ガンフェスの間はリアルはもちろん、GBN内もお祭り仕様となる。
普段ビルドコインを使用しなければ挑めないような有料コンテンツの高難易度ミッションに期間限定で無料で挑戦出来たり、ガンフェスの間のみ挑めるミッションも多数存在する。
他にもバトル用以外のすべてのディメンションにイルミネーションが追加されたり、バトル用のディメンションにはいたるところにアイテムボックスが設置され、それを開けるとレアなアイテムや限定ガンプラの引き換えチケットが手に入ったりする。
「他にもたくさんのイベントが目白押しで、3日間だけじゃとても全て周りきれそうにありません!これはテンションがあがりますねぇ!」
「きゃは!どのイベントも楽しそうだわ!早く行きましょうよセツナ!マリナ!」
「こんなにたくさんあるとどれをやればいいか悩んじゃうね。」
GBNにログインしてロビーにやってきたセツナ、ランジュ、マリナの3人は、さっそく挑戦するミッションに目を通していた。
ガンダムシリーズ全主人公機との勝ち抜きバトルや、全ライバル機との総力戦など、期間限定でなくとも面白そうなミッションはたくさんある。
しかし、せっかくのガンフェスなのでどうせなら期間限定のミッションを楽しみたい。
ジーっと眺めていると、セツナがあるミッションを見つけ、大声で叫んだ。
「あーーーーー!!!」
「ど、どうしたのセツナ!?」
「コレ!これ見てください!!」
ダイバーギアを2人に見せつけてくるセツナ。
そこに表示されている期間限定ミッションを見たランジュとマリナは目を丸くし、驚いて『あ。』と声を漏らした。
「『ミッションNo.EX 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』……なんなのこのミッション?」
「運営側で用意された私たちのガンプラをNPCが操作して、そのガンプラと戦うことのできるミッションのようです。」
「つまり、ランジュがランジュと戦えるって事?」
「その通りです!相手側の人数の設定もできるので、3VS3のバトルも可能です!」
「こんなミッションまで用意されちゃうなんて、セツナさんたちはやっぱりすごいなぁ。」
今朝もニジガクオリジナルのガンプラが販売されていたり、ガンダムとは関係なく彼女たちのスクールアイドルグッズがガンフェスでも棚に陳列されていたりと、GBNでのニジガクの勢いは留まる所を知らない。
GBNで唯一のアシムレイト持ちだったり、トップランカーのターンZにタイマンで勝利したり、チャンピオンのフォースの元メンバーだったり、大人気モデルがスクールアイドルとしても人気なうえにバトルで異常に強かったりと、考えてみたらこれで人気が出るなという方が無理な話でもある。
「ねぇ、これにしましょうよ!」
「ですね。挑めるのもガンフェスの期間中だけですし、このミッションをやってみましょう!マリナさんはどうですか?」
「う、うん!私もやりたい!」
満場一致で『VSニジガク』ミッションを受けることになった3人。
期間限定ミッションはコンソールパネルからではなく、直にロビーのミッションカウンターで受注できる。
カウンターでミッションを受注すると、今回対戦するメンバーを選択する画面が出てきた。
加入して日が浅いミアとランジュも選択できるようになっているが、対戦できるのは全員前期の機体であり、同好会で一番最初にパワーアップを果たしたアユムのガンプラも、現在のブレイブインパルスではなくドリームインパルスのままになっている。
例外はユウのレインボーユニコーンで、彼女のガンプラは性質上NT-Dが再現できなかったため、最初からデストロイモードで設定されていた。
「選出メンバーは誰にしましょうか?エマさんやカリンさんとも戦ってみたいですが、あの二人の強さがIで再現できているのかどうか……。」
「ランジュはランジュと戦ってみたいわ!」
