※それでもスクールアイドルチャンネルのシステムだけはどうかとは思ってます。
※ところでΞガンダムがどこにも売っておりません
※閃光のハサウェイめちゃくちゃ楽しみです。
※多分ランエマは自分しか推してません。
※塩分の過剰摂取は体によくありませんが、しおぽむは摂れば摂るだけ健康になれます。
※小泉萌香さんと指出毬亜さんと楠木ともりさんでガンダムの主題歌歌ってほしいです
※しつこいけどΞガンダムが売ってません。
※実はΞガンダムって発売して無いんじゃね?
※助けてアマゾン
近江彼方には、近江遥という妹がいる。
年齢は彼方の2つ下で、現在はしずく達と同じ1年生。
しかし通っている学校は虹ヶ咲学園では無く、東雲学園という学校。
この東雲学園は、都内では藤黄学園や音ノ木坂学園、UTXと肩を並べる程のスクールアイドルの名門であり、遥も勿論この学園のスクールアイドル部に所属している。
1年生ながらセンターを務め、当然ながら数多くのファンがいる。
そして、今日もそんな東雲学園のライブがお台場のダイバーシティで開催されており、最前列で歌う遥に向かって、ものすごい勢いでサイリウムを振る二人組がいた。
「ラブリー・はるかぁあああ!!!ラブリー・はるかぁあああ!!!」
「ラブリー・はるか!ラブリー・はるか!」
「果林ちゃん、声の弾幕薄いよ!!何やってんの!!!!」
「ご、ごめんなさい彼方……。」
「謝ってる暇あったら手を動かす!!声を出す!!全力でエールを送る!!!あ、遥ちゃんがこっち見た!!おーーーーい!!!遥ちゃーーーーーん!!!!」
「あ、ウインクしてくれたわね。」
「きゃあああああ!!!!遥ちゃんからウインクもらっちゃったあああああ!!!ラブリー・はるか!!ラブリー・はるかぁ!!フゥウウウウウ!!!」
虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の近江彼方と朝香果林だ。
普段はおっとりしていて物静かな彼方だが、大好きな妹のライブの時はいつもの彼方からは想像もできないほどのハイテンションになる。
果林はとある一件以来、彼方とこうして遥のライブをよく見に来ており、その都度彼方から声援のダメだしを喰らってしまう。
「皆ー!今日はありがとう!次のライブも、絶対見に来てくださいねー!」
「絶対行くよぉおおおおおおお!!!!」
ライブが終わり、東雲学園のスクールアイドル部がステージの裏へと引っ込んでいくと、彼方はサイリウムを両手に構え、一人男泣きをしていた。
最近はライブが終わるたびにコレであり、最初は果林は引いていたが最近慣れてきた。
ちなみに、侑と彼方とせつ菜の3人で東雲のライブを見た時は全員そんな感じになった。
「ほら、遥ちゃんが着替え終わったら帰るわよ。この後、遥ちゃんとお買いもの行くんでしょ?」
「ハッ!そうだったそうだった……んふ~♪遥ちゃんとデート~♪」
「あなた、私がいる事忘れてないわよね……?お邪魔なら帰るわ。」
「果林ちゃんそんな寂しい事言わないでおくれ~。」
ようやく彼方が冷静に戻り、遥を迎えに行こうと二人がその場を離れようとすると、そこへ数名の男女が彼方と果林へと近づいてきた。
全員、手にはガンプラを持っていた。
「あ、あの……もしかして、ニジガクの近江彼方さんと朝香果林さんですか!?」
「えぇ、そうだけど……あなた達は?」
「俺達、GBNでフォースを組んでるんですけど、ニジガクの皆さんの大ファンなんです!」
