ニジガクビルドダイバーズ   作:バース・デイ

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副会長の憂鬱

優木せつ菜という人物を校内で見た者はいない。

 

 

虹ヶ咲学園でまことしやかに噂される七不思議のひとつである。

実際はそんなことは無く、同好会の練習を見に行けば普通にせつ菜の姿は見る事が出来るし、侑とせつ菜がスクールアイドルフェスティバルの為に奔走していた時も、制服を着たせつ菜がたびたび目撃されている。

だが、生徒名簿には『優木せつ菜』という人物の名は無く、誰も教室で授業を受けているせつ菜を見た事は無い。

 

 

「菜々。」

「あ、副会長。こんにちわ。」

 

 

その理由は、『優木せつ菜』という名前が偽名であるため。

 

彼女の本名は『中川菜々』……せつ菜という名前は、両親や学友に正体を隠すために着けた芸名……いわゆるコードネーム。

 

 

ようするに、刹那・F・セイエイと言う事だ。

ちなみに刹那・F・セイエイは『ちょりす刑事』という別のコードネームもあるらしい。

 

 

数か月前まで、菜々はこの学校で1年生の時から生徒会長をしており、今はその任を降りている。

だがその時に培った人間関係はまだ続いており、特に副会長はせつ菜のファンと言う事もあり馬もあう。

しかし、副会長は菜々がせつ菜だと言う事は知らないままだ。

 

「お昼、まだでしょう?一緒にどう?」

「いいですね。ご一緒します。」

「会長じゃなくなって、私は名前で呼ぶようになったのに、まだ私の事は『副会長』って呼ぶのね。」

「す、すいません……一度染みついてしまったら中々抜けなくて。」

「菜々は真面目ね。行きましょう。」

 

普段、菜々は侑、歩夢、愛と4人でよくお昼を食べている。

副会長と一緒に行くのはかなり久しぶりで、生徒会長時代以来。

何故スクールアイドル同好会といつも一緒にいるのか?と以前尋ねられた時は、『フェスティバルの準備の際に仲良くなったから』とごまかしておいた。

学食に到着すると、二人はうどんを注文し、カウンターの前で待つ事に。

 

 

「そう言えば、最近スクールアイドル同好会ってガンプラバトルをやっているらしいわね。」

「そ、そうなんですね。し、知りませんでした。」

「? 菜々、せつ菜ちゃんのファンって言ってなかったっけ?」

「え!?あのー……そのー……。」

「まぁ、菜々の事だからきっと、アイドル活動の方しか注目していなかったのね。今、あの子たちすごく話題になっているのよ。」

 

 

 

そう言いながら、副会長が見せてくれたのは、二週間前のBUILD DiVERSとのフォース戦の動画。

動画に収められてのは、最後の侑のレインボーユニコーンと、ヒロトのマーズフォーガンダムの鍔迫り合いで、副会長はキラキラした瞳でそれを菜々に見せつける。

 

「凄いわよねこの子たち!ほら、特にこのユニコーン!高咲さんでしょコレ!?あのBUILD DiVERSと互角以上に渡りあうなんて……!あー、私、高咲さんが歌ってるところも見て見たいなー。」

「副会長……ガンダムお好きなんですか?」

「ハッ!!え、えぇ……父がバンダイの商品開発部に勤めていて……小さい頃よく話を聞かされていたから。だかこの間のライブは凄く楽しかった。あのせつ菜ちゃんが、刹那の格好でOOの歌を歌ってたから。」

「そうなんですね。」

 

それを聞いて、菜々はクスッと笑う。

きっとせつ菜なら、大声で喜んで副会長の手を握るところだろうが、今そんな事をすれば正体がばれてしまう。

喜びたい気持ちを抑る菜々……そんな彼女の肩を、誰かが後ろから叩いた。

 

 

 

「ニーハオ!」

「あ……ランジュさん。」

 

 

 

 

そこにいたのは、スクールアイドル部の部長の鐘嵐珠。

いつもは部室で食事をしている彼女が、何故か両手でうどんを乗せたトレイを持っており、菜々は思わずそれを二度見してしまった。

 

