普段は『1年生可愛い……』ってなってる。
今回は『2年生の友情っていいよね……』ってなってほしい
小さい頃から、歩夢と侑はよく一緒に遊んでいた。
特にかくれんぼが大好きで、他の友達が遊べない時でも、二人だけでよくやっていた事を、今でも二人とも時々思い出す。
侑は他の友達と比べても小柄で、色んな所に隠れられた。
だからいつも歩夢が鬼になると、侑を見つけられずによく負けてしまっていた。
「へっへー!今日もわたしの勝ちー!」
「侑ちゃん隠れるの上手だね。」
「歩夢ちゃんには絶対負けない自信があるもんね!」
「むー!次は絶対見つけるもん!」
「えー?無理だよー。」
「無理じゃないもん!侑ちゃんの事なら、私絶対見つけられるもん!」
「ホントに?じゃあ、次は絶対見つけてね!」
「うん!」
あの頃は、侑はまだ歩夢を『歩夢ちゃん』と呼んでいた。
とても懐かしい思い出。
二人がまだ、スクールアイドルの事もガンプラの事も何も知らなかった頃の記憶。
だから、あんな未来が来るだなんて思いもしなかった。
~~
『侑ちゃん、早くいなくなってよ。私たちの前から。』
『侑さん、私たちはあなたの事、大嫌いなんです。』
『ゆうゆさぁ、自分の立場ちゃんとわかってんの?ねぇってば。』
「もう……もうやめてぇ……!ごめんなさい……皆、ホントに……ごめんなさい……!!」
緑色の球体状のバリアに包まれ、その中で縮こまったレインボーユニコーンガンダムの中で、ユウはひたすら懺悔を続けていた。
ミラーミッションエリアの中に生まれた、スクールアイドル同好会10人のミラーガンプラ達は、絶え間なく侑を責め続ける。
10の方向から10の悪意ある言葉を受け続け、もはやユウの精神は限界に来ていた。
しかし、ユウはその言葉を拒否はしても、否定する事は無い。
何故ならそれらの言葉は、全て、ユウ自身が思っている言葉。
自分の愚行でライブを潰してしまい、皆から笑顔を奪ってしまったゆえの後悔の念。
『今更謝られても困るんですよぉ!!歩夢先輩が可哀想だと思わないんですかぁ!?』
『それだけじゃないよ。隊長やリクくん達、皆が必死に守ったこのGBNを、ユウちゃんはブレイクデカールで壊そうとしたんだよ?許せるわけ無いよね?』
「わかってる!!わかってるよそんな事!!じゃあ……私は、どうすればよかったの……!?私は……何と戦えばよかったの……!?」
~~
その頃、カタパルトから出撃したリクのガンダムダブルオーセイバーと、ヒロトのインフィニティライザー、そしてアユムの新たなる愛機ガンダムブレイブインパルスの3機。
ブレイブインパルスは、上半身はドリームインパルスそのままだが、下半身のレッグフライヤーとバックパックが劇的に変わり、パっと見では全く違う機体という印象を受ける。
今まではピンク色の上半身以外は、基本的にホワイトのカラーリングだったが、今回はピンク色と白は抑えられ、全体的に青が取り入れられた。
コレは、ドリームインパルスに新たに加えられた『ガンダムAGE-FX』の特徴を受け継いでいるため。
背面に装着された新たな『ブレイブシルエット』は、AGE-FXの上半身をそのまま改造した、今までと全く異なるタイプのシルエットであり、AGE-FX最大の特徴であったCファンネルも新たに生まれ変わり、今まで使っていたレイピアに似た形の形状に変化している。
ユウが待つミラーミッションエリアへ急ぐため、アユムは操縦桿を握りしめ、ブレイブシルエットの出力を上げていく。
やがて、ミラーミッションエリアへと入るためのワープゲートが見えてきた。
本来、バグの影響で立ち入り禁止になっているはずだが、マギーが運営に手配して特別にアユム達が入れるようにしてくれている。
『! アユム、リク!』
『ヒロト?……ハッ!アユム、よけろ!!』
