ニジガクビルドダイバーズ   作:バース・デイ

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ガンフェス二日目

 

「ガンプラってたくさん種類あるのねぇ。どれを作ろうか迷っちゃうわ。」

「あたしも一緒に選んであげるよお姉ちゃん!」

「ありがとう愛ちゃん。」

 

 

迎えたガンフェス二日目……美里を加えたニジガク2年生組とマリナは、普段通りガンダムベースにやって来て、皆でガンプラ作りをすることにした。

色々見て回るのも良いが、シンプルにガンプラを作るのも楽しいとの事で、ちょうど愛が美里を誘ってくれていたので、各々好きなガンプラを作ることに。

それぞれ一目ぼれしたガンプラを手に取り、好きなように作っていく。

 

「歩夢はそれ何作ってるの?」

「MGのザクウォーリアーだよ。限定カラーでピンクなんだ!可愛いよね!」

「うん、可愛い!私はシル……シルヴァ……?えーっと……シルヴァ・バレト……さ、サプレッサー!」

「侑さんなかなかのチョイスですね!その機体はユニコーンガンダムのパイロットのバナージ・リンクスが続編のガンダムNTで乗っていた機体なんですよ!」

「せつ菜ちゃん何作ってるのそれ……?」

「はい!!PGのエクシアです!!」

「それ今日中に作り終わるの……?」

「あたしも手伝ってるから無問題ラ!」

「愛さんもそろそろ何か作ろうかなー。お姉ちゃんも作りたいもの決まったしね!」

「えぇ。フフ、子供のころに学校の男の子たちがよくガンダムのお話してたけど、まさかこの年齢になってから作るなんて思わなかったわ。」

 

 

そう言いながら美里が持ってきたのは『RX-93ff νガンダム』のエントリーグレード。

福岡限定のガンプラだが、ガンフェスの間だけは期間限定で東京でも販売中。

通常のエントリーグレードのνガンダムとは違い、専用の大型武装『ロングレンジフィンファンネル』が付属しているのでエントリーグレードの中でも大型のキットになってる。

 

 

「美里さんのガンダムカッコいいですね!」

「これ、マリナちゃんが選んでくれたの。初心者におすすめだって。」

「こんなガンプラあったんだねぇ。マリナっちガンプラ詳しいもんね!」

「え、えっと……。」

『当然だ。ガンプラの知識でお前たちごときがマリナに勝てると思うな。』

「の、ノワール!失礼な事言っちゃダメだよ!」

 

 

相変わらずバンシィ・ノワールはマリナ以外には態度が悪いが、今は皆それに慣れているので軽く受け流す。

今日は昨日と違い、特に何か起こる様子はない。

いたって平和にガンフェスは行われている。

 

 

「ねぇ皆!作り終わったら皆でバトルしましょ!」

「えぇ!?む、無理だよぉ!だってせつ菜ちゃんとランジュちゃんのPGだもん!……あ、でもブレイブインパルス使えば勝てるかも……。」

「そもそも作り終わるのかなコレ……。」

「じゃああたし達も作ろっかお姉ちゃん!マリナっち!」

「えぇ。2人は何を作るの?」

「アタシはHGのMK-IIだよ。」

「私はフルアーマーガンダムです。」

「出来上がったら私にもバトル教えてね。」

 

 

(特に何かが起こる様子はない……このまま平穏に過ぎればいいが……。)

 

 

『グッ……!』

「大丈夫ノワール!?なんか昨日からずっと調子悪そうだよ!?」

『いや……問題ない……それよりもマリナ、そろそろ高咲侑に、返事をしてやったらどうだ?』

「う……うん……そうだね。」

 

 

 

 

 

~~

 

 

