ニジガクビルドダイバーズ   作:バース・デイ

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仲間の証

 

『くっ……!』

 

突如襲い掛かってきたダリルバルデと二体のディランザと交戦し始めたシドとガンダムテルティウム。

ハイパーバーストランスでディランザ達の攻撃をいなしながらリーダー機であるダリルバルデ本体を狙おうとするが、ディランザ達の性能が想像以上に高く、ダリルバルデを狙う隙を与えてくれない。

かつてデスアーミー千機抜きという極悪難易度ミッションを軽々と達成した彼が、たった三機のMSを相手に苦戦している姿は、ヒロト達BUILD DiVERSからしても衝撃的だった。

シドの実力の高さや、『水星の魔女』におけるディランザの性能を知っているだけに、この展開は誰も予想が出来なかったからだ。

ビームバルカンで執拗にカナタとしずこを狙おうとするディランザ達から2人を庇いつつ、凄まじい性能を誇る彼らを相手にするのは、さすがのシドでもかなり苦戦してしまっている。

 

 

「みなさん!こっちです!早く逃げてくださーい!」

「慌てずに!落ち着いて!」

 

 

ヒナタとパルが民間人を誘導しながら逃げるように促す。

その間ヒロト、カザミ、メイがカナタとしずこを守ろうとしているが、かなり状況はまずい。

やはり、一対三では戦況がかなり悪い。

 

 

「どうしてあのMS達は私とカナタさんを……!?」

「そんな事言われたってわかんないよ~!」

「無駄口をたたいている時間はない。走れ、二人とも。」

「あのシドがてこずるなんて、あいつらただの量産機じゃねぇのかよ!?」

「ディランザは確かにただの量産型だ……だけど、あのダリルバルデは……。」

 

 

ヒロトがそう言ってダリルバルデを睨む。

ダリルバルデは劇中ではジェターク社の秘密兵器として開発された高性能MSであり、遠隔操作可能な有線式クローを兼ね備えている。

当初はAI操作により自動でガンダム・エアリアルと交戦していたものの、グエル・ジェタークによる手動操作に切り替わってからは作中最強格のMSであったガンダム・エアリアルを逆に押すほど活躍を見せた。

それ以降出番は無くなり、実際のダリルバルデそのものの明確な強さはハッキリしてはいないが、グエルが操縦しているという設定であるならばその実力は相当なものになる。

 

 

「っていうか、運営は何やってんだよ!こんな一大事によぉ!!」

「イベント……というわけじゃないだろうな……。そうだとすると、彼方としずくだけを狙う理由がわからない。」

 

 

 

 

 

~~

 

 

「ここに来るのも、ずいぶんと懐かしく感じる……。」

 

 

その頃、キョウヤと別れたカツラギはガンフェスの会場を離れ、ヤジマ商事の本社に来ていた。

彼の隣には、かつてカツラギからGBNのゲームマスターの権限をはく奪したニルスもおり、彼はカツラギのゲームマスター用のダイバーギアを渡しながら、彼に深く謝罪をした。

 

「あなたを守るためだったとは言えば、我々はあなたにひどい仕打ちをしてしまいました……GBNを守るために誰よりも尽力してくれていたあなたに……本当に申し訳ありません……。」

「頭を上げてください。そのおかげで、私はマリナと本当の意味で向き合えました。」

「キャロラインにはカッコつけた手前、こんな事をお願いするのは本当に虫のいい話ではあると自覚しています。ですが、GBNのゲームマスターはやはり、あなたをおいて他にはいません。」

「……しかし、私はすでにこの会社を退いた身……。」

「えぇ。ですので、スカウトという形で、あなたをわが社に再雇用させていただきたいんです。」

 

ジッとカツラギの目を見つめるニルス。

そんな彼の目を見ながら、頷いたカツラギは彼から差し出されたダイバーギアへと手を伸ばそうとする。

しかしその時、突然ニルスのスマホが鳴り響き、あまりのタイミングの悪さにため息交じりで電話をとった。

 

 

「私だ。」

『た、大変ですニルス所長!!じ……GBNが!』

「……なに?」

 

