ニジガクビルドダイバーズ   作:バース・デイ

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前回で第2部(第1部は初フォース戦まで)終了したので、今後は日常回が続きます。

そろそろこの作品の『日常系』のタグは外した方がいい気がする。

あとガンダム実写化楽しみ



皆の日常
挑戦!ナイトケンプファー


「変身!」

 

『NT-D』

 

本当のベアッガイフェスから数日が経過し、久しぶりに11人全員でGBNへとログインした同好会メンバー達。

デストロイモードへと変身したレインボーユニコーンガンダムを前にして、デスティニーフリーダムガンダムと魔殺駆罠が立ち向かっていく。

デスティニーフリーダムのクスィフィアノス・ウイングが機体から分離し、レインボーユニコーンへ向かって行くが、ユウが2枚のシールドファンネルを巧みに操り、デスティニーフリーダムの攻撃を全てガード。

続いて魔殺駆罠が斬りかかり、レインボーユニコーンはそれをビームトンファーで受け止めた。

いったん距離を取った2体に対し、レインボーユニコーンは4本のビームサーベルと3枚のシールドファンネルを構え、隙のない構えを取った。

 

 

『うぅ~……ユウ先輩強すぎますよぉ!!なんですかそれ反則じゃないですかぁ!!』

『NT-Dを自在に使えるようになった聞きましたが、使いこなせるとここまで戦闘力が上がるのですね。』

「うん。前みたいに使った後の疲労感も無いし、何よりレインボーユニコーンともっと仲良くなれた気がして嬉しいんだ!」

『だからってただの模擬戦でデストロイモード使わないでくださいよぉ!!』

「かすみんちゃん、私はまだあと一回、変身を残しています。」

『というか、かすみんさんもリアル武者形態使ってるじゃないですか……ユウさんの事言えませんよ……。』

 

 

デストロイモードに自在に変身できるようになったレインボーユニコーンには、新たにデストロイ・アンチェインドモードという超戦闘形態が加わった。

こちらも自在に変身は可能であるが、さすがに負担が大きいのでここぞという時以外使い物にならない。

なお、この形態に変身した時にシールドファンネルが追加されていたが、使い勝手が良かったためあの後普通にシールドファンネルを二つ作った。

新しいシールドファンネルには、『機動戦士ガンダムUC』のフルアーマー・ユニコーンの様にガトリングが内蔵されており、これにより今まで接近戦を得意としていたデストロイモードでも遠距離戦が可能となった。

 

 

「ユウちゃん、最近とっても調子がいいねぇ~。」

「そうね。ガンプラバトルもそうだけど、ユウがこの前提案してくれた練習メニューも私達にすごく合ってたし、スクールアイドル活動も絶好調って感じじゃない?」

「私、最近とっても楽しいんだ!一度ステージに上がってみて、自分がやるべき方向性が見えてきた気がするの!これからもじゃんじゃん皆のサポートしていくよ!」

「頼もしいね~。」

『サポートするって言う割にかすみんとしおこをボコボコにしないでくださいよ!!』

『大丈夫ですかすみんさん、『まだ』ボコボコにはされてません。』

 

 

かすみんとしおこのコントを見ながら、ユウ、カナタ、カリンは笑いあった。

 

一方でそのすぐ傍では、アユムの新機体であるガンダムブレイブインパルスに対し、りなこのAEドムとしずこのO-ドリーが立ち向かっており、ブレイブインパルスのソードファンネルが2機を激しく襲っていた。

 

 

「行くよ二人とも!ソードファンネル!!」

 

『来るよ、しずこちゃん!』

『うん!O-ドリー、S・バーサーカーモード!!』

 

 

『BERSERKER MODE』

 

 

迫ってくるソードファンネルに対し、O-ドリーのバーサーカーモードが発動。

ソードファンネルを可変式ビームガンで落とそうとするが、縦横無尽に動き回るソードファンネルを捉えるのは至難の業。

AEドムは脚部のモーターを駆動させそれを避けながらブレイブインパルスに突撃をしかけようとするが、一瞬でブレイブインパルスが目の前から姿を消し、AEドムの背後へと回り込む。

 

 

『!? 速すぎる!ドムちゃんボード『びっくり』!』

『りなこさん危ない!!』

 

