大型モビルアーマー『ハシュマル』を相手にしていたエマのスーパーヴェルデブラストガンダムと彼方のガンダムビヨンドバルバトスリベイクだったが、すでに二人は満身創痍。
ハシュマルのビーム攻撃に押されるエマと、ワイヤーブレードの火力に手も足も出ない彼方……それはひとえに、ミラージュコロイド技術とハシュマルの攻撃力の組み合わせが絶望的に嚙み合っているから。
相手がどこkから攻撃してくるのかわからないのであれば、いくらヴェルデブラストとビヨンドバルバトスでも対抗手段がない。
ミラージュコロイドの弱点といえばバッテリーの燃費だが、それは本来の搭載を想定されているSEED系ガンプラの場合であって、鉄血系ガンプラのハシュマルはこのミラージュコロイドによる透明化を常時発動できている。
『うぅ……!』
『彼方ちゃんしっかりして!』
前衛を務めてナノラミネートアーマーでビームを防ぐ役割を担っていたビヨンドバルバトスだが、ワイヤーブレードによる攻撃で胴体を貫かれ、機動力と耐久地が大幅に低下。
それに加え、エマの方も相手がELダイバーという事でかつての第二次有志連合戦のトラウマが尾を引き、全力で戦うことにためらいを感じている。
『このままじゃ……。』
『エマちゃん……エマちゃんだけでも、逃げて……。』
『そんなことできるわけないよ!なにか……何かできることがあるはず……!』
絶望するエマと彼方に、ハシュマルは徐々に迫ってくる。
二人には見えないワイヤーブレードを振り上げ、ヴェルデブラストとビヨンドバルバトスを同時に貫こうとする。
しかしその時、二人の頭上にワープゲートが出現し、そこから飛び出した一機のガンプラが、構えた剣でハシュマルのワイヤーブレードを受け止めた。
『お姉ちゃん!!!』
『え……この声……もしかして……!?』
突然の聞きなれた声に、驚いた彼方は思わず顔を上げた。
すると、そこには彼方の妹……近江遥の駆るガンダムバエルをベースとするガンプラ……ガンダムビヨンドバエルの姿があり、彼女は構えた二本のバエルソードでハシュマルのワイヤーブレードを受け止めていた。
『遥ちゃん!?ど、どうして!?』
『ゲームマスターさんが、ログイン制限を解除してくれたんだ!私もお姉ちゃんたちを助けたくて!!』
『あ、危ないよぉ!!』
『大丈夫!私だけじゃないよ!ほら!』
遥が笑いながらそう言うと、ワープゲートからさらに三機のガンプラが飛び出した。
そのうち二機は同系列のガンプラであり、エマはその姿を見て驚きの声を上げた。
『エミリアさん!カルナくん!!』
『よーっす!助けに来てやったぜ!』
『調子に乗らないのカルナ。さぁ、行くわよ。』
『相変わらず手厳しいっスねエミリアさん!』
エマがかつて所属していたチャンピオンのフォース『AVALON』にて、キョウヤを支える二人のエース……インパルスガンダムランシエを操るカルナと、インパルスガンダムアルクに乗るエミリア。
GBNでもトップクラスの実力とコンビネーションを誇る二人の攻撃は、ハシュマルをあっという間に包囲してしまった。
だが、助けに来たのは彼らだけではない。
最後に現れたのは、この3人や彼方、エマですら比較にならない……SSS級のダイバー。
『美味しい所はお前にくれてやるよ!!行け、オーガ!!』
『お膳立てなんて必要ねぇんだよ!!!』
ドォンという、宇宙空間にかかわらず凄まじい炸裂音を立てながら現れたのは、ガンダム試作二号機サイサリスをベース機とする、GBN最恐のガンプラ……ガンダムGP-羅刹天。
それに乗るのは、キョウヤ、リクと並ぶ3人しかいないSSS級ダイバーの一人。
フォース『百鬼』のリーダー……獄炎のオーガだ。
『さぁ……お前を骨の髄まで味わってやるよ……ELダイバーァァ!!!』
~~
大量のSDガンダムの軍勢を相手に、果林とキュベレイ・ビューティーは消耗していた。
クリアファンネルの威力も低くなって、明らかに殲滅力が落ちている。
クリアファンネルとビームソード、両方にエネルギーを使っているため、消耗が激しい。
それでも愛と闇皇帝の戦いに邪魔が入らないように、持ち前の操縦技術とキュベレイ・ビューティーの性能を信じてなんとか戦線を維持していた。
