ニジガクビルドダイバーズ   作:バース・デイ

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エントリーグレードのストライクガンダム発売おめでとう!

皆さんはエントリーグレード、どんなガンプラが発売してほしいですか?
自分はもちろん、ダブルオーとAGE-1です。





姉妹でライバル

ガンダムベースへ連れてこられた彼方は、果林とエマと無理やりガンプラバトルの特訓をさせられた。

宇宙空間でビヨンドバルバトスの眼前に立ちはだかるキュベレイ・ビューティーと、はるか後方でビヨンドバルバトスをスナイパーライフルで狙うヴェルデブラストガンダム。

急な事に戸惑うカナタだったが、持ち前の鋭さでキュベレイ・ビューティーのクリアファンネルをメイスで叩き落としつつ、ヴェルデブラストに狙われないようにスパースデブリを足場にしながら縦横無尽に飛び回る。

この動きはツカサとコーイチのロードアストレイダブルリベイクの動きを参考にしたもので、ニジガク最強格のエマとカリンを相手にしても全く引けを取らない。

 

 

『カナタ、だいぶ腕を上げたわね!私のクリアファンネルを全部見極めてるじゃない!』

「ねぇ、そろそろ説明してほしいんだけど……。」

『カナタちゃん、今度はこっちが行くよ!』

 

 

そう言いながら放たれたヴェルデブラストの実弾攻撃。

ビヨンドバルバトスはテイルブレードでそれを弾き落とすと、キュベレイ・ビューティーを踏み台にしつつヴェルデブラストの方へと跳躍。

エマの目の前に着地し、その首元にテイルブレードを突き立てた。

 

 

『アハハ……強いねカナタちゃん!』

『私達とはガンプラとの一体感が違うわね。それも、バルバトスの特性なのかしら?』

「エマちゃん、カリンちゃん、私に何か隠し事してる?もしかして、遥ちゃんの事?」

『それはログアウトした後に話すよー。』

『とにかく今は特訓あるのみよ!』

「え、えぇー……。」

 

 

気が乗らないながらも、真面目に特訓に打ち込むカナタ。

せつ菜ほどではないが、カナタも基本的にやる時は全力で取りこむタイプなので、手加減無しでカリンとエマに挑む。

最初は順調に攻撃を撃ち落としていたが、徐々にペースを上げてきたキュベレイ・ビューティーの猛攻に少しずつ押され始める。

ファンネルのエネルギーが尽きて、ビームサーベルで応戦してきたキュベレイ・ビューティーを受け止めるが、その時にキュベレイ・ビューティーの後ろにいたヴェルデブラストの銃口が光った。

急所を撃ち抜かれ、ビヨンドバルバトスはバトルアウト。

それと同時にカナタはGBNからログアウトし、カリンとエマもその後を追ってガンプラから降り、ログアウトした。

 

 

~~

 

 

すでに閉店の時間になってしまったが、コウイチとナナミの厚意でガンダムベースにいさせてもらう事になった3年生組。

ビルドゾーンの机の上にそれぞれのガンプラを置き、彼方はエマと果林を問い詰めた。

 

「なんなの二人とも?いきなりこんなとこ連れて来て、急に特訓なんて言われても……。」

「アハハ……確かにいきなり過ぎたかも……。」

「ごめんなさい、ちょっと気持ちが先走っちゃったわ。」

「それで、どうして私はいきなり特訓させられたのかな?」

「うん、実はね彼方ちゃん、今度この3人でチーム戦をやる事になったんだよ。」

「チーム戦?フォース戦じゃないの?」

「えぇ。相手は初心者チームなのよ。フォースが組めないから、フリーチーム戦よ。」

「え、ふ、フリーチーム!?それでこんな大げさな特訓だなんて……。」

「初心者だからと言って気を抜いてはいられないわよ。それに、多分対戦相手を見たらそんな事言ってられなくなるわ。」

「彼方ちゃん、戦場での油断は命取りなんだよ。」

「んー……。」

 

