「見つけたよ、侑ちゃん!」
「歩夢……。」
その顔を見た時、思わずユウは泣きそうになった。
たった1日会わなかっただけで、こんなにも彼女の事を懐かしく思う日が来るだなんて思いもしなかった。
ユウ……侑に手を差し伸べた歩夢。
侑はその手を掴もうとしたが、その時、二人の間に一体のミラーガンプラが飛び込んできた。
歩夢の偽物でもある、ミラードリームインパルスガンダムだった。
更にミラードリームインパルスの周りに、残り9体のミラーガンプラ達も集まり、全員で侑と歩夢を取り囲む。
全員恨めし気な表情で侑達を睨み付けながら、ミラードリームインパルスがレインボーユニコーンへ言い放った。
『騙されちゃダメだよ侑ちゃん!その子は偽物、私たちの言葉こそがあなたへ対する皆の本音なの!皆、あなたの事が大嫌いなの!いなくなってほしいの!物分りの良い侑ちゃんならどっちが本当の事言ってるかわかるでしょ!?』
「ソードファンネル。」
歩夢がボソッとつぶやいた途端、10本のソードファンネルが、一斉にミラードリームインパルスに襲い掛かった。
ミラードリームインパルスはそれを何とかかわし、歩夢とブレイブインパルスを睨み付ける。
「侑ちゃん、あなたも聞いたよね……皆の本当の言葉。」
「うん……リクくんとヒロトくんが見せてくれた……学校で私の事を待ってくれてる果林さん達やかすみちゃん達の姿や、GBNで必死に戦ってくれてる愛ちゃんとせつ菜ちゃんの姿……そして、私の事をこんなにも思ってくれてる歩夢の姿も。」
「じゃあ、あの言葉も聞いていたよね?私も皆も、侑ちゃんが悩んでいたら力になりたい!皆が悩んでいる時は、侑ちゃんに力になってほしい!だから、一人で抱え込まないで……!」
「歩夢……!」
『いい加減にしてください!!いい加減うんざりなんですよ!!アナタがいなくなれば全部問題は解決するんです!!だから……ッ!?』
ミラーエクシアがそう叫んでいる最中、そのボディがビームサーベルによって大きく切裂かれた。
他のミラーガンプラ達が驚いて見て見ると、レインボーユニコーンが構えたビームサーベルをミラーエクシアに振り下ろしていた。
ブレイブインパルスと共に立ち上がったレインボーユニコーンは、ビームサーベルを捨てると、今度はシールドを構える。
顔を上げて、彼女は言った。
「皆は……そんな事言わない!!」
侑のその言葉と共に、レインボーユニコーンの装甲から虹色の光が溢れ始めた。
そのままゆっくりと前進していくレインボーユニコーンの装甲が少しずつ変形をはじめ、内部のサイコフレームが徐々に露出し始める。
「歩夢、私も本当はわかってたんだ。皆がこんな事言うわけがないって。だけど、責め続けられてないと、私が私でいられなくなる気がして怖かった……だからこんな幻の言葉に惑わされてた。」
「大丈夫だよ。侑ちゃんは一人じゃない。今は私がいる。リクくんやヒロトくんもいる。それに、皆も。」
「私は皆に勇気をもらった。私はもう迷わない。自分を責めたりなんかしない。皆と一緒に必ず真相を突き止める、これからも皆と楽しくガンプラバトルをするために。そして、皆と一緒にスクールアイドルの最高のトキメキを見つける為に!」
『NT-D/AC』
「行くよ、レインボーユニコーンガンダム!!変身!!」
『変身』の掛け声で、ユニコーンモードからデストロイモードへと変身を遂げるレインボーユニコーン。
しかし、今回の変身はそれだけでは終わらない。
デストロイモードになると、そこから更に一部の装甲が開き始め、サイコフレームが更に露出。
コレは、『1/60 PGユニコーンガンダム』にのみ搭載された幻の形態。
『レインボーユニコーンガンダム デストロイ・アンチェインドモード』
本来であれば、サイコミュが制御不能なレベルに到達した時に使用者の意志とは関係無く変身してしまう形態であるが、このレインボーユニコーンに関してはそれは全くの真逆。