「そうですね。他のメンバーとはいつでもバトルできますし、ここは滅多にない機会なので、自分を選出しましょう!では対戦相手はランジュさんのシランジュと、私のスカーレットエクシア……あとは……。」
「私が決めてもいいかな?」
セツナがメンバーを選んでいると、最後の一人を決めたいとマリナが前に出てきた。
彼女は選択画面に表示された残り11人のメンバーをマジマジと見ながら、ゆっくりと手を出す。
そして、最後の一人を選んだ瞬間、3人の身体は格納庫へと転送されていった。
~~
『どのミッションをするのか決まったのか?』
「うん、ノワールは待ってる間何をしていたの?」
『クアンタとフェネクスと話をしていた。』
「フェネクスともお話できるの!?うらやましいわぁ……。」
「私もクアンタとお話してみたいです。」
『お前たちには無理だ。』
3人がミッションを選んでいる間、大人しく格納庫で待機していたバンシィ・ノワール。
微動だにしないスカーレットクアンタやクリムゾンフェネクスとは違い、ELダイバーであるためパイロット不在でも自由に動けるバンシィ・ノワールだが、今回はずっと格納庫で動かずに3人を待っていた。
時折胸を抑えつけるような動作をするが、3人ともその仕草に気が付かず、それぞれの愛機へと乗り込む。
格納庫に備え付けのエレベーターを使ってコクピットに乗り込むセツナとランジュ、それに対してマリナはバンシィ・ノワールが手のひらにのせて胸のコクピットまで運んでくれた。
GBNでは自分の左脚を持っているマリナはしっかりとバンシィ・ノワールのコクピットを踏みしめ、彼の中へと乗り込む。
全天周囲モニターが起動し、周りの景色が機体内部へと映し出されると、3機はカタパルトにセットされ、腰を落とす。
「行こう、ノワール!」
『あぁ。』
『ランジュ!クリムゾンフェネクス!ショータイムよ!!』
『セツナ!ガンダムスカーレットクアンタ!目標を駆逐します!!』
「マリナ!バンシィ・ノワール!出ます!!」
カタパルトから射出された3機。
『NT-D』
それと同時にバンシィ・ノワールがユニコーンモードからデストロイモードへと変身すると、ワープゲートを潜って期間限定のミッションエリアへと転送されていった。
~~
ミッションエリアに到着したセツナ、ランジュ、マリナの3人。
出現したその場所は、フォースネストとは違う、現実の虹ヶ咲学園を模した期間限定ディメンション。
そこで彼女たちを待ち構えていたのは、3体の見覚えのあるモビルスーツ達。
『見えてきたわ!』
『……エクシア……!』
優木せつ菜のかつての愛機……ガンダムスカーレットエクシア。
鐘嵐珠のかつての愛機……シランジュ。
そして……、
「侑さんの、ユニコーン!」
『行くぞ、マリナ!』
高咲侑の愛機であり、ニジガクの実質のリーダーシップ機であるレインボーユニコーンガンダム。
これを選択したのは、他でもないマリナ。
かつての侑へのコンプレックスを振り払うため、今度こそレインボーユニコーンに勝つ。
今度は、マリナとバンシィ・ノワールの力を合わせて。
その為に、彼女はレインボーユニコーンガンダムを選出した。
スカーレットクアンタ、クリムゾンフェネクス、バンシィ・ノワールの順でバトルフィールドへと降り立ち、それぞれ臨戦態勢に入る。
まず先手を仕掛けてきたのは、ニジガクの特攻隊長だったスカーレットエクシア。
セツナが以前搭乗していたこの機体は、『セブンソード』と呼ばれたガンダムエクシアがベースの為、近接戦闘に非常に優れている。
それは当然、現在のセツナの愛機のスカーレットクアンタも継承している特性ではあるが、スカーレットクアンタに関しては接近戦だけではない。
『スカーレットクアンタ!SSPビット、展開します!』
機体の左側に接続されている大型シールド『GNスカーレットシールド』には、合計6つのビット兵器が備え付けられている。
