ニジガクビルドダイバーズ   作:バース・デイ

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爆走!メテオライダー

 

ミカエリスとべギルペンデは、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』に登場する企業『グラスレー社』によって開発されたモビルスーツ。

シャディク・ゼネリの駆るリーダー機のミカエリス1機と、その護衛に当たるシャディクの側近『シャディク隊』の駆るベギルペンデ5機の、計6機でフォーメーションで構成されている。

ミカエリスもベギルペンデも、プロローグに登場したベギルベウの後継機としての側面を持っており、その実力は作中でも上位に当たる。

実際作中ではスレッタの所属する地球寮の『株式会社ガンダム』を相手に、当初圧倒するほどの力を見せつけていた。

 

そのミカエリス達が今、アナザーノワールの手駒として、カリンやフェリーニ達の前に現れている。

 

 

彼らがアナザーノワールの先兵であることはカリン達は知らないが、エマから突如乱入したエアリアルが異常に強かった事を事前に聞いている。

しかしカリンは臆する事無く、キュベレイ・ビューティーのリアスカートを翻し、ミカエリス達へ向き合った。

 

 

「さぁ、最初に蹴られたいのはどの子かしら?お姉さんが遊んであげるわ。」

『ちょちょちょ!?ちょっとカリン先輩!?なんで相手を挑発してるんですかぁ!?』

 

 

全く動じずに相手を挑発するカリンを、慌てて宥めるかすみん。

だがカリンはクスッと笑い、さらにかすみんを挑発する。

 

 

「もしかしてビビってるのかすみんちゃん?」

『はー!?ビビッてませんけどぉ!?かすみんだってあんな奴らの相手ぐらいできますけどぉ!!』

 

 

カリンがかすみんをからかっていると、ベギルペンデのうちの一機がビームライフルをキュベレイ・ビューティーとザクみんへ向けて撃ってきた。

2人ともその攻撃に瞬時に対応してビームをかわすと、一定の距離を保ちながらもフェニーチェとドラァーゴを守るような位置に立ち、臨戦態勢へと入る。

キュベレイ・ビューティーはドラァーゴの、ザクみんはフェニーチェを一瞬見ると、すぐさま飛び上がりリーダー機であるミカエリスへと襲い掛かった。

 

 

「やるじゃないかすみんちゃん♪」

『あれぐらいの攻撃かわすのなんてお茶の子さいさいですよ!!ザクみん!ヤミちゃん!がったーーい!!』

 

 

『MUTEKI MAZAKU-MIN』

 

 

かすみんが合体起動のコマンドを入力すると、支援機のヤミちゃんが変形し、巨大なボディに。

そこへザクみんが収まると、ザクみんは真の姿を取り戻す。

 

 

『無敵合体!魔殺駆罠!!』

 

 

無敵武者 魔殺駆罠だ。

巨大なボディに合体すると機動力は低下するが、一撃の威力は格段に上がる。

バトルフィールドでもあるニジガクの校舎を足場にしながら、空中を飛んでいるミカエリスに向かって巨大な太刀を振り下ろした。

だが、ミカエリスと魔殺駆罠の間にベギルペンデが割り込み、彼女の攻撃をシールドでガードしてしまった。

 

 

『ふせがれたぁ!?』

「やるじゃない……それならこれはどうかしら!!」

 

 

魔殺駆罠の背後でキュベレイ・ビューティーが構える。

リアスカートから10機のクリアファンネルが射出され、5機のベギルペンデとミカエリスを囲い込む。

クリアの為当然相手には感知されず、巧みにクリアファンネルを操り敵の隙を探るカリン。

そして、ついに撃ち込む隙を見つけ、クリアファンネルからビームを一斉に放った。

 

 

「行きなさい!ファンネル!!」

『カリン先輩のファンネル!これから逃げる事が出来るのはエマ先輩と歩夢先輩ぐらいです!』

 

 

凄まじいエネルギー波がミカエリス達を襲う。

 

 

襲う……はずだった。

 

 

だが、ビームが命中する寸前、突然キュベレイ・ビューティーの放ったクリアファンネルから射出されたビームが消滅した。

何が起きているのかわからないカリンは再びビームを放とうとするが、何故かクリアファンネルたちが思うように動かない。

やがてクリアファンネルの制御が完全にキュベレイ・ビューティーから離れると、その場にガチャン!と鈍い音を立てて落ちてきた。

 