1年生組の4人は海浜公園のGVBのブースへ遊びに来ていた。

昨日はエマと栞子、璃奈とミアと愛が大変な目にあったが、今日はプログラムの調整をされたおかげで問題なく稼働している。

ガンプラが壊れてしまうGPDや、最初の手続きが割と面倒なGBNに比べて、ガンプラさえあれば破損の心配も無く手軽に遊べるGVBは小さい子を中心に人気を集めていて、中学生以下の子供たちがこぞってGVBを楽しんでいる。

 

「りな子としお子はもうGVB遊んだんだよね?どんな感じだった?」

「操作性はGPDに近いかもしれません。GBNと違う視点でバトルをするので慣れるのが大変でした……。」

「でもエマさんと渡り合うなんてすごいよ栞子さん。璃奈さんはどうだった?」

「確かに操作には慣れが必要だった。でも実際のコクピットに乗り込むGBNよりは単純な操作だったから格闘ゲームを遊んでる感覚に近い。やりこめば得意な人はGBNよりも得意になりそう。」

「じゃあこの4人で誰が一番強いかバトロアしよーよ!かすみん負けないよ~!」

「4人じゃないでしょかすみさん。」

「おっとっと。そうだった。」

 

 

かすみがそう言うと、少し離れたところからダッシュで4人のもとへ向かってくる人影が見えた。

それは璃奈に向かって思いっきり抱き着くと、璃奈の顔を見てパァと笑顔になった。

 

 

「璃奈ねーちゃん!!」

「ミオちゃん、今日はよろしくね。」

 

 

ヤサカ・マオの娘の、ヤサカ・ミオだ。

ミオはしずく、かすみ、栞子の顔を順番に見ると、周りをキョロキョロ見渡す。

 

 

「ミアねーちゃんは?」

「ミアちゃんは今日は他の人と一緒なの。ごめんね。」

「そうなんや……べ、別に、さみしくなんかあらへんけどな!!」

「その年齢でツンデレを習得してるなんて……将来良い役者さんになれるかも……。」

「しず子……。」

「しずくさん……。」

 

 

かすみと栞子がしずくに少し冷たい目線を向けてると、ミオと一緒に来たマオとミサキが璃奈達へ頭を下げてきた。

 

 

 

「ごめんなぁ皆。ミオちゃんがどーしても君らと一緒に遊びたい言うてん。無理なお願い聞いてもろうて。」

「ううん、大丈夫。ミオちゃんと遊ぶの、私たちも楽しい。」

「何かあればすぐに言ってください。私たちも目の届く範囲にいますので。」

「わかりました。ではミオさん、行きましょう。」

「うち、栞子ねーちゃんの化け物みたいなガンプラとたたかってみたい!」

「ば、化け物!?」

 

 

ちょっとショックを受ける栞子の手を引っ張って、全員でGVBの筐体へと急いで、すぐにバトルを始めた。

その様子を見たマオは、その姿にかつての自分たちを思い出しながら、思わず笑ってしまった。

 

 

 

 

~~

 

 

「お姉ちゃ~ん……着たけど……この衣装何?」

「うおぉおおおおおお!!!!遥ちゃんかわいいいいいいいい!!!」

「声おっき。」

 

 

3年生組は東雲学院のスクールアイドル部のメンバーと一緒に、昨日果林とかすみが来たガンダムのファッションが楽しめるブースにやってきた。

やってきたは良い物の、彼方がずっと妹の遥にいろんな衣装を着せて楽しんでいる。

遥も普段負担をかけている姉が少しでも楽しめるようにと素直に着せ替え人形になっているが、8回目辺りからちょっとげんなりしてきた。

 

 

「へー、可愛いじゃない。コレ何の衣装なの?」

「鉄血のオルフェンズに出てくるアトラちゃんっていう子の衣装だよ。」

「小柄なキャラだから遥にはよく似合ってるね。」

「ミアさーん!それ、褒めてるんですか~!?」

「褒めてるよ。かわいいかわいい。」

「ミアちゃん声が小さいよ!!もっと大声で!!!」

「うるさ。」

 

 

「遥ちゃんのお姉さんってなんか……。」

「凄い人ですね……。」

 