「そうなの?えへへ~、彼方ちゃん嬉しいな~。」
「この前のベアッガイフェスの動画見ました!素晴らしかったです!」
「東雲学園も大好きなんですけど、まさかニジガクのお二人に会えるなんて思いませんでした!サインお願いします!」
「お、おれのガンプラにもサインしてください!」
「サインはいいけど、ガンプラにはダメよ。自分のガンプラはちゃんと大事にしてあげなさい。」
「お姉ちゃーん!お待たせ……お姉ちゃん?」
帰り支度を終えて、学園の仲間と別れると、彼方たちの下へと戻って来た遥。
するとそこでは、ファンへサインをしている彼方と果林の姿があった。
ここはダイバーシティで、ガンダムベースがある場所。
となれば、GBNでも絶賛大活躍中のニジガクに注目が集まるのも当然だった。
特に数日前にせつ菜と愛が動画サイトに上げた侑を加えた11人でのベアッガイフェスライブの反響は凄まじく、最近ではゲーム内限定だが彼女たちのアイドルグッズの販売も始まった。
なおその間、バンシィ・ノワールによる妨害は一切行われていない。
以前侑が予想した通り、しばらくの間は息を潜めているようだ。
ファンの子たちにサインを書いてあげると、彼らは彼方と果林に深々と頭を下げた。
「ありがとうございます!大切にします!」
「こ、今度私達ともバトルしてください!」
「えぇ、もちろん。」
「いつでもかかっておいで~。」
「これからも応援してます!頑張ってください!」
そう言い残して、二人の下から離れていくファンたち。
その光景を見ていた遥が彼方と果林に駆け寄り、遥に気づいた彼方は満面の笑みを浮かべて彼女に抱き着いた。
「遥ちゃ~ん!!最高のライブだったよぉぉぉぉ!!!」
「わっ!?お、お姉ちゃん苦しいよ~……!」
「おっと、ごめんごめん。」
「さっきの人達は?」
「私達のファンみたい。ガンプラを持ってたから、きっとGBNから私達の事知ってくれたのね。」
「そう、なんですね。」
「遥ちゃんもやろうよガンプラバトル!楽しいよ~!」
「うーん、私まだ自分の使いたいやつ悩んでるから……それよりお姉ちゃん、早くお買いもの行こう!」
「行こう行こう~♪」
「遥ちゃんと一緒にいる時の彼方って本当に元気ね。」
遥と手を繋ぎ、果林も一緒に3人で買い物へと出かけた彼方。
散策をしている道中、彼方がずっと遥の可愛いところを語っていた為、遥は赤面し、果林はさすがに疲れてきた。
~~
数日が経過した、ある日の夜。
虹ヶ咲学園の学生寮に住んでいる果林とエマは、よくお互いの部屋に遊びに行き、寝る間でおしゃべりを楽しんでいる。
二人で一緒に見るファッション誌や、スクールアイドルの話はとても楽しく、少し前からはガンプラの話も出来てますます楽しい。
いつも通りスクールアイドルの雑誌に目を通していると、ふとエマが果林に尋ねてきた。
「そういえば、この前の遥ちゃんのライブどうだった?」
「楽しかったわ。やっぱりグループのダンスは迫力があるわね。大声で応援したから喉痛くなっちゃった。」
「そうなんだ~、いいなぁ~。」
「エマの方こそ、AVALONの人達とのオフ会、水入らずで楽しかったんじゃない?」
「うん!すごく楽しかったよ!エミリアさんもカルナくんも、GBNと全然変わらなくて安心したよ~。」
「へぇ、楽しそうね。」
「今度は私も遥ちゃんのライブ行きたいな~。次はいつやるのかな?」
「さぁ……彼方に今度聞いてみましょうか。」
「そうだね。」
コンコンッ!