「うん!」
リクとヒロトが叫ぶよりも先に、ブレイブインパルスが少し上空へと舞い上がる。
少し遅れて彼女の下を実弾が通り過ぎ、遠方に着弾して爆発。
見て見ると、ワープゲートの周りに、数体のガンプラの姿が見えた。
グリムゲルデにガンダムキマリス、それにマンロディが数体。
以前、ユウがヴァルガで戦ったマスダイバーの集団だ。
『来たな!あのユニコーンの仲間が!!』
『ビルドダイバーズのダブルオーもいるみたいだが関係ねぇ!!アイツに対する恨み、お前らでたっぷりはらさせてもらうぜ!!』
『厄介だな……やり過ごそう。』
『いや、あの位置じゃ強行突破は難しい。倒すしかないよ!』
「リクくん、ヒロトくん!私に任せて!」
アユムがそう叫ぶと、背面に装着されたCファンネルを改造した新装備『ソードファンネル』を分離し、ブレイブインパルスの周りに展開した。
『SEED』の能力により周りの状況を即座に分析すると、ブレイブインパルスは展開された10本のソードファンネルを操り、マンロディ達が放ってきた銃弾を、全て切裂いて落した。
その間、僅か0,1秒にも満たない。
「私の思った通りに動く……!これなら、いける!行くよ、ブレイブインパルス!ソードファンネル!!」
展開したソードファンネルのうち、2本を自分の手元に呼び寄せたブレイブインパルス。
腰部から取り出した柄パーツにソードファンネルを接続すると、二本のレイピア『FXレイピア』として構えた。
ドリームインパルス時とは比べものにならないほどのスピードで、マスダイバー集団の放つ銃弾を全て斬りおとしていく。
『あれがアユムの新しいインパルス……!』
『リク!まだ敵の反応は消えていない!援軍だ!!』
『なんだって!?』
元々、ユウはブレイクデカールを探すために様々なマスダイバー達に接触してきた。
その時の復讐と言わんばかりに、次々とアユムやリク達の下にマスダイバー達が集結し始め、気がつけばアユム達はマスダイバーの操るガンプラ達に囲まれていた。
その多くは『鉄血のオルフェンズ』に登場するガンプラ達で、おそらくは全員仲間だったと思われる。
『ユニコーンといいインパルスといい、俺達をコケにしやがって!!もうゆるさねぇ!!』
『やっちまうぞ、皆!!』
『『『おう!!』』』
厄介な事に、マスダイバー達が全員一致団結し、ブレイブインパルスたちに襲い掛かって来た。
ユウを救う為にも、ダブルオーセイバーとインフィニティライザーはここで余計なエネルギーを使うわけにはいかず、その全ての対処にブレイブインパルスが当たろうとする。
だがその時、彼女たちの頭上にワープゲートが出現し、そこからあらわれた二機のガンプラがマスダイバー達のガンプラへ襲い掛かって行った。
『うおりゃーーーーーー!!!』
『セツナスカーレットストーーーーーーーム!!!』
「! 愛ちゃん、せつ菜ちゃん!!」
そこへ駆けつけてくれたのは、同好会の仲間である宮下愛の愛参頑駄無と、優木せつ菜のガンダムスカーレットエクシアの二機。
彼女たちはブレイブインパルスとダブルオーセイバーの前に立ち、それぞれの武器をマスダイバー達へ向けて構えた。
『歩夢さん!ここは私と愛さんが引き受けます!!』
『皆は早くゆうゆの所へ行ってあげて!!』
「二人とも、どうしてここに!?」
『マギーさんからお話を伺いました。歩夢さんと侑さんが必死に戦っているのに、私たちだけ何もしないなんてありえません!!』
『これ、二年生組の無二の絆ってやつね!二年だけに!』
「皆、ありがとう!!行こう、リクくん、ヒロトくん!!」
この場を愛参頑駄無とスカーレットエクシアに任せ、寄ってくる敵のみを薙ぎ払いながらブレイブインパルスとダブルオーセイバーはその場を突っ切る。
迫りくるマスダイバー達を払いのけ、愛参頑駄無の中でアイがアユムへ叫んだ。