「何故あなたがここに?」

「ここのうどんが絶品だったって部員の子が言ってたから、食べたくなったのよ!というか、せt、」

 

「はい!!私が中川菜々ですが何のご用でしょうか国際交流学科二年の鐘嵐珠さん!?」

 

「ど、どうしたの菜々?」

「あぁ、そうだったワね。ごめんなさいね、そういう設定なの忘れていたワ。」

「設定?」

「……はぁ、それで?何のご用ですか?」

「別に用ってわけじゃないワ。あなたを見かけたから話かけただけだし。それより、その子誰なの?」

「誰って……生徒会の副会長ですよ。生徒集会で見た事あるでしょう?」

「あー!栞子の部下の子ね!」

「…………。」

「そういう言い方やめていただけませんか?確かに会長と副会長という立場ではありますが、生徒会の人達は等しく仲間なんです。私だって元生徒会長です。彼女を馬鹿にするのは許しませんよ。」

「はいはい、ごめんなさいね。」

 

このランジュ、まったく悪気はないのだが、とにかく言い方がキツイ。

ある程度仲良くなればそれも気にならなくなるのだが、ほぼ初対面の副会長に対して面と向かって『部下』と言い放つ態度に、菜々も少々腹を立てた。

 

 

「ところで、何の動画見ていたの?………なにこれ?ロボットが戦ってるの?」

「ガンダムです。この間のライブでもやっていたでしょう?」

「あぁ、あの時の歌ってそういうのだったのね。私は同好会のライブを見たかっただけだから、そういうのは気にしていなかったワ。」

「あなた、GBN知らないの?」

「そういうの全然興味無いのよ。」

 

 

今時GBNを知らない人間もいるのか、と菜々と副会長は思ったが、そういえばランジュはプロのアイドルと同じ指導を受けているほどのスクールアイドル。

そっちに時間がとられていれば、興味のない事には本当に一切の興味を示さないのが彼女だ。

 

 

 

 

「ランジュ!?」

 

 

 

 

「あら?ニーハオ、栞子!それとしずくと璃奈と……かすかす?」

「かすみんですぅ!!」

 

 

その時、同じように昼食のトレイを持って、同好会一年生4人組が現れた。

菜々、副会長、ランジュという珍しいトリオを目にしてしずくと璃奈は驚き、かすみはランジュを警戒。

栞子はランジュが食堂にいた事に驚いたが、すぐに目線を菜々と副会長に移した。

だが、その時の彼女の表情は少しおびえており、何故か菜々たちから一歩後ずさる。

 

 

「菜々さん……それと、副会長……。」

「……………。」

 

「こんにちわ、同好会のみなさん。これからお昼ですか?」

「はい。今日は冷えるので、温かいおうどんでも食べようかなと思って。」

「菜々さんもうどん?」

「えぇ。よければご一緒しませんか?」

「えー?そこのどこぞの部長さんがいなければかすみんもいいですけどー?」

「あら?それってランジュの事かしら?」

「他に誰がいるんですか!!グルルルル!!」

「まぁまぁ、落ち着いてください中須かすみさん。副会長もいいですか?」

 

 

「ごめんなさい。」

 

 

「副会長?」

「やっぱり、私は今日は一人で食べます。それじゃあ。」

「あ、ま、待って下さい副会長!」

 

 

何故か態度が急変し、うどんを受け取るや否やそそくさとその場を離れようとする副会長。

菜々は急いで彼女を追い、その場にはランジュと一年4人のみが取り残された。

 

 

「あ…………。」

「なんなのアレ?感じ悪いワね?」

「あなたにだけは言われたくないと思いますけど?」

「私たち、副会長に何かしたのかな?」

「特に心当たり無いけど……。」

「? どうしたの栞子?元気無いワよ。」

「へ!?そ、そんな事は……ありません……けど……。」

「んー……とりあえず、うどん伸びるから食べちゃいましょう。そうそう聞きないよあなた達!ランジュ、この前ついにバイクの免許取ったのよ!」

「って何かすみん達とナチュラルにお昼食べようとしてるんですか!!」

 