「あら?誰かしら?」
話していると、果林の部屋のドアをノックする音が。
時間的に用事があるとすれば寮長や、同じライフデザイン学科の生徒だと思うが、基本的に夜はエマぐらいしか来ない為不思議に思いつつも、立ち上がってドアを開ける。
しかし、そこにいたのは、予想外の人物だった。
「はーい、どちら様……って、彼方!?」
「………果林ちゃん……エマちゃん……。」
「か、彼方ちゃん!?どうしたのこんな夜中に……?」
「……グスッ……。」
「え?彼方、あなた泣いてるの?」
「うっ……うぅぅ……うぇぇぇぇん!!」
「えぇ!?ど、どうしよう果林ちゃん!?」
「とにかく中に入りなさい彼方!ほら!」
突然訪ねてきて、ドアの前で大泣きしだした彼方。
ギョッとした果林とエマは彼方を部屋に招き入れ、落ち着かせるために近日発売予定のニジガク3年生の寝そべりぬいぐるみのサンプル品を彼方に抱かせる。
泣き叫んで会話が出来ない状態が10分ほど続き、まだ目を潤ませているがなんとか泣き止んでくれた。
いきなりで驚いた果林とエマが顔を見合わせ、彼方に温かいココアを与えると、ようやく彼方は何があったのか語り始めてくれた。
「落ち着いた?」
「うん……でも、油断するとまた泣いちゃいそう……。」
「どうしたのよ彼方……何があったの?」
「実は……実はね……?」
「「うん。」」
「遥ちゃんと……喧嘩しちゃったんだよぉぉぉぉうぇぇぇぇん!!!!」
「喧嘩って……あぁもうだから泣かないでってば!!」
「ほら彼方ちゃん、よしよ~し!膝枕してあげるよ~!」
「っていうか、こんな時間に来て大丈夫なの?寮母さんに怒られるんじゃないかしら……?」
「あ、それならちゃんと許可もらいました。」
「突然泣き止んで冷静に答えるのやめてくれない……?」
彼方が語ったのは、ここ数日間の遥との生活。
近江家は両親が共働きで、母は夜勤が多めで父は単身赴任。
その為彼方と遥で家事を分担し、家にいる間の時間のほとんどを二人きりで過ごしている。
ところが最近、遥の帰りが妙に遅くなった。
20時を回る……というのは、健全な高校生では珍しくは無いが、部活の無い時の遥は少なくとも18時までには帰宅していた。
しかし、ここ数日は21時を過ぎる事も珍しくなく、彼方が作るご飯が冷めた頃に帰ってくる。
帰って来た後も、彼方との会話は少なく、寝る時も姉妹部屋ではなく今は使っていない父親の部屋にこもるようになってしまった。
「あのね……今日、遥ちゃんから『これからはしばらくご飯はいいよ』って言われちゃって……。どうしたの?って聞いたら、『お姉ちゃんには内緒』って……。そう言われて、ムカッと来ちゃって……。」
「それで、彼方は遥ちゃんになんて言ったの?」
「『じゃあもう勝手にしなさい』って……。それでお家に居辛くなって……。」
「あちゃー……。」
「彼方ちゃんと遥ちゃんって、凄く仲良いから喧嘩なんてしないと思ってたよ。」
「仲が良いから余計にダメージが大きいのね。」
他に行く宛ても無く、寮母さんからの許可ももらっているため、彼方は今日一日学生寮に泊まる事になった。
すっかりいじけた彼方は、果林の寝そべりぬいぐるみと持ってきていたガンダムビヨンドバルバトスのガンプラでブンドドを始めてしまった。
「エマは姉弟喧嘩ってした事ある?」
「もちろんだよ~。うちなんて妹も弟もたくさんだから、しょっちゅう喧嘩するよ。」
「エマの場合は、喧嘩っていうより叱りつけるイメージだわ。」
「うーん、言われてみればそうかも……一番歳の近い弟でも結構離れてるし。」
「私だって、遥ちゃんが男の子だったら反抗期だなーぐらいにしか思わないかもしれないけど、あんなに可愛い女の子の遥ちゃんだから気にしてるの!!」
「今日の彼方のテンションおかしいわね。でも、やっぱり妹や弟がいるのって羨ましいわ。私一人っ子だから。明日かすみちゃんやせつ菜辺り可愛がろうかしら。」
「果林ちゃん、あの二人と仲良いよね。」
「一時期3人で活動してたからね。さぁ、そろそろ寝ましょう。夜更かしは美容の天敵よ。」