 

GBNの運営スタッフからの緊急連絡を受け、静かに頷くニルス。

やがて電話を切った彼に、カツラギは静かに尋ねた。

 

 

「一体、何が……?」

「……緊急事態です。すぐにオペレーションルームへ。」

 

 

 

 

~~

 

 

『行くぞ!!クアドルムテルティウム!!』

 

 

エルドラの聖獣クアドルンを模したクアドルムブースターと合体を果たしたガンダムテルティウムは、クアドルムテルティウムへとパワーアップを遂げた。

大気圏外での機動力を上げるアドバンスドテルティウムとは異なり、こちらは主に大気圏内での戦闘に特化した形態であり、セントラル街で戦うには最適な姿ともいえる。

すでに街にいた人たちは全員避難をしており、残っているのはBUILD DiVERSとカナタ、しずこだけ。

ディランザ二機の攻撃を受け止め、ヒロト達を守ろうとするシドだったが、その隙を狙ってダリルバルデのビームジャベリンが、テルティウムのボディを貫いた。

 

 

『ぐああああ!!!』

 

 

「マサキ!!」

『早くログアウトをするんだ皆!!』

「わ、わかりました!」

 

 

シドに促され、ログアウトを試みるしずことカナタ。

しかし、何故かコンソールパネルが出現せず、ログアウトをすることが出来ない。

それに焦りを感じ、GBN内であるにもかかわらず嫌な汗が額に流れた。

 

 

「ろ、ログアウトが出来ません!!どうして!?」

「もしかしてあいつらのせいなのかな……?じゃあ、カナタちゃんたちこのまま……。」

「諦めてはいけません!まだ何か方法があるはずです!」

 

 

パルが必死にしずことカナタを励ますが、その間にディランザが彼女たちの前までやって来ていた。

ディランザがビームアックスを振り上げ、カナタ達へと襲い掛かろうとする。

その瞬間、メイが何かの気配を感じ取り、ディランザ達とは反対の方向を振り向く。

そして……、

 

 

 

 

『はっ!!』

『えーーーーい!!』

 

 

 

ディメンション内に無理やりこじ開けられたワープゲートから出現した黒い巨大な爪が、カナタ達へ襲い掛かろうとしたディランザのボディを掴んだ。

ワープゲートから這い出てきた黒い影は、そのままディランザを地面へと叩きつけ、漆黒のボディをみんなの前に曝した。

 

 

 

「! ま、マリナさん!?」

「ノワールくんもいる~!」

『桜坂さん!近江さん!助けに来ました!』

『間一髪……間に合ったようだ。』

 

 

 

その場に現れたのは、カツラギ・マリナとその相棒のバンシィ・ノワール。

強力な助っ人の存在を確認したシドも、自分に襲い掛かるダリルバルデを殴り飛ばし、バンシィ・ノワールの方へと駆け付けた。

 

 

『心強い助っ人だな。』

『はい!頑張ろうね、ノワール!』

『ログアウトが出来ないのは奴らから発している妨害電波のせいだ。奴らを叩けば、GBNは正常に戻る。』

『しかし奴らは強い……俺たちだけで勝てるのか?』

『だからこそ、戦う前にやることがある。マリナ、通信をつないでくれ。』

『いいけど、どこに?』

『決まっている。』

 

 

 

 

~~

 

 

バンシィ・ノワールたちがダリルバルデと交戦をはじめた頃、ヤジマ商事のGBNのオペレーションルームへと向かったニルスとカツラギ。

そこでは数十名の精鋭スタッフたちが現在起きている異常事態に対処しようと、さまざまな方法を模索していた。

カツラギは部屋へと入ると、作業中のスタッフの一人に声をかけた。

 

 

「何が起こっている!」

「げ、ゲームマスター!それが……現在、GBNやGVBの数か所で、『水星の魔女』のMSの暴走が見受けられまして……。」

「GVBのイベントではエアリアル……それにGBNではダリルバルデに……ファラクトもか……。」

「エアリアルはすでに鎮静化しています。ファラクトも現在メイジン達が対処していますが、問題はダリルバルデの方でして……戦っているのがテルティウムとバンシィ・ノワールの二機のみなのです。」