アシムレイトによるNT-Dを完全に制御化に置き、ガンプラとファイターの心が完全に一つになった、レインボーユニコーンガンダム最強の戦闘形態。
変身と同時に、レインボーユニコーンの目の前でシールドが2枚生成され、それはレインボーユニコーンの両腕と背面にそれぞれ装着された。
『X-SEED BURST』
レインボーユニコーンの隣で、ブレイブインパルスも最強戦闘形態である『エクシードバーストモード』を起動。
それぞれ背中合わせになり、残りのミラー同好会ガンプラと対峙した。
「行くよ……歩夢!!」
「任せて、侑ちゃん!!」
凄まじい勢いで、ミラーヴェルデブラスト、ミラーキュベレイ、ミラーバルバトス、ミラー愛参、に突撃するレインボーユニコーンガンダム。
ミラーヴェルデブラストとミラーキュベレイによる狙撃とクリアファンネルが彼女へ襲い掛かるが、レインボーユニコーンは背面のシールドをサイコミュで操り、シールドファンネルとしてその攻撃を防ぎきる。
更に両腕のシールドファンネルも取り外し、計3つのシールドファンネルでミラーバルバトスとミラー愛参を巻き込み、二機を残りの二機へぶつけた。
『あ、あなたこんな事していいと思ってるの!?仲間を傷つけるだなんて!?』
「私の仲間はあなた達じゃない!!私の仲間は……同好会の皆は、もっと優しい人達なんだ!!」
ミラードム、ミラーO-ドリー、ミラーザクみん、ミラーデスティニー、そしてミラードリームインパルスと交戦するブレイブインパルス。
ソードファンネルを自在に操り、まずはビーム攻撃の利かないミラードムを切り刻み、続いてミラーデスティニーを突進で破壊。
ミラーO-ドリーとミラーザクみんもブレイブインパルスへ特攻してくるが、彼女に触れる事すらできず、エクシードバーストモードによるエネルギー噴射で弾き飛ばされた。
最後に残ったミラードリームインパルスがレイピアを構えてブレイブインパルスに斬りかかって来たが、『SEED』によりそれを完全に読んでいたブレイブインパルスもまたFXレイピアでそれを受け止め、逆に押し返す。
『あなた、私の癖に私の言ってる事わかんないの!?だったら殴られても文句言えないよなぁ!!』
「わかんないよ。だって私、侑ちゃんの事も皆の事も大好きだもの。あなたの『嫌い』より、私の『好き』の方が強いって証明してあげるよ!」
ミラードリームインパルスを弾き飛ばし、レインボーユニコーンとブレイブインパルスが並んだ。
二人が腕を頭上に上げると、レインボーユニコーンのシールドファンネルと、ブレイブインパルスのソードファンネルが宙を舞う。
高咲侑が同好会の皆を支えて、皆を守る『盾』ならば、上原歩夢はスクールアイドルとして皆と共に突き進む『剣』
二人を象徴する武器が宙を舞う。
「シールドファンネル!!」
「ソードファンネル!!」
完璧にアシムレイトを物にした侑の操るシールドファンネルが3枚連結し、強力なサイコ・フィールド・バリアを展開。
それが前面に展開し、そこを目掛けてエクシードバーストモードを発動したブレイブインパルスが、レインボーユニコーンからレインボーエクスカリバーを受け取り、ソードファンネルと共に突き進んでいく。
『FINISH MOVE 01』
「「いっけーーーーーーー!!!」」
レインボーユニコーンのサイコ・フィールド・バリアを全身に纏って、ブレイブインパルスがミラードリームインパルスを貫いた。
これが、ガンダムブレイブインパルスとレインボーユニコーンガンダムによる必殺技。
声も上げる間もなく、ミラードリームインパルスが粉々に砕け散り、やがて爆散。
全ての敵を殲滅すると、エクシードバーストモードとデストロイ・アンチェインドモードが終了し、通常のブレイブインパルスとユニコーンモードに戻った。
「これが、私と侑ちゃんの必殺技……。」
「歩夢のガンプラ、新しくなってる!」