 

 

「ファンネルが……制御できない……?どういう事……?」

『うわっ!?』

「かすみちゃん!?どうしたの!?」

『わかりません!でも、突然魔殺駆罠の身体が重く……っていうか、ヤミちゃんが動かないんですぅ!』

「ヤミちゃんが動かない?」

 

 

キュベレイ・ビューティーがファンネルを使えなくなったように、同じく魔殺駆罠もボディになっているヤミちゃんの制御ができなくなった。

見て見ると、先ほどミカエリスを庇ったベギルペンデ以外の4機が、フォーメーションを組んでキュベレイ・ビューティーと魔殺駆罠を囲んでいる。

彼らは全員シールドを構えており、明らかにベギルペンデ達が何か能力を発動したに違いない。

 

 

「どうしてファンネルが動かないの?」

『アンチドートよ。』

「ミホシさん!」

 

 

フェリーニと話し合っていたミホシが、カリンの質問に答えた。

聞き覚えの無い単語に、カリンやかすみんはもちろん、フェリーニすらも首を傾げた。

大のガンダムオタクであるフェリーニしか知らない単語……つまり、この能力は最新作である『水星の魔女』特有の能力という事になる。

 

 

『アンチドートはエアリアルやファラクトみたいなGUND-ARMを無効化する技術。ベギルベウとベギルペンデだけに搭載された、対ガンダム用の能力なのよ。』

『どうしてミホシさんがそんな事知ってるんですか?』

『私はこの後の水星の魔女のステージのゲストなのよ?先に最終話まで見せてもらってるの。』

「ガンダムを無効化する能力って……でも、私とかすみちゃんのガンプラはどっちもガンダムじゃ……まさか!」

『そう。アンチドートはGBN用に能力調整がされているのよ。その特性は、『相手のガンプラの支援機やサイコミュ兵器の完全無効化』。』

 

 

 

支援機とサイコミュの無効化。

支援機と合体する魔殺駆罠や、サイコミュによりファンネルを操るキュベレイ・ビューティーとは最悪な相性の能力……それが、GBNにおけるアンチドート能力。

5機のベギルペンデがフォーメーションを組むことで発動させている為、陣形を崩すことができればアンチドートを止められるかもしれない。

しかし、魔殺駆罠のボディを動かせないザクみんと、ファンネルを封じされたキュベレイ・ビューティーが、ミカエリスと合わせて6機の陣形を崩すことは至難の業だ。

 

 

『ど、どうすればいいんですかぁ!?』

「やるだけやるしかないわね……行くわよ、かすみちゃん!」

『あぁもう!わかりましたよぉ!!』

 

 

ファンネルは使えないとわかると、すぐさま攻撃をビームサーベルに切り替えるカリン。

魔殺駆罠のボディを脱ぎ捨てたザクみんと共に、リーダー機のミカエリスへと突撃する。

同じようにミカエリスも右手の複合兵装『ビームブレイザー』からビームサーベルを出現させ、キュベレイ・ビューティーと斬り合う。

左側から襲い掛かってきたザクみんには小型のビームサーベルで対応し、たった一機でカリンとかすみんの2人を圧倒的なパワーで切り伏せた。

 

 

「きゃあ!!」

『いったぁ!?』

『カリンちゃん!かすみちゃん!』

『待て!行くなキララ!お前も巻き込まれるぞ!!』

『どきなさいリカルド!あの2人は、私たちを守るために……ハッ!』

 

 

助けに向かおうとするフェニーチェと、彼女を危険な場所へと向かわせないために引き留めるドラァーゴ。

そんな2人の前に、いつの間にかベギルペンデが近寄ってきており、フェニーチェへ向けて一斉にビームライフルを構えた。

正面から構えられた6つの銃口……避けられるはずもない。

 

 

『ミホシさん!!』

「まずい……あのままじゃミホシさんが!」

 

 

一斉に引き金を引くベギルペンデ達。

放たれたビームがすべて、ミホシとフェニーチェへと向かって飛んでいく。

思わず目をつむるミホシ……しかし……、

 

 

 

 