『歩夢!全部終わったらさ、ゆうゆと一緒に学校に来てよ!!』
「学校に?」
『はい!リクさんとヒロトさんも是非!皆で、とびきりのサプライズを用意して待っていますから!!』
「……あ、もしかして!」
『わかった。必ず行くよ。』
『あぁ、よし……絶対にユウを取り戻す!!』
ダブルオーセイバーが先陣を切り、それに続けてインフィニティライザー、ブレイブインパルスがワープゲートを潜り抜けた。
その場には愛参頑駄無とスカーレットエクシアのみが取り残され、彼女たちは総勢30以上を超えるマスダイバー集団に囲まれる。
マンロディ達やグレイズ達を従えたリーダー格のグリムゲルデとキマリスは、それぞれ愛参頑駄無とスカーレットエクシアの前に立ちはだかり、武器を構えて二人を威嚇。
『たった二体のガンプラで、俺達マスダイバーのフォースを倒せると思ってんのか?』
『しかも、一体はSDガンダムじゃねぇか!なんだそれ?摩亜屈か?そんな古いガンプラで、最新鋭の鉄血機に勝てると思ったら大間違いだぜ!!』
『だ、そうですよ。愛さん。』
『あっちゃー。愛さん達も舐められたもんだね。』
『そうですね。ですが、これぐらいの逆境を切り抜けられないようでは、GBNで一番のスクールアイドルを目指そうだなんて夢のまた夢!行きますよぉぉぉぉ!!うぉおおおおおおお!!!』
『せっつー燃えてんねぇ!よーし!じゃあ愛さんも!!いっくぞーーーー!!』
GNソードSSPと愛参命全開を構えて、スカーレットエクシアはグリムゲルデ率いるグレイズ隊、愛参頑駄無はキマリス率いるマンロディ隊へと立ち向かっていった。
~~
ワープゲートを潜った先にあったのは、巨大な洞窟の様なディメンション。
1/1サイズのガンプラが大勢で暴れ回れるだけの広さがある広大な洞窟で、ここがミラーミッションエリアの最終ステージなのは明白。
しかし、そこにユウとレインボーユニコーンガンダムの姿は無かった。
そこにあったのは、球体型の巨大な虹色のバリアに覆われた、謎の高エネルギー体だけ。
到着したリクとヒロトはその光景に困惑し、辺りを見回してユウを探す。
だが、ユウの姿はどこにもない。
『なんだあのバリアは……?』
『ユウは、一体どこに……?』
「! 侑ちゃん!!」
『アユム?』
「二人とも!侑ちゃんはあの中に!」
『あの中って……まさか、あのバリアがレインボーユニコーン!?』
『……サイコ・フィールドか……。』
『サイコ・フィールド』
『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』以降の宇宙世紀シリーズに登場する、サイコフレーム搭載型MSが引き起こす現象。
パイロットの感情が起因となり、様々な能力を発現する特殊機能。
主にニュータイプに覚醒したパイロットが起こす能力で、『機動戦士ガンダムUC』本編においても、ユニコーンガンダムのパイロットであるバナージ・リンクスもこの力を使った。
ユニコーンガンダムとバンシィ・ノルンの特徴的な能力ともいえるが、ユニコーンガンダムベースのレインボーユニコーンが、一機のみで引き起こすにはあり得ないほど巨大なバリアが展開されており、宇宙世紀シリーズのファンであるヒロトは驚きが隠せなかった。
『サイコ・フィールドは使用者の怒りや悲しみが突き動かされる状態の時、莫大なエネルギーを発生させる……これほどのバリア……今のユウの状況はまずいぞ……!』
『あのサイコ・フィールドを突き破る!!行くぞ、二人とも!!』
『邪魔しないでよ……。』
「!? 誰!?」
背後から急に声が聞こえ、ブレイブインパルスが振り向いた。
そこにいたのは、黒いレインボーユニコーンガンダム。
