ニジガクビルドダイバーズ   作:バース・デイ

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NT-Dの真実

虹ヶ咲陣地から数キロ離れた山岳で、ヴェルデブラストガンダムは次なる標的を求めてスコープを覗き込む。

この場所は虹ヶ咲陣地からも、BUILD DiVERS陣地からも離れており、敵も味方もまず来るような場所ではない。

ここならば目立たず音もなく、正確に敵を狙え撃てる。

次のエネルギーをチャージしていると、エマの下へアユムから通信が入った。

 

『カザミくんは抑えました!陣地を探しに行きます!』

「ありがとうアユムちゃん!気を付けてね。」

『あ、アユム!私も行くよ!』

『じゃあさっきのポイントで合流しようねユウちゃん。』

 

今のところ、エマの狙撃とアユムの機転により、最も警戒していたシドとカザミの進軍を遅らせる事が出来た。

しずこがパルヴィーズと相打ちになった事で機動力のあるエクスヴァルキランダーも今頃はBUILD DiVERSの陣地にいるだろう。

ここまでは順調に進んでいる……あとは先行するアユムとユウが相手の陣地を見つけてくれれば一気に勝利が近づく。

 

「初めてのフォース戦……絶対に勝とうね、皆!」

 

操縦桿を握りながら、エマはそう呟いた。

再びライフルを構えようとしたその時、彼女は背後に殺気を感じ、咄嗟に振り返った。

 

 

 

「----ッ!!」

『反応が早いな。』

 

 

 

振り返った先にいたのは、ウォドムポッド+……BUILD DiVERSのメイだ。

ウォドムポッドは飛び上がると、ヴェルデブラストへ銃口を向け、彼女へ乱射。

ヴェルデブラストはライフルを手放しローリングをしながらそれを躱すと、背中に携えた彼方のガンダムビヨンドバルバトスから借りたメイスを手に取った。

本来エマは格闘戦を好まないが、ヴェルデブラストとウォドムポッドの距離はわずか数メートル……射撃武器が活かせる距離ではない。

以前そのせいでカリンに敗北しているため、今回は彼方から格闘戦を教わってきていた。

 

「どうしてこの場所が!?」

『簡単な事だ。お前の弾道からおおよその位置を割り出して、あとはそのポイントを探るだけの単純な作業だった。』

「凄いなぁ……。さすがELダイバーのメイちゃんだよ……。」

 

こうなる事を危惧して、エマは最低限の射撃しか行わなかったが、ELダイバーであるメイにはその僅かな回数でも分析を重ねる事でおおよその位置が把握できてしまう。

メイスを握りしめ、ヴェルデブラストはウォドムポッドへと襲い掛かっていく。

当然ウォドムポッドもそれに応じ、アーマーを装着している脚でその攻撃を捌き切る。

 

 

「あ、脚だけで私の攻撃が全部いなされた!?」

『なるほど。射撃の腕はヒロト以上だが、近接戦闘能力はカザミやパルには遠く及ばない。ならば対処は簡単だ。』

 

 

 

エマの近接攻撃は彼方に教わったばかりの付け焼刃。

どうしても動きが単調になってしまい、ベース機がウォドムとは思えないほど柔軟に動くウォドムポッドに次々と対処されてしまう。

一度メイスをしまい込むと、ヴェルデブラストはブースターをふかしながらその場を離脱。

もちろんウォドムもそれを追う。

 

 

「皆ごめんなさい!メイちゃんを抑えきれなかった!狙撃ポイントから離れて前進するよ!」

『わかりました。気を付けてくださいエマさん。』

「ありがとうしずくちゃん!」

 

『こちらメイ。ヒロト、ヴェルデブラストを誘導する。後は頼んだぞ。』

『わかった。こちらヒロト、皆、俺は一度陣地を離れる。』

『了解しました!ところでカザミさんとの通信が繋がらないんですが、どうしたんでしょうか?』

『俺が救援に向かおうか。』

『いや、シドはそのまま陸路で陣地を探してくれ。カリンのクリアファンネルに対処できるのはお前しかいない。』

『了解だ。』

 

 