「うん。ガンダムブレイブインパルス……夢に進むための勇気をあげられたら嬉しいなって、そう思って作ったの!」
「ブレイブインパルスか……すごくカッコいい!トキめいちゃった!」
「ありがとう!」
久しぶりに、二人だけでこうして楽しく会話をした気がする。
全てのミラーガンプラを破壊した事で、ミラーミッションエリアが少しずつ崩壊を始めた。
急いで脱出しようと、二人ともガンプラを動かそうとするが、その時、粉々になったミラーガンプラ達のデータが一か所に集中しはじめ、それはやがて一体のMSの形に変わっていく。
「あ……あれは……!?」
『何故お前は壊れない。何故お前は抵抗をする?』
「バンシィ……ノワール……!?」
「え!?あれが!?」
集まったデータが形作ったのは、侑がこうなってしまった原因ともなったニジガク最大の敵、バンシィ・ノワール。
ノワールクローを展開し、レインボーユニコーンとブレイブインパルスを威嚇しはじめた。
デストロイ・アンチェインドモードを使用したせいで、レインボーユニコーンにはほとんどエネルギーが残っておらず、戦闘続行は不可能。
代りにブレイブインパルスが立ちはだかり、バンシィ・ノワールと対峙した。
「あなたが侑ちゃんをこんな目に!!」
「歩夢、ごめん。私が話してみてもいいかな?」
「侑ちゃん!?」
最後の力を振り絞りながら、レインボーユニコーンがブレイブインパルスの前に出てきた。
コックピットを開き、中から出てきた侑は、こちらを睨むバンシィ・ノワールの目を見つめた。
その目は、無機質ながらも『悪意』に満ち溢れている。
「ねぇ、あなた……バンシィ・ノワール、っていうんだよね?どうしてこんな事をするの?私、あなたに何かしたかな?」
『…………。』
「私があなたに何かしたなら謝るよ。ごめんなさい。」
『…………。』
「だけど、これからも私たちの前に立ちはだかるのなら、私たちはあなたに抵抗し続ける。もう、バラバラになったりしない……虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会は、あなたには絶対に負けない!!」
『………言いたい事はそれだけか?』
ボソッとつぶやいたバンシィ・ノワールが、ノワールクローを展開し、レインボーユニコーンへ襲い掛かって来た。
咄嗟に歩夢はブレイブインパルスのソードファンネルを向けるが間に合わない。
しかし、その瞬間、二機の間にGN粒子をまき散らしながら降り立ってくるMSがおり、それは構えた巨大な剣でバンシィ・ノワールの攻撃を軽々と受け止めた。
ガンダムダブルオーインフィニティセイバーだ。
『大丈夫か、二人とも!!』
『コイツがバンシィ・ノワールか……。』
「リクくん!!」
「ヒロトくん!来てくれたの?」
『ビルドダイバーズ。お前たちには関係の無い事だ。』
『関係ある!!俺達の友達に、手は出させない!!』
『リク、出力を上げる!』
『あぁ!行くぞ、ヒロト!ダブルオー!!』
サイコ・フィールドが消えた事で、駆けつけたダブルオーインフィニティセイバーが、ついにバンシィ・ノワールと交戦を開始。
かつてレインボーユニコーンやシランジュ、ランページトールギスを圧倒したほどの強さを持つバンシィ・ノワールの繰り出す攻撃を、ダブルオーは全てインフィニティバスターソードで受け止める。
関節を多目に仕込んだ左脚によるキックがダブルオーを襲うが、ヒロトがインフィニティライザーの出力を調整し、命中する寸前に空中へ浮かび上がる。
二本のインフィニティバスターソードを合体させ、巨大なバスターソードにすると、それでバンシィ・ノワールの胸部を切り裂く。
「つ、強い……。私やランジュちゃん達が、手も足も出なかったバンシィを……。」
「あれが、ビルドダイバーズのリクくん……チャンピオンに一番近い人なんだ……。」
ダブルオーのあまりの強さに、侑も歩夢も呆然。
