ニジガクビルドダイバーズ   作:バース・デイ

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ガンフェス一日目終了

 

「せんぱ~~い!!かすみん、ただいま戻りました~!」

 

 

一日目のガンフェスを一通り回ったニジガクメンバーたちは、いったんガンダムベースダイバーシティ店に集まる事となった。

SDガンダムバトルトーナメントが途中打ち切りになった愛、璃奈、ミアと、途中から愛たちに合流した歩夢と侑が最初に到着。

次にヒロト達と別れた彼方としずく、彼方達と途中から一緒にいたせつ菜、ランジュ、マリナが合流。

『水星の魔女』イベントを見終えたかすみが果林を引っ張ってやって来て、最後にエマと栞子が戻ってきた。

栞子は少し眠そうにしていたが、スッキリした表情をしていたのでどこかでお昼寝をしていたのかもしれない。

 

「す、すいません、遅くなってしまって……。」

「栞子ちゃんなかなか起きなかったもんね♪」

「え、エマさん!その話はご内密に!」

「別に遅れて無いよしお子。かすみん達も今戻ってきたんだし。」

「愛さんたちが一番最初に来てたけど、皆集まったのだいたい同じぐらいの時間だよ。気にしない気にしない。」

「す、すごいね皆。集合時間も決めていないうえにバラバラの場所から集まったのに、ほとんど同じタイミングで集まるなんて……。」

「凄いでしょマリナ!これがスクールアイドル同好会なのよ!」

「偉そうにどや顔するなよランジュ。ボクと同じ新参者のくせに。」

「何よミア~!」

 

 

いつものようなやり取りをして盛り上がろうとする一同。

気の合う友人たちで集まり、待ちに待ったイベントを一日中堪能してきたはずだが、全員どこか笑顔がぎこちない。

ランジュと愛が場を盛り上げようとするが、いまいち盛り上がりに欠けてしまう。

その理由は、一つしかない。

少しの沈黙の後、侑が口を開いた。

 

 

「ねぇ……皆は、どうだった?」

 

 

「「「………。」」」

 

 

この『どうだった』は、イベントが楽しかったかどうかを聞くための質問では無い事は、全員わかっていた。

非常に答えづらい質問をしてしまったと、言った後に侑は思ったが、果林が真っ先にこたえてくれた。

こういう時は果林のストイックさがとてもありがたく感じる。

 

 

「私とかすみちゃんの所には、ミカエリスが来たわ。それと、ベギルペンデっていうモビルスーツもね。」

「かすみんと果林先輩のバトルを邪魔してきたんですよ!」

「まぁ、フェリーニさんとミホシさんのおかげで何とか倒せはしたけどね。」

 

 

「私と彼方さんの所にはダリルバルデというモビルスーツが来ました。本当に、突然襲われたんです。」

「あとディランザっていうのも来たね。ヒロトくん達がいてくれて助かったけど、またあんなのが来たら怖いよねぇ。」

「マリナさんも駆けつけてくれたんです。ありがとうございました。」

 

 

「こっちにはガンダムが来たよ。ファラクトとかいう黒いモビルスーツだ。ボクたちの大会をめちゃくちゃにして行ったんだ……腹が立つよ、まったく。」

「愛さんとミアちゃんと私、それに侑さんが戦ってくれた。」

「セカイさんたちも戦ってくれたんだけど、あのファラクトっていうのめっちゃ強かった。」

 

 

「そして、私とエマさんの所にはガンダム・エアリアル……ですか……。」

「一時はどうなる事かと思ったよね。」

 

 

 

ニジガクメンバーが参加したほとんどのイベントに乱入してきた、『水星の魔女』の主要モビルスーツ。

主人公であるスレッタ・マーキュリーの愛機であるエアリアルをはじめ、作中主要人物である『御三家』のモビルスーツ達が次々とニジガクメンバーへ襲い掛かってきた。

偶然かと思ったが、あれからカワグチとセカイから連絡があったが、どうやら彼女たちのいない場所には現れていないらしい。

つまり、これは明らかに何者かの意志によって、彼女たちを狙ってきているという事になる。

 

 

「そんな事が起きていたのね。」

「私とランジュさんはその現場を見ていないんです。彼方さんたちの時は、マリナさんとノワールさんが先に駆けつけて……。」

「私も栞子ちゃんのところと愛ちゃんの所で見てはいるんだけど、私は戦ってないんだ。途中参加できたのは侑ちゃんと愛ちゃんだけだったから。」

 

 

水星MSと戦っていない歩夢、せつ菜、ランジュは申し訳なさそうに項垂れる。

この状況に最も詳しいであろう人物に、果林は尋ねてみた。

 

 