引き寄せたソードファンネルを柄に合体させ、FXレイピアにすると、それでAEドムを切り裂いた。

敵討ちと言わんばかりにO-ドリーがブレイブインパルスと鍔迫り合いを開始するが、ブレイブインパルスの驚異的なスペックの前に押し返されそうになってしまう。

 

 

『くっ……私とO-ドリーだって、まだやれます!!トランザム・バーサーカー!!』

 

『TRANS-AM BERSERKER』

『DANGER!DANGER!DANGER!』

 

 

「だったらこっちも!エクシードバーストモード!!」

 

『X-SEED BURST』

 

 

しずこが発動したトランザムとバーサーカーの同時発動『トランザム・バーサーカー』

それに対抗するため、アユムのブレイブインパルスも『エクシードバーストモード』を発動。

凄まじい腕力で一瞬押し返されたブレイブインパルスだったが、すぐにO-ドリーの全身から煙が噴き上げ、そこをすかさずブレイブインパルスが突撃。

爆発する前にO-ドリーを機能停止させ、なんとか事なきを得た。

 

「しずこちゃん大丈夫!?」

『は……はい、なんとか……。』

『しずこちゃん、トランザム・バーサーカーは無理し過ぎ。』

「無事で良かったぁ……今日もありがとう、ブレイブインパルス!」

 

 

ガンプラから降りてきたしずことりなこへ、アイ、セツナ、エマが駆け寄ってきた。

アイはいつものようにりなこを可愛がり、同じユニットの好でセツナがしずこを励ます。

 

「お疲れ様でした二人とも!」

「アユムさん、凄く強くなっています。凄いですね、新しいインパルスは……。」

「アユムちゃん、この子って、もしかしてAGE-FXと組み合わせてるの?」

「はい!キョウヤさんからもらったガンプラで作ったシルエットとレッグフライヤーをドリームインパルスに合体させたんです!」

「コアブロックシステムがあるからこその強化。りなこちゃんボード『やっぱすげぇよぽむは』」

「りなりーのそのボード、最近鉄血関連多くない?」

「鉄血のオルフェンズは名言の宝庫。特にオルガ・イツカは漢の中の漢。」

「アユムちゃん、次は私とやろうよ!」

「わかりました!私もブレイブインパルスがヴェルデブラストにどこまで通用するのか知りたいです!」

 

 

 

 

~~

 

 

模擬戦を終えて、帰路に着いた同好会。

1人だけ家がかなり遠いしずくは、帰りが遅くなった事もあり、かすみ達の誘いを断って帰宅。

真面目なしずくは今日の模擬戦の結果をメモにまとめ、自分の部屋の壁に張り付けた。

 

「アユムさんのインパルスはどんどん強くなるなぁ。かすみさんも璃奈さんも栞子さんも、自分のガンプラを少しずつ強くしていってるし、私も何か出来ないかな……っと、そろそろだ♪」

 

実はかすみ達の誘いを断ってまで帰って来たのは、もう一つ理由があった。

しずくはウキウキで机に座り、自分のノートパソコンを広げると、ガンプラバトル専門サイト『G-TUBE』を開いた。

 

始まった動画にまず最初に写ったのは、紺色のガンプラ……ベース機は『ポケットの中の戦争』の代表的MS『ケンプファー』

 

そのケンプファーを取り囲むのは、ガンダムシリーズに登場した様々な量産機MS。

動画の中でケンプファーは、背中に背負ったサーベルを手に取り、それを量産機たちへと向けた。

 

 

『この私を倒そうなど笑止千万!我が愛剣の錆となるがいい!』

 

 

ケンプファーがそう言い放ち、襲い掛かる量産機たちを次々と切り倒していく。

マッシブなスタイルなケンプファーだが、その機動力はジオン公国随一。

軽やかな動きで次々と敵を捌いていく様は見事で、動画を見ていたしずくはその姿に見惚れてしまった。

あっという間にケンプファーは量産機の50機斬りを達成し、サーベルを背中に戻す。

 

 

 

『この程度の力で、この私に挑もうなど……命知らずも甚だしい!!』

 

 

 

倒れた量産機たちの真ん中に立ち、ケンプファーは右腕を天へと突きあげる。

 

 

『私に挑戦したい勇気ある者は、チャンネル登録と高評価、ツイッターのフォローは概要欄から。私は、君の挑戦を待っている!』

 

