ニジガクビルドダイバーズ   作:バース・デイ

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最近文章短くてホントに申し訳ありません……。



ヒロヒナ追跡作戦その3

 

クガ・ヒロトとムカイ・ヒナタは幼馴染である。

 

同じマンションに住むお隣さん同士であり、幼いころから家族ぐるみでの付き合いが多く、侑と歩夢の関係性とよく似ている。

だが侑と歩夢とは違い、男女という事もあり、今でもヒナタがヒロトの家に遊びに来るぐらいには仲がいいがいつも一緒にいるというわけでは無くなった。

特にヒロトがGBNでイヴを看取ってから彼からの交流はほとんどなくなってしまった。

 

そんな2人が昔のような関係に戻ったのはほんの1年前。

 

アルス襲来によるエルドラでのストーリーミッションからだ。

エルドラで仲間たちに自分の本音をさらけ出したヒロトは、それまで自分を支えてくれていたヒナタの大切さを再認識し、エルドラが実在する世界であり、自分たちが本物のガンダムに乗り込んで戦っている事をヒナタへ伝えた。

普通ならば馬鹿な話だと誰も信じない話ではあるが、ヒナタは信じた。

ほかならぬヒロトの言葉だったから。

そこからは、ヒナタは自分にできる範囲でリアルでBUILD DiVERSを支えた。

そしてエルドラにおける最後の戦いで勝利した彼らの仲間に、ヒナタは正式に加わった。

 

ヒナタが正式にメンバー入りして以降、基本的にヒロトとヒナタは常に一緒に行動する事が増えた。

ガンプラバトル初心者のヒナタを、GBNの先輩として、幼馴染として支えるヒロトは、徐々にヒナタの事を意識する事が増えてきた。

それはヒナタの方も同じであり、2人は……、

 

 

「……しずこちゃん。」

「なんでしょうかカナタさん!ここからがいいところなんです!今からヒナタさんの心境パートに入る所なんですが……あー、でも私、実はヒナタさんとはそこまで交流が深く無くて……ですが、想像でもちゃんと物語に深みが出るように頑張って脚本を書きますね!」

「『ヒナタが正式に~』の辺りから、これしずこちゃんの妄想だよねぇ?あんまりやると果林ちゃんにばれた時に怒られるよぉ?」

「ですが私の周りで仲の良い幼馴染の男女はヒロトさんとヒナタさんしかいないので、このチャンスを逃すわけには……!」

「静かにしろ2人とも!ヒロトとヒナタの2人が動くぞ!!」

 

 

シドに注意され、黙り込んだしずことカナタ。

この2人は今、BUILD DiVERSのメンバーと共に、ヒロトとヒナタがセントラル街を歩いているのを尾行している真っ最中。

カナタは以前にも、リアルの方で歩夢と一緒にいるときにカザミとパルによるヒロトとヒナタのストーキングに付き合わされたことがある。

実際その時は歩夢もノリノリだったが、今のしずこほどではない。

今回は歩夢がいない代わりに、メイとシドも加えた計6名の大所帯であり、陰に隠れながらの尾行はなかなか無理があるが、なぜかシドがやたら張り切っている為今のところばれる気配はなさそうだ。

 

 

「なんでシドくん、そんなにやる気なの?」

「? 楽しいからだが?」

「へぇ、そうなんだ。聞いたカナタちゃんが悪かったよ、ごめんねぇ。」

「……おい、あの2人、店に入っていったぞ。カザミ、あれは何の店だ?」

「えーっと……いや、俺戦闘用のアイテム売ってる店しか知らねぇからわかんねぇ。」

「あれは確かアクセサリーショップですね。」

「しずこさん行ったことがあるんですか?」

「うん。前に一年生とミアさんでお揃いのアクセサリーを買いに行ったんだ。女の子用のアクセサリーが多いけど、男の子がつけてもカッコいいやつも置いてるよ。」

「おいおい……こいつは面白くなってきやがったぜ!」

「大声を出すなカザミ!行くぞ!!」

 

 