 

 

 

 

~~

 

かすみ達とは離れた場所に席を取ると、副会長と菜々はそこに座った。

菜々が何があったのかを訪ねても、副会長は何も答えてはくれない。

しばらくの間、二人は無言でうどんを啜るが、器の中が半分程度になって来た時、ようやく副会長が口を開いた。

 

 

「あなたは、なんとも思わないの……?」

 

 

「え?」

「三船さんの事……本当になんとも思っていないの?」

「彼女はとてもよくやっていると思います。私では気づかなかったところもよく気付いて……他の役員の方も褒めていましたよ。」

「私は、あの子をどうしても受け入れる事が出来ない……。私はこの学校の生徒会長に一番ふさわしいのは、菜々だって思ってる。それを、あんなやり方で奪ったあの子を、私は許せない……。」

「それは………。」

 

1年生なのに生徒会長をやっている……それ自体は何も問題ではない。

実際、菜々も1年生の頃から生徒会長を務めていて、本来であればもうすぐ任期満了だった。

しかし、菜々のやり方ではニジガクの生徒の未来の可能性が断たれてしまうと考えた栞子は、任期満了を迎える前の菜々に対して緊急生徒会長選挙を行う事を宣言。

生徒の大半の支持を受け、新生徒会長となった。

そのおかげで得意分野をいまいち活かせなかった生徒の進路が決まったり、菜々自身も両親と向き合う事を決意したりと良い事もたくさんあったが、同時に栞子のやり方を気に入らないと言い出す生徒も後を絶たなかった。

副会長もその一人ではあるが、彼女の場合は栞子の方針というより、菜々に対する栞子のやり方に不満を持っていた。

 

 

「生徒会の仕事は、役目だから……与えられた仕事はちゃんとやるし、指示にだって従う。だけど私はあの子の事を生徒会長だって認めたくはない。同好会に入って丸くなったみたいだし、スクールアイドルも頑張ってるようだけど、どうしてもあの子の事を好きにはなれない……。」

「副会長……。」

 

 

 

 

 

~~

 

副会長に避けられているところを菜々に見られてしまった栞子は、練習にも身が入らなくなっていた。

簡単なステップで間違えては果林に怒られ、歌詞を間違えればエマに心配され、ロッカーを間違えそうになったときは彼方に注意されてしまう。

その様子を見ていた菜々……せつ菜以外の2年生3人は、事情を知らないためいつもの彼女と違う事に戸惑った。

 

「しおってぃー、何かあったのかな?」

「なんだか、心ここに非ずって感じだよね。私、聞いてくる!」

「待った歩夢!せつ菜ちゃんが……。」

 

練習着から制服に着替え終わった栞子の下へ、同じく練習を終え、菜々の姿に戻ったせつ菜がやって来た。

ぺかぺかしながら栞子に近づくが、あまりにもぺかぺかしているため栞子は若干警戒。

 

 

「栞子さん!今から遊びに行きませんか!!」

「え?今からですか?ですが今日はもう時間も遅いですし……せつ菜さんのお家も厳しいのでは?」

「私なら大丈夫です!私、栞子さんと行ってみたいアニメショップがあるんです!!是非行きましょう!!」

「は……はい、わかりました……。では、ご一緒します。」

 

 

菜々の格好のまま、せつ菜は栞子の手を引いて勢いよく部室を飛び出した。

ポカンとする2年生3人……歩夢が代表して、近くで着替えをしていたしずくに尋ねた。

 

「何かあったの?」

「えぇ、実は今日のお昼に……。」

 

 

 

 

 

~~

 

「おぉ!!こ、これは……私が大好きなラノベの新刊じゃないですか!!うわ~!嬉しすぎる~!!」

「せ、せつ菜さん!声が大きいですよ!」

「あ、すいません……。ちょっと買ってきますね。栞子さんも何か気に入ったものはありますか?」

「私はこういったところはあまり……あ。」

 