インフィニティバーストすら使わずに、バンシィ・ノワールの攻撃を完全に見切って全て受け止め、確実にダメージを蓄積させていく。
バンシィ・ノワールが繰り出したビームサーベルを腕ごとバスターソードで斬りおとし、次に狙いを厄介な左脚に定めた。
『!!』
だが、バンシィ・ノワールは左脚の回避が間に合わないと判断すると、ノワールクローを装備している左腕で、その攻撃を防御。
バンシィの最大の武器でもあるノワールクローを犠牲に、左脚を守った。
『? どうして腕を犠牲にしてまで左脚を……?』
リクが首をかしげると、バンシィ・ノワールは一時退避。
ダブルオーの攻撃の範囲外まで移動すると、ボロボロになった自分の体を見つめながらワープゲートを出現させた。
『損傷甚大、戦闘続行不能。これより、長期間の修復作業に移行。』
『待て!!』
逃がすまいとダブルオーがバンシィ・ノワールを追うが、バンシィ・ノワールは一瞬でワープしてしまい、その場から姿を消した。
取り残された4人はバンシィ・ノワールがいた場所を眺め、崩壊するミラーミッションエリアで立ち尽くす。
「き、消えちゃった……。」
「リクくんヒロトくん、来てくれてありがとう。」
『あぁ……しかし、一人のダイバーが、ここまでのバグを引き起こす事なんて出来るのか……?』
『わからない。けどユウは無事だった。今はそれを喜ぼうよ。』
『バンシィ・ノワール……いったい何者なんだ?いや、そもそも……本当に人間なのか……?』
~~
『はぁ……はぁ……アハハ……せっつーボロボロじゃん!』
『そう言う愛さんこそ。でも、何とかなりましたね。』
『愛さんとせっつーは最強コンビだからね!』
マスダイバー達を何とか退けたスカーレットエクシアと愛参頑駄無は、もはや元のガンプラがどんな形だったのかわからないほどボロボロになっていた。
何故か途中でマスダイバー達のブレイクデカールが停止し、それにより二体は大逆転し、ついに30機すべてを撃破。
背中合わせに座り込みながら上を見上げると、ブレイブインパルス達が通って行ったワープゲートが突如消滅。
ワープ先であるミラーミッションエリアが破壊され、ワープ不能になった合図だ。
それはつまり、アユム達のユウ救出ミッションが成功した事を意味していた。
『歩夢達、やったんだね!』
『おっと、忙しくなるのはこれからですよ愛さん!すぐにログアウトして私たちも準備しなければ!』
『OK!任せといてよ!』
~~
ダブルオーインフィニティセイバーによりミラーミッションエリアが破壊され、侑は無事にログアウトする事が出来た。
朝にログインしたのに、ヘッドギアを外した時にはすでに夜中の22時を超えていて少し驚く。
ダイバーギアの上に置かれたレインボーユニコーンを見て少し微笑むと、侑は立ち上がり、顔を洗った。
すると家のチャイムが鳴り、玄関のドアが開かれた。
「はぁ……はぁ……!侑ちゃん!!」
「歩夢……あの、さっきはありが……、」
「来て!!」
「え?ちょ、ちょっと……!」
「いいから!!」
急いでガンダムベースから戻って来た歩夢が、息を切らしながら侑の手を掴んだ。
彼女に連れられてマンションの外まで出ると、そこには2台のバイクが停まっていて、1台はランジュで1台はマサキだった。
「来たわね!」
「よし、行くぞ。」
「え!?ランジュちゃんとマサキくん!?どうしてここに……。」
「ほら、早くヘルメット被って侑ちゃん!」
「え、えぇ……!?」
歩夢に無理やりヘルメットを被らせられた侑は、ランジュの後ろに乗せられた。
歩夢もマサキの後ろに乗ると、二人は安全運転に心がけつつも目的地へ向けてバイクを走らせる。
道中、バイクを運転するランジュに何事か尋ねても『無問題ラ!』という返答しか帰って来なかったが、目的が見えてきて、侑はハッとした。
虹ヶ咲学園だった。
こんな時間、本来ならば誰もいないはずのこの学園。