一瞬、これが噂のバンシィ・ノワールかと思ったが、よく見て見るとバンシィ・ノワールにあるはずのノワールクローや左脚の過剰装甲が存在しない。
それに何より、アユムにはわかる。
「あなた……侑ちゃん……ううん、違う……。」
『アユム……。』
目の前にいるのは、ミラーミッションに本来現れるはずの最終ボス……ミラーレインボーユニコーンガンダム。
ユウと全く同じステータスを持った、本来ユウが最後に戦うべき相手。
ミラーユニコーンはビームサーベルを手に取り、ブレイブインパルスの前に立ちはだかる。
『アユム、コレは罰なんだよ。皆に対する、私への罰。』
「そんなもの、必要ない。本当の侑ちゃんを返して!!」
『皆、私の事、本当は許せないんだよね……だから、私の本当の気持ちにだって気づいてくれない。』
「それは違うよ。その事を侑ちゃんに伝える為に、私たちはここに来たの!ソードファンネル!!」
ブレイブインパルスの放ったソードファンネルが、ミラーユニコーンを襲う。
ミラーユニコーンは一瞬でユニコーンモードからデストロイモードへと、変わり、ソードファンネルを切伏せた。
近くに残したソードファンネルを手に取り、FXレイピアへと変形させると、ブレイブインパルスはミラーユニコーンと鍔迫り合いを始める。
全身のフレームが、スムーズに動く。
アユムのやりたい動きが、完璧にブレイブインパルスへと伝わる。
ソードファンネルはまるで手足の様に自由に動き、出力調整もアユムの思うがまま。
単純なスペックだけで言えばデストロイモードを発動しているミラーユニコーンは、GBN中のどのガンプラよりも高性能な機体と言える。
しかし、ガンプラバトルは単純な性能差だけでは決して埋められない物がある。
徐々にブレイブインパルスがミラーユニコーンを押し返し、ソードファンネルでミラーユニコーンを完全に包囲した。
「リクくん、ヒロトくん!今のうちに侑ちゃんを!」
『わかった!!行くぞ、ガンダムダブルオーセイバー!!』
『TRANS-AM』
GNOOセイバーを構えたダブルオーセイバーが、トランザムを発動。
両肩のセイバードライブユニットから緑色のGN粒子を放出し、レインボーユニコーンの発生させたサイコ・フィールドへと斬りかかる。
凄まじい威力の斬撃だが、サイコ・フィールドはビクともせず、それだけユウの囚われている心の闇が深い事がわかる。
ダブルオーセイバーを通じ、リクにもその片鱗が見えてきた。
『こ……これは……!?』
『リク、どうした!?』
『ユウ……君は、こんなにも……!』
~~
サイコ・フィールドの中で、レインボーユニコーンは同好会10人のミラーガンプラに囲まれていた。
彼女たちから浴びせられるのは、攻撃では無くユウに対する罵倒の言葉。
限りない『悪意』の言葉だ。
『侑さんにはがっかりしました。私、もうスクールアイドルやめます。これからは演劇の方に力を入れようと思います。』
「そんな……待ってよしずくちゃん!!」
『しずくちゃんを引き留める権利は侑さんには無い。だって、もう辞めちゃったんだから。』
『なんかさぁ、馬鹿らしくなっちゃったよね。こんな事になってまでスクールアイドル続けようとか思わないよ。』
「彼方さん、璃奈ちゃん……もういい、もうわかったから!皆が私の事嫌いなのはわかったから……辞めるだなんて、言わないで……。」
『ずいぶん都合のいい事を言うんだね、侑ちゃん。』
ミラードリームインパルスがレインボーユニコーンの前に立ちはだかり、耳元でささやく。
それを聞いてユウは更に深く絶望し、サイコ・フィールドの強度がますます増していく。
~~
トランザムを通じて、サイコ・フィールドの中のユウの心を見たリクは、操縦桿を強く握りしめた。
GBNは、本来皆の『大好き』が溢れる場所。
ガンプラバトルが好きで、友達が好きで、この世界が好きな人達が集まって、皆で楽しめる場所のはず。