リーダーであるはずのカザミを差し置いて、なぜか仕切りながら店への侵入を試みるシド。

だが小規模の店であるため、さすがにこの大人数で入るとヒロト達にばれてしまう為、窓から中の様子が伺えて、かつ相手側からは決して気づかれないような位置を陣取り、あらかじめ用意しておいた双眼鏡で中を覗く。

ヒロトとヒナタは2人でアクセサリーを見ているようで、ヒロトが何個か手に取ってヒナタに見せると、彼女はしばらく考えてからヒロトと話し、ヒロトはアクセサリーを再び棚へと戻す。

 

 

「ここからでは何を話しているか聞こえづらいな。仕方がない、もう少し近づいてみるか。」

「!? 待ってくださいメイさん!それじゃ気づかれちゃいますよ!!」

「そもそも私はなぜヒロト達に見つかってはいけないのかが理解できないのだが。何故なのだパル?」

「いや、それはその……えーっと……。」

「こうなっては仕方がない。しずこ、頼む。」

「お任せくださいシドさん!」

「え?なんでしずこちゃん?」

「いやー、俺もびっくりしたぜカナタ!まさかしずこが読唇術なんて使えたなんてよ~!」

「え?しずこちゃん読唇術使えるの?何それカナタちゃんも初耳なんだけど。」

 

 

双眼鏡でヒロトとヒナタを見ながらその唇を動きを読むしずこ。

そして、2人が何を話しているのかをその場にいる全員へと伝える。

 

 

「『俺はどれもヒナタに似合うと思うんだが……』『ダメ!もっとちゃんと選んでくれなきゃ!私はヒロトが一番私に似合うって思ってくれたプレゼントがいいの!』『ハハハ、やれやれ困ったお姫様だ。』……って言ってます。」

 

 

「嘘だよねぇ?読唇術使えるなんて嘘だよねぇ?あのヒロトくんがそんな事言うわけ無いもんねぇ?しずこちゃん、あの2人を使って頭の中で恋愛ドラマの脚本作ってるだけだよねぇ?令和の時代に『困ったお姫様』なんて表現する恋愛ドラマもなかなか見ないと思うんだよねぇ?」

「おいおい……あいつらそこまで進んでたのかよ……!!」

「さすがはヒロトだ。だが、デートはまだまだ始まったばかり……面白くなるのはこれからだ!」

「今日のシドくんおもろいな。」

 

 

双眼鏡片手に熱く語り合うしずこ、カザミ、シドの3人。

それを見ながら苦笑いをするパルだったが、ヒロト達の様子をジッと伺っていたメイが口を開くと、彼女の方を向いた。

 

 

「どうやらヒロト達が移動するようだ。」

「ホントですか!?あ、でもこのお店だと何も買いませんでしたね……ヒナタさんの審査、思ったよりも厳しいんでしょうか?」

「あぁ見えて意外と尻に敷くタイプなのかもなぁ。」

「追いかけましょう!」

 

 

今度はしずこが仕切り、ヒロト達の次なる目的地へと向かって行った。

 

 

 

~~

 

 

 

「ヒロト!このお店にしてみない?」

「ここ……?いや、ここはどうかな……。」

「いいからいいから!」

 

 

ヒロトとヒナタがやってきたお店へと入っていくと、もちろんその跡をつけていた6人もコソコソ隠れながらお店がよく見える位置を陣取る。

 

 

(こういう事するんなら普段のアカウントじゃなくて仮アカウント作ってくればいいんじゃなかったのかな……まぁ、今言ってももう遅いか……。)

 

 

そんな事を考えながらも、カナタもしずこから手渡された双眼鏡で店を覗く。

しかし、そのお店に掲げられた看板を見て、カナタは首を傾げた。

 

 

「ここ……パーツ屋さん?」

「この店は『機動戦士ガンダムSEEDアストレイ』の登場人物であるロウ・ギュールが営むジャンク屋をイメージした店だ。『SEED』劇中に登場する武装はここである程度手に入る。ドラグーンシステムやヴォワチュール・リュミエールはさすがに手に入らないが。」