アニメショップに遊びに来た二人。

せつ菜はいつも通りラノベをチェックし大はしゃぎ。

アニメ自体に興味が無い栞子は、楽しそうにしているせつ菜を見ていればそれで良かったのだが、その時、栞子が大いに興味を引く代物が。

それを手に取ると、栞子はいつものお堅い表情が嘘のように目を輝かせた。

 

 

「わぁ……!」

「デスティニーガンダムのクリアファイルじゃないですか!カッコいいですね!」

「こういった物も販売しているのですね。ガンダムベースでは見かけたことありませんでした。」

「販売自体はしているみたいですが、人気の商品なのですぐに無くなってしまうみたいです。」

「わ、私コレ買います!ちょっと待っててください!」

 

 

少し元気になったみたいで良かったと、せつ菜は心から思う。

スクールアイドルの練習も良いが、気分が落ち込んでいては大好きな練習にも身が入らない。

そういう時は、別の好きな事をやるのが一番だ。

デスティニーガンダムのクリアファイルを買って来た栞子がレジから戻ってくると、せつ菜はまたぺかぺかした表情で彼女へ言った。

 

 

「栞子さん、本当にガンダムが大好きですね!」

「え!?は……はい……。歩夢さんと侑さんと一緒に成り行きで始めたGBNですが、続けていくうちに新しい発見やアイデアが次々に見つかって……そのうち、ガンダムそのものにも興味が出てきて……。」

「でも、良かった。楽しんでくれて。」

「良かった?」

「栞子さん、元気無さそうだったから。」

「それは……。」

 

 

失言だった、とせつ菜は言った後に気が付いた。

再び暗い表情になった栞子に、せつ菜は失礼だと思いつつも聞いた。

 

 

「副会長の事ですか?」

「……いいえ、私自身の事です……。本来であれば、私はあなたからも嫌われて当然のことをしていたんですから……。」

「私は栞子さんの事を嫌いになったりなんかしませんよ。」

「せつ菜さんは優しすぎます……あなたの優しさは、時々胸が苦しくなります……。」

 

 

生徒会長を交代してすぐの頃、栞子は副会長からひどく軽蔑された。

適性の無い生徒への強制的な転部や、独断で進めた部活動紹介、なにより菜々の生徒会長解雇問題。

それでも態度を改めなかった栞子に、副会長は痺れを切らし、一時期は生徒会を辞めようかと悩んだ。

スクールアイドル同好会と触れ合う事で、本来の他人を思いやる気持ちを思い出した栞子を見て、生徒会に留まったようだが、それでも菜々への無礼を忘れられずにいる。

そのことは栞子もわかっている。

一度深まった溝は、ガンプラの様には簡単には埋められない。

 

 

「………よし!!栞子さん!!今からガンダムベースへ行きましょう!!」

「い、今から!?」

「こういう時は大好きなGBNで思いっきり暴れましょう!!善は急げですよ!!うおぉおおおおおおお!!!!」

「お、お店の中を走ってはいけませんよ!!せつ菜さん!!」

 

 

 

 

~~

 

スカーレットエクシアとデスティニーフリーダムを持って、GBNにログインしたセツナとしおこの二人。

思えば二人だけでログイン……というか、この二人だけで遊ぶの自体が初めてで、しおこは少し緊張していた。

セツナはそんなしおこを肩車し、一緒にミッションカウンターへ。

するとそこには見覚えのある二人の少年の姿があり、セツナは彼らに声を掛けた。

 

 

「リクさん!ユッキーさん!」

 

 

「ん?あ、セツナとしおこちゃん!」

「今日は二人だけなの?」

「はい。お二人もですか?」

「うん。俺達も久しぶりにコンビで何かやろうと思ってさ!で、ちょうどよさそうなの見つけたからユッキーと一緒にやろうと思ったんだけど……。」

 

 