「ねぇ、ノワール。あなたは何か知らないの?」

「果林!まさかノワールを疑ってるの!?」

「違うわランジュ。落ち着きなさい。これは明らかなハッキングよ。GBNのシステムなんて大がかりな物をハッキングできるのなんて、相手は限られているわ。」

『そうだ。朝香果林の言う通り。俺はこの状況については何も知らないが、これは明らかにELダイバー……あるいはそれに準ずるなにものかの犯行だ。』

「けど、なんで同好会の皆なんだろう?こういうのって、普通叔父さんとかニルスさんとか、GBNの偉い人を狙うんじゃないの?」

『こんな事をやろうとするのはおそらく……。』

「アナザーノワール……。」

 

 

バンシィ・ノワールの言葉に侑が続いた。

聞き馴染みの無い単語に、歩夢が侑に聞いてきた。

 

 

「侑ちゃん、アナザーノワールって?」

「みんなのライブ中に私がノワールと戦ったでしょ?その時に、ノワールが作ってたモビルアーマーだよ。」

『立像のユニコーンガンダムを動かすためのプログラムだ。俺のデータの一部を参考に作り上げた、大型破壊プログラムの名称だ。』

「えぇ!?そんなの作ってたんですかぁ!?かすみん達ライブ中だから侑先輩の戦うところ見てないから、そんなのあるなんて知りませんでしたよぉ!」

「あ、で、でも安心して皆!最後に私たちでアナザーノワールは壊したから!大丈夫だよ、きっと!」

「ならいいですけどぉ……。」

『………。』

 

立像のユニコーンガンダムを操るためにバンシィ・ノワールが作ったプログラム『アナザーノワール』

仮に同好会を狙ってくるとしたら、それぐらいしか考えられないが、アナザーノワールは確かにあの時にバンシィ・ノワールが破壊したはず。

プログラムが生きていればバンシィ・ノワールがわかるはずだ。

それがわからないという事は、アナザーノワールは間違いなく消滅している。

しかし、それだとなぜ自分たちが襲われているのかの検討が付かない。

 

 

「ここで悩んでいたって仕方が無いだろ。」

「ミア子?」

「相手がわからない以上、ボクらは相手の出方を待つ事しかできない。次攻めて来た時に、全力で相手してやればいい。」

「そうね。ミアの言うとおりだわ。私たちじゃ調べられる事に限界がある。調査は大人に任せて、今日は休みましょう。」

 

 

ミアと果林の提案で、今日はいったん解散する事になった同好会とマリナ。

家の遠いしずくと、寮の門限がある果林、エマ、ランジュ、ミアが真っ先に帰り、他のメンバーも各々のペースで帰宅していく。

最後に残ったのは電車で帰る侑と歩夢、それとカツラギが迎えに来てくれる予定のマリナで、電車が来るまでは少し時間に余裕があるため、マリナの迎が来てくれるまでは一緒にいる事に。

 

 

「それにしても、大変な一日だったよね。」

「ホントだね。」

「だけど私、楽しかった。お友達とこうやって遊んだのって、もうずっと昔の事だから。」

 

 

笑いながらマリナは自分の義足を触る。

そんな彼女に、侑は尋ねた。

 

 

「マリナちゃん、あの事、考えてくれた?」

「……やっぱり……私には無理だよ……。見た事無いよ、義足のスクールアイドルなんて……。」

 

 

侑はずっと、マリナにスクールアイドルをやってほしいと考えていた。

せつ菜やランジュも同じ考えで、二人ともマリナと一緒に歌いたいと言ってくれている。

特にランジュとはその事で以前大喧嘩した事もあるので、みんなの気持ちはマリナもよくわかっている。

 

 

「マリナちゃん。もちろん、侑ちゃんも私たちも、無理にとは言わないよ。よく考えて、マリナちゃんが一番だと思う選択をしてほしいな。」

 

 

歩夢がそう言ってマリナに笑いかけ、マリナの手を握ってくれた。

その様子を見ていたバンシィ・ノワールは、マリナに何も言わない。

歩夢と侑の問いかけにマリナは答えず、数分の時間が流れると、彼女たちの下へ黒い車が停まった。

中からマリナの叔父であるカツラギと、ヤジマ商事のニルスが出てくると、ニルスは侑と歩夢へ頭を下げた。

 

 

「皆さん、今日はお疲れさまでした。どうやらまたよくない事が起きているようで……申し訳ありません……。」

「い、いや、ニルスさんのせいってわけじゃ!」

「早急な原因究明に努めます。」

「お仕事、頑張ってください。マリナちゃん、また明日!ノワールもね。」

「うん!また明日、侑さん、歩夢さん!」

 

 

カツラギとニルスがマリナを車椅子ごと車に乗せると、そのまま走り去っていった。

 

 

 

 

 

~~

 

 

帰り道、カツラギが運転する車の中で、マリナは彼から今日の事について聞かれた。

 

 

「マリナ、ガンフェスは楽しめたか?」

「もちろん!今まで参加したガンフェスで、一番楽しかった!叔父さんとバトルした後にもせつ菜さんとランジュさんと色々参加したの!歴代モビルアーマーと戦うミッションなんてもう大変で大変で……、」

「それは良かった。帰ってからゆっくり聞こう。ノワール。」

『なんだ。』

「マリナを楽しませてくれた事、感謝する。」

『礼を言われるような事ではない。』

 