急な話だったが、ガンプラバトルで激しくドンパチをしていれば気が晴れる。

気分転換にはいいかもしれないと思い、彼方はしぶしぶバトルに了承してくれた。

それを聞いてエマと果林はニヤリと笑う。

 

 

「決まりね。決戦は週末よ彼方!これからみっちり特訓するわよ!!」

「この3人でチームバトルが出来るなんて嬉しいな~!あ、当日は侑ちゃん達も呼んじゃう?」

「いいわね!ヒナタちゃん達も呼んであげましょうか。」

「ヒロトくん達は少し前から用事があるとかで全然誘いに乗ってくれないんだ~。この前のオフ会にも来てくれなかったし。」

「そう。それじゃあ仕方がないわね。」

 

 

(なんだか私の知らないところでどんどん話進んでるなぁ……)

 

 

果林もエマもだいぶ主張が強く、この二人に組まれると彼方は中々反論できない。

仕方なく黙って受け流していると、ガンダムベースの店長であるナナミが彼女たちの目の前にボールいっぱいに詰め込まれたトマトを置いてきた。

 

「「「!?」」」

「楽しそうな話してるじゃない!うちで採れたトマト食べる?採れたて新鮮!」

「採れたてって……。」

「あぁ、うち屋上で農園やってるの。」

「ガンダムベースなのに農園やってるんですか!?」

「コイツ、バイトの頃からここを私物みたいにしててさ……。」

 

呆れた顔でコウイチも隣に座って、トマトを手に取った。

3年ほど前からナナミがガンダムベースの屋上でやっている農園のトマトはビルドダイバーズからの評判が良く、リクがダブルオーガンダムと出会った時も食べていた事は有名な話。

トマトを一口齧り、エマは感動の声を上げた。

 

「ボーノ!とっても甘くて美味しいです!」

「良かった!いっぱい採れたから、たくさん食べてね!」

「冬前なのに新鮮なトマトが食べられるなんて。」

「ナナミは昔から変なところこだわるからなぁ。」

「お兄ちゃん!仕事中は店長って呼んでよね!」

「はいはい、ナナミ店長。近江さんも、どうぞ。」

「あ、はい……いただきます。」

「今度のチーム戦、私達も見に行っていい?」

「えぇ、構いませんよ。そうだ、コウイチさんにガンプラをもっと強くするコツを教えてほしいわ。」

「正直、ヴェルデさんと朝香さんのガンプラは完成され尽くされていると思う。簡単な微調整だけで大丈夫だよ。」

「じゃあ彼方ちゃんのバルバトスは?」

「元々、近江さんのビヨンドバルバトスは僕とツカサがGPDで戦う為に作った物だから、パイロットが操縦して戦う為の調整はほとんどされて無いんだ。」

 

 

彼方のガンダムビヨンドバルバトスは、装甲の強度と攻撃力を重視に作った、実機戦用の機体。

実機戦では遠隔操作によりガンプラを扱う為、パイロットを必要とするガンダムシリーズの特殊能力のほとんどは採用されていない。

たとえば、『SEED』や『Xラウンダー』などのスキルはGPDでは使用できず、ガンプラの性能に左右される部分が大きい。

そして、彼方の使うビヨンドバルバトスのベースとなった『ガンダムバルバトスルプスレクス』にも、『鉄血のオルフェンズ』ならではのとある機能が搭載されている。

 

 

「っと……さすがにそろそろ良い時間だね。この話はまた明日しようか。」

「そうだね。じゃあお兄ちゃん、戸締りよろしくー♪」

「実の兄を当然のようにコキ使うなよ……。」

「だって私店長なんだもーん♪」

「はぁ……なんでこいつが店長なんだか……。」

 

 

話の途中でコウイチが切り上げ、この件は翌日に持ち越しとなった。

いまだにトマトを頬張るエマを果林が止め、彼方はトマトを持ったままそれをジッと見つめる。

 