そこにいたのは、ビルドダイバーズのリーダーであるリクと、その相棒ユッキー。

ダブルオースカイメビウスが生まれ変わった新機体と、ジェガンブラストマスターを改造した『デュナメスロックオンマスター』を操るSSSランクダイバー。

ガンフェスの準備で忙しかったリクが久しぶりに通常ミッションをやろうとしていたのだが、彼の目の前に出ているは受付エラーの画面。

 

 

「僕たち、ランクが高すぎるせいでエントリー出来ないみたい……アハハ……。」

「うーん、どうしようかユッキー?」

「コレクトミッションでもやる?ヴァルガとか。」

「そうだ!セツナとしおこちゃん、俺達が受けれなかったこのミッション、やってみない?」

 

 

そう言ってリクが見せてくれたのは、『ダブルバトルトーナメント』の受付画面。

1~2人用の専用ミッションで、トーナメント形式で勝ち上がっていくバトルミッションだ。

優勝したコンビには豪華な景品も用意されており、セツナもしおこもそのミッションに目を輝かせた。

 

 

「な、なんですかこのミッション!!今の私たちの気分にあった最高のミッションじゃないですか!!」

「待って下さいセツナさん。これ、今日だけのミッションではありませんよ。数日に分けてトーナメント形式で進めていくみたいで、決勝まで勝ち残れば、最終戦は土曜日のようです。」

「そうそう!これ楽しくってさー!俺とユッキー、毎回出場してたんだけど、とうとう今回から出れなくなっちゃって……。」

「そりゃ……チャンピオンレベルの人がビギナーの大会に出るわけにはいきませんからね……。」

 

 

リクは、このGBN内でもクジョウ・キョウヤ、獄炎のオーガと並び、数少ないSSSランクダイバーの一人。

そんな彼が野良の大会に出るわけにもいかず、最近のGBNの世知辛さを身に染みて感じている。

 

 

「今からエントリーすればまだ今日の試合には間に合うよ。」

「出場しましょうしおこさん!私たちのコンビネーションで、優勝を目指すんです!」

「いいのですか?相方が私で……。」

「しおこさんがいいんです!さぁ、さっそくエントリーしましょう!」

 

 

セツナの勢いに押され、二人はダブルバトルトーナメントにエントリー。

すぐに試合が始まる様で、リクとユッキーに案内されながら、二人は試合会場へと急いだ。

 

 

 

 

 

~~

 

 

 

『さぁ、とうとう始まった第10回ガンプラバトルダブルバトルトーナメント!!本日最後の試合は、フリーダムガンダムとジャスティスガンダムを操るキラヤマ&アスザラのコンビ!!VS、本大会初出場!フォース『虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』からこの二人!ガンダムスカーレットエクシアとデスティニーフリーダムのセツナ&しおこのペアやーーー!!なお、実況解説は引き続きこのワイ、ミスターMSが担当させてもらうで!!』

 

 

広い闘技場に現れたジャスティスガンダムとフリーダムガンダム。

それと対峙する、セツナのスカーレットエクシアと、しおこのデスティニーフリーダム。

同じフリーダムガンダムのガンプラを操る者同士の対決……観客として見に来たリクとユッキーも注目していた。

そして、ついに試合開始のゴングが鳴った。

 

 

 

『よし!行くぞキラヤマ!』

『OKアスザラ!まずは、あのエクシアを……、』

 

 

『TRANS-AM』

 

 

「トランザム!!」

 

 

 

言い終わる前に、ジャスティスガンダムとフリーダムガンダムに対し、トランザムを発動したスカーレットエクシアが斬りかかった。

驚いたジャスティスガンダムがビームサーベルでスカーレットエクシアを撃退しようとするが、それをしおこが許さない。

腰部から分離したクスフィアノス・ウイングをファンネルとして操り、二丁構えたビームライフルと共に遠距離からジャスティスガンダムを妨害。

一気に懐に潜り込んだスカーレットエクシアが、GNソードSSPでジャスティスガンダムを股から頭部にかけて切裂いた。

 

 

『ぐあああああああ!!!』

『あ……アスザラーーーーー!!!くそ……よくも……!』

『よそ見をしていてはいけませんよ。』

『なに!?』

 