『はぁ……はぁ……全く、いくら倒して次から次へと……!』
チラッと視線を愛参頑駄無大笑軍と闇皇帝へと向ける。
二人の実力は最初は拮抗しているかのように見えたが、今は若干闇皇帝が優勢に見える。
闇皇帝はその名の通り、闇を司る暗黒のSDガンダム。
愛や果林が消耗し、ストレスや怒りを感じることにより、その負の感情を吸収しパワーアップを続けている。
戦いが長引けば長引くほど愛たちが不利であり、愛も果林もそのことがわかっているだけにもどかしい。
『か、果林!大丈夫!?』
『私のことはいいから!!……だけど……このままじゃ……。』
『でしたら、私に任せてください!!』
『え?』
キュベレイ・ビューティーが顔を上げると、いつの間にか彼女の目の前には見覚えのない、SDのキュベレイが立っていた。
藤の花の模様が美しいそのキュベレイは、持っていた扇子から花吹雪のようなものを出現させると、その花弁の一つ一つが実体剣になった小型のファンネルであり、あっという間にキュベレイ・ビューティーの周りにいたSDガンダム軍団を蹴散らしてしまった。
『すごい……それに奇麗……!』
『お褒めの言葉、とても光栄です、果林さん!』
『その声……もしかして、姫乃ちゃん!?』
その声を聴いた果林は驚いて思わず聞き返した。
するとSDのキュベレイはフフッと笑うと、まるでドレスのスカートをつまんでお辞儀をするような仕草をすると、自らの正体を明かした。
『藤黄学園スクールアイドル部所属、綾小路姫乃とその愛機『藤姫キュベレイ』、ただいま参上いたしました!』
現れたのは果林の大ファンのスクールアイドル綾小路姫乃と、貂蝉キュベレイを改造したSDガンダム『藤姫キュベレイ』
果林のピンチにいてもたってもいられず、この度カツラギの呼びかけに応えて助っ人にはせ参じてくれた。
『ありがとう、助かったわ。でも、一人でここまで?』
『いいえ、ここまでエスコートをしてくださった、素敵な殿方たちがいましたので!』
『素敵な殿方……?』
果林が首をかしげると、闇皇帝の頭上にワープゲートが出現。
そこから黒と白の二体のガンプラが出現し、そのまま闇皇帝を蹴り飛ばした。
『なにぃ!?』
『アーくん!ゼンゼン!!来てくれたの!?』
そこへ現れたのは、シャイニングガンダムをベースに作られた白いガンプラ『ガンダムシャイニングブレイク』と、G-セルフをベースに作った黒いガンプラ『ガンダムG-エルス』
たった二人でトップランカーへと上り詰めたフォース『ZA-∀Z』の、アークとゼンの最強コンビだ。
『愛ちゃん大丈夫!?助けに来たよ!!』
『こんな化け物相手によー持ち堪えた!あとは俺らの仕事や!!』
『何者だ貴様ら!!我らの戦いに水を差すというのか!!』
『何が水を差すやアホんだら!!こんなバトルそんなしんせーなもんとちゃうやろ!』
『GBNの平和を乱す連中は、この『ZA-∀Z』が許さない!!』
~~
デストロイガンダムによる計20門のビーム攻撃、ランページトールギスならばかわすのは造作もない。
しかし、宇宙空間においては相棒となるAEドムの機動力がうまくいかせず、璃奈のサポートに追われるミアも自身のフルパワーを発揮できない。
デストロイガンダムはパワーは凄まじいがスピードが遅く、少しの隙をついてライトニングビルドガンドムに合体さえできれば勝機はある。
ライトニングビルドガンドムならばスピード、パワー、耐久力、どれをとってもかなり強力でありデストロイガンダムとも対等に渡り合えるはずだ。
『くっ……だけどこれだけの攻撃を耐えながら、合体するなんてとてもじゃないけど無理だよ璃奈!!』
『ごめんミアちゃん、私が足を引っ張って……。』
『やめろよ!!そんな事言うな!!ボクが璃奈を足手まといだなんて思うわけがないだろ!!』
しかし、さきほどAEドムはデストロイの攻撃により各部位に深刻なダメージを負ってしまっている。
合体そのものの機構に問題は無いが、このままでは合体にある程度の時間がかかってしまう。
『ミアちゃん、私を盾にして。そうすれば、その隙にミアちゃんがデストロイを倒せる。』