 

「ん?どうしたの彼方ちゃん?」

「ナナミさん、このトマト貰って帰ってもいいですか?」

「うん、全然OK!じゃんじゃん持って帰って!」

「彼方あなた……もしかして家に帰るの?」

「うん。いつまでも寮にいたら、果林ちゃんにもエマちゃんにも悪いし。」

「私達の事なら気にしなくていいよ?」

「ありがとうエマちゃん。でもやっぱり、遥ちゃんの事も心配だから……仲直りの印に、トマトパスタでも作ってあげたくて。」

「……そっか。」

「わかったわ。多分もうそろそろ遥ちゃんも帰ってる頃じゃないかしら?」

「え?果林ちゃんなんでわかるの?」

「あ!え、えっとぉ……ほら!彼方昨日言ってたじゃない!だからそろそろかな~って……。」

「果林ちゃん。」

「うぅ……ごめんなさいエマ……。」

「? よくわかんないけど、二人ともありがとね。じゃあ彼方ちゃん、先に帰るから~。」

 

 

トマトを手に持って、家に急ぐ彼方。

昨日から自分の事を『私』と言っていた彼方の一人称が『彼方ちゃん』に戻った事で、少しは元気になれたのかなと果林とエマは一安心。

二人は顔を見合わせると、ナナミとコウイチに別れの挨拶をして寮へと戻った。

 

 

 

 

~~

 

東雲学園はスクールアイドルの名門校。

遅い時間まで練習している生徒は珍しくなく、この日も多くのスクールアイドル達が練習に励んでいた。

そんな中、近江遥、クリスティーナ、支倉かさねの3人は、スクールアイドル部の部室では無く、ガンプラ部の部室へとお邪魔していた。

HG規格のガンプラを組み立てる3人を指導するのは、もちろんこの学園のガンプラ部の部員……では無かった。

 

 

「おぉ……!さすがは遥姫!とてもセンスが良い!!」

「あ、ありがとうございます……。」

 

 

「ねぇクリスちゃん、なんであの人、遥ちゃんの事『姫』って呼んでるの?」

「さぁ……私にはわかりかねます。」

 

 

3人を指導するのは、何故か東雲学園のガンプラ部の部員では無く、虹ヶ咲学園ガンプラバトル同好会の部長であるサクモト・ヤマト。

実は東雲のガンプラ部は、その名の通りただの『ガンプラ部』

ガンプラバトルを目的とした部では無く、展示物やアート作品としての、本来のプラモデルとしてのガンプラを作るための部。

その為、GBNやGPDでのガンプラバトルをするための機体作りとなると、ガンプラ部では指導が出来ない。

そこで遥が白羽の矢を立てたのは、彼方がガンプラバトルを始めるときっかけとなった彼女の親衛隊およびストーカーである虹ヶ咲学園ガンプラバトル同好会兼近江彼方姫親衛隊(正式名称)だった。

彼方のよく行く場所に彼女たちは出没するため、見つけるのは簡単だった。

親愛なる彼方姫の妹である遥も、ヤマト達にとってはまた『姫』となる。

遥のお願いであれば彼女たちは断る理由が無く、快く引き受けてくれた。

 

「クリスティーナさんも中々筋が良い。だが支倉さんはバリを残し過ぎだ。」

「あれ……?」

「アンダーゲートでは無い部分はどうしても切痕が残ってしまう。ヤスリで削り、それでも上手くいかなければサフを噴いて塗装してしまうという手もあるぞ。」

「アンダーゲート?さ、サフ……?専門用語ばっかでわかんないよ~。」

「かさねさん、その為にサクモトさんが色々道具を用意してくれているんですよ。」

「そっか!ありがとねヤマトさん!」

「フッフッフ……我が敬愛する彼方姫の妹君である遥姫の頼みとあらば、例えそれが火の中であろうと水の中であろうと、それこそ1年戦争の渦中であろうと駆けつける所存だ!!」

