ガンフェスがリアルでもGBNでも大いに盛り上がりを見せる中、期間限定ミッション用のディメンションで巻き起こっている大爆発の渦中に、バンシィ・ノワールはいた。
バトルフィールド内にあらかじめ設置されていたトラップ用の地雷を、レインボーユニコーンがシールドファンネルを使って的確にぶち抜き、バンシィ・ノワールの周りで爆発させたからだ。
しかし、その爆発にバンシィ・ノワールは巻き込まれること無く、彼の周りにはスカーレットクアンタがSSPビットで作ったGNフィールドバリアと、クリムゾンフェネクスが飛ばしたウイングファンネルが設置されており、その身を仲間たちに守ってもらったからだ。
「あ……あぶな……あ、ありがとうセツナさん!ランジュさん!」
『困ったときはお互い様です!』
『待ってなさいよマリナ!あたし達もすぐに駆け付けるわ!』
それぞれセツナはスカーレットエクシア、ランジュはシランジュを相手取りながらマリナへと声をかける。
その間に、バンシィ・ノワールは冷静に敵を解析していた。
NPD相手ならば解析能力を使用できるのは、GBNをプレイしているELダイバーの固定スキルのようなものであり、バンシィ・ノワールもELダイバーでありため当然そのスキルは使用できる。
『高咲侑でもバナージ・リンクスでもとらないような戦法だ。このミッション、プレイする我々の強さに応じである程度はGBN側でエネミーの強さを変更できるようだ。』
「それってつまり、高咲さんが使わないような技も使ってくるって事?」
『その通りだマリナ。……だが……!』
言い終わり、バンシィ・ノワールの瞳が光った。
ノワールクローを最大まで開くと、バンシィ・ノワールはレインボーユニコーンへと突撃。
そんな彼をシールドファンネルで挟み撃ちにするため、レインボーユニコーンはバンシィ・ノワールの左斜め後ろ、右斜め後ろ、正面斜め上からシールドファンネルを飛ばす。
ガトリングとシールドによる刺突による二重攻撃を仕掛けるが、バンシィ・ノワールはそれらをすべてかわし、左脚で地面をけり上げてジャンプをし、レインボーユニコーンの正面まで飛んできた。
そして相手の頭部をクローで掴み、地面にたたきつける。
「よし!」
『やはりNPDか……このユニコーンには、高咲侑の強さを感じられない。』
「うん。でも……!」
バンシィ・ノワールの操作をオートからマニュアルへと切り替え、マリナはレインボーユニコーンを空中へと放り投げた。
全てのアームドアーマーを収納し、全エネルギーを左脚のみへと集中させていく。
するとバンシィ・ノワールの全身のサイコフレームが光を失い、その代わりに左脚の露出したサイコフレームが強烈な輝きを放ち始めた。
ブースター出力を最大にして飛び上がると、左脚を前に突き出し、輝きと共にレインボーユニコーンへとむけて蹴り付けた。
「私の夢に向き合う為に、ここで絶対に勝つ!」
『これが、俺たちの必殺技だ!!』
今まで一度も使用してこなかった、バンシィ・ノワールの必殺技……『ノワール・ジ・エンド』がレインボーユニコーンを蹴り抜いた。
シールドファンネルがレインボーユニコーンを守ろうとしたが、強度が足りずにそのまま一緒にぶち抜かれた。
バンシィ・ノワールが地面に着地すると同時に、空中でレインボーユニコーンは爆散。
バンシィ・ノワールの完全勝利となった。
『凄いです2人とも……クアンタ!私たちもやりますよぉおおおお!!うおぉおおおお!!!』
SSPビットを呼び戻し、スカーレットエクシアへとむけるセツナ。
スカーレットエクシアはトランザムを発動して距離を取ろうとするが、その前にSSPビットがスカーレットエクシアの関節へと挟み込まれ、その身動きを完全に封じた。