 

普段から彼方を見ているニジガクの3年生はいつも通りの反応だが、遥経由の彼方しか知らない東雲のメンバーは、いつもの彼方とのギャップに若干引いていた。

ちなみに今回同行したメンバーは、以前に3年生組とガンプラバトルをしたクリスティーナとかさねの2人。

他のメンバーは各々好きなように回っている。

 

 

 

「それじゃあ次の衣装はね~……、」

 

 

 

 

「姫!!!」

 

 

 

「!? こ、この声はまさか……。」

 

 

 

突然聞き覚えのある声が聞こえた彼方は、背筋にぞくっとしたものを感じて振り返った。

そこにいたのは、『近江彼方姫命』という、かなり痛々しい鉢巻を巻いた、ニジガクの制服を着た数人の女生徒たちだった。

 

 

「あら。久しぶりね、ガンプラバトル同好会の皆。」

「「「我々はガンプラバトル同好会ではありません!!近江彼方姫親衛隊兼ガンプラバトル同好会です!!!」」」

「とうとう親衛隊の方が名前先に来ちゃったよ……。」

 

 

やってきたのは彼方にほれ込んだ彼方のガチ勢……近江彼方姫親衛隊兼ガンプラバトル同好会。

部長のサクモト・ヤマトは最近、同好会の為のクラウドファンディングまで始めたという噂もある。

 

 

「こんなところでお会いできるとは何たる強運!!身に余る光栄であります姫!!」

「そ……そうなんだー……。よ、よく彼方ちゃんがここにいるってわかったねぇ……。」

「はい!!建物の外にいてもよく聞こえる素晴らしいお声だったもので!!」

 

 

遥を応援してる時の彼方の声の大きさはせつ菜やランジュをはるかに凌駕する。

自分の声の大きさに反省していると、ヤマトは彼方へ一つ提案をした。

 

 

 

「姫!!ぜひ我々に姫のお召し物を見立てさせていただけないでしょうか!!」

「えぇ!?い、いやー……彼方ちゃんはちょっと……。」

 

 

逃げようとした彼方だったが、そんな彼女の腕を掴んで止めたのは遥。

彼女は少し怒ったような顔で、彼方へ笑いかけた。

 

 

「わー、それは楽しそうだねー、ぜひやってもらおうよお姉ちゃん(棒)」

「遥ちゃん!?」

「観念しなさい彼方。さんざん妹で楽しんだバツよ。」

「可愛い彼方ちゃん私も見たいなー!」

「み、ミアちゃん助けて~!」

「お、璃奈達から写真が送られてきた。ミオも来てるのか。むこうも楽しそうだな。」

「聞いてない!?」

 

 

 

その後、彼方は遥と近江彼方姫親衛隊兼ガンプラバトル同好会に連行され、彼女たちの着せ替え人形にされてしまった。

なお、その際に彼方が着替えるたびに、親衛隊……特に部長のヤマトは泣きながら神に感謝の言葉を口にしていた。

 

 

 

 

 

~~

 

 

 

同好会の面々がそれぞれガンフェスの二日目を満喫している中、GBNにログインをしてELバースセンターで仕事に没頭している男が2人。

コウイチのアバター……コーイチと、ツカサのアバター……アンシュだ。

昨夜、侑とリクからの依頼を受けた2人は、あれから夜通しで今まで作業を続けていた。

ガンフェスの安全を守る……それがこの2人の今の最重要任務である以上、その使命を全うするためだ。

GBNのありとあらゆる場所へアクセスし、少しでも危険がある可能性があればそれを徹底的に排除し、それがELダイバーであれば保護をする……いつもの仕事の延長線上にあるような仕事ではあるが、今回は今まで以上に細かなチェックを入れていく。

 

 

『ここも問題はねぇ。そっちはどうだコーイチ。』

「こっちも異常無しだ。リク君たちが言うような異変は見つからない。」

 

 