 

「……あ~!今日もカッコいい!!いつみても見事な殺陣だな~!」

 

 

配信を見終え、しずくは柄にもなく興奮気味にベッドの上で転がる。

今彼女が見ていたのは、今話題のG-TUBERである『パフォーマーチャンネル』のナイトケンプファーの殺陣。

やらせ無しの企画で、本当に実力で量産機の50機斬りを行っている。

しかし合間合間に入るセリフはアドリブでの行う演技であり、女優を目指しているしずくは今このパフォーマーチャンネルに大注目している。

以前1年生組にもこの動画を見せたが、実力の差がありすぎるせいか3人とも黙ってしまった。

なので今日もこの配信を見る事を他のメンバーには伏せて、帰宅してから見ている。

 

「この強さ……多分歩夢さんにも引けを取らないよね。それどころか、エマさんや果林さんぐらいにも匹敵するかも……!それに合間合間の演技も、セリフに淀みが無くて……もしかしてこのナイトケンプファーのダイバーさんって、演者さんなのかな?一度お話聞いてみたいなぁ~!」

 

 

ナイトケンプファーのダイバーの詳細は不明であり、動画で顔を見せる事は決して無い。

素性を一切明かさない上での演技に、しずくはどっぷりハマっていた。

 

 

「宿題終わったらアーカイブ配信も見なくちゃ~♪あれ?部長から電話だ……はい、もしもし?」

『あ、しずく?今大丈夫?』

「はい、大丈夫です。なんでしょうか?」

 

動画を見終えたしずくのスマホにきた着信。

そこには『部長』と表示されている。

部長と言っても、スクールアイドル同好会の部長の事では無く、しずくの所属するもう一つの部活『演劇部』の方だ。

演劇部の部長は3年生で、小さい頃から様々な舞台を見てきたしずくの目から見ても素晴らしい演技を魅せてくれる役者の一人だ。

 

 

『明日は演劇部の方に顔出せるんだよね?』

「はい、それはもちろん。当分ライブの予定もありませんので。でも、どうしてわざわざ電話で確認を?」

『ううん、来れるならいいんだ。じゃあまた明日。おやすみ。』

「? はい、ではまた明日。おやすみなさい。」

 

 

いつもはメッセージで予定を確認してくるのに今日は電話。

部長の対応に少し首をかしげたしずくだったが、その後すぐに宿題を終えて、愛犬のオフィーリアと共に動画のアーカイブ配信を見始めた。

 

 

 

 

 

~~

 

翌日の練習時間、侑監修の元レッスンに励む2年生3人。

ステージに立った経験を活かした上で客観的なアドバイスが出来る侑は今まで以上に頼もしく、3人とも練習により一層気合が入る。

休憩時間になり、侑がスポーツドリンクを買いに行こうとすると、部室の中にランジュが入って来た。

 

 

「いらっしゃいランジュちゃん。」

「ニーハオ!愛、せつ菜!頼まれてたもの持ってきてあげたわよー!」

「ありがとうございます!さっそく見て見ましょう!」

「「見て見る?」」

「あ、そうそうあとこれ差し入れよ。モンスター、一日一本までよ!」

 

 

愛とせつ菜がランジュに何か依頼していたらしく、彼女からメモリーカードらしきものとモンスターエナジーを受け取ると、それをPCで再生。

そこに写っていたのは、侑も一緒にステージに立った同好会の復活ライブであり、愛とせつ菜は『おぉ!』と歓声を上げた。

 

「綺麗に撮れてんじゃん!」

「はい!特に侑さんと歩夢さんのデュエットのところはばっちりです!」

「い、いつの間に撮ったの!?」

「部と生徒会の皆さんにお願いしていたんですよ。」

「大変だったのよコレ撮るの。副かいちょーはせつ菜ばっかり撮るし、右月と左月は栞子ばっかり撮るし、ガンプラバトル同好会が『姫をもっと映せ』っていちゃもんつけてくるし。」

「カナちゃん大人気じゃん。」

「あ、11人で歌うシーンだ!ついこの間の事なのに、なんだか懐かしい気がしてくるよ……。」

「うん、私も……。」

 

あの時は本当に大変だった。

歩夢を励ましてくれたキョウヤや、一緒にミラーミッションエリアに来てくれたリクとヒロトがいなければ取り返しのつかない事になっていたかもしれない。

そしてあれ以来、バンシィ・ノワールは目立った動きを見せていない。

 