パイロットの脳量子波制御によりシールドが分離された『SSPビット』は、宇宙世紀系の機体でいうところのファンネルと同じ役割を持っている。
ベース機であるダブルオークアンタのビットと違い、ビーム兵器としても使用可能なSSPビットを展開すると、7本目の剣である『GNソードSSPII』で攻撃方向を指示。
GNソードSSPIIの切っ先と同じ方向……つまり、相手のスカーレットエクシアをめがけて、一斉にビームが照射された。
『TRANS-AM』
対するスカーレットエクシアは、トランザムを発動。
スカーレットクアンタのビーム攻撃を凄まじい機動力でかわしつつ、スカーレットクアンタの本体へと接近してくる。
しかし、セツナもそれは当然理解している。
セツナはいったん数機のビットを移動させ、そのビットで、スカーレットエクシアの攻撃を受け止めた。
シールド並とまではいかないが、このビットもそれなりの強度は持っている。
攻撃を受け止めつつ、GNソードSSPIIを振るい、スカーレットエクシアの胸部を切り裂いた。
『きゃは!やるわねセツナ!』
『このミッションの相手は私のスカーレットエクシアです!という事は、この状況で私がとるべき動きをとるはず。そうしたら、私自身がそれにどう対処すればいいかを考えればいいだけです。』
『なるほど。そういう事ね。おっと。』
セツナとの会話に夢中になっており、ランジュは近づいてくるシランジュに気が付くのが数秒遅れてしまった。
シランジュのGNビームアックスがクリムゾンフェネクスを襲うが、クリムゾンフェネクスにその攻撃は届かない。
なぜならこの機体にも、レインボーユニコーンのシールドファンネルやバンシィ・ノワールのクローおよびブラスターと同じくアームドアーマーが備え付けられているため。
『行くわよ!クリムゾンフェネクス!』
その名も、『ウイングファンネル』
ベースはフェネクスの背面に装備されている巨大なシールド『アームドアーマーDE』
スタビライザーを備え付けたサイコフレーム兵装は、機体本体を離れてサイコミュにより自在に飛び回る攻防一体の武器となる。
機能的にはユウのレインボーユニコーンのシールドファンネルとほぼ同じだが、レインボーユニコーンのシールドファンネルが3つなのに対し、クリムゾンフェネクスは2つ。
レインボーユニコーンのシールドファンネルは連結する事でサイコ・フィールドを展開できるが、クリムゾンフェネクスのウイングファンネルにはその機能は無く、その代わりにウイングファンネルそのものからビームを放つことができる。
スタビライザーの姿勢制御により機動性自体はレインボーユニコーンのシールドファンネルよりも優れているため、非常に使いやすい武装となっている。
シランジュの攻撃をウイングファンネルで難なく受け止め、腰に下げていたシランジュリペアライフルを手に取るクリムゾンフェネクス。
これは破壊されたシランジュを改造し、ライトニングトールギス用に作られた武器だが、元々の持ち主がランジュだった為ミアから彼女に返却され、以降クリムゾンフェネクス用の武器となっている。
ウイングファンネルと合わせて、3つのビーム攻撃がシランジュを襲う。
対抗するために、シランジュはシランジュキャノンへとモードチェンジし、互いに射撃戦へと持ち込まれた。
『私たちは自分の機体を引き受けます!』
『マリナとノワールはユニコーンをお願い!』
「う、うん!ノワール!」
『あぁ。』
スカーレットクアンタがスカーレットエクシアを、クリムゾンフェネクスがシランジュを引き受けてくれている間、バンシィ・ノワールとマリナが相手をするのは、レインボーユニコーンガンダム。
デストロイモードの姿をしているその機体は、ユウこそ搭乗していないものの機体スペック自体はオリジナルと比べても遜色無い。
