『まだ立ち上がるのか?』
『ったりめぇだぁ……!』
『あきらめない……!!』
チャンピオン、クジョウ・キョウヤの駆るガンダムAGE-2マグナムSVを前に、ボロボロになりながらも立ち上がる二機のガンプラ。
一機はフォース『百鬼』のリーダー、オーガのガンダムGP-羅刹。
そしてもう一機は、フォース『ビルドダイバーズ』のエース、リクのガンダムダブルオースカイ。
『俺、ガンプラが……ガンプラバトルが大好きです。ガンプラが……ガンプラバトルが大好きだという気持ちで、たくさんの人とつながりあえる……そんなGBNが大好きで、そこで出会ったのがサラなんです……!』
大勢のガンプラたちが戦いの手を止め、リクの言葉を聞いていた。
『サラに、いっぱい教えてもらった!いっぱい経験した!みんなとの絆……ガンプラとの繋がり……楽しむ気持ち……あきらめない事……前を向いて進むこと……ガンプラが、大好きだってこと!いっぱい、感謝している!!』
今までのサラと過ごした日々を思い出しながら、リクは涙する。
それを、AVALONのフォースネストで聞いていたサラも同様に。
そして、同じような経験をし、最悪の結末を迎えた者も、心の中で。
『俺たちの『好き』が生んだ命がサラなら、俺たちの手で、サラを消したりなんかしちゃいけない!!自分たちの『好き』を、自分たちの手で否定したくないから!!だから!!』
そして、立ち上がったダブルオースカイ。
リクは、ビルドダイバーズの皆と共に、チャンピオンに、GBNに、そしてサラへ向けて叫んだ。
『『『『『俺たちは、俺たちの『好き』を、あきらめない!!!』』』』』
こうしてぶつかる、AGE-2マグナムSVと、ダブルオースカイ、GP-羅刹。
3人の必殺技がぶつかりあい、GBN全体に衝撃が走る。
今まで誰も突破したことが無い、クジョウ・キョウヤの必殺技。
必殺『ハイヤーザンスカイフェイズ』で、それを突破したダブルオースカイは、まっすぐにサラを目指す。
『行けよ!!ビルドダイバーズ!!!』
『サラぁあああああああああああ!!!』
『リクーーーーーーーー!!』
ついに、囚われたサラを取り戻したリク、そしてビルドダイバーズ。
『BATTLE ENDED!WINNER BUILD DIVERS!』
ビルドダイバーズの勝利を知らせる声が、GBN中へと流れた。
そして、ここで動画は終了した。
~~
「くぅ~………!!やっぱり、何度見ても最っ高です!!ビルドダイバーズ!!熱い……熱すぎますよぉぉ!!」
「ホントだね~!みんなまっすぐって感じ!」
「わかってくれますか愛さん!!」
「せっつーがハマるのもわかるよ!愛さんも今、同じ気持ちだもん!」
エマの帰国が週明けに迫った土曜日……宮下愛は、優木せつ菜もとい、中川菜々の家に遊びに来ていた。
愛が持っているゲームを遊んでみたいとせつ菜が言ったので、こうして家にお呼ばれしていたが、ある程度遊んだところで休憩時間と言う事でスマホで動画を見ていた。
最初はスクールアイドル関連の動画を見ていたのだが、せつ菜の検索履歴から『第二次有志連合戦』という単語を発見し、気になって見てみたのだった。
「せっつーはガンプラバトルやってないの?こういうの、真っ先にやりそうなじゃん。」
「いえ……やってみたいとは思うんですが、以前は両親からこういったものは禁止されていたので……。今でこそスクールアイドルへの理解は得られていますが……それでも、一人で始めるのは心細くて……。」
「えぇ?じゃあ愛さんと一緒にやろうよ!愛さん、こういうの見るとめっちゃ燃えるんだよね!」
「いいんですか?」
「もち!それに、リクだって言ってたじゃん!自分たちの好きを、自分たちの手で否定したくないでしょ?」
「あ、ありがとうございます!そうと決まれば、善は急げです!!行きますよぉぉぉぉ!!うおぉおおおお!!!」
「え?あ、ちょっ、せっつー財布とかスマホとか忘れてるよ!!せっつーーーーー!!!」
~~
勢いよく家を飛び出した二人は、そのまままっすぐダイバーシティへと向かった。
せつ菜にとってここは、自分のスクールアイドルとしての一生を一度終えた場所で、全員で『TOKIMEKI Runners』を披露して同好会として再起を果たした場所。