「へー!ヤマトさんいい人だね遥ちゃん!」

「アハハ……そ、そうですね……。」

 

実際のヤマトのストーカー行為を知らないかさねを見て、遥は苦笑。

悪戦苦闘の末、ついに自分たちのガンプラのベースとなる機体の素組みを終わらせると、初めて組み上げた自分のガンプラに3人とも感動の眼差しを向けた。

 

 

「か、かっこいい~!!クリスちゃんのガンプラはまさに、『ガンダム』!って感じだし、遥ちゃんのは変な形だけど滅茶苦茶カッコいいね!」

「そういうかさねさんのガンプラもカッコいいと思いますよ。オレンジ色がかさねさんっぽいですね。」

「オレンジ色っていうか、みかん色?私、Aqoursの高海千歌さんみたいなスクールアイドルになりたいからさ。ほら、この髪型だって千歌さんリスペクト。」

「ふむ、クリスティーナさんは『ポケットの中の戦争』のガンダムNT-1アレックス、支倉さんは『ガンダムOO』のアリオスガンダムか……いいチョイスだ。それにしても、遥姫がまさかその機体を選ぶとは……、」

「へ、変ですか……?」

「いや、彼方姫から以前聞いた時はガンダムキマリスかガンダムグシオンで悩んでいると聞いていたのだが、同じ鉄血機でもその機体なのかと驚いただけだ。」

 

 

遥の選んだガンプラは、彼方と同じ『鉄血のオルフェンズ』に登場するガンダム・フレーム。

彼方の勧めでかわいい体型のガンダムグシオンや騎士然としていてカッコいいガンダムキマリスで悩んでいた遥だったが、実際に選んだのはそのどちらでもない機体。

これは彼方と戦う覚悟を決めた遥が、自らの意志で選んだガンプラだ。

 

 

「さて、完成まで何日もかかってしまったが、ついに君たちのガンプラのベースが完成したわけだ。」

「ご指導ありがとうございました、サクモトさん。」

「もういい時間だ。今日は解散しよう。遥姫、ご自宅までお供いたします!」

「……私はもうちょっとだけ頑張ろうかな……。」

「遥さん?」

「多分、お姉ちゃんは今日も果林さんとエマさんのところに泊まると思うし……それに、今ちょっと喧嘩してるし……。」

 

 

遥は秘密特訓のためとはいえ、彼方に対して数日の間そっけない態度を取ってしまっていた。

それに対して彼方の方も憤りを感じ、珍しく強い口調で怒られた。

そのせいで姉は昨日の夜、家を飛び出してしまい果林とエマの寮へ。

 

 

「遥姫、朝香さんとヴェルデさんには本当の事を話したのだろう?」

「はい。」

「部外者である私が口をはさむ事では無いと思うが、私は彼方姫にもこの事を話すべきだと思う。」

「でも……。」

「遥さんのお気持ちはわかります。遥さんを支えてくれた彼方さんをライバル視してしまう事が、申し訳ないんですよね。」

「スクールアイドルはライバルって言っても、姉妹だし、そう簡単には割り切れないよねぇ。」

「お姉ちゃんは凄い人なんです。スクールアイドルとしてもガンプラファイターとしても……だから私は!」

「しかし遥姫、それであなたも彼方姫も傷ついてしまっては、元も子もないと思うのだが。」

 

 

その言葉で、遥はその先の言葉を失った。

彼方をライバル視している事は悟られたくない。

しかし、彼方と喧嘩もしたくない。

選んだ機体は彼方に相談した物とは違う物だし、そのために彼方に対してそっけない態度を取ってしまった事も申し訳なく思っている。

 

 

「遥姫。」

「は、はい。」

「私はかつて、彼方姫からガンプラバトルを心から楽しむ心を教わった。今の遥姫がガンプラバトルを始めたところで、私は楽しいバトルが出来るとはとても思えない。」

「そう……ですかね……。」

「最終的な判断を下すのは遥姫自身だ。今のあなたが本当に何をしたいのか、よく考えてみてくれ。」

 