GNソードSSPIIを構えると、一気に踏み込んでスカーレットエクシアの胴体を貫くスカーレットクアンタ。
やがてスカーレットエクシアが完全に動かなくなると、暴走した太陽炉が大爆発を巻き起こし、セツナへむけて勝利の花火を打ち上げていた。
『えぇ!?あたしが一番最後なのぉ!?』
レインボーユニコーン、スカーレットエクシアが撃破され、残されたのはシランジュのみとなった。
自分が一番出遅れたランジュは憤りを露にするが、冷静さは失っていないのかシランジュの攻撃を的確に捌く。
レインボーユニコーンやバンシィ・ノワールと違ってデストロイモードになることができないクリムゾンフェネクスではあるが、ランジュの戦闘センスや今までの経験からかシランジュの動きを完全に見切っている。
リアルではアシムレイトの使い手となったランジュだがGBNでそれができるのは侑だけ。
しかし、にもかかわらずランジュはシランジュの攻撃を完全に見切り、的確に捌く。
そして、シランジュがGNビームアックスを振り上げたタイミングでクリムゾンフェネクスはシランジュリペアライフルを突き付け、それでシランジュの顔面を打ち抜いた。
『ふぅ……こんなもんかしら。あたし達は常に進化してるのよ!前のランジュ達のデータで作ったNPDなんかに、あたし達が負けるはず無いわね!』
ミッションをクリアし、得意げに声を張るランジュ。
スカーレットクアンタと共にバンシィ・ノワールのもとへと駆け寄ると、スカーレットクアンタがバンシィ・ノワールの手を取ってセツナがキラキラした瞳でマリナとバンシィ・ノワールへ語り掛けた。
『マリナさん!さっきの必殺技とってもカッコよかったです!特撮ヒーローの必殺技みたいで、私、バトル中にもかからわず思わず魅入ってしまいました!』
「そ、それは危ないよセツナさん……。」
『でもすごく強かったわ!だけどノワールがその技を使っているところ一度も見た事無かったけど、どうして?』
『この技はマリナの操縦技術が無ければ使えない。』
『それで今まで使わなかったのね。』
「……………。」
『マリナさん?どうされたんですか?』
「えっと……ミッションクリアのお知らせが出ないんだけど……どうしてかな?」
『確かに妙ですね。もうとっくにクリアしていてもいい頃なんですが。』
『もしかしてまたバグかしら?』
『いや、バグのようなものは感じられない。だがこの感じは………まさか!』
バンシィ・ノワールが何かに気が付くと、彼はスカーレットクアンタとクリムゾンフェネクスを突き飛ばした。
そしてノワールクローを上空へとむけると、そこから突如放たれた光から2機を守る。
突然の事に驚くセツナとランジュ……すると、ダイバーギアにとあるメッセージが表示された。
『これは……ミッション乱入!?』
『乱入って……どういうことよセツナ!?』
『私に聞かれても!!』
困惑する2人を守りながらバンシィ・ノワールが光を弾き飛ばす。
すると、光の先から2体のモビルスーツが姿を見せた。
先ほどの光はそのうちの1体……紫色のモビルスーツから放たれたものだ。
その姿を見て、全員驚きを隠せなかった。
『あ……あなたは……チャンピオン!?』
『やぁ。楽しそうだから、ボクたちも混ぜてもらおうと思ってね。』
そこに現れたのは、予想もしなかった相手。
GBN最強の男 チャンピオン……クジョウ・キョウヤと、その愛機『ガンダムTRYAGEマグナム』
エネルギーで作った緑色のマントをはためかせながら、どや顔でミッションへと乱入してきたのは、現GBNで無敗を誇る最強のダイバーだった。
彼は地面に降りてくると、先ほどビームを放ったトライドッズライフルを腰へマウントし、代わりにマントを収納して背面に装着されている『トライホルダーフレーム』を取り外す。