それぞれのチームへ通信を送り、ウォドムポッドは等間隔でヴェルデブラストを撃つ。

それをかわしつつヴェルデブラストは前へ突き進む。

だが、嫌な予感がする……メイの攻撃はどう考えても自分を倒そうという攻撃ではない。

迎え撃ってもいいが、この距離ではヴェルデブラストの射撃を活かせない以上逃げるしかないが、まるでメイは自分をどこかへ誘い込もうとしている気がする。

やがて山を下りて森を突っ切ると、ヴェルデブラストは湖の畔へ出た。

そこで、エマはハッとした。

 

 

 

「ひ、ヒロトくん……!!」

『勝負だ、エマ。』

 

 

湖の向こう側で、U7ライフルを構えているユーラヴェンガンダムの姿があった。

 

急いでヴェルデブラストもロングライフルを構え、ユーラヴェンガンダムへ狙いを定める。

射撃の腕はAVALON時代からヒロトには負けたことは無かった。

だが、今回は違った。

ヒロトは最初から、メイがここにエマを連れてくることが分かっていた。

しかしエマはここに連れてこられてすぐにヒロトに狙われていた為、ライフルを構えて引き金を引くタイミングが遅くなってしまった。

やがて高出力のエネルギービームがU7ライフルかはなたれ、ヴェルデブラストに風穴を開けた。

 

 

 

 

 

~~

 

 

撃墜されたヴェルデブラストが陣地へと転送され、彼女の機体の修復が始まった。

陣地付近でクリアファンネルを使って偵察をしていたカリンがそれに驚き、思わずエマの下へ。

 

「エマ!大丈夫!?」

『うぅ~……ごめんねぇ皆ぁ……。カリンちゃん、そっちはどう……?』

「この島の4分の3は探し終えたわ。もうすぐ陣地を見つけられるはずよ。」

『凄い!さすがカリンちゃん!』

「ウフフ、当たり前でしょ♪」

 

その時、キュベレイ・ビューティーのクリアファンネルが何かを察知した。

ユウから借りたバックパック『レインボーブースター』を背中に装備したキュベレイ・ビューティーは、この島全体を見渡せるほどの射程と、無数のファンネルを同時に操作できるほどの操作性を手に入れた。

ファンネルのうち、近くに飛ばしていた物が反応し、カリンはそちらへ意識を向ける。

この速度……おそらく、

 

 

「……シドくんね……行ってくるわ、エマ。」

『ま、待ってカリンちゃん!向こうはカリンちゃんが陣地を守ってるって予想してるんだと思う!カリンちゃんが出ていくと陣地の場所がばれちゃうかもしれないよ!』

「このまま手を拱いてもいずれバレるでしょう?だったら、こちらから出向いて少しでも相手の戦力を削ってやるわ。」

『……わかった、気を付けてね。』

「了解。」

 

 

 

ヴェルデブラストをその場に残し、ファンネルの痕跡をたどるキュベレイ・ビューティー。

驚くべきことに、シドの乗るクアドルムテルティウムはすでに陣地のすぐ傍まで接近しており、エマに気を取られていたカリンは完全に彼の存在を見逃していた。

クリアファンネルを一度全て機体へ戻し、レインボーブースターの力を借りてクリアファンネルへエネルギーを供給。

再びクリアファンネルを展開すると、テルティウムへ向けて全てのファンネルを飛ばした。

目に見えず、仮に見えたとしてもあまりの速さに反応する事が出来ないキュベレイ・ビューティーのクリアファンネル……だが、次の瞬間カリンは信じられない光景を目にした。

 

 

 

『! クアドルムブースター、ボルトアウト!!』

 

 

 

 

キュベレイ・ビューティーの存在に気が付いたテルティウムが、背中のクアドルムブースターを自身から分離。

ドラゴン型のサポートメカへと変形したクアドルムブースターが、キュベレイ・ビューティーの飛ばしたクリアファンネルを次々と落とし始めた。

さらにガンダムテルティウムへと分離した本体も、ビームライフルでクリアファンネルを撃ち落としていく。

クアドルムブースターへと跨り、ハイパーデストランスを構えたテルティウムはさながら竜騎士の様で、キュベレイ・ビューティーも慌てて愛から借り受けた愛参命全開をランスモードで構えた。

 

 

『朝香!!』

「私のファンネルを落すなんて、どんだけなのよあなた……。」

 

 

 