今のユウは、ガンプラバトルで傷つき、友達の幻に傷つき、この世界に傷つけられている。
『そんな事……あっていいはずが無い……!!ヒロト!!』
『あぁ、やるぞ!』
『PLANETS SYSTEM:OO INFINITY SABER』
『『インフィニティセイバー!!ドッキング・ゴー!!』』
リクとヒロトが同時に叫ぶと、ダブルオーセイバーの瞳が耀き、GNOOセイバーを手放した。
背面にダブルオークアンタと同じタイプの直列型太陽炉が出現し、ヒロトの乗るインフィニティライザーがその背後で折りたたまれて変形。
インフィニティーライザーからも太陽炉を搭載した接続ジョイントが露出すると、ダブルオーセイバーの太陽炉と直接繋がる。
手放したGNOOセイバーはダブルオーセイバーの両肩に装着され、GN粒子の放出の安定化を図る。
インフィニティライザーに取り付けられていた二本の専用武器『インフィニティバスターソード』を抜き取ると、ダブルオーセイバーは真の姿へと合体を遂げた。
『ユウの心を、皆の心を繋げてくれ!!ガンダムダブルオーインフィニティセイバー!!』
『ガンダムダブルオーインフィニティセイバー』
ヒロトの考案したプラネッツシステムと、リクの考案したSEED系とダブルオーの融合。
それを、ザンライザーという形で一つにした、ビルドダイバーズ最強のガンプラ。
インフィニティバスターソードを両手で構え、サイコ・フィールドへと突撃するダブルオーインフィニティセイバー。
強烈な斬撃がサイコ・フィールドに突き刺さるが、それでもまだ突き破ることは出来ない。
だが、それでいい。
リクとヒロトの目的は、粒子の一粒だけでも入るような隙間さえ作れれば、すでに達成している。
後は、ダブルオーガンダムという機体が示した可能性に託すのみ。
『TRANS-AM INFINITY/BURST』
『ユウ!!君の知っている皆は、そんな奴らじゃないはずだ!!思い出せ、本当の皆の事を!!』
『繋げてくれダブルオー、皆の想いを!!届いてくれユウ、本当の君に!!インフィニティバーストぉぉおお!!!』
リクとヒロトが叫ぶと、ダブルオーインフィニティセイバーから、尋常でない量のGN粒子が放出された。
それはGBN中に、GBNとつながっているエルドラに、そして皆の待つリアルに、無限に広がっていく。
コレは、ダブルオースカイの『トランザム・インフィニティ』と、ダブルオーライザーの『トランザムバースト』が融合した新機能『インフィニティバースト』
ダブルオーガンダムの示した可能性、それは『対話』
人の想いを乗せるGN粒子は、あらゆる者との対話を可能にする奇跡の力。
そしてダブルツインドライブシステムにより、無限にGN粒子を放出する事こそが、リクの新たなダブルオーの力。
仲間や敵だった者、ELダイバーや異星の者たち、ガンプラで色んな人達と繋がって来たリクとヒロトだからこそ生み出せた、『リライズ』するための最強の機体。
それが『ガンダムダブルオーインフィニティセイバー』だ。
~~
『侑ちゃんは……え?なに?この光?』
「……これは……?」
レインボーユニコーンの中にいるユウの目の前が、ほんのりと明るくなってきた。
緑色の光が徐々にユウを照らし始め、誰かの声が聞こえてきた。
しかも、その声はモニター越しに聞こえる通信では無く、直接頭の中に流れてくる。
「この声は……リクくんとヒロトくん……?」
聞こえてきた声は、ビルドダイバーズのリクと、BUILD DiVERSのヒロトのもの。
ユウが辺りを見渡すと、光はさらに強くなり、ミラーガンプラ達はその光を苦しがっている。
ユウは、聞こえてきた声に耳を澄ませる。
(ユウ、君の知っている皆は、君にそんな事を言う様な奴らじゃないはずだ!!)