しかし校門は開いており、バイクから降りた侑は歩夢に手を引かれ、中庭の方へと向かって行く。
よく見て見ると、校門から中庭までの道にベアッガイやプチッガイのガンプラが置かれていて、目的地を示すように矢印のついた看板を持っていた。
「一体どこに……あっ……。」
侑が歩夢と共に中庭に到着すると、目の前にあったのは急拵えで用意したステージ。
そこにいたのはビルドダイバーズやBUILD DiVERSをはじめとしたGBNの仲間たちや、ニジガクのほぼ全校生徒たち。
駆けつけてくれたリクとヒロト。
そして、侑の到着と同時にライトアップされたステージの上にいるのは、歩夢と侑を除いた9人のスクールアイドル同好会のメンバー。
全員『Love U my friends』の衣装に着替えていて、二人の姿を見てせつ菜と愛がステージから一歩ずつ前に出る。
「待ってましたよ!侑さん!歩夢さん!」
「せつ菜ちゃん!……これって……?」
「今から、アタシ達の本当のベアッガイフェスを始めるよ!!」
そう言えばと、侑はハッとした。
リクとヒロトの放ったトランザム『インフィニティバースト』により見せられた光景。
あそこで、同好会のメンバー達は何かのイベントの準備をしていた。
手作りのステージやベアッガイのガンプラ、そして衣装……全てはこのためだった。
全ては、侑と一緒にもう一度ベアッガイフェスのライブをするための。
「……そうだ!あの、退部届なんだけど……。」
「コレの事ですか?残念ながら、これはやはり受理できませんでした。」
「え?な、なんで?」
「侑さん、よほど急いで書いたんですね。ご自分の名前に誤字が見受けられました。よって、こちらの退部届を受理する事は出来ません。」
「そ……そうなんだ……良かった……。」
「侑先輩!!」
笑顔でかすみが侑に手を差し伸べてくる。
「かすみん、これからも先輩と一緒に頑張りたいです!一番かわいいかすみんを見ててくれるって、約束しましたよね!途中で席を離れるのは、スクールアイドルのライブではご法度ですよ~!」
続いてしずく。
「侑さんと出会って、私は本当の自分がなんなのか、その答えが見つかったんです。これからも侑さんに見ていてほしい!あなたの理想のヒロインになりたいんです!」
次に果林。
「あなたがいなかったら、きっと私たちはずっとバラバラのままだったわ。私、今最高に楽しいの!これからも一番情熱的なパフォーマンスで、あなたを釘づけにしちゃうわよ!」
その後は彼方。
「侑ちゃんの応援って、彼方ちゃんもおめめしゃっきりさんになるから大好きなんだ~。だから、ずっと侑ちゃんや皆と一緒にいたいって思う。いなくなっちゃうなんて嫌だよ、侑ちゃん。」
今度はエマ。
「私、侑ちゃんにはすごく感謝してるよ。かすみちゃんと一緒に同好会を守ってくれて、彼方ちゃんと一緒に私と果林ちゃんの背中を押してくれて……もう、侑ちゃんのいない同好会なんて考えられないよ。」
そして璃奈
「スクールアイドルをはじめて、GBNをはじめて、たくさんの人と繋がれた。それでも、まだ表情を作るのは苦手で……でも侑さんと一緒にいて、少しずつだけど璃奈ちゃんボードが無くても歌えるようになった。私たちに、侑さんは絶対に必要!」
最後に栞子。
「あなたと歩夢さんに導かれて、飛び込んだスクールアイドルの世界……私、今とても楽しいんです!だから、これからも……その……私達を見ていただけたら、嬉しいです……!」
全員から差し伸べられた手を掴んだ侑。
皆に引き上げられ、制服のままステージへと上がる。
歩夢も同様に制服でステージに上がると、二人はそれぞれ愛とせつ菜からマイクを手渡された。
「侑さん、私と愛さんも、皆と同じ気持ちです。今日は、あなたにそれを伝えたかったんです!」
「せつ菜ちゃん……。」
「ほら、ばっちり決めちゃってよゆうゆ!歩夢と一緒にさ!」
「ありがとう、愛ちゃん!」
愛から受け取ったマイクを持って、ステージの上から会場を見下ろした侑。