接近してきたテルティウムと槍を交えるキュベレイ・ビューティー。

武器として攻撃力なら最高峰を誇る愛参命全開だが、それの本領を発揮できるのは持ち主である愛参頑駄無のみであり、クアドルムブースターで縦横無尽に動き回るテルティウムに、カリンは翻弄される。

埒が明かず、キュベレイ・ビューティーは愛参命全開をライフルモードへと変形させると、自身の周りにクリアファンネルを飛ばしてテルティウムの攻撃をガード。

いったん距離を取ると、必殺技の発射体勢に。

本来、カリンの必殺技を使用するためには愛参頑駄無の協力が不可欠。

だが、今はアイはいない……そのため、彼女は一人でも必殺技がうてるように特訓していた。

 

GBNの必殺技には応用技もある。

 

しずくがタイガーウルフから聞いたこの言葉を信じ、カリンは新たに生み出した必殺技を、テルティウムへと放った。

 

 

 

「行くわよ!必殺……『サイレンス・ディーバ』!!」

『!!』

 

 

 

ユニット名から取ったカリンの必殺技『サイレンス・ディーバ』は、愛参命全開とクリアファンネルから放つ極太ビーム。

さすがに愛参頑駄無と放つ物よりは威力は低いが、それでもテルティウムを倒すには十分な威力を誇っている。

しかし、シドはそれでもひるまない。

いつの間にかテルティウムのバックパックにはロングランチャー『フォールディングデストランチャー』が装着され、そこへ持っていたビームライフルをドッキング。

クアドルムブースターの全銃口が開くと、同じようにシドも、カリンへ必殺技を放った。

 

 

 

『これが俺の必殺技の一つ、『ゼルトザームサンダー』!!!』

 

 

 

 

カリンの必殺技に同じく必殺技をぶつけるシド。

練度も威力も上のシドの必殺技に、カリンはしばらく喰い付くが、やはり力負けしてしまった。

テルティウムの攻撃によりキュベレイ・ビューティーの全身が粉々に砕かれ、一瞬でHPが0になってしまった。

 

 

「ご……ごめんなさい皆……きゃああああ!!!」

 

 

『こちらシド、ニジガクの陣地を発見した。これからフラッグを回収する。』

『させません!!』

『なに?』

 

 

 

キュベレイ・ビューティーが撃墜されたと同時に、背後から接近してきた機体は、先ほどパルヴィーズと相打ちになったO-ドリーガンダム。

さらに陣地付近では復帰したヴェルデブラストガンダムもテルティウムを狙い、陣地に近づこうとするものを排除する構えに。

エマとカリンという上級者二名を倒しただけでは倒れない……何度でも立ち上がるニジガクの意地に、シドは感服し、ハイパーデストランスとビームライフルを同時に手に取った。

 

 

『野生の熊はいかなる相手にも勇敢に立ち向かう………まさに今の君たちの様だ。相手になろう。来い、桜坂、ヴェルデ!』

『行きますよ、エマさん!!』

『了解だよしずこちゃん!』

 

 

 

 

 

 

~~

 

 

 

イージスナイトの動きを封じたドリームインパルスは、再びレインボーユニコーンと合流するために先ほどイージスナイトとテルティウムと戦った場所へ戻ってきた。

まだユウは来ておらず、アユムは周りを気にかけながら武器を構える。

当然警戒するのはヒロトのユーラヴェンガンダム。

どうやらヒロトは戦術にガンプラ以外にもドローンなども駆使しているようで、エマとカリンが二人掛かりでやるような戦法を一人でやってのける器用さを持っている。

ユウのレインボーユニコーンを待ちながらヒロトを警戒しつつ、アユムはBUILD DiVERSの陣地を探す。

狭い島とはいえ、やはり密林の中から陣地を見つけ出すのは至難の業だった。

 

 

「ユウちゃん、早く来てくれないかな……一人だと不安だよぉ……。」

『あ、アユム!』

「ユウちゃん!もう、何してるの!早く来てよ!」

『アユムのすぐ近くに敵機の反応!このスピード……たぶん、パルくんだよ!』

「え!?」

 

 

レーダーを確認すると、確かにものすごい速度でアユムに迫る反応が。

そちらへ目を向けると、そこにはGNツインブレードを構えた、赤と白のガンプラの姿が。

 