 

しばらくの間、マリナの口は止まらなかった。

口を開けばガンフェスの事やスクールアイドル同好会の友達の事ばかり飛び出し、本当に楽しそうに語っていた。

バンシィ・ノワールを掌に載せて、彼と一緒に叔父であるカツラギに今日がどんなに楽しい日だったのか、話し始めたら止まらない。

ふと、彼女の隣でニルスが、マリナに話しかけた。

 

 

「マリナさん、例の件なのですが……我々も無理にとは言いません。ご自分でよく考えて、周りとよく相談してから決めてくださいね。」

「……はい……。」

「もちろん断ってもらってもいいんですよ。虹ヶ咲からガンプラ学園への編入の話……こんなもの、我々大人の勝手な都合でしか無いんですから。」

 

 

 

ニルスに言われて、マリナは急に黙った。

 

 

実はマリナには、ニルスや4代目メイジンからの推薦で、ガンプラ学園への編入の話が来ていた。

 

 

ガンプラ学園とはその名の通り、次世代の有望なビルダーやファイター、ダイバーを育てる学校で、4代目メイジンのキジマ・ウィルフリッドもそこの卒業生である。

マリナのガンプラに宿ったバンシィ・ノワールという特殊なELダイバー……そんな彼を生み出せた彼女は、ガンプラ学園へ特待生としての推薦が来ている。

勿論、マリナは虹ヶ咲学園が好きだが、叔父の立場もありはっきり断るのも申し訳なく思っており、なかなか答えを出しづらい。

 

 

「ねぇ、ノワールはどうすればいいと思う?」

『俺は……。』

 

 

マリナに尋ねられ、バンシィ・ノワールはうつむいた。

自分の胸の辺りを手で押さえ、マリナに言った。

 

 

 

『俺は、マリナが一番幸せになる選択をするべきだと思う。』

「それじゃあわかんないよ~。ノワールの気持ちを教えてよ~。」

『マリナ、俺だっていつまでマリナのところにいられるかわからないんだ。大きな選択は自分でするべきだ。』

「縁起でも無い事言わないでよノワール。大丈夫、ノワールと私はずっと一緒だからね!約束!」

『……約束、か……。』

 

 

チラッとカツラギの方を見たバンシィ・ノワール。

カツラギは黙ったまま、車を自宅へ向かって走らせた。

 

 

 

 

~~

 

 

「あ!」

「どうしたの歩夢?」

「GBNのポイント引き換え、今日までだったの!最近忙しくて忘れちゃってたよ~。」

 

 

帰るために駅に向かっている最中に、歩夢はGBNで貯めたポイントの事を思い出した。

少し前に歩夢がGBNでクリアした限定ミッションのクリア報酬で、期限付きではあるが普段の2倍のダイバーポイントと引き換えができる。

ちょうど期限が今日までで、今からガンダムベースに戻ってGBNへログインすれば間に合う。

 

 

「ごめん侑ちゃん!私ちょっと戻るね!先に帰ってていいから!」

「ううん、付き合うよ。私も別に急いでるわけじゃ無いし、私だけ帰ったら歩夢一人になっちゃうじゃん。可愛い女の子をこんな時間に一人で帰すわけにはいかないよ。」

「も、もう……侑ちゃんだって女の子でしょ。でもありがと。じゃあ、行こう。」

「うん。」

 

 

Uターンしてガンダムベースへと戻る2人。

道中、最近人気の『蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ』の話をしながら、ガンダムベースへと戻っていった。

 

 





~にじビル毎回劇場~

第137回:ありがとうスクスタ

歩夢「それにしても、私たちの写真増えたよね。わぁ、懐かしいなこの写真!スクフェスの時に撮ったやつだ!」

果林「こっちはだいこく祭りの時のものね。フフ、ランジュったらこんなにはしゃいじゃって。」

ランジュ「だって他の2人に負けていられなかったんだもの!冷たさなんて全然感じなかったわ!」

エマ「この写真は……ランジュを引き留めた時のライブのだね。」

彼方「これも今じゃいい思い出だよねぇ。」

かすみ「あー!こんな写真いつ撮ったんですか!!コレ、5番勝負の時のやつじゃないですかぁ!!」

しずく「最後の最後で引き分けだったもんね。」

璃奈「それ、私が撮った。」

愛「こっちは皆で沼津に行った時のだ!すごいライブだったよね!愛さんめっちゃ燃えちゃったよ!」

ミア「あの時は帰りの車の中でベイビーちゃんが大変だったよね。」

栞子「そういえば、あの方はどこへ行ったのでしょう?」

せつ菜「もうすぐ来ると思いますよ。ほら、噂をすれば。」


歩夢「あ、来た来た!ねぇ、あなたはどの思い出が一番楽しかった?あなたがμ’sとAqoursにトキメキを感じて、今日まで歩んできた私たちの軌跡……どの思い出が一番輝いていたかな?あなたの一番の思い出を、私たちに教えて!」


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