リクやヒロトをはじめとしたGBNの仲間や、スクフェスの手伝いをしてくれたニジガクの生徒たち全員が侑へと視線を向ける。
それに少し怖気づいた侑だったが、その手を歩夢が握ってくれた。
「私は……皆みたいに、スクールアイドルじゃない。でも、皆を応援したいって気持ちは、誰にも負けない自信がある!だけど私のせいで、前のライブが中止になっちゃって……それで、ずっと塞ぎ込んでた。今日、私がここに立てたのは、歩夢や、同好会の皆、GBNでつながった人達……皆に勇気をもらったから。」
「侑ちゃんは一人じゃないよ。私達、皆がいるよ!」
「うん、ありがとう歩夢。全ての始まりは、歩夢が私に言ってくれたからだよ。一緒にやろうって、スクールアイドルやってみたいって!」
「私の気持ちはあの時から変わらない。侑ちゃん、私達の夢を……一緒に見てくれる?」
「もちろん!」
侑のその言葉と同時に、曲が流れ始めた。
この曲は侑の作った物でも、スクールアイドルの曲でも無い。
コレは、3代目メイジン・カワグチ監修の下作られたイオリ・セイとレイジの青春を描いたノンフィクションドラマ『ガンダムビルドファイターズ』の曲。
今の侑と歩夢が二人で歌うのに、これほどふさわしい曲は無い。
「一緒に歌おう、侑ちゃん!」
「うん!皆にも聞いてほしい!私と歩夢の……『ニブンノイチ』!」
侑の歌い出しから始まった、『ニブンノイチ』
1人じゃない、繋がってるから明日へと踏み出したくなった。
そこから歩夢の歌が合流し、二人でこの曲を作り上げていく。
この曲にダンスは無い、ただお互いの目を見て、会場にいる皆を見て歌う。
ラップの時には侑と歩夢が交互に歌い、二人とも慣れていないのか少しぎこちない。
しかし会場にいる誰もそんな事は気にせず、ただただステージにいる二人を見ていた。
二人なら不可能なんて無いさ。
そう思えたのは君がいたから。
歩夢の侑に無い強さと、侑の歩夢が持って無い力。
それが重なったこのステージは、会場にいる誰もを魅了した。
誰もサイリウムは振っていない。
サイリウムを振る事すら忘れてしまう、そんなステージだったから。
「いやぁ、間に合った間に合った!」
「! キョウヤさん!」
「隊長、来てくれたんですね。」
「やぁリクくん、ヒロト!歩夢くんにさっそく招待されてね。それにしても……素晴らしい……なんて素晴らしい歌なんだ。」
「俺もそう思います!」
「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会か……。いい仲間だ。」
駆けつけたキョウヤも、ステージを眺めるリクとヒロトと共に侑と歩夢に釘付けになった。
やがて曲が終わると、その場にいる全員から拍手が鳴り、ようやくサイリウムを振り始める者も出始めた。
「最高ーーーー!!」
「アンコール!アンコール!」
「うおぉおおお!!最高だぜお前らーーーー!!」
「侑ちゃんも歩夢ちゃんも可愛いよーーーーー!!」
テンションが上がったのか、ライブを見ていたカザミとモモカが思わず大声で叫んだ。
歌い終わり、お互いを見つめていた侑と歩夢だったが、その間にムッとした表情でかすみが割り込み、二人を少し引き離した。
「もーーー!!なんですかアレ!!ニブンノイチって!!ここはジュウイチブンノイチじゃないですかーー!!かすみん達11人いてこそのスクールアイドル同好会ですよ!!」
「ご、ごめんねかすみちゃん。でも、私どうしても侑ちゃんとこの曲が歌いたくって……。」
「アハハ、今度そういう曲をつくろっか!」
「お願いします先輩!あ、そうそう、歩夢先輩と侑先輩!次ですよ次!」
「「次?」」
かすみがニコニコしながら離れると、果林とエマが二人に衣装を持ってきてくれた。
それは、全員共通の衣装『Love U my friends』