『できるわけないだろそんな事!!次そんな事言ったら、璃奈でも怒るぞ!!』
現実問題、現状ではそれぐらいしか突破口が見えない。
デストロイの砲門が再び二人に向く。
目標を定めたデストロイの砲撃からは、もはや逃れられない。
覚悟を決めたミアと璃奈は、ギュっと目を瞑る。
そして、そんな彼女たちの後ろには、いつのまにか月が出ていた。
『サテライトキャノン!!発射ーーーーーーー!!!』
AEドムとランページトールギスを狙って放たれたデストロイのビームを相殺するように、彼女たちの背後から極太のビームが発射された。
デストロイのビームを相殺するどころか、その威力を上回り、一気にデストロイにダメージを与える。
璃奈とミアが振り返ると、その視線の先には巨大なサテライトキャノンを構えた、ガンダムXをベースに作られた非常に美しいガンプラ……『ガンダムX美王』がいた。
『What!?あれは、ミオ!?』
『ミオちゃん……なの……?』
『璃奈ねーちゃん!ミアねーちゃん!助けにきたでーーーー!!』
やって来たのは、小学生チャンピオンでもあるヤサカ・ミオ。
あのヤサカ・マオの娘であり、小学生チャンピオンの座に君臨するほどの強力なガンプラ、ガンダムX美王を操る。
巨大な体をもつデストロイガンダムに対して、サテライトキャノンは非常に強力な武器といえ、彼女の参戦は非常に心強い。
『あ、あれ?やってもーーたーーー!!サテライトキャノンうつのにまためっちゃチャージせなあかーーーん!!』
『はぁ!?何やってるんだよミオ!!』
『ミアちゃん、せっかく助けに来てくれたんだから怒っちゃダメだよ。』
『うわーーん!!かんにーーん!!』
せっかくAEドムとランページトールギスを倒せる機会をつぶされ、デストロイの矛先は今度はX美王へと向く。
それに気づいたミオは慌てて回避しようとするが、次の瞬間にデストロイの巨大な拳を、ワープゲートから新たに現れた赤いガンプラが受け止めた。
『GBNと現実世界への迷惑行為……マナー已然の問題だ!!!』
そこへ現れたのは、サザビーとνガンダムを組み合わせたかのような赤いガンプラ。
身の丈ほどある巨大な剣『ジオニックソード』でデストロイの拳を受け止め、AEドムですらパワー負けしたデストロイを押し返した。
『あ、あれは!!』
『GBNの……伝説のヒーロー……!』
そのガンダム……νジオンガンダムのコクピットが開くと、そこから明らかに作画が違う、アメコミ風のヒーローのような姿をした男が現れた。
GBNの規律と秩序を守る、世界中から愛されるGBNの伝説のヒーロー。
人々は、彼の名をこう呼ぶ。
『『『キャプテン・ジオン!!!』』』
『アナハイム!!フューーーーージョン!!!』
νジオンガンダムに乗り込む伝説のヒーロー、その名も『キャプテン・ジオン』
突如現れた彼は、デストロイガンダムを指さして宣言した。
『すべてはロンメル大佐を通じて、ゲームマスターから話を聞かせてもらった。この私が来たからには、GBNと現実世界を巻き込んだ迷惑行為……キャプテン・ジオンの名のもとに成敗してくれよう!!!』
~~
かすみとしずくの二人が相手するデビルガンダムは、通常のモビルスーツではありえない攻撃を次々と繰り出し、二人を翻弄していた。
体中を巨大化させ、かすみの魔殺駆罠としずくのO-ドリーを叩き潰し、圧倒的な力で二人の戦意を奪おうとしてくる。
だが、大事な学園や街を傷つけられている二人の怒りは収まらず、なんとか食らいつこうとしていく。
『しず子は右からお願い!!』
『OKだよかすみさん!!』
クアトロフルセイバーとザクみん刀を失い、メイン武器を喪失した二機は、残りの武装を最大限に発揮できる戦法を模索しながら戦っている。
それでもデビルガンダムは体中から無尽蔵に生えてくる数百本の触手があり、死角はない。
攻撃を仕掛けようとしてもすぐに触手に阻まれ、弾き飛ばされてしまう。
『うわぁ!?』
『かすみさん!』
弾き飛ばされた魔殺駆罠の腕をつかんで、飛ばされないように引き寄せるO-ドリー。
なんとか手はないか……そう考えている二人の前に、再びデビルガンダムが立ちはだかる。