それは変形してビームの刃が出現し、『トライスラッシュブレイド』となると、彼はバンシィ・ノワールたちの前に立ちはだかった。
『ボク……たち?』
キョウヤのセリフに違和感を覚えたセツナ。
ふとマリナが何かに気が付いて、TRYAGEマグナムの背後を見た。
するとその先に見えたのは、見覚えのあるモビルスーツの姿。
真紅の装甲に身をまとったその姿を見たマリナは、驚きのあまり声が出せなくなったが、辛うじて声を絞り出した。
「お……叔父さん……?」
『マリナ……。』
TRYAGEマグナムと共に現れたモビルスーツは、デルタプラスをベース機とした『デルタソニック+』
そしてこの機体のパイロットを務めるのは、マリナの叔父のカツラギ。
バンシィ・ノワールとの戦いで意識不明となっていた、元GBNのゲームマスター……カツラギだ。
ガンフェスの直前まで意識を取り戻さなかった彼が今、キョウヤと共にマリナ達の前に立ちはだかっている。
カツラギの姿を見てマリナは思わず泣きそうになるが、カツラギはデルタソニックのビームサーベルを引き抜き、それをバンシィ・ノワールへと突き付けた。
『俺たちと戦え、マリナ。そして、バンシィ・ノワール。』
『……何の真似だ、カツラギ。』
『黙れ。お前がマリナのパートナーとしてふさわしいか否か……それを見極めさせてもらう!!』
カツラギの一声と共に、バトル開始の合図がこの場にいる全員のダイバーギアに表示された。
バンシィ・ノワールがデルタソニックのビームサーベルをノワールクローで受け止めると、同時にTRYAGEマグナムの両肩のTRYファンネルがスカーレットクアンタとクリムゾンフェネクスへと襲い掛かる。
『は、早い!』
『ウイングファンネル、ランジュ達を守りなさい!』
TRYファンネルの動きに合わせて、ランジュはクリムゾンフェネクスの背面からウイングファンネルを分離。
二機のウイングファンネルを巧みに操りながら、TRYファンネルの攻撃を防ぐ。
その隙にスカーレットクアンタは肩部のシールドからSSPビットを分離し、TRYAGEマグナムを狙おうとするが、TRYAGEマグナムは異常なまでのスピードと反射神経でその攻撃を難なくかわし続ける。
『見事なファンネル捌き!いや、ビット捌きといったところかな?だが、それじゃあボクをとらえる事は出来ないぞ!!』
『やってみなければわかりません!!』
SSPビットは休む間もなく、常にTRYAGEマグナムを狙い続ける。
セツナのスカーレットクアンタはリクのダブルオーのように無尽蔵にエネルギーを使える機体ではない。
元々優等生で頭もいいセツナは、この数のビットをどのように動かせばどの程度エネルギーを消費するのか、その計算がとても早い。
瞬時に頭の中でエネルギー消費量を計算しながらも、常人であればとてもではないが捌ききれない勢いでTRYAGEマグナムを攻撃する。
そしてついに、TRYAGEマグナムはセツナのビットの一つを、立ち止まってトライスラッシュブレイドで切り落とした。
『ランジュさん!!』
『わかったわ!!』
『何ッ!?』
一瞬TRYAGEマグナムが動かなくなった隙に、いつの間にかクリムゾンフェネクスが彼の背後に回り込んでいた。
拳を握ってTRYAGEマグナムの顔面を殴り飛ばすと、腹部へ向けてシランジュリペアライフルをすかさず撃ち込んだ。
『くッ……!まさか、あの一瞬の隙に回り込むとは……さすがはフェネクス……いや、君たちのコンビネーションといったところかな!』
『まだまだこんなもんじゃないわ!セツナ!アタシのファンネルを使って!』
『ありがとうございますランジュさん!!』
背面のウイングファンネルを切り離すと、そのうちの一機がスカーレットクアンタのもとへと飛来。