侑の為の衣装は、マギーが用意していたGBNのデータを参考にして、服飾同好会が短時間で完璧に仕上げてくれた一品だ。
「果林さん、コレ……!」
「踊れるでしょ?」
「早く着替えておいで二人とも!」
エマに促されて、ステージの裏に引っ込み、急いで制服から衣装へと着替える歩夢と侑。
数分して出てきた二人は、他の9人同様の衣装に身を包んでいて、侑の頭には特別にガンプラバトル同好会兼近江彼方姫親衛隊(正式名称)が作った11色の虹型のアクセサリーがついている。
侑を中心にして並ぶ11人のスクールアイドル同好会。
今から歌う曲は、仲間への感謝を歌う曲。
「聞いてください、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の11人全員で歌う……『Love U my friends』!」
イントロが流れ始め、同好会全員によるライブがついに幕を開けた。
最初は1年生4人による歌い出し。
『あなた』へ対する感謝の気持ちを伝えたい、そんな思いを込めた歌詞。
次は3年生3人による歌唱。
ずっと言いたかった『ありがとう』を、勇気を出して伝える歌詞。
続いては2年生4人で胸の前でハートマークを作った。
そこから1年生が『負けないよ!』と拳を上に突き上げ、いよいよサビへと突入していく。
キラキラ繋がって虹色が溢れる。
出会えた奇跡は、何より宝物。
元々は偶然から始まったこのスクールアイドル同好会。
せつ菜のライブを侑が見て、歩夢が一歩を踏み出して、そこからかすみが同好会を守り、しずく、彼方、エマが戻ってきて、それに興味を持った愛と璃奈が入部し、エマと一緒にやりたい果林が加入し、歩夢に心を動かされた栞子が加わった。
どこか少しでも違っていれば、無かったはずの関係だ。
やがて、曲は後半へと入り、それぞれのソロパートが展開される。
「きゃーーーーー!!!せつ菜ちゃんこっち向いてーーーーーー!!!」
「彼方姫!!彼方姫ーーーーー!!!あぁ、なんと尊いのだ……私はあの笑顔だけで3か月は生きていけるぞ……!!」
「会長!!視線こっちに下さい!!こっちです!!右月はここにいますーーー!!」
「いいえこっちを見てください会長!!左です左ーーー!!」
若干過激なファン4名(うち3名生徒会役員)が全力でサイリウムを振っているが、呼ばれた本人たちもそれに気づいて少しながらのファンサービスと言う事で手を小さく振り替えしてくれた。
それによりガンプラバトル同好会は尊死した。
1番と2番を歌い終わり、次のパートは本来はQU4RTZが担当する箇所。
しかし、そのパートを今回歌うのはかすみでも璃奈でも、彼方でもエマでも無い。
侑だ。
皆とぶつかって、一人で不安になった侑。
歩夢や愛、せつ菜、そしてリクとヒロトがGBNで侑を救ってくれて、同好会全員がこうしてリアルでも侑を救ってくれた。
涙を超えた先に、虹は見える。
これからは、全員で夢を叶えて行こう。
そしてとびきりの明日へ行こう。
そう決意を固めて、とうとう11人による『Love U my friends』は幕を閉じた。
巻き起こる拍手喝采。
再び上がるアンコールの声。
胸の高鳴りを抑えながら、侑は息を切らし、皆を見た。
そんな彼女へ、歩夢が語りかける。
「どうだった、侑ちゃん?」
「うん……最高だった……楽しかった!熱かった!!こんなにときめいちゃうんだね、ステージの上って……!皆の気持ちが、今ようやく本当に分かった気がするよ!」
「なら、これからは侑先輩も一緒にステージに立ってくれるんですね!ライバルが増えちゃうのはちょっと残念ですけど~、侑先輩なら大歓迎ですぅ~!」
「……ううん、私はやっぱり、ステージには立たない。」
侑がそう言うと、歩夢以外の全員が驚きの声を上げた。
しかし、歩夢だけは彼女がそう言うとわかっていたのか、『やっぱりね』とちょっと残念そうに言った。