 

スカーレットエクシアに気を取られていたフリーダムガンダムは、いつの間にか背後に迫ってきていたデスティニーフリーダムに気づけなかった。

すでに頭部にライフルを押し当てられ、思わずフリーダムガンダムは拳銃を突きつけられた人質の様に手を上げた。

しかし、デスティニーフリーダムは無情にも引き金を引き、フリーダムガンダムはあっという間にゲームオーバーとなってしまった。

 

 

 

 

『な……なんと試合終了-----!!!つ、強い!!なんなんやこの二人は!!目にも止まらぬ速さでジャスティスガンダムを切り裂いたエクシアに、音もなく忍び寄りフリーダムガンダムを撃ち抜いたデスティニー!これはとんでもない期待の新星の登場やーーーー!!!』

 

 

 

『さすがセツナさんです!お見事でした!』

「しおこさんこそ!明日からの試合も頑張りましょう!」

 

 

 

そう言って拳をぶつけたスカーレットエクシアとデスティニーフリーダム。

今の試合を見ていたリクとユッキーも二人に拍手を送り、セツナ達の勝利を喜んだ。

 

 

 

 

 

~~

 

自宅に帰り、自室に戻った副会長は宿題を終わらせると、YouTubeでガンダム系の歌ってみた動画を見ていた。

菜々しか知らない事だが、副会長はガンダムが好きで、寝る前にこうしてガンダムの歌を聞いてリラックスしていた。

しばらく動画を眺めていると、チャンネル登録していたスクールアイドル同好会のチャンネルに、新着動画がアップ。

しかも大好きなせつ菜が、GBNでバトルをする動画であり、副会長はそれを喜んで再生。

しかし、再生してしばらくすると、彼女は少し眉を細めた。

 

 

「……三船さんもいるんだ……。」

 

 

栞子も同好会の一員である以上、せつ菜と共にガンプラバトルをしていてもなんら不思議ではない。

だが、かたや自分が大好きなスクールアイドル、かたや信頼できない生徒会長であるため、副会長は複雑な思いを抱いた。

やがてせつ菜のエクシアと栞子のデスティニーのバトルが始まると、二人とも無駄のない動きでフリーダムガンダムとジャスティスガンダムを倒して見せた。

 

 

「……結構強いのね……あの子……。」

 

 

最後に拳を合わせたスカーレットエクシアとデスティニーフリーダムを見て、副会長は思わずその動画の高評価ボタンを押しそうになった。

しかし、その瞬間に菜々の事が頭をよぎり、その手を止めた。

そっとノートパソコンを閉じると、副会長はそのままベッドで横になった。

 

 

 





~にじビル毎回劇場~

第23回:セブンイレブンイメージガール決定戦

マギー「アタシはアユムちゃんが良いと思うわ!ああいう可愛い店員さんがいるお店って何度でも通っちゃう!」

シド「セブン&アイというぐらいだから、宮下がいいんじゃないのか?」

リク「でも『セブン』なら、セブンソードのエクシアを使うセツナじゃないかな。」

シャフリヤール「はっはっは、甘いね君たち。私はかすみんくんを推薦するよ。ガンプラ愛が深い彼女なら、きっと立派にやってくれるだろう。」

タイガーウルフ「それならしずこだろ。アイツはその上根性もあるぞ。」

アンシュ「テメェら近江の私生活知ってんのか?バイトと言えばアイツだろ。」

コーイチ「真面目に仕事をしてくれそうなのはしおこくんだよね。」

アヤメ「あら、りなこちゃんだって可愛いわよ。りなこちゃんにしましょう。小さくて可愛いのよ?りなこちゃんがいいわ絶対に。私、通うわ。」

ヒナタ「私はカリンちゃんが良いと思う。ヒロトは?」

ヒロト「そうだな………エマ、かな……。」

モモ「皆ー、ここは自分の推し発表会じゃないよー。もうさぁ、ここは間を取ってユウちゃんでいいじゃん。髪の毛緑だし。」


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