 

 

『アヴァランチレックスバスター、ドッキング完了!アヴァランチエクスヴァルキランダー……行きます!!』

 

 

 

それは、宇宙用の装備『アヴァランチレックスバスター』を装甲として身に着けたエクスヴァルキランダー……その名も『アヴァランチエクスヴァルキランダー』

先ほどO-ドリーとの戦闘でガンドランザムを使い切ってしまった彼は、予備動力としてアヴァランチレックスバスターを使用する事を選んだ。

そのおかげで粒子切れを起こしても機動力を落さず、ドリームインパルスへと襲い掛かる事が出来た。

 

『勝負です、アユムさん!!』

「ユウちゃんが来るまで、持ち堪えて見せるよ!」

 

ドリームシルエットのブースターを噴かし、GNソードSSPをエクスヴァルキランダーへ向ける。

だがエクスヴァルキランダーはそれを間一髪で交わし、GNツインソードでドリームインパルスのGNソードSSPを真っ二つにへし折ってしまった。

それに驚いたドリームインパルスに蹴りを入れ、電光石火の早業でさらに切り込んでいく。

 

「せ、セツナちゃんの武器が……!?」

『まだまだ行きます!!モルジアーナ!!』

 

胸部のダゴンズ・ジョーからGN粒子が少しずつ溢れ出してきた。

これは彼のトランザムがまた使えるようになった事を意味している。

ユニット特訓でトランザムの相手は散々してきたアユムだが、パルヴィーズのガンドランザムの練度は他の2人とは比べものにならない。

ガンドランザムを使われる前に決着をつけなければならない……そう焦ったアユムは、ユウの到着を待たずに勝負を急いだ。

ドリームシルエットからレイピアを取り外し、エクスヴァルキランダーと同じく二刀流となったドリームインパルスがエクスヴァルキランダーに斬りかかる。

だがエクスヴァルキランダーはその攻撃を難なくかわし、背後に回り込んでドリームインパルスを切りつけた。

 

 

「うぅ……!は、早く来てよユウちゃん!」

『アユムさん、あなたはここで落とします!』

「このぉ!」

 

 

焦ったアユムは冷静さを欠き、単純な攻撃を繰り返す。

SDゆえの小回りの利く機動と、アヴァランチレックスバスターによる攻撃力でドリームインパルスを追い詰め、ついにGNツインブレードを、ドリームインパルスに突き刺した。

 

 

 

 

「あ、アユムーーーーー!!!」

 

 

 

 

その時、ようやくレインボーユニコーンがドリームインパルスの下へと駆けつけた。

だが、すでに遅く、ドリームシルエットが機体から切り離されてそのままドリームインパルスは地面へと落下していく。

 

 

『ユウちゃん……ごめん……!』

「アユム……そんな……!?」

 

 

地面に激突し、爆散するドリームインパルス。

ドリームシルエットを失ったまま陣地に戻されてしまい、機動性と武装のほとんどを失ってしまった。

その場にはほぼ無傷のアヴァランチエクスヴァルキランダーと、レインボーユニコーンのみが残される。

思えばエクスヴァルキランダーはO-ドリーがトランザム・バーサーカーモードを使用してやっと相打ちにできる相手……ドリームインパルスやレインボーユニコーンが一機で勝てるような相手ではない。

呆然とエクスヴァルキランダーの姿を見るユウ……その時、機体に通信が入る。

しずこからだった。

 

 

 

『うわーーーー!?』

『くっ……!す、すいませんユウさん、アユムさん、カリンさん!私とエマさん、もう持ちません!』

『回復した私が行くわ!もう少しだけ持ち堪えて二人とも!』

 

 

 

「し、シドさんの……テルティウム……。」

 

 

エマのヴェルデブラストと、しずこのO-ドリーの二体は、シドのクアドルムテルティウムの前に手も足も出ていなかった。

近接戦が不得手なヴェルデブラストとトランザム切れを起こしたO-ドリーでは、テルティウムの猛攻になすすべがない。

カリンのキュベレイ・ビューティーが救援に駆けつけようとしていたが、近くには撃墜される前にヴェルデブラストと交戦していたウォドムポッドもいる。

 

まさに、絶体絶命だ。

 