下半身のガンダムヘッドが変形し、4つ足の姿となると、触手を束ねて巨大な槍を形成した。
それで二人にとどめを刺そうと振りかぶり、かすみとしずくに向けて振り下ろす。
『ちょっと待ってもらおうかぁあ!!』
『その攻撃……美しくないな!!』
しかし、その攻撃が魔殺駆罠とO-ドリーに命中することはなかった。
二人が顔を上げると、二機のガンプラがデビルガンダムの攻撃を受け止め、押し返した。
彼らの姿を見ると、かすみとしずくは表情がパァっと明るくなり、二人の名を呼んだ。
『シャフリさん!!』
『タイガーウルフ師匠!!来てくれたんですね!!』
駆け付けたのはフォース『SIMURGH』のリーダーであるシャフリヤールと、その愛機であるセラヴィーガンダムシェヘラザード。
そして、フォース『虎武龍』のリーダーで、しずくのGBNの師匠でもあるタイガーウルフと、その愛機ガンダムジーエンアルトロン。
二機とも、魔殺駆罠やO-ドリーとは比較にならないパワーを持ち、デビルガンダムの槍すらもたやすく受け止める。
『どうしてここに!?』
『ゲームマスターがこのディメンションへのログイン制限を解除したのさ。おかげで我々も君たちを助けに来られたというわけさ。それにしても間に合ってよかったよ。』
シャフリヤールがそういうと、セラヴィーとジーエンアルトロンが魔殺駆罠とO-ドリーの前に立つ。
『いいかバトル馬鹿。今日はいつもの小競り合いは無しだ。いつもみたいにつっかかってくるんじゃないぞ。』
『はぁ?いつもつっかかってきてるのはテメェのほうじゃねぇか、このガンプラ馬鹿。』
『私はいつもお前のレベルに話を合わせているだけだ。』
『なんだとこの野郎!!』
『なんだとはなんだ!!』
タイガーウルフとシャフルヤールがいつものようなくだらない喧嘩を勃発しはじめ、かすみとしずくはあきれた表情でそれを見る。
すると、突然デビルガンダムの身体を突き破り、トランザムの光を帯びたガンプラが爆音とともに出現し、セラヴィーとジーエンアルトロンの間に割って入った。
『あんたらこういう時ぐらい仲良くできねーのかよ!!空気よめ空気!!』
『あ、ドージ!』
新たに参戦したのは、スサノオをベースに作った『煌・スサノオ』に乗るフォース『百鬼』のメンバー……初心者狩り『狩り』のドージ。
あのオーガの弟で、今はGBNの平和のために戦っているダイバーだ。
『ドージも来てくれたんだ!』
『当たり前だろ!俺が兄ちゃんに勝つ前に、GBNが無くなっちゃたまらねーかんな!さぁ、久し振りに遠慮なく暴れてやるよ!!』
~~
『栞子さん……大丈夫ですか?』
『せ、せつ菜さん……私は……。』
ヴェイガンギア・シドとの戦いは苛烈を極め、栞子のデスティニーフリーダムガンダム・エデンロードは撃墜寸前まで追い詰められ、せつ菜のガンダムスカーレットクアンタは彼女をヴェイガンギアのサーチの範囲外まで連れ出して、そこで栞子を休ませていた。
先ほどの攻撃でデスティニーの翼を損傷してしまい、自慢の機動力を奪われてしまった栞子はせつ菜に頭を下げる。
『すいませんせつ菜さん……。』
『大丈夫です。ですが、厄介なのはやはりトランザムですね。私のトランザムと同程度……ですがパワーは桁違いです。』
『それならば、私が囮を……!』
『それはダメです!何かアイデアがあるはずです……何か……何か……!』
せつ菜が頭を悩ませていると、彼女たちを探していたヴェイガンギアの動きが止まった。
ゆっくりとこちらに顔を向け、徐々に近づいてくる。
完全に相手にこちらの場所を気付かれてしまった。
『し、しまった!見つかりました!』
『やはりここは私が……!』
『栞子さん!!』
『せつ菜さん、別に前のような投げやりな気持ちで言っているわけじゃありませんよ。先ほども言ったでしょう?私はこのバトルにワクワクしているんです。それに、あなたなら必ず勝利をつかめると信じていますから。』
そういうと、デスティニーフリーダムは残ったフリーダムの翼を広げ、ヴェイガンギアの前に飛び出した。
ハイマットフルバーストの構えを取ろうとしたが、その時、彼女は右の翼に違和感を覚えた。
