「あれ?」
「どうしたのリッくん。」
「キョウヤさんがいない。絶対来ると思ったのに……。」
ビルドダイバーズの面々がやってきたのはガンフェスの為にヴィーナスフォートに設営された『機動戦士ガンダムAGE』の特別ブース。
ガンダムAGE10周年を記念して腕に自信のある数多くのビルダーたちが改造したAGEのガンプラや、今までに発売されたAGEシリーズの全キット、更にいまだ未発表のMG ガンダムAGE-3などと一緒にガンダムAGEの歴史の全てを感じる事が出来る。
このブースはチャンピオンのキョウヤの熱い希望があって設営されたもので、リクは当然キョウヤはここにいるものだろうと考えていた。
だが実際にはキョウヤの姿は無く、リクは首を傾げた。
「おかしいなぁ……。」
「いやいや、あの人だって、いくら好きだからってそんな四六時中AGEの事考えてるわけじゃ無いでしょ。」
「え……私、四六時中SDの事考えてるんだけど……変かな……?」
「リッくん、キョウヤさんに用事あったの?」
「そういうわけじゃないんだけど。」
『…………。』
リクとサラが怪訝そうな表情を浮かべると、彼らの両サイドから、リク達を呼ぶ声が聞こえた。
「おーい!皆~!」
「おっ!お前らもAGE見に来たのか!すげぇよなここ!力の入れようが違うぜ!」
リク達の右側からは侑をはじめとしたニジガク2年生組が。
左側からはカザミが引率したBUILD DiVERSが、それぞれやってきた。
侑達の方には美里、BUILD DiVERSにはマサキがそれぞれ一緒だった。
「侑、ヒロト。」
「リク達も今日はリアルの方のイベントを周ってるんだな。」
「うん。キョウヤさんからおススメされてたから、今日はこっちを見ようかなって。皆はもうどこか周ってきたの?」
「私たちはさっきまで美里さんにガンプラバトル教えてたんだ!即席で作ったガンプラで戦うの楽しかったよ!」
「俺たちはまだ今日はどこも。ここが初めてだよ。」
『カザミが遅刻したからな。』
「うわっ、バッ……余計な事ばらすなって!」
「そ、それにしても凄い偶然ですね!皆でここに集まるなんて!」
「そうだね。私、どうしてもAGE展見たかったんだー!ほら、ブレイブインパルスってAGE-FX使ってるでしょ?ここでもっと勉強してインパルスを強くしてあげたくて。」
「AGEの事ならチャンピオンに相談してみようよ歩夢!あの人、AGE大好きだし探したらどこかにいるっしょ?」
「いや……それが、キョウヤさんどこにもいなくて……。」
「えぇ!?あのAGE大好きなチャンピオンがですか!?」
AGE展にいないだけでせつ菜が驚くほど、キョウヤのAGE好きは一般プレイヤーに浸透してきているようだ。
もしかしたらと、侑と歩夢には心当たりがあった。
侑達だけでなく、リクとユッキーにもなんとなくの心当たりはある。
「もしかして、コーイチさんたちと一緒なのかな……。」
「コーイチさん……もしかして、昨日の異変の事か?」
「うん。そう言えばヒロト達も戦ったんだよね。」
「あぁ。確かに、隊長ならこんな異変を放ってはおかない。コーイチさんたちに協力をしていてもおかしくは無いな。」
「どうなっちゃうのかな、ガンフェス……大丈夫だよね……?」
歩夢がそんな不安そうな声を漏らすと、彼女の顔を見た侑が歩夢の肩に手を乗せた。
「大丈夫だって!だってあの無敵のチャンピオンだよ!絶対大丈夫だって!」
「……うん、そうだね!」
~~
『行くぞ!!TRYAGEマグナム!!うおおおおお!!!』
ダリルバルデとミカエリスの二機を相手に圧倒するキョウヤの操るガンダムTRYAGEマグナム。
ダリルバルデとミカエリスは自身が引き連れているディランザとベギルペンデをTRYAGEマグナムへと向かわせるが、TRYAGEマグナムの両肩に装備されている無線式オールレンジ兵装『TRYファンネル』が敵を全く寄せ付けない。
計4基と数は少ないが、機動力にすぐれた武装であり、更に内蔵されているビーム砲によりあらゆる状況に対応可能。
これによりディランザとベキルペンデはほとんどなすすべなく倒され、ベキルペンデに至っては相手MSを無効化するアンチドートの発動すら許されない。
『相変わらずの腕前だな、キョウヤ。』