『ぐっ……かはっ……!』

『!? リカルド……?』

 

 

 

 

そのすべての攻撃を、フェニーチェの前に飛び出たドラァーゴ……フェリーニが受け止めていた。

そのおかげでミホシは無傷だが、フェリーニの方は大ダメージを受けてしまった。

倒れそうになるドラァーゴを、フェニーチェが受け止める。

 

 

『リカルド……どうして……!?』

『……キララ……お前の言う通りだ……俺はお前から逃げていた……。』

『こんな時に何言ってるのよ!』

『お前との約束一つ守れねぇ男が、この先お前を幸せにできるのか……ずっとそう考えてた……そう考えると、なかなかお前に本当の事を話せなかった……。けどな。』

 

 

フェニーチェの手を放し、ゆっくりと立ち上がるドラァーゴ。

操縦系がやられてしまっているのか、なかなか思い通りに立てないが、それでも何とか立ち上がる。

 

 

 

『こんな不器用な駄目男でも……惚れた女を守りたいって気持ちだけは何があってもブレたりしねぇ……!絶対にな。』

 

 

 

『…………。』

 

フェリーニの言葉を聞き、そっと目を閉じるミホシ。

すると彼女はフェニーチェのコクピットハッチを開き、モビルスーツの外に出てきた。

その行動にフェリーニも、戦っているカリンやかすみんも驚いたが、すぐにミホシはフェリーニへ通信をつなげる。

 

 

『降りてきて、リカルド。』

『キララ?』

『そんなボロボロのガンプラじゃ、満足に戦えないでしょ?』

『……まさか!』

『あんたの本気、見せてよ。』

 

 

 

すぐさま自分もドラァーゴのコクピットから降り、ミホシと入れ替わるフェリーニ。

そしてミホシはドラァーゴに、フェリーニはフェニーチェへと搭乗。

 

 

 

『よう……久しぶりだな、フェニーチェ……待たせて悪かった。』

 

 

 

 

フェニーチェの瞳が光り輝き、ゆっくりと立ち上がる。

巨大な片翼を広げ、剝離した塗装がまるで天使の羽根のように彼の周りを舞う。

ビームサーベルを構え、彼は叫んだ。

 

 

 

『リカルド・フェリーニ!!ガンダムフェニーチェヴィットーリア!!行くぜ!!』

 

 

 

叫ぶと同時に、彼は勢いよく飛び上がった。

そして一瞬でベギルペンデの懐へと飛び込むと、目にもとまらぬ速さでビームサーベルを引き抜き、ベギルペンデの首を切り落とす。

あまりにも一瞬の事過ぎて、周りの他のベギルペンデも、リーダー機のミカエリスも、外ならぬ倒されたベギルペンデ自身も、倒されたことに数秒の間気づかなかった。

そして気づいた時には機体は爆散し、粉々になって周りに破片が散らばった。

 

 

『つ……つよ~……!?』

「あれが、フェリーニさんの本気……?」

 

 

今の一撃だけで、フェリーニの圧倒的な強さを目の当たりにしたカリンとかすみんは絶句。

これがサイコミュ兵器にも支援機にも頼らない、フェリーニ本来の実力。

ミカエリスも、フェリーニの実力を見て作戦プランの変更命令をベギルペンデへと指示。

すると、ベギルペンデ達はアンチドートを発動させたまま高速移動しはじめ、その速度はフェニーチェの反応速度すら上回り始めた。

1機減って4機になったベギルペンデ達だったが、高速移動のあまりの速さにまるで分身したように見え、先ほどの数をはるかに上回る16体に。

 

 

 

『おいおい……こんなのありかよ……。』

「あいつらは分身能力まで持っているの?」

『いや、あれはただの高速移動だが……ベギルペンデが持っている能力でも、ミカエリスが持っている能力でもねぇな。』

『えっと……どういう事ですか?』

『こいつらを俺たちに差し向けてる黒幕がいるってわけさ。』

 

 

 

少ない情報から、ミカエリス達を分析するフェリーニ。

そんな彼の下へ、傷ついたドラァーゴが近寄り、フェニーチェの肩を掴んだ。

 

 