「今日、皆と一緒にやってみて本当に楽しかった!すごくときめいた!だけどね……それで自分の本当に気持ちにも気が付いたの。やっぱり私は、皆を応援したい!私の応援で、皆が今日以上に最高のステージを作れたのなら、きっともっとときめいちゃう!それが、私が本当にやりたい事……私の夢なんだ!!」
侑の言葉に嘘は無かった。
本気で、これからも皆を支えていく覚悟を固めている。
歩夢はそんな侑の手を取り、侑の目を見る。
「あなたなら、そう言うだろうって思ってた。」
「ごめんね皆……折角、衣装まで用意してくれたのに……今日だけなんて……。」
「謝らないで!私、嬉しいの。あなたがそう言ってくれた事……あなたの応援は、私達の何よりの力だよ!」
「ありがとう、そう言ってくれると嬉しい!」
「けど、残念だなって思うのは本当。侑ちゃんと一緒にスクールアイドルをやりたいっていう気持ちは、皆も私に負けないぐらい強いと思う。だから、私にも夢が出来たよ!」
「夢?」
「いつか私達のパフォーマンスで、絶対に侑ちゃんも『スクールアイドルやりたい!』って思わせるから!覚悟しててね!」
「歩夢……うん、臨むところだよ!」
アハハと笑いあう一同。
マイクを持ったせつ菜と愛が前に出て、大声で会場中に向けて叫ぶ。
なお、マイクを持ってはいるが、声量が大きすぎる為必要ないのか使ってなかった。
「ライブはまだまだ終わりませんよーーー!!今日はとことん楽しみましょう!!」
「次は同好会皆でガンダムシリーズのカバー曲だ!!まだまだ帰さないから、テンションブチ上げていこーーーー!!!」
「「「「おーーーーー!!!」」」」
~~
まだまだ続く同好会のステージ、それを音楽室の窓からのぞく少女がいた。
車椅子に乗り、左脚の義足に手を触れながら、窓際に置いた黒いガンプラに話しかける。
「高咲さんの歌声、綺麗だったね、ノワール。」
窓際のガンプラ……バンシィ・ノワール(ユニコーンモード)を右手で触れながら、彼女はそう呟いた。
~にじビル毎回劇場~
第41回:ラブライブ!スーパースター!!
侑「ついにLiella!の1stシングル『始まりは君の空』の発売だね!私すごく楽しみにしてたよー!」
歩夢「このかのんちゃんって子、とってもいい子ですごく可愛いよね!」
彼方「うんうん、とってもかわいいから、彼方ちゃん一緒にお料理したくなっちゃうよ~。」
栞子「私は葉月恋さんが気になります。」
せつ菜「私もです!真面目そうですがアイドルとして芯がありそうな所に共感が持てます!」
璃奈「平安名すみれちゃんって子、神社の子なんだ。なんだか意外……。」
果林「ビジネスの世界にも精通してるらしいわね。大人から色々言われて気苦労耐え無さそうよね、私もモデルやってるから経験あるわ。」
エマ「可可ちゃん、海外から引っ越してきて不安だろうに頑張ってて偉い!よしよししてあげたくなっちゃう!」
かすみ「コスプレが趣味らしいですね。可愛い衣装を着こなす勝負だったらかすみん負けませんよ!」
しずく「嵐千砂都さんはかのんさんの幼馴染なんですね。ふむふむ……これは妄想が捗りそうです!」
愛「いやいや何すんのさw この子たこ焼き好きなんだねー。愛さん、最近たこ焼きミュージアムのイメージガールになったから親近感沸くよ!」
歩夢「侑ちゃんは誰推しなの?」
侑「うーん……皆すごく素敵だから優劣なんてつけられない!ヒトリダケナンテエラベナイヨー!!!」
~にじビル毎回劇場~
第41.5回 チャンプにも聞いてみた。
侑「キョウヤさんは誰推し?」
キョウヤ「そうだね。本来であればミレース艦長なんだが、ヒロインだけに絞った場合は中々甲乙つけがたい……どのヒロインも違った魅力がある無二の存在だからね。しかし、あえてその中で一人を選ぶのであれば、やはりフリットを最期まで支え続けたエミリー・アモンド……いや、エミリー・アスノを選ばせてもらおうかな。」
侑「いや、私Liella!の事で聞いたんだけど……。」