「消去プログラムは?」

「送っています。しかし、こちらからの介入を一切受け付けないのです……。」

 

 

スタッフから聞いた状況は最悪。

その時、オペレーションルームへメッセージが届き、スタッフに代わりカツラギがそれに応答をした。

 

 

「私だ。」

『カツラギか。』

「ノワール……。」

『状況は理解しているな?』

「あぁ。」

『ならば話は早い。頼むぞ。』

「わかっている。」

 

 

それだけ話すと、カツラギはノワールとの通信を切る。

そしてスタッフを押しのけてコンピュータの前に座ると、目にもとまらぬ速さでキーボードを打ち始めた。

 

 

「カツラギさん、一体何を!?」

「こちらからの介入を受け付けないというのは、あくまでこちらから送り込むプログラムだけだ。ならば対策は一つ……あの場にいる全員のデータから、ガンプラのデータを引き抜けば……!」

 

 

 

 

~~

 

 

 

ディランザとダリルバルデの攻撃を受け続けるバンシィ・ノワールとテルティウムの二機。

ただ見ている事しかできなかったヒロト達だったが、その時、彼らのダイバーギアに反応があった。

慌てて確認すると、先ほどまで操作できなかったコンソールパネルの一部の機能が復活しており、更には本来使用できないはずの機能が使用できるようになっていた。

 

 

「! 皆!ダイバーギアを確認するんだ!」

「これは……!私たちのガンプラを呼び出せるようになっている……。」

「そうと決まったら、やるっきゃねぇぞ!!」

「はい!」

「わ、私も!」

 

 

自分たちのガンプラのデータを呼び出すBUILD_DiVERS。

コンソールパネルをタッチすると、彼らの背後にそれぞれの愛機が出現した。

メイはウォドムポッド+、カザミはガンダムイージスナイト、パルはエクスヴァルキランダー、ヒナタはRX-78。

そしてヒロトは、市街地戦でも問題なく戦う事のできるマーズフォーガンダムだ。

 

 

『メイ、ウォドムポッド。』

『カザミ!ガンダムイージスナイト!!』

『パルヴィーズ!エクスヴァルキランダー!』

『ひ、ヒナタ!ガンダム!』

『ヒロト……マーズフォーガンダム……フォース『BUILD DiVERS』!出る!!』

 

 

ヒロトの掛け声とともに、ガンプラへ乗り込んだBUILD DiVERSたちがディランザとダリルバルデへととびかかっていく。

その姿を見ていたしずことカナタも、自分たちのガンプラを呼び出した。

 

 

「カナタさん!私たちも戦いましょう!」

「よ~し!やってやるぜ~!」

 

 

呼び出したガンプラの乗り込み、しずことカナタも立ち上がる。

 

 

 

『しずこ!O-ドリーガンダム・クアトロアトリーチェ!登壇します!!』

「カナタちゃんとガンダムビヨンドバルバトスリベイク!いっくよ~!!」

 

 

まるで雄たけびを上げるかのようにビヨンドバルバトスの全身から駆動音が鳴り響く。

その音を聞いて、真っ先に彼女たちに狙いを定めたのは、敵のリーダー機でもあるダリルバルデだった。

ダリルバルデはBUILD_DiVERSやバンシィ・ノワールと交戦中のディランザにその場を任せると、ビームジャベリンを構えてO-ドリーとビヨンドバルバトスへと襲い掛かってくる。

襲い掛かってきたダリルバルデのビームジャベリンによる攻撃を、全身をナノラミネートアーマーに包んだビヨンドバルバトスが受けきると、大型メイスを掴みそれをダリルバルデへと振り下ろした。

 

 

「おりゃ~~~!!」

 

 

凄まじい威力のメイスが地面をえぐり取るが、ダリルバルデはそれを間一髪でかわしてノーダメージ。

更に、ビームジャベリンを真ん中から分裂させ、ビームアンカーとビームクナイへと変形させると、本体から腕ごと分離してまるでファンネルのようにダリルバルデの周りを飛び交い始めた。