(皆を、自分を、信じるんだ!!ユウ!!)
リクとヒロトの声が聞こえると、レインボーユニコーンの体を、ダブルオーインフィニティセイバーの放ったGN粒子が包み込んだ。
そして、ユウの頭の中に、いくつもの映像が浮かんでくる。
~~
最初に見えてきたのは、虹ヶ咲学園。
すっかり遅い時間になってしまっていたが、同好会の皆や学校の友達、それにカザミ達やユッキー達などのGBNの仲間たちが、あわただしそうにしている映像が見えてくる。
部室の中でエマや彼方が、ガンプラバトル同好会と一緒にベアッガイのガンプラを組み立てており、その数はすでに30個以上。
華やかな衣装を持って大忙しなかすみとしずく、そして迷子になっていたところをようやく二人に発見された果林。
何かのチェックを終えた璃奈と栞子が部室に戻り、2年生を除いた同好会メンバーが部室に揃った。
『皆さん、こっちは準備万端です!』
『カザミさんやユッキーさんにも手伝ってもらった。やっぱり男の人がいると力仕事が捗る。璃奈ちゃんボード『むんっ』!』
『ありがとう二人とも!こっちもベアッガイの準備はOKだよ!』
『んっふっふ~、彼方ちゃん会心の出来栄え……!』
『こっちも服飾同好会に依頼してたやつ、出来たわよ。凄いわねあの子たち……こんな短時間で完璧にしあげちゃうんだから。』
『っていうか果林先輩!途中で迷子にならないでくださいよ!!ただでさえ時間無いのに、これじゃ準備が遅れちゃいますよぉ!!』
『まぁまぁかすみさん、準備出来たんだから怒らない怒らない。あぁ~、早く侑さんの喜ぶ顔が見たいなぁ。』
しずくのその言葉に、ユウがドキッとした。
そこへ、ランジュとミアが部室に入って来て、満足気な表情で胸を張っていた。
『ついに完成したわよ!ほら、外見て見なさい!』
『つ……疲れた……。』
『ありがとうねランジュちゃん、ミアちゃん。』
『それにしても、ステージを自作しようだなんて……あなた達、考える事ちょっとおかしいわ。』
『そうでしょうか?』
『一番おかしいのは君だよ栞子。生徒会長権限だとかなんとか言ってこんなイベント強行しようだなんて。先生たち、皆困ってたじゃん。まぁ、生徒たちは皆喜んでたけど。』
『処罰は覚悟の上です。』
今ユウが見ているのは、GN粒子の影響を受けたガンプラを通じて見ている光景。
皆笑顔で、楽しそうに、何かのイベントに向けて動き始めている。
しかし、ユウはそのイベントが何かを知らない。
その時、栞子が口を開いた。
『この退部届けを侑さんに見せられた時、私は頭が真っ白になりました。でも、せつ菜さんと愛さんが今回の件を提案してくれたおかげで、また前を向く勇気がもらえたんです!あの人に喜んでほしい……だって私たちは皆、侑さんの事が大好きですから!』
『あー!!しお子それかすみんが言おうと思ってたやつーー!!かすみんの方が、先輩の事大好きなんだからね!!』
『こういうの、優劣つけるのよくないと思う……璃奈ちゃんボード『まぁでも私が一番侑さんの事好きだけど』』
『璃奈さんも一緒じゃない……。でも、気持ちはわかるよ。だって侑さん、皆の事色々見てくれててすごく頼りになるもの!好きになるなって言う方が無理だもの!』
『侑ちゃんがいなかったら、同好会は最初の解散の時に無くなっていたかもしれないし、私がGBNに復帰する事も無かった。私、侑ちゃんにもっと恩返ししたいよ!』
『皆本当に侑ちゃんの事好きだね~。まぁ、そういう彼方ちゃんもなんだけどね~。早くサプラ~イズ!って言って教えてあげた~い!』