『これぐらいの相手、ボクが普段から戦っている本物のファイターたちに比べたら、とるに足らない相手さ!』
『フッ……頼もしいな!!』
4代目メイジン・カワグチの相手はガンダムファラクト。
ファラクトは遠距離特化のガンダムであり、更に相手の電気系統を麻痺させる無線式兵装の『コラキ』を備えており非常に強力なMSだ。
しかし、カワグチの作り上げた最強のガンプラ トランジェントガンダムVer.IVにとっては苦戦をするまでも無い相手。
トランジェントを罠に賭けようと、小さいスペースデブリに隠してコラキを飛ばすが、トランジェントはその全てを見事にかわし切り、一瞬でファラクトとの距離を詰める。
対抗しようとするファラクトの喉元へGNパルチザンを突き付け、その頭部を跳ね飛ばした。
『なんだよあいつら……化け物じゃねぇか……。』
「敵じゃなくて味方で、心底ホッとしたよ……。」
『情けねぇ事言ってんじゃねぇぞコーイチ。敵だ。』
敵のリーダー機をチャンピオンとメイジンに任せ、コーイチとアンシュのロードアストレイダブルリベイクが相手取るのは、無数の量産機。
ディランザ、ベギルペンデ、ザウォートが、それぞれ数百単位で襲い掛かってくる。
コーイチとアンシュのファイターとしての腕前は、チャンピオンやメイジンには及ばないが、彼らには最強のアストレイ軍団という切り札がある。
M1アストレイ15機と、レッドドラゴン、ブルーフレームD、天ミナの計18機へ指示を送り、無数の敵の大群の中へと突っ込ませた。
「行けぇ!!俺たちの、最強アストレイ軍団!!」
『雑魚どもを蹴散らせぇ!!』
コーイチ達の指示により、M1アストレイ達が一声に量産機たちへと襲い掛かる。
相手の物量はこちらの10倍以上であり、敵の量産機とM1アストレイ達の強さはほとんど互角。
しかし、それを補って余りあるのがアストレイ軍団のリーダー機となる3機のアストレイ。
天ミナはバックパックに装着された巨大な兵装『マガノイクタチ』を構え、ディランザ、ベギルペンデ、ザウォートへと伸ばす。
マガノイクタチが3機を貫き、そこからエネルギーを吸収してさらに自分の動力源へと変換。
それによりさらにパワーを増した天ミナは、厄介なアンチドートを使用するベギルペンデ達へと狙いを定め、そこへ向けて有線式兵器『マガノシラホコ』を射出した。
一機だけで相当数のベギルペンデを破壊した天ミナは、使用した分のエネルギーをさらにマガノイクタチで相手から吸収する形で回復し、その躍進は止まらない。
天ミナがベギルペンデを集中的に相手をしてくれているおかげで、全力で戦うことができるブルーフレームD。
全身に装備されたドラグーンを操り、ザウォートを集中的に攻撃。
ザウォート達の物量に物を言わせた大火力の弾幕をもろともせず、ドラグーンで全ての弾をはじき落して道を切り開いていく。
敵陣に突入したブルーフレームDは全てのドラグーンを手元へと集め、二振りの最強の剣『シペールソード』へと合体させた。
鮮やかに舞うように剣を振るい、一撃で数十体のザウォートを切り裂いた。
ブルーフレームとゴールドフレームの快進撃に負けじとディランザを相手に無双をするのは、アストレイ レッドフレームの最強形態であるレッドドラゴン。
スペック上の最強形態はレッドフレーム改であるが、安定感ではこちらのレッドドラゴンが勝る。
最大の特徴はフライトユニットに接続した3つのMS用マルチツール『カレトヴルッフ』。
頭部のドライグヘッドにより制御され、さまざまな形態を使い分ける事の出来る実体剣のような兵装だが、あくまでマルチツールであり武器ではない。
両手でカレトヴルッフを構え、ディランザ相手に白兵戦を繰り広げるレッドドラゴン。
ディランザの猛攻をもろともせず、見事なカウンター攻撃で相手を一撃で倒していく。
更に、カレトヴルッフを組み替えて一振りの巨大な大剣へと変形させると、それを振り下ろしてディランザを一気に撃破。
ディランザを撃破した後はカレトヴルッフをフライトユニットへと戻すレッドドラゴンだが、その背後には天ミナから逃げて来たベギルペンデが忍び寄る。
しかし、レッドドラゴンは腰に携えた刀『ガーベラストレート』を抜き取ると、見事な居合切りで背面に忍び寄っていたベギルペンデを一刀両断した。