『!? バラエーナが!!』
なんと、先ほどの攻撃で右側の翼が少し歪んでしまい、バラエーナが展開できなくなってしまった。
トランザムを発動したヴェイガンギアがデスティニーフリーダムを狙い、一直線に突っ込んできた。
このままではまずい……そう思った瞬間に、頭上にワープゲートが開き、そこから放たれた7つの弾丸がヴェイガンギアを貫いた。
『あの技は……まさか……!』
栞子とせつ菜が見上げると、そこには白く、神々しいガンプラが翼を広げて浮かんでいた。
そのガンプラのパイロットはスカーレットクアンタの姿を見つけると、うれしそうな声で叫んだ。
『せつ菜ちゃーーーーーん!!私が来たよーーーーーーー!!!』
『ふ、副会長!?』
やって来たのは虹ヶ咲学園の副会長で、GBNでは『白い死神』の異名を持つウイングガンダムセブンバスターのダイバー。
中川菜々の個人的な友人でもあり、今では栞子ともすっかり打ち解けてともに学園を守る生徒会の仲間。
そんな彼女も、カツラギの声に集まった一人でもある。
『ゼロが教えてくれた。あなたの動き、私には見える!』
ゼロシステムの導きにより、副会長にはトランザムで動くヴェイガンギアの動きを先読みすることができる。
どこを撃てば当たるのか、どうすれば勝利へつながるのか、その方法をセブンバスターから導く。
彼女の正確な射撃はヴェイガンギアの身体を確実にとらえ、その隙にもう一人の助っ人がせつ菜と栞子を助けるためにワープゲートから現れた。
『せつ菜ちゃん!栞子ちゃん!こっちよ!』
『あ……マギーさん!来てくれたんですね!』
『えぇ、もう大丈夫、お姉さんが来たからにはもう安心よ!』
もう一人の助っ人はマギー。
侑達を最初に導いてくれたベテランダイバーで、ストライクフリーダムガンダムをベースにしたガンダムラヴファントムのダイバー。
彼が頭上を見上げると、せつ菜と栞子も同様に上を見上げる。
するとそこにはひときわ巨大なワープゲートが二つ出現し、マギーは二人に向けてウインクをした。
『さぁ受け取って!あなた達の装備を持ってきたわ!』
『私たちの……?』
『装備……?』
ワープゲートから出現した物を見て、二人は驚愕した。
だが、すぐに覚悟を決めてそれを受け取り、二人のガンプラは出現した装備をボディに装着。
デスティニーフリーダムには、超高速戦術強襲支援機『ミーティア』
スカーレットクアンタには、ソレスタルビーイング専用ガンダム大型支援機『GNアームズTYPE-E』
二つの強力な大型支援メカを装備した二機は、ラヴファントム、セブンバスターとともに、再びヴェイガンギアに向かいあった。
~~
『やめてくれイヴ!!俺は君と戦いたくない!!』
エアリアルの正体がイヴだった……その事実はヒロトの戦意を完全に喪失させ、彼を深い絶望に叩き落した。
ヒロトを戦わせないために、リクは前線でエアリアルの相手を務めるが、やはり相手はヒロトの大切な人……全力になどなれるはずがない。
『君を、ヒロトと戦わせたくない!!頼むから引いてくれ!!』
『私だってあなた達と戦いたくはない……だけど、ELダイバーの未来のためには、これしかないの。』
『どうしてもっていうなら、俺が君の相手をする!!だからヒロトは……ッ!?』
ダブルオーが前に出ようとした瞬間、エアリアルの全てのファンネルとエスカッシャンがダブルオーを完全に包囲した。
少しでも動けば、すべてのファンネルがダブルオーを貫く。
エアリアル……イヴは今、ヒロトと戦う事を望んでいる。
『ヒロト、戦わなくちゃいけないの。私たちELダイバーか、あなた達人間、この戦いはどちらかしか生き残ることは出来ない。』
『どうして……どうしてなんだイヴ……君は、そんな事を言う子じゃなかったはずだ!!』
『ごめんね。』
エアリアルはビームサーベルを抜き取り、コアガンダムIIを斬り付ける。
コアガンダムIIも背中のコアサーベルを抜き、エアリアルの攻撃を受け止めた。
その攻撃は非常に重く、イヴの本気が伝わってくる。
もはや後には引けないことを、ヒロトは全身で感じ取る。
『……もう……戻れないんだな……。』