バックパックに備え付けていた拳の無い腕『イーシュヴァラ』を本体に取り付けると、手首から二本の内蔵型ビームサーベルを発生させる。

 

 

『あれはファンネル……?いや、水星の魔女の設定だと確かドローンでしたっけ……?』

「今までさんざん怖い目にあわされた分、カナタちゃん手加減できないよ~!」

『私もです!O-ドリー!S・トランザム!』

 

 

『TRANS-AM』

 

 

機体を赤く染め、O-ドリーはS・トランザムを発動。

凄まじい速さでダリルバルデへと接近し、可変式ビームガンをソードモードへと変形させて斬りかかる。

だが、ダリルバルデは両肩部に備え付けていた巨大な装甲版『アンカビー』も本体から分離させ、シールドビットとして操作してO-ドリーの攻撃から本体を守った。

S・トランザムではパワー不足であり、いったんO-ドリーはビヨンドバルトバトスの下へと退避。

同時にビヨンドバルバトスがダリルバルデへと飛び出し、メイスで何度も攻撃を仕掛けた。

しかし、全てシールドビットに防がれてしまう。

 

 

「うーむ……あの盾……ちょっと便利すぎるでしょ……。」

『どうやらあのダリルバルデというモビルスーツは、今浮かんでる腕と盾だけではなく、ビームサーベルも同じように無線式ドローンとして使えるようです。それ以外にも、両足も有線式ドローンとして利用可能だそうです。』

「シドくん達が攻撃しても倒せなかったぐらい硬いんだったら、カナタちゃんたちで同時に攻撃しなくちゃ倒せないよね……でもどうやって……。」

 

 

そう言って、カナタは一瞬ハッとした。

次にしずこを見て、彼女はゴクリとつばを飲み込む。

 

 

「しずこちゃん。O-ドリーって速いよね?」

『え?え、えぇ……たぶん、トランザム・バーサーカーを使えばミアさんのライトニングトールギスにも勝るとも劣らないかと……。』

「OK~!じゃあ、カナタちゃんに続いてね!」

『……了解しました!』

 

 

 

~~

 

 

『シドー・マサキ、こいつらはただのNPDガンプラではない。時間が長引くほど我々の戦闘を学習して対処が難しくなる。』

『ならば、一撃で倒すまでだ!』

『ノワール、NT-D最大出力!』

 

ディランザとの戦闘を繰り広げるクアドルムテルティウムとバンシィ・ノワール。

ビームバルカンで目にもとまらぬ速さで二機へと攻撃を仕掛けるディランザではあるが、相手側の戦力が分散し、味方側の戦力が増強された今となっては、このディランザは恐れるべき敵ではない。

間一髪で飛び上がって攻撃をかわしたテルティウムとバンシィ・ノワールは、お互いに顔を見合わせると、まず真っ先にバンシィ・ノワールが地面へと着地。

ディランザがビームアックスを投げ飛ばしてきたが、それを右手のビームトンファーで切り裂いた。

更に一気に接近し、ノワールクローでディランザの顔面を掴み上げると、それをテルティウムへとむける。

 

 

『やれ!シドー・マサキ!』

『いくぞ!!ゼルトザーム・サンダーーーーーー!!!』

 

 

バックパックに拡張パーツである『フォールディングデストランチャー』を装着し、そこへ持っていたライフルを接続。

クアドルムブースターの全銃口が開き、大火力のテルティウムの必殺技『ゼルトザームサンダー』が放たれた。

攻撃が命中する寸前にバンシィ・ノワールが離脱し、見事にディランザのみに攻撃を命中させた。

SSランク級ダイバーのシドと、ELダイバーであるノワール、そしてそのノワールを使いこなすマリナの操縦技術を合わせなければ、先ほどのゼルトザーム・サンダーでのコンボ技は難しかったであろう。

 

 

『ぐっ……!』

『! どうしたノワール!?まさか、俺の攻撃が!?』

『いや……問題ない……気にするな……。』

 

 

 

~~

 