「この動画をYoutubeとガンスタグラムにアップすれば、スクールアイドル同好会の更なる飛躍につながりますね!」

「そうしたら、またGBNの運営からライブお願いされちゃったりして?」

「わぁ!愛ちゃん、それすごく素敵!」

「……ねぇ。」

 

和気藹々としている同好会2年生メンバー4人に対し、少し眉を細めたランジュが尋ねた。

 

 

「あなた達、少し危機感薄くないかしラ?この前のライブはアタシも楽しかったけど、こんなもの上げたらまたアイツが来るんじゃない?」

「バンシィ……ノワール……。」

「アイツ、とんでもなく強いわよ。いくら侑と歩夢が強くなったからって、簡単に勝てるなんて思わないんだけど。」

 

 

実際、バンシィ・ノワールに一方的に倒されたランジュは、敵の強さが身にしみてわかっている。

リクのダブルオーならバンシィに対して圧倒出来たが、あの時は逃げる隙を与えなかったからだ。

次襲ってこられた時、対処できる保証は無い。

 

 

「その事なんだけど、多分当分は大丈夫だと思う。」

「なんでそう言い切れるのよ。」

「リクくんと戦って、言ってたの。」

 

 

(損傷甚大、戦闘続行不能。これより、長期間の修復作業に移行。)

 

 

「修復作業に入るって事は、しらばく来ないんじゃないかな?」

「そんなわけないでしょ。相手はただのデータよ。再ログインしたら元通りじゃない。」

「ううん。私、わかるんだ。なんでかわからないけど……。」

 

 

アシムレイトでガンプラと繋がれる侑にだけ感じ取れる何かがある。

 

ただのデータの塊であるはずのバンシィ・ノワールが、傷の修復の為に姿を見せなくなるとは考えづらいが、実は愛とせつ菜にも心当たりがあった。

それは、侑と歩夢がバンシィ・ノワールと戦っていた最中に、マスダイバー達と戦った時のことだ。

 

 

「実はあの時さ、アタシとせっつーも奇妙な事があったんだよね。」

「奇妙な事?」

「はい。突然マスダイバー達のブレイクデカールが停止したんです。後日、運営に問い合わせたところ、GBNのバグも、あの日以来発生頻度がグッと減ったそうなんですよ。」

 

 

あの時、マスダイバーと戦うスカーレットエクシアと愛参頑駄無はかなり不利な状況だった。

しかし、その時に突如マスダイバー達のブレイクデカールが沈黙し、普通のガンプラに成り下がった所で形勢逆転。

おかげでライブに間に合う事が出来た。

 

 

「つまり、バンシィ・ノワールはGBNで今起きてる、全部の異変に関わってるって事なのかな?」

「そう考えるのが自然でしょうね。次にバンシィが姿を見せるのがいつになるのか……。この動画が上がれば、少しはバンシィの動きを察する事が出来ると思うんです。これで無反応なら、当面は手を出してこないでしょう。」

「あなた達、自分たちのライブを囮にするっていうの?」

「囮じゃありませんよ。バンシィ・ノワールという驚異を切り抜け、未来へ進むための一歩です。」

「ずいぶん肝の据わった事するのね……まぁいいわ。アタシの用事はコレで済んだから。そうそう、しずくはいるかしラ?」

「しずくちゃんなら、今日は演劇部の方に顔出すって言ってたよ。」

「しずくちゃんに何か用事?」

「あの子から映画のBD借りてたんだけど、いないのならあなた達から返しといてちょうだい。じゃあね!」

 

 

侑に昔の映画のBDを渡したランジュは、同好会の部室から出て行った。

戻る際中、ミアから新曲の件で話があるとメッセージが来たので、今度はスクールアイドル部の部室へと向かう事に。

 