『確かに侑はスクールアイドルじゃないけど、あの子は私たちには無くてはならない大事な存在。あの子のいない同好会なんて考えられない。だから、早く元気になってもらわないと……頼むわね、歩夢、せつ菜、愛!』
果林がそう言いながらキュベレイ・ビューティーに目を移すと、そこでユウの目の前の映像も切り替わる。
~~
次に見せられたのは、GBNのディメンション。
そこでは、昨日ユウが戦ったマスダイバー達と戦う、愛参頑駄無とスカーレットエクシアの姿が映し出されていた。
二人ともボロボロで、ところどころ壊れかけているにも関わらず、背中合わせになってマスダイバー達と戦っている。
愛参頑駄無がキマリスの攻撃を弾きながら、愛参命全開を構えて突撃を続ける。
『うおぉりゃあああああああああ!!!』
『な、なんだよコイツ!!なんでまだ落ちないんだよぉ!!』
『ここで負けるわけ無いじゃん!!歩夢やゆうゆが頑張ってるのに、愛さん達だけこんな所で落ちるなんて、絶対になーーーーい!!』
同じく、グリムゲルデの攻撃を躱しながら、スカーレットエクシアも突撃。
愛参頑駄無と共に、ボロボロになりながらもマスダイバー達を次々と薙ぎ払って行くその姿は、『機動戦士ガンダムOO』第二期の1話を彷彿とさせる。
『侑さんは私に、私の歌が大好きだと言ってくれました。私だって侑さんの応援が大好きなんです!くじけた私に立ち上がる為の勇気をくれたあの応援が!!ガンダムスカーレットエクシア!!優木せつ菜!!未来を切り開く!!』
『愛さんとずっと友達でいてくれるって言ってたゆうゆに、愛さん達が出来る事をしたい!今度は皆で、ゆうゆに勇気をあげたい!!愛参頑駄無!!宮下愛!!レッツゴー!!』
トランザムを発動したスカーレットエクシアと、スーパー愛参イーグルに変形した愛参頑駄無が、マスダイバー達と激しい火花を散らす。
爆発により辺りが真っ白になると、再び映像が切り替わって、その先にいたのは新たに生まれ変わったアユムのインパルスと、自分とよく似たガンプラだった。
~~
ミラーユニコーンを圧倒し続けるブレイブインパルス。
ミラーユニコーンの繰り出すすべての攻撃をソードファンネルで受けとめ、本体には一切攻撃を届かせない。
攻防一体の剣であるソードファンネルを自在に操りながら、ミラーユニコーンの武器を全て破壊していく。
『こうやって私を追い詰めるの……?幼馴染の私の悩みを、理解してくれなかったくせに……!!』
「……そうだね。私は侑ちゃんの事、まだまだ知らない事だらけだった。だって、私と侑ちゃんは違う人間だもの。でも、だから私は、侑ちゃんの事をもっと知りたい!侑ちゃんにももっと私の事を知ってほしいって思う!ううん、私だけじゃない……私たち皆の事も!」
『そんなの無理だよ!!だって私は……、』
「スクールアイドルだからだとか、同好会だからだとか、そんなの関係無い!!だって私たちは、スクールアイドルである前に……友達でしょ……?」
『…………。』
「侑ちゃんが悩んでいたら相談してほしい。私たちが悩んだら相談に乗ってほしい。今はまだ、その為の勇気が出せないだけ。だから!!」
『X-SEED BURST』
全てのソードファンネルが宙を舞うと、ブレイブインパルスの全身が青色に輝き始めた。
同時にアユムのSEEDが発動し、ソードファンネルが取り付けられていた全ての接続部から、ピンク色のエネルギーが放出。
この状態こそが、アユムの新たに作り上げたガンダムブレイブインパルスの、最強の戦闘形態。
「エクシードバーストモード!!」
ガンダムAGE-FXの『FXバーストモード』とインパルスガンダムの『SEED』の能力を組み合わせたブレイブインパルス専用の強化モード『X-SEEDバーストモード』