「ほらほら、彼方ちゃんすやぴしようね~。」
普段夜中から朝方まで勉強している彼方にとって、この時間はちょうど全く眠くない時間帯。
しかし折角厚意で泊めてくれている二人の迷惑にならないよう、エマの部屋へ行きそこで一夜明かした。
~~
「せつ菜、かすみちゃん。私今日おやつ持ってきたんだけど、良かったら食べない?」
「なんだか今日の果林先輩めちゃめちゃかすみん達に優しいです!」
昨夜の宣言通り、かすみとせつ菜の通称電撃組を妹として可愛がる果林。
昨日の遥との喧嘩がよっぽど尾を引いているのか、彼方は練習時間になっても立ち直れておらず、ただただ体操座りで深くため息をついているだけ。
心配になった愛としずくが近づこうとするが、負のオーラが出過ぎていて近寄りがたい。
「ね、ねぇねぇエマっち……カナちゃんどうしたの!?」
「遥ちゃんと喧嘩しちゃったんだって。」
「えぇ!?彼方さんと遥さんがですか!?」
「信じられないよね。だけど本当みたいだよ。」
「まぁ、あんなカナちゃん見ちゃったら信じざるを得ないけどさ……」
「それにしても、彼方さんでも姉妹喧嘩する事あるんですね。」
「それ!アタシも思った!カナちゃんって遥ちゃんのお願いならなんでも聞いちゃう~!って感じで、喧嘩とか全然しなさそうなのにね。」
姉妹喧嘩は、思春期だとよくある話。
しかし、近江姉妹に至ってはそれとは無縁だと思っていたので、愛もしずくもかなり驚いていた。
今の話を聞いていたかすみとせつ菜も、果林からもらったおやつを食べながら愛達の会話に参加してきた。
「彼方先輩、喧嘩中なんですか?」
「らしいよ。原因はわかんないけどね。」
「遥ちゃんが最近少しおかしい事に、ちょっと怒っちゃったみたいなのよ。」
「喧嘩……。」
「せっつーどうしたの?」
「いえ、以前もありましたよね?彼方さんと遥さんの喧嘩。」
「そう言えばありましたね。スクフェス開催前なので夏前でしたっけ?」
「あの時は遥ちゃんがスクールアイドルをやめるとか、カナちゃんがやめるとか、大変だったね。」
「あの時の事を考えると、遥さんが彼方さんを蔑ろにするというのはまずありえません。彼女にも何か事情があるのでは?それこそ、今は彼方さんに言えない様な事情が。」
「彼方に言えない事情ねぇ……。」
「果林さん、もしかして心当たりが?」
「心当たりって程でも無いんだけど……ねぇエマ、練習が終わったら一緒に来てくれないかしら?」
「え?う、うん。わかった。」
せつ菜に言われ、果林が何かを思いついたのか、放課後にエマを誘った。
幸い彼方は今日はシーサイドベースの方でアルバイトなので、怪しまれずに二人で行動できる。
一応彼方の方が先に帰った場合を想定し、果林の部屋の鍵を彼方に渡した。
「……なにこれ?」
「私の部屋の鍵。私、この後用事があるから先に帰ってて。」
「今日も泊まっていいの?」
「家に帰りたいの?」
「それは……、」
「落ち着くまでいていいから、散らかさないようにね。」
「特大ブーメランでMAX大草原だよ~。」
「エマ、そういう日本語は学ばなくていいから……。」
~~
練習を終えた果林とエマの二人は、揃ってダイバーシティに来ていた。
しかしガンダムベースには入らず、ユニコーンガンダムの立像の前で時計を見ながらただ立ち尽くすのみ。
果林の意図がわからないエマはとりあえずコッペパンの移動販売で買ってきた『こんがりカプレーゼコッペパン』なるものを頬張る。
「ん~!ボーノ!やっぱりここのコッペパンは最高だなぁ。果林ちゃんも食べる?」
「私はいいわ。」
「そう?こんなに美味しいのに。あむっ。」
「どうせ食べるなら、かすみちゃんのコッペパンを出来立てで食べたいわね。っと……そろそろね。」
「そろそろ?あ。」
果林が顔を向けた先にエマも目を向けると、そこにいたのは見覚えのある三人組。
全員東雲学園の制服を着ており、その中の一人は今二人の共通の親友が抱える悩みの中心にいる人物だった。
「遥ちゃん!?」
「さぁ、跡をつけるわよ。」
「わ、わかったよ!あ、その前にこれだけ食べちゃうね!」