異常が無ければそれに越したことは無い。

だが、コーイチもアンシュも、妙な胸騒ぎがしていた。

何故なら彼らは3年前のブレイクデカール事件の当事者であり、このGBNを利用した犯罪やデータ改竄、バグについてはGBNの運営よりも熟知している自信があるから。

 

 

「何もなければそれで良い。けどお前は、それじゃ納得出来ないんだろ?」

『わかりきった事聞いてんじゃねーぞコーイチ。』

「それで?目星はついているのか?」

『あぁ。おそらく、テメェと同じ事考えてるぜ。』

 

 

そう言って2人はにやりと笑った。

アンシュはひそかに用意していたプログラムを入力すると、それをとある座標へと重ねる。

その場所の名前を、2人は同時に口にした。

 

 

 

「『ユニコーンガンダム立像。』」

 

 

 

「ガンフェスに直接かかわる事の出来るディメンションとなると数は限られる。そしてここは唯一、現実世界のガンフェス会場と密接にかかわる事の出来る場所だ。ここからなら、ガンフェスのサーバーにはある程度アクセスも出来る。だけど、調べつくしたけどそんな痕跡はどこにもなかった。」

『そこでコイツの出番だ。前回、高咲がバンシィ・ノワールと戦う為に使ったアクセスコードに、俺の改良を加えたブレイクデカールを組み合わせた。コイツでユニコーンのディメンションを吹き飛ばして、潜んでるやつをあぶりだしてやる。』

 

 

今回アンシュが用意したものは、以前カツラギが使ったデリートシステムのようなELダイバーを破壊するプログラムではなく、ディメンションそのものを破壊するプログラムだ。

これは元々彼がGBNを憎んでGBNを破壊しようとして開発したブレイクデカールの大元の改良版。

現時点では何も発見できないユニコーンのディメンションをこれで破壊し、敵の正体を見つけ出すというもの。

もしもそこに何もなく、ただただディメンションを破壊した場合、彼ら二人はGBNから激しく罰せられるだろう。

だが、彼らはそれ以上に、ガンフェスを大勢の人に楽しんでもらいたいと思っている。

 

 

 

『こいつを使う為には、俺たちが実際にあそこまで言って起爆する必要がある。準備は出来てるかコーイチ?』

「あぁ。でも、もしそこに敵が潜んでた場合、最悪戦闘になる可能性もあるよな……。」

『だったらあれを使うか。もしもの時の為に用意しておいたやつ。』

「わかった。用意しておくよ。」

 

 

 

そう言って2人はELバースセンターの格納庫へと向かった。

そこには、2人の愛機であるロードアストレイダブルリベイクが格納されている。

そして、それに加えてもう一つ……巨大な戦艦のデータも保管されていた。

 

 

 

『まさかコイツを使う日が来るとはな。』

「あぁ。俺たちが作った、最強の無人アストレイ部隊。これで、皆のガンフェスを守るんだ!」

 

 

 




~にじビル毎回劇場~

第142回:ラブソングフェスティバル

パル「皆さん!新曲聞きました!どれも素晴らしかったです!」

しずく「ありがとうパルくん。CDが出たら是非フルで聞いてください♪」

果林「それにしても、誰も恋愛した事なんて無いのに皆よく新曲書けたわよね。璃奈ちゃんだけは少し方向性が違ったけど。」

パル「え?果林さんも無いんですか?」

果林「そこは触れなくていいのよ。」

しずく「確かに誰もそういう話題をした事は無いですね。」

果林「まぁ、身近に参考になる人達ならいたけどね。」

パル「誰ですか?」

しずく「えぇ……パルくん、同じフォースなのに…一緒にストーカーまでしたのに……。」

パル「え?」

果林「あの初々しいけどまだお互い一歩踏み出せていない感じ……すごくいいわよねぇ……お姉さんつい見守ってあげたくなっちゃう♡」

しずく「果林さん、同い年ですよね?」

パル「え?誰ですか?誰なんですか!?」

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