『! キララ!』

『リカルド、私を使って。』

『使うって……一体どういう……? ! これは……!』

『ドラァーゴをずっと持っていたのはあなたなのに、気づかなかったでしょう?』

『すげぇよ……すげぇ女だよ、お前は……。』

『そういう女はお嫌いかしら?』

『いいや……さすがだぜ、キララ!!』

 

 

『OPERATION METEOR』

 

 

ミホシがドラァーゴにコマンドを入力。

すると、ドラァーゴのバックパックが分離し、変形を始めた。

その変形機構は、ガンダムエピオンがワイバーンモードへと変形する時と似ているが、分離されたバックパックに備え付けられていた翼からホイールが出現。

胸部にバックパックを備え付ける事でドラァーゴの機体が反転し、まるでバイクのような形態へと変形を遂げた。

そこへフェニーチェがまたがると、腰部のライフルを連結させ、フェニーチェ最強兵装のツインバスターライフルへと合体させた。

フェニーチェの欠けた翼にドラァーゴから出現した合体ジョイントが連結し、フェニーチェとドラァーゴが最強の姿へと合体を遂げる。

 

 

『ガンダムフェニーチェヴィットーリア・メテオライダーモード』だ。

 

 

元々フェニーチェには専用バイクのメテオホッパーという機体が存在したが、ドラァーゴはそのバイクへの変形機構を搭載されていた。

この機能はミホシしか知らない専用コマンドが必要で、フェリーニはドラァーゴに搭乗していながらその能力を知らなかった。

この形態は、フェリーニとミホシが揃った時に初めて実現可能になる姿だ。

 

 

 

『さぁ……飛ばすぜ!!』

 

 

 

ニジガクの校舎を駆け上がり、高速移動するベギルペンデを追うフェニーチェ。

歩夢のブレイブインパルスすら上回る速度で動き回るベギルペンデに、普通に追いつくことは不可能。

 

 

しかし、このメテオライダーモードは普通に追いつける。

 

 

アンチドート発動中でも、支援機側でミホシが操縦を行う事で、その影響を一切受けない。

16体に分身したベギルペンデがフェニーチェへ向けて一斉に射撃を行うが、フェリーニはそれを見切り、攻撃をすべてかいくぐっていく。

そして敵の隙を見つけると、すぐさまツインバスターライフルでベギルペンデを狙撃。

高速移動しているベギルペンデの頭部を見事に撃ち抜き、残すはあと3機。

間髪入れずにすぐさま次のベギルペンデへと狙いを定め、メテオライダーで爆走。

 

 

『凄いです……。』

「あれがリカルド・フェリーニ……世界大会で戦った、最高峰のガンプラファイターの実力なのね。」

 

 

続いてはツインバスターライフルの先端からビームソードを発生させ、更にもう片方の手にもビームサーベルを握る。

2機のベギルペンデはフェニーチェへ向けて攻撃を行うが、今度は避けることはせず、相手の放ったビームをすべて左手のビームサーベルで薙ぎ払う。

すれ違いざまにツインバスターライフルとビームサーベルで2機のベギルペンデを真っ二つにすると、残った最後の一機に狙いを定めた。

 

 

 

『キララ!!やっぱりお前は……俺の勝利の女神だ!!』

 

 

 

飛び上がったメテオライダーが最後のベギルペンデを跳ね飛ばした。

跳ね上がったベギルペンデへ銃口を向けると、フェニーチェの全力の一撃をベギルペンデへと放つ。

シールドでガードしようとするが、そんなことは関係ない。

フェニーチェの攻撃はシールドごとベギルペンデを貫き、残った最後のベギルペンデは空中で爆散した。

 

 

『カリン!!かすみ!!あとはお前らに任せたぜ!!』

「えぇ!任せて頂戴!!」

 

 

フェニーチェとすれ違いざまにハイタッチをするキュベレイ・ビューティーとザクみん。

ベギルペンデが全滅した事により、ファンネルとヤミちゃんを使用できるようになった2人は、ヤミちゃんに乗って最後の一機……ミカエリスへと接近する。

ミカエリスは配下を失ったにもかかわらず、冷静に相手の行動を分析し、右腕のビームブレイザーのクローを展開。

この兵装はビーム攻撃、ビームサーベル以外にも、有線式クローとして使用する事も出来、それでキュベレイ・ビューティーを狙う。

キュベレイ・ビューティーは使用可能になったクリアファンネルを自分の周りに展開し、ミカエリスのビームブレイザーを防ぐ。

だが、ビームブレイザーから放たれたビームがクリアファンネルを数機破壊し、再びキュベレイ・ビューティーへと襲い掛かった。

キュベレイ・ビューティーの右腕を掴んで自由を奪い、破壊されたベギルペンデから奪ったビームライフルで彼女を撃ち抜く。

 