「追いかけながら食べればいいじゃない……。」
「それはお行儀が悪いよ!」
「そもそも買い食いの時点でお行儀悪いわよ……。」
遥ともう二人の後ろを、ばれないように追いかける果林とエマ。
三人はダイバーシティを通り過ぎ、しばらく歩くと、『イオリ模型店』という名前の小さな模型屋へと入って行った。
エマと果林はその様子を店の外からジッと観察。
その店は模型店というよりは、ガンプラ専門店の様な佇まいで、ガラスケースの中には遠目で見ても丁寧に作られたとわかるガンプラが沢山並んでいた。
「わー……凄いクオリティ……!全く改造してないのに、私のヴェルデブラストなんかよりもずっと強そうに見える……!」
「えぇ……私でもわかるわ。凄いわね。」
「あ、Ξガンダム!アレ最近発売したんだよ!」
「大きいガンプラねぇ。」
外から見ても楽しめる、とても良い雰囲気の模型店。
ガンダムベースがガンダムをより深く楽しむための店ならば、ここはガンダムを一切知らなくても軽い気持ちで足を運べる『町の模型店』と言ったところか。
しばらくして遥を含めた3名がガンプラを持って店から出てくると、そこで果林とエマが飛び出し、3人の前に立ちはだかった。
「え?か、果林さんエマさん!?どうしてここに!?」
「こんにちわ、遥ちゃん。」
急に出てきた二人に驚き、遥と後ろにいた二人は顔がこわばった。
遥の抱えたガンプラを見ると、果林は『やっぱりね』とつぶやき、優しく笑った。
「それがあなたのパートナーになる子かしら?」
「あの……えっと……。」
「果林ちゃん、どういう事?」
「この前、遥ちゃんのライブに来た時の事なんだけど……、」
果林がエマに語ったのは、数日前の東雲のライブ。
あの時、ライブの後に彼方と果林はGBNからニジガクを知ってくれたファンに囲まれた。
その姿をライブを行った張本人である遥も目撃しており、遥はその時少しさみしそうな顔をしていた。
直後に彼方が遥をGBNへ誘って、遥は曖昧な返事で返していた。
「だから、もしかして東雲もガンプラバトルを始めるのかなー……って、そう思ったのよ。」
「お姉ちゃんから、果林さんは勘が鋭いって聞いてましたけど、それだけで当てちゃうなんて……凄いですね。」
「否定しないってことは、そうなのね。」
「はい。おっしゃる通りです。」
ユニコーンガンダムの立像は、待ち合わせには最適なスポット。
そこで待ち合わせをした遥は、仲間と共に別の模型屋でガンプラを探して、自分の専用機を作ろうとしていた。
ガンダムベースにはビルドダイバーズがいる為、彼方の妹である遥が行けばきっとその事が彼方に伝わってしまう。
今回の事は、絶対に彼方にばれるわけにはいかない。
「でも、どうして彼方ちゃんに内緒にしていたの?彼方ちゃん、遥ちゃんの事すっごく心配してたんだよ?」
「わかっているんです、お姉ちゃんに心配をかけてるってことは……だけど!」
「遥さん、私が説明します。」
「あなたは確か……、」
「クリスティーナと申します。こうしてキチンとご挨拶するのは初めてですね、朝香果林さん、エマ・ヴェルデさん。」
遥の前に出てきたのは、東雲学園3年生のクリスティーナ。
イタリア出身の留学生で、見てくれるみんなを癒してあげたいと考えてアイドル活動をしている修道女。
彼女もガンプラを抱えていて、遥の事情を果林たちに話してくれた。
「実は私達、近々もう一度ダイバーシティでライブを披露するつもりなんです。」
「そうなんですか?」
「はい。そこで、私たちはあなた達に、ガンプラバトルで挑戦したいと考えています。」
「ガンプラバトル?」
「遥ちゃん、お姉さんに言われた事ずっと気にしてたもんね。あ、私は支倉かさね、東雲学園の2年生!」
「言われた事って……あ。」
以前、彼方と遥がお互いの為にスクールアイドルを辞める、という話があった。
その時はお互いが支え合う為に、これからもスクールアイドル活動を頑張ろうという結論に至り、平和的解決で終わった。
その際、彼方は遥とこう約束していた。
(スクールアイドルではライバルだよ。お互いがんばろ!)