 

 

~~

 

現在時間は21時。

どんなに遅くても、この時間ならさすがに遥は帰っているだろうと思いながら、彼方は自宅へと帰って来た。

 

「ただいまー。遥ちゃ……って、いないのか……。」

 

 

しかし、遥はまだ帰って来ておらず、部屋の電気は消えたまま。

彼方はため息をつきながらもキッチンに立ち、ナナミから貰ったトマトと買い置きのパスタを並べる。

もしかしたら、昨日彼方が出て行ってしまったせいで、遥は友達の家に泊まっているのかもしれない。

夕飯もいらないと言っていたし、帰って来ない可能性の方が高い。

それでも、もしかすると帰ってくるかも……そう信じて、彼方はキッチンで料理を作る。

 

やがて料理が完成し、お皿に盛りつけると、それにラップを被せてテーブルに置く。

彼方も椅子に座り、鞄から参考書を取り出して遥が帰ってくるまで勉強を続けた。

 

 

「……お、お姉ちゃん……!?」

「あ、遥ちゃん、おかえり。」

「……た、ただいま……。」

 

 

それからおよそ1時間後……遥が帰宅した。

彼女はいつも下げているバッグとは違うもう一つのバッグを持っていて、彼方の顔を見るなりそれを隠すような動作を見せた。

料理はすでに冷め切っていて、テーブルに置いてある料理と彼方の顔を交互に見て、遥は悲しそうな表情に。

 

「ごめんね……御夕飯、いらないって言ってたのに……遥ちゃんにも食べてほしくて用意しちゃった。」

「………お姉ちゃん……ごめん。」

「どうして遥ちゃんが謝るの?」

「昨日、私お姉ちゃんに酷い事言っちゃったのに……。」

「ううん、私の方こそ。お姉ちゃんなのに、ムキになっちゃった。」

 

 

椅子に座り、料理のラップを取る遥。

冷めてしまったトマトパスタにフォークを伸ばす。

いらないと言っていたのに、喧嘩をしていたのに、こうして美味しいごはんを用意してくれた彼方。

一口食べるたびに遥は心が締め付けられそうになった。

 

 

「お姉ちゃん……。」

「ん?」

「あのね……話があるの。」

 

 

鞄から少し大きめの箱を取り出すと、遥はそこからガンプラを取り出した。

 

白い装甲を纏ったガンダム・フレーム……『鉄血のオルフェンズ』に登場するマクギリス・ファリドの操る

ガンダム・フレーム初号機、その名も『ガンダムバエル』

 

まだ素組みの段階のガンプラを見せつけられ、彼方は目を丸くした。

 

 

「ガンプラ……!?」

「……実はここ何日間か、クリスさんやかさねさんと一緒に、ヤマトさんにガンプラの作り方を教えてもらってたの。お姉ちゃんと、ガンプラバトルするために……。」

「私と?」

「この前のライブの時、スクールアイドルとしてだけじゃなく、GBNでも活躍しているお姉ちゃんが注目されてて、嬉しかったけど、それ以上に悔しかったんだ。いつも私の為に頑張ってくれてたお姉ちゃんに対して、そんな事を考えちゃうなんて……。」

「遥ちゃん……。」

「その時にかさねさんが提案してくれたの。私達もGBNデビューしようって。それで次のライブの時、お姉ちゃんたちに挑戦しようって事になって……。」

「もしかして果林ちゃんが言ってた次の対戦相手って、東雲学園なの……?」

「うん……。本番まで内緒にしておくつもりだったんだけど……だけど私、このままお姉ちゃんと喧嘩したままライブを迎えたくない!ごめんお姉ちゃん!私、お姉ちゃんをライバル視しすぎて、大事な事見失ってた!」

 

 