もう一体のディランザを相手取るのはBUILD DiVERSの五人。

ドラゴンモードのエクスヴァルキランダーとウォドムポッドがディランザを攪乱するが、ビームアックスを振り回して二機を同時に攻撃。

更に、彼らの援護に来たイージスナイトとマーズフォーの攻撃をも、ビームトーチで受け止めた。

 

 

『こ……コイツ……つえぇ……!』

『一般機仕様だが、強さの設定はグエル機並みか……。』

『グエルってそんなにつえぇの!?』

『エアリアルと決闘するまでは無敗のホルダーだったという設定だ。だが、グエルが操縦している設定なら……。』

『策があるのか?ヒロト。』

『あぁ。皆、俺の合図で同時攻撃をするんだ。』

『わかりました!』

『よくわかんねぇけど……お前がそう言うならそうするぜ!』

 

 

『コアチェンジ!マーズ・トゥ・ヴィーナス!!』

 

 

ヒロトがそう叫ぶと、マーズフォーガンダムの下へ緑色の支援機が飛んできた。

彼は飛び上がり、全身の装甲を脱ぎ捨ててコアガンダムIIの姿へと戻ると、更に緑色の支援機……『ヴィーナスアーマー』から分離した新たな装甲を装着。

地面に着地すると、コアガンダムIIは全身に重火器を装備した形態『ヴィートルーガンダム』へとコアチェンジを果たした。

全員が武器を構えると、その照準をディランザへとロックオン。

 

 

 

『いまだ!!』

 

 

『『『了解!!』』』

 

 

ヒロトの合図で、全員がディランザへ向けて一斉射撃を放った。

いくつかの攻撃はディランザがガードしようとするが、先ほどまでのキレのある動きとは異なり防ぎ方がぎこちない。

これは、『水背の魔女』第1話にて、エアリアルの無数のビット攻撃をグエルのディランザが防ぐことができなかった為。

一対一を想定している決闘仕様のディランザでは、多方面からの同時攻撃を防ぐことは出来ない。

 

 

 

『ヒナタ!!』

『はい!』

 

 

ヴィートルーガンダムが叫ぶと、その後方には、ビームライフルを構えたRX-78の姿があった。

ディランザへと照準を合わせ、思いっきり引き金を引く。

そこから放たれた強烈なビーム攻撃は、やがてディランザを飲み込み、跡形もなく消滅させた。

 

 

 

~~

 

 

『阿頼耶識』

 

 

「……いくよ……バルバトス……!」

 

 

ダブルリベイクライフルとメイスを携え、カナタはビヨンドバルバトスの最終奥義『阿頼耶識システム』を発動させた。

これにより継続的にHPが奪われるものの、自分の動きをモビルスーツへ完全にトレースすることができる。

腰を落とすと、ビヨンドバルバトスは一気に踏み込み、ダリルバルデの胸中へと飛び込んでいった。

当然ダリルバルデもビヨンドバルバトスを落とすために、彼女に向かってイーシュヴァラを差し向ける。

更にアンカビーと両足の有線式ドローン『シャクルクロウ』も放ち、合計で8機のドローン兵器がビヨンドバルバトスを襲う。

 

 

「なんのぉ!!」

 

 

だがビヨンドバルバトスは体をひねらせてその攻撃をかわし、かわしきれなかった攻撃はダブルリベイクライフルとメイスで弾き飛ばす。

そして、全ての攻撃をかいくぐったビヨンドバルバトスはダリルバルデの懐へと飛び込み、拳を握ってダリルバルデの顎を思いっきり殴り飛ばした。

 

 

『か……カナタさん……凄い……。』

「しずこちゃん!いっくよ~!!」

『りょ、了解しました!!O-ドリー!トランザム・バーサーカー!!』

 

 

『TRANS-AM BERSERKER』

 

 