それにスカーレットクアンタが飛び乗ると、全てのSSPビットがGNソードSSPIIへと連結。
細身の長剣だったGNソードSSPIIが打って変わって超巨大なバスターソードへと姿を変えた。
これがガンダムスカーレットクアンタの最大兵装『GNバスターソードSSP』だ。
片手では到底扱えないと思えるほどの大剣……しかし、セツナはこの兵装を片手で扱えるようにSSPビットの重量を肉抜きにより軽量化し、さらに両腕の関節パーツにネジ止めを採用している。
これにより十分片手で扱うことも可能であり、ウイングファンネルをサーフボードのように乗りこなしながら、TRYAGEマグナムへと急接近。
ウイングファンネルからのビームをはじくTRYAGEマグナムの目の前でウイングファンネルから飛び降り、GNバスターソードSSPでTRYAGEマグナムの腕を切り裂いた。
『や……やりました!!』
『ッ……!フッ、見事だ。このTRYAGEマグナムに初戦で傷をつけたのは、君たちが初めてだ。』
あのリクですら成し遂げる事の出来なかった、TRYAGEマグナムへの初戦での初ダメージ。
しかし、セツナもランジュも喜ぶ間もなく、次の迎撃態勢へと入っている。
その闘志の尽きる事無い眼差しに、思わずキョウヤは笑みをこぼした。
~~
一方で、デルタソニック+とバンシィ・ノワールのタイマン勝負。
以前はデルタソニックを圧倒したバンシィ・ノワールだったが、今回は押され気味。
あの時のバンシィ・ノワールは、自身が作り上げたモビルアーマー『アナザーノワール』の支援を受けていたが、今回は純粋なモビルスーツの性能だけで戦っている。
バンシィ・ノワールは前回は自分の意志で戦っていたが、今は全操作系統をマリナに一任し、彼女の思う通りに戦う。
『以前と比べると圧倒的なパワーはない……だが、動きの切れは増しているか……!』
『当たり前だ……今の俺には、マリナがついている!!』
右足でデルタソニックを蹴り飛ばすと、バンシィ・ノワールはノワールクローで追撃。
だがよろけたデルタソニックはそのままウェイブライダー形態へと変形すると、バンシィ・ノワールへ突撃した。
空中で押されながらバンシィ・ノワールはディメンション内のニジガクの校舎に激突。
崩れ去る校舎に押しつぶされ、その様子をカツラギは眺める。
『この程度ではないはずだ……マリナ!ノワール!』
カツラギが叫ぶと、崩れた校舎の瓦礫の中から、強烈なビーム攻撃がデルタソニックを襲った。
思った以上の速度の攻撃に対応しきれず、デルタソニックの左腕が吹き飛んだ。
今の衝撃で瓦礫が崩れ、そこからバンシィ・ノワールが姿を見せた。
姿はデストロイモードからユニコーンモードに戻っており、その手にはビームマグナムが。
『ビームマグナムか。』
「瓦礫の中からだったらブラスター撃てなかったもんね。ユニコーンモードに戻らないと腕がふさがっちゃうし。」
『あの短時間でよく思いついた……だが、腕を一本持っていた程度でこの私に勝てると思うな!』
ビームサーベルを引き抜くと、今度はデルタソニックは格闘戦を挑んできた。
デストロイモードに戻る暇のないバンシィ・ノワールも、同様にバックパックからビームサーベルを手に取り、それをデルタソニックへぶつける。
お互いの力は全くの互角ではあるが、パイロットの技量はカツラギが優れている。
鍔迫り合いの最中に頭部のバルカンでバンシィ・ノワールを狙おうとするが、バンシィ・ノワールはとっさにそれをかわした。
『! 今の攻撃をかわすか!』
「ううん、今のは私じゃないよ叔父さん!」
『マリナに出来ない事は俺がやる。俺が出来ない事はマリナを頼る。俺はもう、あの頃の俺ではない……カツラギ・マリナのパートナー……ELダイバーでガンプラの、バンシィ・ノワールだ!!』