 

 

「………嫌だ……。」

 

 

~~

 

当初、ニジガク有利で進んでいた試合だったが、メイ、シド、パルの猛攻により、一気に戦況はBUILD DiVERSへと傾いた。

先ほどまで勝ちを確信していた残された同好会6人は息を呑み、他のベテランダイバー達は黙って試合を見届ける。

その中で、シャフリとマギー、そしてキョウヤが今始まるパルとユウの戦いに注目した。

 

「ここが潮時ね。」

「果たして彼女のユニコーンに、どれだけの能力が秘められているのか……それをこの目で見極めさせてもらおう。」

 

 

 

 

~~

 

 

 

 

「負けたく無い……絶対に勝ちたい……!皆と一緒に……初めての勝利を掴みたい!あなたもそう思うよね……レインボーユニコーンガンダム!!」

 

 

『NT-D』

 

 

 

『! あ、あれは……!?』

 

 

ユウの言葉に応じるかのように、レインボーユニコーンの全身から虹色の光が溢れ出す。

各部の装甲が次々と展開し始め、フル・サイコフレームの輝きを放つレインボーユニコーン。

最後に角が開き、頭部がガンダムタイプのものへと変化する。

 

 

レインボーユニコーンガンダムがNT-Dを発動した姿……デストロイモードへの変身完了だ。

 

 

 

更に、変身完了と同時にアユムが残したドリームシルエットがレインボーユニコーンの背面にドッキングし、キュベレイ・ビューティーに託したバックパックの代りとなった。

ビームサーベルの代りにドリームシルエットに付属していたレイピアを手に取ると、両腕のビームトンファーと合わせて4本の剣を構える。

 

 

『あれが……ユウさんのNT-D……!すごい力を感じる……!』

「絶対に……勝つ!!おりゃーーーーーーー!!!」

 

 

目にも止まらぬ速さでエクスヴァルキランダーへと斬りかかったレインボーユニコーン。

アヴァランチレックスバスターを装備しているにもかかわらずエクスヴァルキランダーはその速度に着いて行けず、一瞬でGNツインブレードをへし折られた。

 

 

 

『GUNTRANS-AM』

 

 

 

『モルジアーナ!!ガンドランザム!!アヴァランチレックスバスター!!』

 

 

GN粒子を全身に満たし、エクスヴァルキランダーはガンドランザムを発動。

アヴァランチレックスバスターと分離し、レインボーユニコーンの攻撃から逃れると、アヴァランチレックスバスターの持ち手を掴む。

そこへエネルギーを溜める事でエクスヴァルキランダーは必殺技である『メテオドライブキャノン』を放つことが出来る。

だが、ガンドランザムを発動しているにも関わらずレインボーユニコーンは彼の速度に追いつき、発射準備体勢に入っていた彼のアヴァランチレックスバスターの銃口に、自身のビームトンファーを外してねじ込んだ。

 

 

 

『し、しまっ……!!』

 

 

 

言い終わる前に、銃口をふさがれたアヴァランチレックスバスターのエネルギーが逆流し大爆発。

エクスヴァルキランダーをそのまま戦闘不能にすると、ドリームシルエットの出力を上げてレインボーユニコーンは前進する。

 

 

『ユウ!BUILD DiVERSの陣地を発見したわ!私はこれからアユムと一緒にシドくんを食い止めるから、あなたはフラッグを!』

「わかった!!」

 

 

 

一機だけ飛ばしていたキュベレイ・ビューティーのクリアファンネルがついにBUILD DiVERSの陣地を突き止めた。

今まで以上の力を発揮しながら、クリアファンネルに従い突き進むレインボーユニコーン。

だが、そんな彼女を後ろから迎撃しようとする物があった。

 

 

ヒロトが飛ばしていた、ユーラヴェンガンダムのファンネルだ。

 

 

見ると、陣地にはすでにユーラヴェンガンダムが待ち構えており、レインボーユニコーンもレイピアを手に取り、ユーラヴェンガンダムへと斬りかかっていく。

 

 

「どけーーーーー!!!」

『来い……ユウ!』

 

 

『PLANETS SYSTEM:URAVEN TO MARSFOUR』

 

 

 

『コアチェンジ!ウラヌス・トゥー・マーズ!!』

 