 

 ~~~~♪

 

 

「……あら?綺麗な歌声ね……?どこから聞こえるのかしら?」

 

 

道中、今まで聞いた事の無いぐらい綺麗な歌声が聞こえてきた。

興味を持ってその歌声を辿ろうとしたが、今度はミアから電話が鳴り、泣く泣くランジュはその歌声の主を探すことを断念した。

 

 

 

 

~~

 

演劇部では、しずくは期待の大型新人だった。

1年生ながら籐黄学園との合同演劇祭では主演の座を勝ち取り、その後も桜の精霊役などの大役を次々と任されている。

スクールアイドルやガンプラファイターとしての活躍も目覚ましいが、やはり演劇部の部員たちはしずくには演劇に専念してほしいと考えており、時々説得される事もある。

今日も発声練習の後、今度披露する演劇部部長が手掛けたオリジナルの脚本の演劇の練習に励み、しずくはその劇では主人公の女騎士と戦う、敵国の戦士として出演する予定。

 

 

「私は私の剣に誓おう!たとえこの身を引き裂かれようと、必ず勝利を我が手につかんでみせると!」

「ならば私も誓いを立てよう。私はどちらも諦めない。その信念の元に貴様を下すと!!」

 

 

 

今回の話は主人公である手練れの女騎士と、彼女に憧れて剣の道を目指したものの、敵となる運命を背負ってしまったライバルの物語。

一通りの稽古を終えると、しずくの下へ、女騎士役の女生徒が水を持ってきてくれた。

演劇部の部長だった。

 

 

「お疲れ、しずく。」

「お疲れ様です部長!いかがだったでしょうか、私の演技!」

「うん。とてもよかったよ。やっぱりしずくは凄いよ。」

「いえ……私なんてまだまだ……。ここが正念場です!」

「しずく、ちょっと話せるかな?」

「え?」

 

 

部長のいつもと違う態度に、しずくは違和感を覚えた。

制服に着替え、以前スクフェスの時にしずくのステージになった場所まで二人で行くと、部長はそこに腰かけ足を組む。

 

 

「部長、お話ってなんでしょうか?」

「あのさしずく……スクールアイドル、楽しい?」

「? えぇ、もちろん!」

「そうだよね。この前のライブも、凄く楽しそうだったもんね。」

「はい!同好会の皆さん、凄いんですよ!璃奈さんは独特の世界観を持ってるし、栞子さんは始めたばかりなのにどんどん上手くなってて……特にかすみさんのステージは毎回手に汗握っちゃうんです!歩夢さん達2年生や、彼方さん達3年生も負けないぐらい素敵で……私、もっともっと上達して、もっと皆さんに愛されるスクールアイドルになりたいと思ってます!」

「そっか……そうだよね。」

「ぶ、部長?」

 

 

この時のしずくは、部長が何を言いたいのか全く分からなかった。

心配そうに部長の顔をみるしずくだったが、部長はスっと立ち上がると、いつになく真剣な表情でしずくを見つめる。

思わず緊張したしずくも立ち上がり、部長は一瞬しずくから目を逸らすと、彼女に告げた。

 

 

「ねぇしずく、アナタ……次の部長、やってみる気は無い?」

「………え?」

 

 

 

 

 

~~

 

 

「「「演劇部の次期部長!!?」」」

 

 

「み、皆声大きいよ~……!」

 

 

稽古を終えて、相談に乗ってもらう為に、1年生を全員集めたしずくは4人でいつぞやのマウンテンパンケーキを食べに来ていた。

しずくの相談に3人とも目を丸くし、いつもあまり顔に出ない璃奈も少し動揺が見える。

 

「しずくちゃん、スクールアイドル辞めちゃうの……?」

「や、やめないよ!!もちろん!!」

「ですが、部長ともなれば同好会の活動に参加するのは難しくなります。もちろん兼部は禁止されてはいませんが、部の代表としての責任も付きまといますから……。」

「そうなんだよね……。私、部長の事は凄く尊敬してるの。高校生であんなに素晴らしい演技をする人、他にいないもん!だから部長の期待には応えたい。けど、スクールアイドル活動だって手を抜きたくないの!かすみさんはどう思う?」

「え、私……?」

「かすみちゃん、どうしたの?」

「私はー……んー、よくわかんない。」

「わからない?」

 

 

パンケーキを食べる手を止め、かすみがフォークを皿に置いた。

 

 

「しず子が女優さん目指してるのは知ってるよ?前に応援するって言ったし。でもスクールアイドルも一緒に頑張りたいし……こういうのって、私達が下手に口出しするものじゃないんじゃないかなぁ?」