「……私、悔しかったんです。私達のライブなのに、お姉ちゃんが注目されてるのを見て、胸がモヤモヤして……。」
「ニジガクの皆さんは、GBNでのライブを通して、さらに人気を高めていきました。」
「だから私達も始めてみようと思った!遥ちゃんの為にも、私達の為にもね!GBNは元々興味あったし。カッコいいよね、AVALON!」
「! だよね!カッコいいよね!かさねちゃんだったよね?今度もっと詳しくお話ししよう!」
「エマ、ちょっと落ち着いて。それで最近、遅くまでガンプラの研究をしてたの?」
「そうです。お姉ちゃんには、心配をかけちゃって本当に申し訳なく思ってるんです……。だけど、それでもお姉ちゃんはライバルだから、追いつきたいし、追い越したいって思ってます!」
「……そう。」
彼方に内緒にしていたのは、その時が来るまで遥の気持ちを悟られたくなかったから。
姉をライバルと意識しすぎて、そっけない態度を取ってしまった。
夕飯がいらないと言ったのも、毎回冷たくなってしまう食事をわざわざ用意してくれている彼方に対して、申し訳なかったからだが、それが逆に彼方を心配させてしまっていた。
「あの……この事お姉ちゃんには……!」
「安心して。彼方には内緒にしておいてあげる。だけど、私達に挑戦するって聞いてしまった以上、私達もただ手を拱いているわけにはいかないわ。」
「えぇ、わかっています。少し予定より早くなってはしまいましたが、いずれあなた方には事情は説明するつもりでしたので。」
「強い相手に立ち向かうのって、わくわくするもんね!特に果林さんのキュベレイ!」
「果林さん、エマさん。」
クリスティーナが果林とエマに向かって手を差し出してきた。
握手を求める手だ。
「私達東雲学園スクールアイドル部は、正式に虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会への挑戦を希望します。私達の挑戦、受けていただけますか?」
「えぇ、もちろん。正々堂々、真正面から戦いましょう。」
「ありがとうございます!」
~~
「果林ちゃんとエマちゃん遅いなぁ……。遅すぎて果林ちゃんの部屋ピッカピッカになっちゃったよ……。」
バイトを終えた彼方は、寮に戻り果林の部屋を掃除していた。
高校生ながら専業主婦じみている彼方の掃除テクはエマ以上で、いつも以上に果林の部屋がピカピカになってしまった。
ひと段落を終えた彼方がベッドの上に腰かけ、昨日と同様に寝そべり果林でブンドドしていると、果林とエマが帰ってきて勢いよく扉を開けた。
「彼方!」
「あ、おかえり二人とも~。果林ちゃん、お部屋綺麗になったよ~。」
「彼方ちゃん、今からガンダムベースに行こう!」
「へ?なんで?」
「事情はまだ話せないんだけど、とにかく行くわよ!」
「え?ちょ、え?えぇぇ!?」
「特訓よーーー!!!」
「なになになになにーーーー!!?」
~にじビル毎回劇場~
第45回:三船の八重歯 無限可愛い編
ランジュ「栞子ってお金持ちなのに、どうして歯の矯正しないの?」
栞子「どうしたんですか藪から棒に……。」
かすみ「それかすみんも思いました!あざといよしお子!」
栞子「別にいいではないですか。今までこの歯で苦労した事などありません。……いたっ!」
ランジュ「ほら、頬肉噛んだ。」
かすみ「しお子って昔からよく噛むんですか?」
ランジュ「そうよ。だからどうして治さないのかなって。」
栞子「そ、それは…………て……。」
かすみ「え?なに?」
栞子「……歯医者さんが、怖くて……。」
ランかす「「よっしゃよっしゃわっしょい。」」
栞子「え?何故突然二人でハイタッチを……!?」
ランジュ「可愛くてつい。」
かすみ「っていうかかすみんも八重歯欲しい!どうやったら生えるのか教えて!」
栞子「あ、ちょっ、かすみさん何で私の口に手を突っ込もうとするんですかやめてくださいやめなさいやめ……やめっ……!や、やめろーーー!!」