レインボーユニコーンの周りを舞う3枚のシールドファンネルは、レインボーユニコーンが手をかざすと、一斉にバンシィ・ノワールへ向けて攻撃を仕掛けてきた。
シールド裏面に取り付けているガトリングランチャーから放たれる砲撃は、砲身となっているシールドファンネル自体が縦横無尽に動き回るためどの角度から攻撃が来るかわからない。
しかも、それが3つ同時となっている。
もしもバンシィ・ノワールが以前のように一人だけで戦っていれば、この状況を無理やり突破しようとしただろう。
しかし、今の彼には、自分の意志で戦うマリナが搭乗している。
「ノワール、操縦は私に任せて!」
『任せたぞ、マリナ!』
マリナはレインボーユニコーンが放つシールドファンネルの砲撃の雨の中を、突き進んだ。
しかも、やみくもに突っ込むわけでは無く、シールドファンネルの動きを3つ同時に追い、次の攻撃が飛んでくる角度を計算しながら、可能な限りよけながら進んでいる。
どうしても避け切れない攻撃のみをノワールクローで弾きながら、あっという間にレインボーユニコーンの懐まで潜り込んできた。
『す……凄い……マリナさん……!』
『あの攻撃を、全部見切ったの!?』
『絶対に勝つよ、ノワール!』
『わかっている。行くぞ!』
~~
「美味しい~!」
「侑ちゃん、口のところついてるよ。」
「おっとっと……いけね。」
「それにしてもずいぶんマニアックなお店だよねここ。」
「うん……『アセム・アスノの誕生日のお祝いのケーキ』なんて普通とりあげないよこんなマイナーなメニュー。」
「次どこ行こうか?何かのイベントに参加してみる?」
「エマさんと栞子ちゃんが水星の魔女のイベントに行ってるみたいだからあとで見てみようよ。」
「そうだね。」
行くところも決まらず、とりあえず2人で腹ごしらえをしていた歩夢と侑。
やたらとマイナーなメニューを出してくる店で食事をしながら、次に参加するイベントを探す。
ダイバーギアでパンフレットを確認していると、店の扉が開かれて、見覚えのある3名の男女が入店してきた。
彼らは侑達の存在に気が付くと、手を振って彼女たちのもとへとやってきた。
「やぁ、侑くん、歩夢くん。」
「あ、こんにちわ……って、あ、あなたは!」
「もう身体は大丈夫なんですか!?」
彼女たちの前に現れたその男の顔を見て、侑も歩夢も驚いた。
そして、次にその男が口を開いて、こう言った。
「マリナは、どこにいる?」
~にじビル毎回劇場~
第115回:何故……
菜々「彼方さん、生クリームはこのぐらいで大丈夫ですか?」
彼方「おぉ~、完璧だよ~!」
菜々「彼方さんのレシピ通りに作ったんですが、上手くできた自信が無いのでお味見をお願いしてもいいですか?」
彼方「うんうん、ばっちり美味しいねぇ。」
菜々「それなら良かったです。」
彼方「いや~、ライフデザイン学科の課題のケーキ作り、すっかり忘れてたけど菜々ちゃんが手伝ってくれて良かったよ~。」
菜々「また手伝えることがあればいつでも言ってください。」
~後日~
せつ菜「彼方さん!先日のケーキ作りのお手伝いとても楽しかったです!」
彼方「彼方ちゃんもだよ。あの時はホントにありがとね。」
せつ菜「それで私、あのレシピを参考にオリジナルケーキを作ってきたんです!ぜひ彼方さんに一番に食べていただきたくて!」
彼方「え。」
せつ菜「さぁさぁ!どうぞお召し上がりください!」
彼方「え……えーっと……じゃ……じゃあ……少しだけ……ぱくっ。」
せつ菜「わくわく!」
彼方(しょっぱい……そして酸っぱい……せつ菜ちゃん……手先は器用なんだからレシピ通りに作ればちゃんとお料理できるはずなのに……どうして……。)
彼方「うぅぅ~……(涙)」
せつ菜「な、泣くほどのおいしさですか!?感激です彼方さん!お礼に全部食べてください!!」
彼方「せつ菜ちゃん……あとで彼方ちゃんとガンプラバトルしようね……。」