攻撃は非常に強力であり、真正面から受け止めてしまったせいでダブルオーの右手首のボールジョイントが破損。
右手を失ってしまったが、ビルドストライクを蹴飛ばして体勢をなんとか持ち直した。
お互いに一定の距離を保ち、ビルドストライクは自身の右手に、ダブルオーはGNOOセイバーを装備した左腕に力をためる。
『リクくん。これが、お互いに最後の一撃になる。』
「わかってます。これで……このバトルも終わってしまう……。」
『……確かにこれがこのバトルの最後になる。でも、』
「?」
『また、ボクとバトルしてくれるかな?』
「!! はい!!」
コクピットでお互いに笑いあったリクとセイは、いよいよ最後の一撃を放つための構えに入った。
機体内にわずかに残ったエネルギーのすべてを右手にためるビルドストライク。
ディメンション内に残留したGN粒子の残骸をGNOOセイバーへと集中させるダブルオー。
すると、GNOOセイバーが輝きはじめ、その形状はまるでエネルギーで作られた刀のような形状へと変わる。
その刀を握り締め、ダブルオーはビルドストライクへ向ける。
お互いに相手を見据え、いよいよ走り出したビルドストライクとダブルオー。
それぞれの最大の必殺技を携え、その必殺技を、互いに相手へと放った。
『うおぉおおおおおお!!!レイジング、ビルド……ナックル!!!』
「ハイパー!!スカイザンバーーーーーーー!!!」
ビルドストライクレイジングスター最強の必殺技『レイジングビルドナックル』と、ダブルオーセイバー最強の必殺技『ハイパースカイザンバー』。
GBNでも最強クラスの二つの必殺技がぶつかり合い、その凄まじい威力にディメンションの方が耐えきれず、余波だけで周りの建物や地形は元の面影が無いぐらいまで破壊されてしまう。
その影響は地形だけではなく、2人の戦いをスクリーンへと投影しているGBNのシステムにも影響が及び、会場へと送られている映像に砂嵐のようなノイズが走る。
「『うおおおおおおおおおお!!!』」
互いに一歩も譲らぬ攻防。
レイジングビルドナックルとハイパースカイザンバーの威力はほぼ同じ。
やがて、両機の必殺技のぶつかり合いにより発生したエネルギーは暴走を引き起こし……ビルドストライクとダブルオー、両機を巻き込んで大爆発を引き起こした。
~~
その頃、会場では一時の沈黙が訪れていた。
両機の必殺技のぶつかり合いによりシステムが耐えきれなくなり、会場へ映し出していたスクリーンが完全に消えてしまったからだ。
見守っていたリクの仲間たちも、セイの戦友たちも、キョウヤとカワグチでさえも、その沈黙を破ることなくスクリーンの復旧を待つ。
その沈黙の中で、ユウが小さな声でポツリとつぶやいた。
「ど……どうなったの……?2人のバトルは……!?」
「……あ!見て、ユウちゃん!」
アユムがスクリーンを指さすと、ようやく画面が復旧し、現場の状況が映し出された。
そこに映し出されていたのは、見るも無残な光景。
「な……なにこれ……!?」
そのあまりの光景に、全員絶句してしまった。
建物も何もかも崩壊した街。
それどころか空間に亀裂まで入って崩壊寸前になったディメンション。
原形を留めていないほどバラバラに壊れたギャラクシーブースターIIとインフィニティライザーの残骸。
そして、全身を激しく損傷し、爆発の影響でところどころが溶けてしまってその場に倒れこんでいるビルドストライクレイジングスターとガンダムダブルオーセイバー。
ビルドストライクは右上半身を、ダブルオーは左上半身をほとんど失ってしまっており、どちらもスクラップ寸前どころかスクラップそのもの。
引き分けか……そう誰もが思った。
しかし、そうではなかった。
こんな状態になってもなお、立ち上がる者が一人だけいた。
「あ………あれは!!」
「………リク!!」
サラの叫び声と共に、立ち上がった青いガンプラ。
ミカミ・リクと、その愛機であるガンダムダブルオーセイバーだった。
フラフラになりながらも、立ち上がったダブルオーは、拳の無い右手を辛うじて上にあげる。
そして、数十秒という長い時間をかけてダブルオーが右手を天へと突きあげると、ついに長いバトルの終わりを告げるアナウンスが、会場中へと流れた。
『BATTLE ENDED!WINNER RIKU (OO INFINITY SABER)!』
~にじビル毎回劇場~
第112回:新作ガンプラたくさん!
せつ菜「見てください皆さん!月末のイベントで、新作のガンプラがたくさん発表されましたよ!!」
エマ「水星の魔女楽しみ~!」
栞子「SDMG?内部フレームを再現しているSDガンダムとは面白い試みですね。第一弾がフリーダムなのは納得のラインナップです。」
せつ菜「待ちに待ったVer.Kaの最新作は……なんとZガンダムです!!アニメのデザインを再現した造形に差し替え無しの無理のない完全変形を実現!それでいて可動域も十分だなんて神キットな予感しかしませんね!!!」
エマ「だけどやっぱりMGは高いね……。」
栞子「うっ……このフリーダムもSDなのに4000円を超えています……。」
せつ菜「でも楽しみが増えるのはいいことです!その時までにお小遣いをためておかないといけませんね。」
侑「みんな盛り上がって楽しそうだね歩夢。」
歩夢「フフ、そうだね。……えぇ!?」
侑「ど、どうしたの!?」
歩夢「MGの……フルグランサ……発表されてる……。」
侑「あ、ホントだ。うわぁ!すごくかっこいい!」
歩夢「どうして……MGのAGE3とFX………。」
侑「……そういえばいつ出るんだろうね、キオのガンダム……。」