クアトロフルセイバーを手に取り、O-ドリーはトランザム・バーサーカーを発動。

全身が青白く光りビヨンドバルバトスへと続く。

ダリルバルデの最大の攻撃は、8機すべてのドローンを用いた中距離戦闘。

それを接近戦に特化したビヨンドバルバトスがすべて弾くことができれば、ドローンが戻るわずかな時間に隙ができる。

最強の攻撃力を持つビヨンドバルバトスと、最速のスピードを持つO-ドリーが組めば、そのわずかな隙をついて攻撃を入れることが可能になる。

 

 

 

「いっけーーーーー!!」

『やーーーーー!!』

 

 

 

上空に殴りばされたダリルバルデに、下からはビヨンドバルバトスのメイスが、上からは飛び上がったO-ドリーのクアトロフルセイバーを突き刺さった。

しばらく無音の時間が続くと、やがて内部からあふれたエネルギーが引火し、爆発を引き起こした。

 

 

 

 

『……勝ったのか……。』

『! 皆見ろ!ログアウトボタンが復活しているぞ!』

 

 

 

破壊されたダリルバルデを見ながら、シドが全員へ通信を入れた。

何が起きているのかわからないまま、襲い掛かってきた脅威をすべて排除した彼らは、現実世界へと戻る事にした。

 

 

 

 

~~

 

 

 

「うへ~!た……大変だったよ~~!」

「お疲れ様です彼方さん。私も……少し疲れました……。」

『彼方はずっとツッコんでいたからな。』

「そう思ってくれてるんならメイちゃんもボケないでほしかったよぉ~……。」

「大変だったんですね、近江さんと桜坂さん。」

 

 

リアルの世界に戻ってきた彼方たち。

あの後、すぐにGBNは緊急メンテナンスに入ってしまい、大事なガンフェス一日目だというのにその日はもうログインができなくなってしまった。

他のログインしていたメンバーも強制ログアウトされたようで、マリナに置いてけぼりをくらってしまったせつ菜とランジュが現実に戻ってくるなりマリナを探して彼女の下へと駆け寄ってきた。

 

 

 

「あ!いたわ!どこ行ってたのよマリナ!ノワール!」

「急にいなくなるから心配したんですよ!」

「せつ菜さんにランジュさん、急にごめんなさい。」

『すまない。』

「無事なら良かったわ。あら?彼方たちと一緒だったのね。」

「彼方さんとしずくさんはいったい何をしてたんですか?」

「何って……そういえば彼方ちゃんたち、何してたんだろ……。」

 

 

 

後半が大変で忘れかけていたが、そういえば元々はヒロトとヒナタの後をつける事から始まっていた。

彼方としずくがヒロト達の方を見ると、さっそくカザミとマサキがヒロトへ絡んでいた。

 

 

「そうだそうだ!ヒロト!お前らきょう一日何やってんだよ!」

「え?」

「俺も非常に興味がある。クガ、一体何をしていたんだ?」

「ボクにも教えてください!」

「えっと……ヒナタ、もういいかな?」

「いいんじゃない?教えてあげようよ!」

「……わかった。少し待っていてくれ。」

 

 

そう言ってヒロトはカザミ達を落ち着かせると、ガンダムベースの3Dプリンタへと向かった。

ここでは集めたデータを実際のガンプラのパーツとして印刷することができる。

ヒロトは自分のダイバーギアをプリンタにセットすると、そこから集めたデータを印刷開始。

やがて出力が終わると、彼はそれをBUILD DiVERSのメンバーとマサキへと渡した。

 

 

 

『……ヒロト、これは……。』

「ドッグタグじゃねーか。どうしたんだよコレ?」

「見てください皆さん!コレ、一つ一つに僕たちの名前が彫られています!」

「……まさか、今日はこれを作るために?」

「うん、そうだよ!」

 

 

 

ヒナタが満面の笑みで答えると、ヒロトは照れくさそうに頬をかく。

そして、彼は今日の目的を仲間たちへ語った。

 

 

 

「俺がこの日まで楽しくガンプラバトルが出来たのは、他でもない皆のおかげだから……だから、その恩返しがしたくて、ヒナタに一緒に選んでもらったんだ。」

「ヒロト、ホントはもっと早くに皆にプレゼントしたかったんだけど、なかなかいいものが見つからなくて。それでガンフェスの限定アイテムならいいものが見つかるんじゃないかって、それで今日まで時間がかかっちゃったんだよね。」