「メイさん詳しいですね!」

「あぁ。ママの愛機のラブファントムのベース機がストライクフリーダムだからな。」

「そういえばメイちゃんのママさんってマギーさんだったねぇ。」

 

 

この店では集めたビルドコインと引き換えにパーツのデータを購入でき、それを各ガンダムベースにあるパーツ生成用の3Dプリンタで作ることができる。

ヒロトが好きそうな店ではあるが、店に入る時の様子を見る限り、この店に入ろうとしたのはヒナタの方であり、ヒロトはあまり乗り気では無さそうに見えた。

いくつかのパーツを手に取ってヒロトと話すヒナタを見ながら、全員が一斉にしずこへと振り向いた。

 

 

「しずこさん、あの2人、今どんな事を話しているかわかりますか?」

「うん。私の読唇術に任せて!」

「カナタちゃんもうそこは突っ込まないよ?」

 

 

「『私、ヒロトみたいにガンプラバトルが強くなりたいの……このパーツで強くなれるかな?』『大丈夫さヒナタ、こんなものに頼らなくても、俺が君を強くしてあげるよ。さぁ、俺の手を取って。』『嬉しい!ヒロト大好き!』……って言ってますね、絶対。」

 

 

「ほう。頼もしいなヒロト。」

「ヒロトの奴、フォースの集会ではそんな素振り全然見せないくせにキザな野郎だぜ……!」

「ホントにそう言ってるんでしょうか……?」

「何を言っているんだパル。桜坂の読唇術を疑うのか?」

「す、すいませんしずこさん!」

「ううん、いいんだよパルくん。」

「……………。」

 

 

そういえばしずこ……というよりしずくは、A・ZU・NAの集まりの時も歩夢とせつ菜で妄想しながら脚本を書いているという話を以前侑から聞いた事がある。

そもそもそれがA・ZU・NAの結成理由だったのは、さすがにカナタも知らない。

 

 

「ヒナタ、さすがにこの店は違うんじゃないか?」

「そっかー……ガンプラバトルが好きだからいいと思ったんだけどなぁ。あ、じゃあ次はこのお店なんてどうかな?」

「いいと思う。行こう。」

 

 

「! あの2人が動くぞ!!」

 

 

ヒロトとヒナタがまたしてもなにも購入せずに店を出ていき、その後ろを再びつけていく6人。

 

 

「……なんだったんだあの集団……。」

 

 

窓の外でコソコソと動き回るカナタ達を店内から見ながら、店の店主であるロウ・ギュール(の姿のダイバー)はそう呟いた。

 

 

 

 





~にじビル毎回劇場~

第121回:サンタクロース

リク「明日はとうとうクリスマスだ!俺たち、コウイチさん家でヒロトや侑達とクリスマスパーティーするんだけど、虎太郎たちも来ない?」

虎太郎「いや……やめとく。」

ユキオ「あー、家族と過ごす的な奴?」

虎太郎「まぁ……そんなとこ。」

ユキオ「タクヤくんから聞いたよ~!虎太郎くんのとこのお姉さん、凄く美人だって!」

リク「クリスマスはお姉さん帰ってくるの?」

虎太郎「うん、まぁ。今年はお客さんもくるし……気を付けないと……。」

リク「気を付ける?何を?」

虎太郎「姉ちゃんの高校の時の後輩が来るんだけど、その人、いまだにサンタクロース信じてるから。ばれないようにプレゼント用意しないと。」

リク「え……虎太郎のお姉さんの高校の後輩って事は少なくとも20代後半だよね?え?サンタ?」

ユキオ「……ん?っていうかただのお姉さんの友達相手なのに、虎太郎くんがプレゼント用意するの?」

虎太郎「………。」

ユキオ「え?もしかして初恋の~……的なやつ!?」

虎太郎「ナニソレイミワカンナイ。」

ユキオ「誤魔化すの下手!!」

リク「虎太郎って結構女子から人気あるのに彼女いないのってそれが原因だったんだ……。」

虎太郎「そろそろ勘弁してほしい。」
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