 

「くっ……!クリアファンネル!!」

 

 

攻撃を受けながらもクリアファンネルでミカエリスを攻撃するカリン。

しかしミカエリスはその攻撃すら読んでおり、カリンの攻撃をすべてかわし続ける。

せっかくファンネルが使えるようになったのに……と、本来ならば思う。

しかし、カリンは不敵な笑みを浮かべた。

 

 

 

「かすみちゃん!!」

『了解しましたーーーーー!!』

 

 

 

カリンの叫びに、ミカエリスがハッとした時にはすでに遅かった。

背後から飛び出たザクみんが、ザクみん刀をミカエリスの脳天に突き刺した。

頭部が破壊された事で、全身の制御を失ったミカエリス。

それによりビームブレイザーから解放されたキュベレイ・ビューティーが拳を握ると、ザクみんと共にミカエリスを殴り飛ばした。

 

 

 

「これで!」

『終わりですよーーーー!!』

 

 

 

ザクみんとキュベレイ・ビューティーに殴り飛ばされたミカエリスは大破。

空中で爆発四散したミカエリスを見ながら、フェリーニとミホシは、わずかに笑みを浮かべた。

 

 

 

 

 

~~

 

 

結局、ガンプラバトルは乱入により決着がつかなかった。

バトル後はミホシがすぐに呼ばれてしまったため、フェリーニはミホシと話すことができなかった。

仕方なくフェリーニ、かすみ、果林の3人は、ミホシが出演する『水星の魔女』のステージへ。

すでにステージ上には司会進行役の女性と主人公であるスレッタ・マーキュリー役の声優、そしてミホシの3人で特別ステージの進行を続けていた。

 

「もう始まっちゃったわね。」

「コレ、終わるまで結構時間かかりますよね?どうするんですかフェリーニさん?」

「待つさ。もう何年も待たせたんだ。今更俺がこれぐらい待てなくてどうする。」

「フフ、そうね。せっかくだし、ステージを楽しみましょうか。」

 

 

ステージはあっという間に過ぎていった。

スレッタ役の声優の操るガンダム・エアリアルとミホシのディランザでのGVBによるバトルから始まり、水星の魔女の見どころ紹介やクイズ、そして極めつけに主題歌『祝福』の生ライブなど、大いに盛り上がった。

そんなステージが始まって約2時間……いよいよ終わりの時間がやってきた。

まずはスレッタの声優のMCが始まり、それが終わると次はミホシの番。

ミホシはマイクを受け取ると、客席を見る。

そこで果林たちの姿を見つけると、にやっと笑った。

 

 

 

「今日はこんな素晴らしいステージに呼んでいただいてありがとうございます。実は、私から一つ、皆さんにお知らせしたい事があります。」

「お知らせですか?」

 

 

進行役の女性が首をかしげる。

ミホシのマネージャーも寝耳に水といった様子で、ミホシが何をお知らせするのかは知らない模様。

ミホシはマイクを持って客席を見ると、大声で彼の名を呼んだ。

 

 

 

「リカルド!!」

「お……俺……?」

 

 

 

突然名前を呼ばれ、戸惑うフェリーニ。

周りの観客も、一斉にフェリーニへと視線を向けた。

ここにいる観客のほとんどはガンプラファイターであり、当然ながら彼らにとってフェリーニは超有名人。

そんな彼がこの場にいて、更にミホシに呼ばれるとなると全員の注目は彼に集まる。

 

 

「ほら、行ってきてください、フェリーニさん。」

「ほらほら~!皆さんお待ちかねですよ!」

「わかった!わかったから押すなって!……ったく……。」

 

 

果林とかすみに背中を押されながら、フェリーニはステージへと上がる。

彼がステージの上でミホシに向かい合うと、ミホシはマイクをスタンドに戻し、彼に言った。

 