『NT-D/AC』
バンシィ・ノワールの叫びと共に、彼の装甲が展開し。デストロイモードへと移行。
さらにそこから装甲が開き、マリナと共に、バンシィ・ノワールは次のステージへと進化を遂げた。
『バンシィ・ノワール デストロイ・アンチェインド』だ。
グワッと開いたノワールクローが、さらに二分割され、合計8つの爪がデルタソニックのもう片方の腕をビームサーベルごともぎ取った。
さらに多重関節を仕込まれた左足でデルタソニックを蹴り飛ばし、彼を校舎の壁へとたたきつける。
バンシィ・ノワールが自らブースターを加速させ、マリナがそれをコントロールし、一気にデルタソニックにまで接近すると、折りたたんだノワールクローで強烈なアッパーを入れた。
『ぐああああ!!!』
「ノワール!このまま一気に!」
『了解した!……ぐッ……!』
とどめの必殺技を放とうとしたバンシィ・ノワールだが、突如胸を押さえてその場に蹲ってしまった。
空中で体勢を立て直したデルタソニックも、不思議そうにバンシィ・ノワールを眺めるが、バンシィ・ノワールはマリナがいくら操縦桿を動かしても微動だにしない。
「ノワール!?ノワール大丈夫!?」
『も……問題……無い!!』
なんとか立ち上がったバンシィ・ノワール。
再び必殺技の体勢に入ろうとするが、その時、凄まじいエネルギーを感じ、思わずそちらの方向へと振り返った。
その方向にいたのは、スカーレットクアンタとクリムゾンフェネクスの二機と交戦中のキョウヤのガンダムTRYAGEマグナム。
彼はセツナとランジュの強さを認め、全力で戦う覚悟を決めていた。
『TRYAGE SYSTEM』
『ここからは、ボクのターンだ!!ドロォオオオオ!!!』
なんと、突然キョウヤはコクピット内に現れたカードを手に取り、それを思いっきり引き抜いた。
それをコンソールパネルに出すと、トライスラッシュブレイドの刃が消え、代わりにそこに先ほどドローしたカードが出現した。
出現したカードは、キョウヤがこよなく愛する『機動戦士ガンダムAGE』から、『ガンダムAGE-1 タイタス』
『AGE-1 TITUS』
機体から電子音声が流れると、モニターにゲージのような表示が出現。
タイミングよくボタンを押すと、『PERFECT』と表示され、TRYAGEマグナムの頭上に巨大な暗雲が立ち込める。
その様子にデルタソニックとバンシィ・ノワールも戦いを中断し、スカーレットクアンタとクリムゾンフェネクスがこれから起こる事が頭をよぎり、その場でフリーズしてしまった。
『ね……ねぇセツナ……こ、これって……。』
『は……はい……ま、まさか……こ、これはぁぁ~~!!』
『これで……フィニッシュだああああ!!!』
キョウヤの叫びと共に、暗雲から出現した超巨大な『AGE-1 タイタス』の腕。
それはこのディメンション全てを包み込むほど巨大であり、どこへ逃げても絶対に避け切ることは出来ない。
これが、クジョウ・キョウヤとガンダムTRYAGEマグナムの必殺技……『EXカリバー トライエイジシステム』
超激レアスキルである『トライエイジシステム』による多種多様な必殺技が最大の強みである技だが、キョウヤが使えばどんな技でも一撃必殺級の破壊力を秘めた超必殺技へと変わる。
やがて、彼の必殺技はスカーレットエクシア、クリムゾンフェネクスだけでなく、バンシィ・ノワールどころか味方であるデルタソニックすら飲み込み、ディメンション全体に大爆発を巻き起こした。
~~
「やっぱり、ガンプラバトルは最高だな!!」
「「「……そーですね……。」」」
『このチャンプは本当に……。』
結局、ミッションはキョウヤの一人勝ちで終わった。