 

 

レインボーユニコーンを待ち構えるユーラヴェンガンダムは、U7ライフルを手放すと、装備していたウラヌスアーマーを脱ぎ捨て、元のコアガンダムIIの姿に。

そこへ支援機として参加させてカザミのサポートをしていたマーズアーマーが飛来し、その装備をコアガンダムIIへと託す。

全身に赤いアーマーを身にまとい、ヒートレヴソードとヒートレヴアックスが合体したハードヒートレヴソードを手に取り、コアガンダムIIは新たな姿へと変わった。

 

 

近接格闘専用機『マーズフォーガンダム』だ。

 

 

レインボーユニコーンのレイピアを真正面から受け止め、脚部のスラスターを噴かせるマーズフォーガンダム。

NT-Dを発動したレインボーユニコーンの一撃は非常に重く、マーズフォーガンダムと言えど正面からこのまま受け続けるのは危険すぎる。

ユウも、フラッグが目の前にあるのに妨害してくるマーズフォーガンダムを打ち倒すため、何度も何度もレイピアでマーズフォーガンダムを殴りつけた。

 

 

「いっけー!!レインボーユニコーンガンダム!!」

『持ち堪えてくれ、マーズフォーガンダム!』

 

 

なんとかレインボーユニコーンを押し戻したマーズフォーガンダムが、今度はレインボーユニコーンへと斬りかかる。

だがレインボーユニコーンはそれをしおこのデスティニーフリーダムから託されてシールドで防ぎ、逆にドリームインパルスのレイピアでマーズフォーガンダムの右腕を斬りおとした。

 

 

『ッ……!!』

「これで……私たちの勝ちだーーーーーーー!!!」

 

 

 

 

 

 

 

『カザミ!!』

『おうともよーーーーーーーーー!!!』

 

 

 

 

 

「え!?」

 

 

 

その時、レインボーユニコーンの背後から、すさまじい勢いで接近してくる機影があった。

 

 

それは、高速巡航モードへと変形したカザミのイージスナイト。

 

 

ユウが気が付いた時には彼女の対応が間に合わず、そのままイージスナイトが勢いよくレインボーユニコーンのドリームシルエットを貫いた。

そのまま地面を引きずり、今度はイージスナイトがスキュラモードとも呼ばれる強襲戦闘モードへと変形し、レインボーユニコーンを拘束。

その時にはじめてユウが気が付いた。

ヒロトは最初から自分を倒す気などなかった。

カザミのイージスナイトがやってくるまで時間稼ぎをしていただけだった。

 

 

岩の下敷きになっていたイージスナイトは、なんと自力であの場所から脱出していた。

通信すらも遮断し、ただひたすら仲間の救援に駆けつける事だけを願って。

 

これがBUILD DiVERS。

 

そしてこれが、そんな彼らをまとめるリーダーたる男の底力だ。

 

 

「く……くっそーーーーー!!!」

 

 

フラッグを目の前にして、ついにレインボーユニコーンのNT-Dが解除された。

デストロイモードから元のユニコーンモードへと戻ったレインボーユニコーンはそのままイージスナイトに拘束され続けた。

 

 

 

 

 

『BATTLE ENDED!WINNER BUILD DiVERS!』

 

 

 

 

やがて、ニジガク側のフラッグは、BUILD DiVERSのメイにより奪取された。

 

テルティウムが残り4人のガンプラと戦闘している隙に、陣地のフラッグを狙ったのだ。

そして、ユウ達、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の初めてのフォース戦は、残念ながら敗北という形で幕を閉じた。

 

 

 

 

 

~~

 

 

バトルを終え、ビルドダイバーズのフォースネストへと戻ってきたBUILD DiVERSとニジガク選別メンバーたち。

負けてしまった事を悔やみながら、ユウは待っていた6人から目を逸らした。

もう少し早く自分がアユムのところへ駆けつける事が出来れいれば……もしかしたらアユムは倒されずに二人でヒロトを抑えれたかもしれない。

そう考えると今回選ばれなかったメンバーの顔を直視できなかった。

だが、そんなユウに対し、アイがいきなり抱き着いてきた。

 

 