 

 

「あの時、言った言葉……嘘じゃないのよね?」

「あぁ。俺のお前に対する気持ちは変わらねぇ。今も昔も、それにこれからもな。」

「じゃあ、私に言うべき言葉、あるんじゃない?」

 

 

ミホシがそう言うと、フェリーニは何かを決心したような表情に。

彼はスタンドからマイクを取り外すと、それを持ってミホシの前に跪いた。

そしてポケットから小さなケース……何年も前から用意していたようなボロボロのケースを取り出す。

そこには、紫色の宝石がはめ込まれた指輪が入っており、それを彼女に差し出しながら、マイクを握り締めてミホシに言った。

 

 

 

「キララ……いや、ミホシ。俺と、結婚してくれ。」

「……言うのが遅すぎるのよ、馬鹿。」

 

 

憎まれ口をたたきながらも、フェリーニの差し出した指輪を受け取ったミホシ。

その瞬間、会場中から祝福の声があがり、先ほどまでとは違う意味でのお祭りムードに包まれた。

 

 

 

「ひゃ~~!!か、かすみん……ぷ、プロポーズなんて初めて見ました!!良かったですねミホシさ~ん!かすみん、感動して泣いちゃいます~!!」

「フフ、そうね。」

「かすみん決めました!あの2人の結婚式で歌う新曲作ります!全力でお祝いしちゃいますよ~!!」

「かすみちゃんったら、気が早いわよ。」

「善は急げです!!早速侑先輩とミア子に相談しましょう!!あ、果林先輩も一緒に歌うんですよ?」

「え!?私も!?」

「当たり前じゃないですか!さぁさぁ、行きましょう!」

「ちょ、ちょっと待ってかすみちゃん!もう……でも、そうね。」

 

 

 

俄然やる気になっているかすみに圧倒される果林。

こういう時のかすみの行動力は尊敬に値する。

フェリーニとミホシの婚約は非常におめでたい、それは確かだ。

だがそれと共に、果林は気になる事がある。

誰かの差し金として自分たちの前に現れたミカエリスとベギルペンデ……今のバンシィ・ノワールが、彼らを自分たちに差し向けてくることはあり得ない。

つまり、敵はまだ別にいる。

戦いは、まだ終わっていない。

 

 

「そうね……侑に、相談しなくちゃ、ね。」

 

 

 




~にじビル毎回劇場~

第128回:MGは作り応えがある

璃奈「MGのガンプラって作り応えあって楽しい。璃奈ちゃんボード『にっこりん』」

ミア「わかるよ璃奈。MGって難易度もちょうどいいし、種類も多いし、何より迫力があるからね。一番好きなグレードにあげる人も多いんじゃないかな?」

璃奈「特にドムとリック・ドムがお気に入り。あれは凄くクオリティが高かった。」

ミア「ボクはトールギスとデュナメスだね。最近デュナメスの魅力に気が付いてさ。すっかりはまっちゃったよ。」

璃奈「ガンダムベースに行くとMGの限定品もたくさん置いてるから、見かけるとついつい手に取っちゃうよね。」

ミア「クリアやチタニウムみたいな限定カラーはもちろんだけど、ここだけでしか買えない機体もあるからね。ボクも気に入った物があったら買っちゃうよ。」

璃奈「だからかな。」

ミア「うん。だからだね。」


璃奈ミア「「MGの積みプラがすごい勢いでたまって部屋が狭くなっていく……。」」


璃奈「作るのに時間がかかるから、一体完成するまでの間に増えちゃう……。」

ミア「人気の物は見つけ次第買わないと、もう見つからないかもしれないからね……。」

璃奈「これだけたくさん……どうしよう……。」

ミア「誰にあげるのも勿体ないしね。」

璃奈「……しょうがない、作ろう、今。」

ミア「え?今?」

璃奈「うん。全部。」

ミア「全部!?」

璃奈「早く箱から出してあげないと可哀相。目標は1週間で10体。」

ミア「1週間で10体!?璃奈がやるならボクもやるよ!!」

璃奈「うん!やろう!目標は2人で20体!璃奈ちゃんボード『やったるでー!』」



侑「学校や練習もあるから普通に無理でした。」
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