「かすみさん……。」

 

かすみなら、絶対にスクールアイドルを優先すると思っていた3人は少し驚いた。

その後、『でも!』とかすみは続ける。

 

「かすみんとしては、しず子にはもっともっとスクールアイドル頑張ってほしいよ!?じゃないと張り合いないからね~!まぁ、今のままでもかすみんの方が可愛いスクールアイドルって事は変わりないですけど!」

「ムッ……!かすみさん!!」

「ま、まぁまぁ……落ち着いてください二人とも!ほら、パンケーキ食べましょう?」

 

言い争ってはいるが、気を使わないというかすみの気遣いがしずくは嬉しかった。

4人で強敵のマウンテンパンケーキをつつきながら、お腹いっぱいになって来た璃奈が腹ごなしにスマホをいじる。

すると、璃奈が何かを見つけ、それをしずくに見せつけてきた。

 

 

「しずくちゃん!コレ!」

「どうしたの璃奈さん?あ、これ……ナイトさんのパフォーマーチャンネルだ。」

「うへぇ、かすみんあの人ちょっと苦手……なんかセリフが鼻につく。」

「ケンプファーはあのジャイアント・バズがかっこいいんです!それを無くして武器がサーベルとシールドだけというのは少々いただけません!」

「二人とも厳しい。璃奈ちゃんボード『私は良いと思う』」

「それで璃奈さん、これがどうかしたの?」

「うん、ここ、見て。」

 

 

璃奈に言われた箇所をまじまじと見て見るしずく。

そこに書かれている文字を見て、しずくはハッとした。

しずくが憧れるナイトケンプファー……そのバトルイベントのエントリー募集の広告だった。

 

 

「挑戦者募集……参加資格はCランク以上……これって!」

「モヤモヤした時は、バトルですっきりさせるのが一番!璃奈ちゃんボード『むんっ』!」

「ありがとう璃奈さん!早速応募してみるね!ナイトさんとお会いできるまたとないチャンスだよ~!」

「でもしず子、これ抽選っぽいよ?」

「当たらなければどうという事ありませんよ?」

「運も実力のうちって言うじゃない!」

「凄くリツイートされてる……早く応募しなくちゃ!」

「えぇ!?こんなに!?なのに選ばれるの一人だけなのぉ!?」

「強いダイバーのイベントには人が集まりますから。カザミさんのイベントも凄く人気あったでしょう?」

「た、確かに……。」

「お願い、このモヤモヤした気持ちを吹き飛ばして……!えい!応募!うぅ……結果発表が待ち遠しくて、別の意味でモヤモヤしてきちゃった……。」

「ダメじゃん。」

 

 

 

 

~~

 

部活を終え、自宅へ戻った部長は、自分のPCに来た数多くのメッセージを見ていた。

その中には、いつも彼女が注目している名前も。

相手の名前は『しずこ』、フォース『虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』に所属する、O-ドリーガンダムを操るダイバー。

その名前を見た部長はニヤリと笑い、手元にあったガンプラに手を伸ばした。

 

「やっぱり来たね、しずく。私と戦って、少しでも悩みのヒントを得ようって魂胆かな?でも、そう簡単には行かないよ。ね、ナイトケンプファー。」

 

 

 

 





~にじビル毎回劇場~

第42回:勉強しないで頭がよくなりたい

リク「ヒロト!勉強教えてくれ!」

ヒロト「わかった。じゃあ座ってくれ。」

リク「ありがとう!ヒロトって教え方上手だから助かるよ!」

ヒロト「リクだって勉強できないわけじゃ無いだろ?」

リク「ハハハ……でも俺、いっつもテスト前とかにガンプラ作っちゃうから、全然勉強できてないんだ……。」

ヒロト「気持ちはわかるよ。どこがわからないんだ?」

リク「うん。数学なんだけど……、」

果林「フフッ、いい先輩後輩ね。」

愛「そうだね。じゃあアタシらも勉強はじめようか!」

リク「へー、果林さんって美人なだけじゃなくて、勉強も得意なんだ!」

ヒロト「ヒナタが憧れるわけだな。」

果林「違うわよ?私が愛に教えてもらうのよ。」

リク「え?果林さん、3年生だよね?」

ヒロト「愛は2年生……普通逆じゃないか?」

果林「フフッ、こういう先輩後輩の関係も悪くないでしょ?」

愛「いや良くは無いよ。」

果林「勉強しないで頭がよくなりたい。」


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