「お疲れ皆ーーー!!ナイスバトルだったじゃん!!アイさん燃えたよーーー!!」

「あ……アイちゃん……?」

「ユウさんとても強かったです!!アユムさんも、私の武器を使ってくださってありがとうございました!!」

「ううん。負けちゃってごめんなさい……。」

「そりゃ負けたのは残念だったけど、皆すごく楽しそうでうらやましかったよー!う~……アイさんも出ればよかったーーー!!」

「そうですね!次は私たちも出ましょうアイさん!!」

 

 

「しずこめっちゃ頑張ったじゃん!今日はかすみんがしずこの事ナデナデしてあげてもいいよ!」

「新しいトランザム凄い!あんなの見た事無い!」

「ありがとう。でも、やっぱりパルくんは強かったよ……あれでも相打ちが精一杯なんて……。」

「パルヴィーズさんを相手にあそこまで喰らいつけるのはしずこさんだけだと思います。私、そんなしずこさんを尊敬します!」

 

 

「エマちゃんもカリンちゃんもよく頑張ったね~、よしよし~!」

「カナタちゃん、私ももう一度格闘を教えて!私もっと強くなりたいよ!」

「ずるいわよエマ!カナタ、私にも教えてちょうだい!」

 

 

 

負けたことに対し、メンバーは誰も責めないどころか、戦った5人を称賛していた。

そこへ更にベテランダイバー達もやってきて、5人の戦い方にアドバイスをしたり、どこが良かったかなどの感想を言い始めた。

確かに負けて悔しい思いはしたが、全員が向けてくれる温かい言葉を聞くと、自然と負けて悲しいという気持ちは無くなっていった。

 

 

「ユウのユニコーンってすごいんだね!俺とダブルオーも負けてられないな!」

 

「カザミを倒さずに埋めちゃうなんて、アユムちゃんよく思いついたね~!私も今度参考にしよーっと!」

 

「しずこ!あのトランザムは使うなって言っただろうが!!だが……まぁ、なかなか熱いバトルを見せてもらったぜ。」

 

「カリンちゃんの必殺技ってかっこいいね。アイちゃんの武器を使ってたの?」

 

「エマ……相変わらず素晴らしい射撃センスだった。AVALONで共に戦えなくなってしまったのは悲しいが……また一人、強力なライバルが現れた事が、私は嬉しい。」

 

 

ユウをリク、アユムをモモ、しずこをタイガーウルフ、カリンをヒナタ、エマをキョウヤが称賛。

戦いを終えたばかりの彼女たちを全員で囲み、勝利したBUILD DiVERSの5人もそちらへと向かう

 

 

「おいおい……勝ったのは俺達だっつーの!」

「まぁまぁ、いいじゃないですかカザミさん!」

「チームとしての連携を学べば、彼女たちはきっともっと強くなるだろう。」

「あぁ。その時は、またもう一度戦ってみたいものだな。」

「………ユウ。」

 

 

近づいてきたヒロトが、ユウへ手を差し出してきた。

ユウは一瞬キョトンとしたが、すぐにヒロトのその行動が握手なのだと気が付き、思わず両手で彼の手を握った。

 

 

「今日はありがとう。楽しかったよ。」

「こちらこそ……NT-Dをうまく使えなかったり、負けちゃったのは残念だったけど……私も凄く楽しかった!」

 

 

今回の選抜メンバー5人が、BUILD DiVERSの5人と握手。

握手の際にカザミがエマの顔を見て、どこかで見た事があるなと思いつつも、よく思い出せないのでまた今度考える事にした。

握手を終えたユウの下へ、今度はシャフリとマギーがやって来た。

 

 

 

「お疲れ様皆!ナイスファイトだったわよ、あなたたち!」

「マギーさん!私たちがこうやってフォース戦を出来たのも、最初にマギーさんが色々教えてくれたからだよ!ありがとう!」

「やだ……泣かせないでよ、もう!」

「ユウ、君の『NT-D』の能力についてだが……今日の戦いを見て私は確信したよ。」

「え、シャフリさん……あの力について何か知ってるんですか!?」

「あぁ。」

 

 

 

そう言うと、シャフリはフォースネストにたたずむボロボロなレインボーユニコーンガンダムを見上げた。

当然HGであるレインボーユニコーンに変形ギミックは搭載されていないが、それを可能にする能力が二つ存在する。

一つは『ブレイクデカール』……いわゆる、データ改竄による不正強化。

そしてもう一つの能力は……、

 