全身がビームサーベルと化したブレイブインパルスは、その力を最大限まで高めていく。
しかし、ブレイブインパルスはエクシードバーストを発動したにもかかわらず、ミラーユニコーンへ攻撃を行わない。
最強形態となったブレイブインパルスに戦意が無いとわかると、ミラーユニコーンはその場で膝をつき、ポツリとつぶやいた。
『アユム……助けて……!』
「助けるんじゃない。私は、あなたと仲直りしに行くの。また私たちと一緒に、夢を追いかけよう!」
ブレイブインパルスが振り返ると同時に、ミラーユニコーンはその場から消滅。
ブレイブシルエットのエンジンを全開にし、ソードファンネルと共にサイコ・フィールドへと突撃していく。
ダブルオーインフィニティセイバーにより、徐々に力が弱まっているサイコ・フィールドへ向けて、ブレイブインパルスは全身全霊の攻撃を叩きこむ。
(ありがとう、歩夢。見捨てないでくれて。こんなに、強くしてくれて。)
「! 今の声……侑ちゃんじゃない……?もしかして……。」
突然脳内に声が聞こえ、ハッとなったアユム。
操縦桿を握っている手が、少し温かく感じた。
GN粒子は、ありとあらゆる者との対話を可能とするための粒子。
そしてここは、ガンプラへの想いが力となるGBN
目を瞑り、アユムはブレイブインパルスのモニターに手を触れた。
「私もありがとうインパルス……もう少しだけ頑張って!!」
ダブルオーインフィニティセイバーが見守る中、ついにブレイブインパルスのエクシードバーストが、サイコ・フィールドに亀裂を入れた。
僅かな亀裂をソードファンネルを使って無理やりこじ開け、ブレイブインパルスはその中へと飛び込んでいく。
同好会メンバーのミラーガンプラに囲まれているレインボーユニコーンの下へ、ついにブレイブインパルスが降り立った。
「ねぇ、あの時の事……覚えてる?」
「………歩夢……?」
レインボーユニコーンの前に辿り着いたブレイブインパルスが語り始めたのは、いつかの思い出話。
幼い頃、まだ侑が歩夢を『ちゃん』付けで呼んでいた頃。
(侑ちゃんの事なら、私絶対見つけられるもん!)
(ホントに?じゃあ、次は絶対見つけてね!)
ブレイブインパルスのコックピットを開けて、その中から出てきた歩夢。
彼女を見ていたら、侑も自然とレインボーユニコーンのハッチを開けていた。
差し出された手を侑が掴むと、歩夢はいつもと変わらない笑顔で、侑へと言った。
「見つけたよ、侑ちゃん!」
~にじビル毎回劇場~
第40回:しずくの誕生日
かすりなしお「「「お誕生日おめでと~!!」」」
しずく「わぁ!ありがとうございます皆さん!」
かすみ「しず子への誕生日プレゼントは、かすみん達のお芝居だよ!」
璃奈「さっそく始めよう。あ、璃奈ちゃんボードは置いておこう……。」
栞子「では、行きます!」
~間~
かすみ「じゃーん!これにておしまいでーす!どうだったしず子?」
しずく「………。」
璃奈「しずくちゃん?」
しずく「……うぅぅ……良かったよぉぉぉぉ……!!」
栞子「しずくさん!?だ、大丈夫ですか!?」
しずく「皆が私の為に一生懸命演じてくれてると思うと涙が止まんないよぉぉ……!最後のデビルガンダムと同化した栞子さんとかすみさんが差し違えて、璃奈さんが一人『私たちの戦いはまだまだこれからだ』って旅に出るシーンなんて最高だったよぉぉぉ……!!」
栞子「そう言って戴けると、頑張って練習して良かったです!」
璃奈「うん。私も頑張って脚本書いた介があった。璃奈ちゃんボード『ぶいっ』!」
かすみ「じゃあ皆でケーキ食べよっか!かすみんのお手製ですよぉ!」