リアルに戻ってきた一同から、あまりの大人げなさに少し白い目で見られるキョウヤだったが、彼自身は常に全力でバトルをすることをモットーにしているためあまり気にしていなかった。
せつ菜もランジュも、普段ならその強さに感動するのだが、チャンピオンの必殺技を真正面から受けるという滅多にできない経験は出来たにもかかわらずあまりに理不尽すぎる強さに感動どころか少し引いた。
「叔父さん……。」
「マリナ……少し見ない間に、立派になったな。」
「~~叔父さぁぁん!!」
車椅子に乗ったまま、泣きながらカツラギに抱き着いたマリナ。
自分のせいで昏睡状態になっていた最愛の叔父が戻ってきたのだから無理もない。
しばらくの間再会を喜んでいたマリナとカツラギだったが、泣きつかれて喉が渇いたのか、マリナはせつ菜とランジュと一緒にジュースを買いに行ってしまった。
その際バンシィ・ノワールはマリナと一緒にはいかず、カツラギの肩へと飛び乗った。
「ノワール。先の戦いで、お前とマリナを見極めさせてもらった。」
『…………。』
「お前は数多くの罪を犯した。だが、お前は確かに、マリナのパートナーだった。そこはひとまず認めよう。」
『……そうか。感謝する。』
カツラギにそう言われ、バンシィ・ノワールは大人しく頭を下げる。
だが、と次にカツラギは一呼吸おいて、再びバンシィ・ノワールに言った。
「次にマリナを傷つけるようなことがあれば、今度こそお前を許さない。覚悟をしておけ。」
『……悪いが、その約束は守れそうにない。』
「なに……?」
バンシィ・ノワールがうつむくと、カツラギは彼の姿を見た。
その瞬間彼はハッとし、バンシィ・ノワールから顔をそらした。
「……すまない……。」
『お前のせいじゃない。だが、マリナには黙っていてほしい。』
「お前はそれでいいのか?」
『……あぁ。』
バンシィ・ノワールとカツラギのやり取りを、黙ってみていたキョウヤ。
何故彼らにばかりこうも不幸が訪れてしまうのか……そう思ってため息をついて空を見上げた。
しばらくして人数分のジュースを抱えたせつ菜とランジュに車椅子を押されながらマリナが戻ってきた。
今日は年に一度のお祭りの日だ。
そんな時ぐらい、暗い感情は捨ててパートナーに笑顔でいてほしい……バンシィ・ノワールはそう思いながら、戻ってきた3人を出迎えた。
~にじビル毎回劇場~
第116回:スクスタMV
侑「はぁ~……皆やっぱりかわいいなぁ………。」
マリナ「このスクスタってゲーム凄いね!こんなにMVがあるのに全員ポジション別や衣装別で動きが変わるだなんて!」
侑「そうなんだよ!ニジガクだけじゃなくて他の学校のスクールアイドルの皆も躍らせる事が出来るからスクショが捗るんだぁ!ほら見て!」
マリナ「わっ、侑さんのスマホ、凄い量のスクショ入ってるね……なんか変な位置で撮影されたやつ多くない?」
侑「あははは……いやぁ、動いてる最中にスクショ撮るとタイミングがずれてベストショットにならないんだよねぇ。」
マリナ「一時停止してからスクショすればいいのに。」
侑「そんなことしたらせっかくのみんなの可愛い映像が一瞬止まっちゃうじゃん!!ダメだよそんな事!!」
マリナ「確かに!!でもそれだけ写真保存してたら容量重くなるんじゃ……。」
侑「いくら失敗したからってかわいいみんなの写真を消すなんて出来ないよ!!このスクショはこれを撮った時にしか手はいらないものなんだよ!!永遠の一瞬なんだよ!!」
マリナ「確かに!!」
侑「さーて!今日はエマさんのスクショを撮りまくるぞーー!!」
マリナ「じゃあ私は朝香先輩にしようかな!!」
ミア「ねぇ……ボク今作曲してるんだけどうるさくするなら部屋から出て行ってくれない?」