『そうだよヒロト。悲しいけど、これが戦争なんだよ。』
『……今の俺には、大切なものがたくさんある……あの頃の、君を撃ってしまった頃の俺からは考えられないぐらい……。』
『それを守るためには、私をもう一度撃たないと、ヒロト。』
『……それしか、ないんだな……。』
コアスプレーガンを手に構え、エアリアルに向けるヒロト。
しかしその瞬間、かつてイヴを撃ってしまった時の光景がフラッシュバックし、呼吸が荒くなる。
照準が定まらないまま震える手を押さえつけ、なんとか引き金を引いた。
『はぁ……はぁ……!くっ……うわぁああああああ!!!』
コアスプレーガンから放たれたビームがエアリアルを捉えた。
しかし、直前で手がぶれてしまい、ビームはエアリアルの頭部のギリギリ右横へとそれてしまった。
今度はエアリアルがビームライフルをコアガンダムIIへ向け、ためらいなく引き金を引く。
凄まじい爆発と炸裂音が響き、その威力から周囲には大規模な爆発が巻き起こり、コアガンダムIIはその中へと飲み込まれてしまった。
『ヒロトーーーーーー!!!』
リクが叫ぶ。
エアリアルは次はダブルオーに狙いを定めようと、爆発に背を向けた。
しかし、徐々に爆煙が晴れてくると、そこには原形をとどめたコアガンダムIIの姿が。
『!! あれは……!』
驚愕するエアリアル。
煙が完全に晴れると、コアガンダムIIの前には巨大な盾を構えた騎士のようなガンプラがエアリアルの攻撃を完全に防ぎきっており、彼の周りにはさらに数体のガンプラが彼を取り囲むように出現した。
『もう……お前ひとりには背負わせねぇぞ……!ヒロト……!!』
『……カザミ?』
彼を守ったのは、最強の防御能力を持つガンプラ『ガンダムイージスナイト』
さらに彼の周りには、エクスヴァルキランダー、ウォドムポッド+、そしてクアドラムテルティウムの姿が。
ヒロトの所属するフォース『BUILD DiVERS』のメンバーたちだ。
『間に合ってよかったです、ヒロトさん!!』
『遅れてすまないクガ、ここからは俺たちも手を貸すぞ。』
『パル……マサキ……。』
エクスヴァルキランダーのパルと、クラドラムテルティウムのシドがヒロトに語り掛けた。
さらに、ウォドムポッドに乗るメイも、ヒロトへ言葉をかける。
『ヒロト、お前は一人ではない。私たち、仲間がついている。カザミの言うとおりだ、もうお前だけに背負わせたりはしない。立て、ヒロト。』
『メイ……俺は……。』
イージスナイトとテルティウムの手を借りて、立ち上がるコアガンダムII。
駆け付けてくれた仲間たちの顔を見ていると、いつの間にか手の震えは止まっていた。
『そうだ……今の俺は、あの頃の俺じゃない……。今の俺は、『BUILD DiVERS』だ!』
~にじビル毎回劇場~
第155回:ランジュのパパ
かすみ「ランジュ先輩ってハーフなんですよね?」
ランジュ「そうよ!ママが中国人でパパが日本人なの!」
かすみ「その割に日本要素あんまり無いような……最初見た時は純中国人だと思ってました。」
ランジュ「アタシはママ似だし、中国での暮らしが長かったもの。パパとはあんまり似てないわね。」
かすみ「へー、そうなんですねぇ。あ、そうそう、新しくスペシャルから揚げコッペパン作ったんですけど食べます?」
ランジュ「きゃあ!いいの!?嬉しいわ!大好きよかすみ!」
かすみ(ママさんは全然素直じゃないツンデレさんなのに、その娘のランジュ先輩のこの素直っぷり……多分ランジュ先輩って性格はパパさんに似てるんだろうなぁ。)
ランジュ「もぐもぐ……ん~!最高!あ、パパからメールだわ。この間のライブの感想メールね。」
かすみ「見せてもらってもいいですか……って長ぁっ!?一回のメールで送る文章量じゃなくないですか!?」
ランジュ「パパって毎回ライブのたびにとっても褒めてくれるの!」
かすみ「この素直さは間違いなくランジュ先輩のパパさんだ……。」
ランジュ「ママからは『パパのいい所は素直なところだけど、悪い所も素直なところ』って言われてるけどランジュはパパのこと大好きよ!」
かすみ「ツンデレと超素直な人の間に生まれる子供ってこうなるんですね。」