そう言いながら、遥は彼方に頭を下げた。

しかし彼方は怒るどころか優しく微笑み、遥の頭を撫でる。

 

 

「そっか……遥ちゃん、彼方ちゃんの事をそんな風に思ってくれてたんだね。」

「怒らないの……?」

「どうして?私ね、嬉しいんだよ。遥ちゃんが私の事を、一人のスクールアイドルとしてライバルだって思ってくれた事。実は私も、遥ちゃんのライブを見て、大はしゃぎしてるけど、それでもちょっとジェラシー感じてるんだよ。」

「えぇ!?そ、そうなの!?」

「当たり前だよぉ。だって遥ちゃんはすっごく素敵なスクールアイドルなんだもん。同じスクールアイドルとして、負けられないよ。」

「お姉ちゃん……!」

「……よし、決めた!」

 

 

何かを決意した彼方は勢いよく椅子から立ち上がった。

彼女は急いで荷物を纏め、玄関へ。

突然のことに遥は驚き、そんな遥へ向かって彼方はビシッと敬礼。

 

 

「彼方ちゃん、これから遥ちゃんのライブ当日まではエマちゃんのところにお世話になります!」

「え……えぇ!?」

「その方が、遥ちゃんも集中できるでしょ?」

「そうだけど……。」

「お互い、手の内は晒さないようにしようよ。彼方ちゃんは遥ちゃんのガンプラ見ちゃったし、遥ちゃんは今までの彼方ちゃんのバトルを見て来てるから、これから先はお互いに内緒。最初遥ちゃんがやろうとした通りだよ。」

「いいの?」

「うん、だから、遥。」

 

 

いつも通り『ちゃん』付けではなく、呼び捨てで自分の事を呼ぶ彼方。

普段呼ばれない呼ばれ方をして少しドキッとしてしまう遥だったが、彼方は笑顔で遥に言った。

 

 

「楽しいバトル、しようね!」

 

 

 

 

~~

 

 

こうして、彼方は遥と戦う覚悟を決めた。

次の日、果林、エマと共に再びガンダムベースを訪れた彼方達の前に、コウイチとナナミが現れた。

今から始まるのは、彼方のビヨンドバルバトスを本来あるべき形へと戻すための作業だ。

 

「それじゃあ始めるよ。今こそビヨンドバルバトスに、『阿頼耶識システム』を取り戻すんだ!」

 

 

 

 





~にじビル毎回劇場~

第46回:まもなく3rdライブ

リク「もうすぐニジガクのライブか~、楽しみだねユッキー。」

ユキオ「うん!」

モモカ「あれ?コレ出演者少なくない?9人しかいないよ?」

ユキオ「侑ちゃんは応援出演で、栞子ちゃんは生徒会の用事でどうしてもいけないんだって。」

モモカ「そっかー……10人曲見たかったなぁ。」

コウイチ「当日は皆で応援に行こうか。」

サラ『私、前の方の列で見たい!』

リク「ハハハ、そうだね!俺も前で見たいな!」

アヤ「待って皆!その前に……チケット、誰か持ってる……?」

コウイチ「え?」

モモカ「誰ももらってないの?」

ユキオ「いや、今回のライブはチケットは抽選だったと思うけど……。」

リク「ま、まさか……誰もチケットを持って無いのか……!?」

サラ『アユム達、見れないの……?』

リク「さ……サラ……。」

ナナミ「フッフッフ、お困りの様ね!!」

コウイチ「ナナミ!!」

ナナミ「こういう事もあろうかと、全員分のチケットはあらかじめ当選済みよ!!」

コウイチ「なんで!?」

ナナミ「私の運の良さ知ってるでしょ?おにーちゃん♪」

アヤ「さすがナナミさん!」

モモカ「カッコいい!よっ!店長!」

サラ『ありがとうナナミ!』

リク「ほ、本当に当てたんですかね……?」

コウイチ「ナナミなら当てかねないなぁ……我が妹ながら末恐ろしい……。」

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