「す……すごい……。」
『おい、コーイチ。何ぼけっとしてんだ。俺たちもいくぞ。』
「い、いや……まさか、ここまで強いなんて思って無くて……。」
『俺たちが作ったんだ、強くて当然だろ。』
ぶっきらぼうに言うアンシュだったが、その声色は若干だがいつもよりも高かった。
ロードアストレイもチャンピオンやメイジン、他のアストレイ達のように派手ではないが、着実に一機ずつ相手量産機を撃墜していく。
「よし!このまま元凶を突き止めよう!相手は確実にこちらの動きを把握している、隙を見せたその瞬間を叩くんだ!」
『! コーイチ!何か来るぞ!!』
「なにか……?」
アンシュがそう言った瞬間、彼らの目の前に、11基のビットステイヴ『エスカッシャン』が飛んできた。
エスカッシャンがロードアストレイへ向けて一斉にビーム攻撃を放つが、コーイチはそれに対する反応が遅れた。
しかし、アンシュはその攻撃を見逃さず、すぐさまロードアストレイの操縦権限をコーイチから奪い取った。
『アイハブコントロール!!』
コーイチがメインパイロットを務める射撃形態のクアドロモードから一転、アンシュがメインパイロットを務めるレベルソモードへと変形を遂げたロードアストレイは、宇宙に浮かんでいるスペースデブリを足場にしてジャンプをし、エスカッシャンの攻撃をかわす。
かわし切れない攻撃は装甲に使用しているナノラミネートアーマーで弾き返し、後ずさってTRYAGEマグナムとトランジェントと合流。
「ご、ごめんツカサ!大丈夫か!?」
『油断してんなコーイチ!!』
『あの機体は……!?』
『驚いた……まさか、本当にあのMSが敵対しているとは!』
目の前に現れた敵機に、キョウヤとカワグチも驚きを隠せなかった。
彼らの前に現れたのは、ガンダムエアリアル改修型。
現時点では未発表のガンダムであり、昨日、侑やリク達を襲った張本人だった。
だが、もっとも驚いたのはエアリアル改修型にではない。
『あれだけの数のモビルスーツをこうもたやすく……さすが、チャンピオンとメイジン……そして、ビルドダイバーズ。』
エアリアル改修型と共に出現した、黒いガンダム。
その姿は、いまだかつて誰も見たことがない機体だったからだ。
かつてのバンシィ・ノワールが纏っていた悪意と似たような物を感じ取り、この場にいる全員が、一瞬でその機体こそが、今回の異変の元凶であると判断した。
キョウヤは現れたそのガンダムに対し、臆することなく尋ねた。
『君は、何者だ?』
『我々は、かつてアナザーノワールと呼ばれていた存在。このGBNの、神だ。』
~にじビル毎回劇場~
第144回:ビルドメタバース
せつ菜「ついに始まりましたね、ビルドメタバース!!今から次回が気になって仕方ありません!!」
栞子「現実でも、メタバース内でオリジナルのガンダムを購入出来たり、とても面白い試みをされていますね。」
せつ菜「新作に伴い新しいガンプラも多数登場していますね!主役機のラーガンダムをはじめ、リクさんのダブルオーダイバーアークやヒロトさんのプルタインガンダム!ビルドストライクやバーニングガンダムの新型もカッコいいです!」
栞子「ですがせつ菜さん、私、一つ気になる点があるんです。」
せつ菜「どうしたんですか?」
栞子「ビルドファイターズとビルドダイバーズはあくまで違う作品なので、セイさんがリクさんよりも年下、というのはわかるんです。」
せつ菜「ふむふむ。」
栞子「ですがセイさんとセカイさん、リクさんとヒロトさんの年齢が多少……いやかなり気になってしまいまして……特にリクさんはリライズで成長した姿でヒロトさんと並んだことがあるので違和感が……。」
せつ菜「栞子さん、それ以上はダメです。こういうお祭り作品はそんな事を気にするのが一番ダメなんです。」
栞子「そ、そうなのですか?」
せつ菜「そうなんです!!そんな事言い出したら私たちの出身のスクスタなんてどうなるんですか!!少なくともサンシャインは無印の5年以上先の話なのにあの世界では同時に活動してるんですよ!!」
栞子「た、確かに……わかりました!」
せつ菜「というわけでラブライブ運営さん!Liella!と蓮ノ空を加えたスクスタ2、いつまでも待ってます!!!」