 

 

「君のその力は、『アシムレイト』だ。」

「あしむれいと……?」

「あぁ。『アシムレイト』とは、強烈なプラシーボ効果によってガンプラとファイターの五感が一体化し、戦闘能力を飛躍的に高める……いわゆる、ファイター自身のトランザムともいえる。しかし、その代償として、ガンプラに伝わるダメージが、そのままファイター自身にも反映されてしまうデメリットもある。」

 

 

 

そう言えば、と、ユウには心当たりがあった。

初めてNT-Dを発動した時、額にダメージを受けた。

何故かその時被弾した箇所と全く同じ個所に怪我を負っている事があった。

 

それに、デストロイモードになっている時、ユウの性格はいつもよりも好戦的に変わる。

恐らくあれは自分自身が戦っている感覚に陥るため、そのようになるのだろう。

 

しかしそれを聞いたアユムはユウへ駆け寄り、ユウの腕を握った。

 

 

「じゃ、じゃあそれってすごく危険なんじゃないですか!?」

「そうね……使い方を誤ればとても危険な力よ。自分も相手も滅ぼしてしまうほどに……。だけど、アシムレイトを正しく使えれば、これほど素敵な力は無いわ。アシムレイトの発動条件は、ファイター自身の強い想いがガンプラと一体化する事……ようするに、ときめきってことよね♪」

「ときめき……。」

 

 

 

初めてガンダムベースでユニコーンと出会った時、ユウ……侑は、スクールアイドルを初めて見た時と同じぐらいのときめきを感じた。

いつも自分たちを見守ってくれていたお台場の1/1のユニコーンガンダム……彼と共にGBNでときめきたいと強く願った。

そんな侑の想いが、アシムレイトという力に変わり、本来変形しないレインボーユニコーンをデストロイモードへと変身させていたのだ。

 

 

 

「今まで実機バトルでしか確認されていなかったアシムレイトを初めてGBNで発動させたあなたなら、この力をきっと正しい事に使えると思うわ!」

「フフフ……ガンプラへの愛ならだれにも負けていないという自信があったのだが……悔しいね。」

「マギーさん……シャフリさん……。」

 

 

 

フォース戦には負けてしまったが、ユウには新たな目標が出来た。

レインボーユニコーンと心を通じ合わせて、アシムレイトを完全に物にすること。

このフォース戦は、終わりではない。

虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会のガンプラバトルの、新たなスタート……始まりだ。

 

 

 

 

 





~にじビル毎回劇場~


第21回:2020年ありがとう!


侑「皆、今年もお疲れ様!来年もいい年にしようね!」

歩夢「今年はニジガク躍進の年だったね!アニメも盛り上がって嬉しかったよ!」

かすみ「かすみんの可愛さが引き立つ面白さでしたねぇ!」

栞子「アニメに出れなかったのは初めてです。」

璃奈「きっと二期があるよ。」

果林「ライブも楽しかったわよねぇ。2ndライブにスクスタフェス、盛り上がったわよね。」

愛「スクスタと言えば、せっつーのフェス限めっちゃ強かったね!」

せつ菜「はい!でも、今は果南さんに抜かれてしまいましたが……。」

エマ「でもそれでも今でもすごく強いよね!さすがせつ菜ちゃん!」

しずく「そう言えばアニメでは最終回に、思いっきり登場してましたね。ユニコーンガンダム。」

侑「そうそれ!めちゃくちゃびっくりしたよ!」

歩夢「きっとユニコーンが侑ちゃんや私たちを応援してくれたんだよ!」

かすみ「これはもう、ユニコーンガンダムは同好会名誉メンバーとしてカウントしてもいいのでは!?」

せつ菜「そうですね!!ちなみににじよんにもOOが移っているシーンがありますよ!!」

愛「ガンダムと言えば、来年はSDガンダムのアニメやるらしいね。愛さん、SD使ってるから絶対見るよ!」

璃奈「2021年……楽しみ!璃奈ちゃんボード『ワクワク!』」

エマ「来年も私たちニジガクの応援よろしくね~!」

栞子「にじよんのシーズン4も楽しみです。」


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