「……こんな俺だけど、これからもよろしく……それと、ありがとう。皆。」

 

 

「~~~……ヒロトぉ!テメェ憎い真似してくれんじゃねぇか!!このこのぉ!!」

「うわっ!?や、やめろカザミ!」

「ヒロトさん!ボクたちずっと仲間です!!」

『そうだな。しかし、このドッグタグは私には少し大きすぎる。』

「……フッ。」

 

 

 

ヒロトとヒナタからのプレゼントを喜ぶBUILD DiVERSたち。

その様子を見て、感動していたランジュとせつ菜。

しずくは心なしか、期待していた展開と違っていたためか少し残念そうな表情を浮かべた。

 

 

「わ~!やっぱりお友達っていいわよね~!」

「はい!熱い友情!!感動です!!」

「あれ?ねぇねぇヒロトくん。プレゼント、後二つあるけど……それは?」

「あぁ。一つは、ここにいないもう1人の仲間に渡すんだ。」

「もう1人?」

「フレディっていう、もう1人のBUILD DiVERSのメンバーがいるんだ。機会があれば、紹介するよ。」

「もう一つはどうするんですか?」

「それは………、」

 

 

 

 

~~

 

それから数時間後。

 

ガンフェス1日目を終えて、自宅へと帰宅したヒロトと、同じマンションに住んでいる為ヒロトの家までついてきたヒナタ。

彼らは家に入ると、真っ先にヒロトの部屋を目指す。

部屋に入ると、ヒロトの机とは反対方向にある棚に、一つだけ厳重に保管されている箱が置かれていた。

その箱を開けると、中には薄い緑色の装甲を取り付けたプラネットシステムのアーマーが入っており、ヒロトはそのアーマー……ネプテイトガンダムの『ネプチューンアーマー』を手に取った。

 

 

「イヴさん、今日はプレゼントを持ってきたよ!」

「これは俺が前に進むことができた証だから……だから、君にも受け取ってほしい。」

 

 

そう言って、ヒナタがネプチューンアーマーの眠っている箱に、ドッグタグを入れた。

そこには、BUILD DiVERSの、最後のメンバーの名前が刻まれていた。

 

 

『イヴ』

 

 

始まりのELダイバーにして、ヒロトにとって決して忘れる事の出来ない思い出の名前が。

 

 

 

 

 





~にじビル毎回劇場~

第123回:あけおめことよろ

侑「新年!」


同好会一同「「「あけましておめでとうございます!」」」


侑「そして、『にじよんあにめーしょん』放送開始おめでと~!私も歌ってるよ~!」

歩夢「今年はもっといろんなことにチャレンジしてみたいな!」


愛「愛さんはもっとたくさんのダジャレを言えるようになりたい!」

せつ菜「私だって!今まで以上にスクールアイドルに力を入れます!」

ランジュ「ランジュは去年よりも最高のランジュになるわ!」

果林「二年生は元気いっぱいね……ねぇ、エマ。」

エマ「おせちボーノ!」

ミア「こ、このお雑煮ってやつ凄いよ!すっごく伸びる!どこまでも伸びる!


彼方「いっぱいお食べ~。」

果林「こっちもこっちも元気ね……。」

栞子「皆さん!新年の景気付けに、『水星の魔女』の最終回を見ましょう!私、皆さんと見たくて今日まで我慢していたんです!」

璃奈「いいね。見よう見よう。」

しずこ「じゃあ私お菓子用意してくるね!せっかくだし、最近新発売したエアリアルのフレッシュトマト味にしようか!」

かすみ「わ~い!楽しみ~!」


~視聴後~


全員「「「……………。」」」


栞子「あの……ごめんなさい……ホントに、悪気は無かったんです……まさかこんな事になるなんて……。」

璃奈「璃奈ちゃんボード『ミンチよりひでぇ』」

彼方「人の心とか無いんか?」

エマ「これぞガンダムだよ~~!!」

侑「み……皆~……今年もよろしくね~……。」

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