そこにあるガンダムベースに入店すると、今まで以上に目を輝かせてあたりを見渡す。
「すごい……これ、全部ガンプラなんだ……!うわー!すごくわくわくする!」
「ハハハ、せっつー興奮しすぎ!」
「愛さん、私と一緒に来てくれてありがとうございます!」
「何度もお礼言わなくてもいいって!それにしても、休日だからお客さんも多いね~。新しい友達とか出来るかもね!」
「愛さんならすぐ仲良くなれそうですね。」
「誰とでも出会ったその日には仲良くなる!っていうのが愛さんのモットーだからね。せっつー、ガンプラ選んでおいでよ。」
「はい!実は私、心に決めていたガンプラがあるんですよ!」
「そうなの?なになに?」
二人が向かったコーナーは、『機動戦士ガンダムOO』シリーズが立ち並ぶ棚。
その中で一番目立つ場所に置かれているダブルオーガンダムには、『あのビルドダイバーズ リクの愛機!!』というポップが貼られてある。
あの動画を見ていたら、そりゃダブルオーが欲しくなるよな、と思いながら愛がせつ菜を見ていると、彼女が手に取ったのはダブルオーではなく、下の棚に置かれているダブルオーによく似たガンプラだった。
「ダブルオーじゃなくていいの?」
「はい!私が一番好きなガンダムは、この『ガンダムエクシア』なんです!」
「ダブルオーに似てるね。」
「このエクシアは、『機動戦士ガンダムOO』の1stシーズンでの主人公の乗っていた機体で、これの後継機がダブルオーガンダムなんですよ。」
「でも、それならどうしてわざわざ強い方のダブルオーじゃないの?」
「フッフッフ!いい質問ですね愛さん!そんなの、エクシアが『せつな』の嫁だからに決まってるじゃないですか!!!」
ちょっと何を言っているのかわからなかったが、せつ菜がすごく楽しそうだったので愛もすごく楽しい。
それでも、少しの間の沈黙が恥ずかしかったのか、せつ菜が必死に説明してくれていた。
「あ、あの、『せつな』というのは私の事ではなくて、主人公の『刹那・F・セイエイ』の事でして……『OO』の最終回でも刹那がダブルオーではなくエクシアで戦いに臨んでて……!」
「じゃあ今度一緒に見よう!」
「は、はい!」
「そんじゃ、愛さんも何か買おうかなー。どれがいいかなー?せっつー、おススメとかある?」
「愛さんは運動神経もいいので、機動力のあるZガンダムや、近接格闘にすぐれたアストレイなんかいいかもしれません。でも、やっぱり自分が気に入ったガンプラを買った方が愛着も湧くと思いますよ!」
「そっかー。どれにしようかなー。」
そういえば、と愛は思い出した。
彼女が小さいころ、近所の男の子たちがよくガンプラを持ち寄って遊んでていた。
小さな子供のお小遣いでも買える、それでもかっこいいガンプラ。
おばあちゃんにお願いして買ってもらおうとしたけど、売ってなくて悲しい思いをした。
今まで忘れていた事だったけど、せっかくならあの時買えなかったガンプラが欲しい。
必死にその姿を思い出しながら、愛は棚を探し回った。
「何か探しているのか?」
「え?」
「いや、ずいぶん困っていたから……どんなものか教えてくれたら、探すのを手伝おうか?」
その時、背の高い男が話しかけてきた。
シドー・マサキと名乗るその男は、愛からガンプラの特徴を聞きながらそれをメモしていく。
「大きい二本の角……青くて、小さい……。」
「あと、刀みたいな物を二本持ってたと思う。」
「……もしかして、『武者烈伝』の『天翔狩人 摩亜屈』か?」
「まあくつう?変な名前ー!」
「武者頑駄無は奇抜な名前が多いからな。しかし参ったな……このガンプラは製造がかなり前で、店舗に置いてある事は少ないぞ。」
「えぇ!?そんなぁ……愛さんショックぅ……。」
「一応、見て見よう。SD系はこっちのコーナーだ。」
マサキに案内されたコーナーには、小ぢんまりとしたガンプラがいくつも置かれていた。
どれも普通のガンプラよりも安価だが、『飛駆鳥(ビクトリー)大将軍』や『新世大将軍』と言った、『大将軍』と名のつく物は、普通のHGよりも根が張る代物となっている。
「へー!ちっちゃいのだけでもこんなに種類あるんだー!」
「SDガンダムも歴史が長いからな。俺としては、また戦国伝シリーズをやってもらいたいんだが、今展開している三国創傑伝も素晴らしい。SDなのにマッシブな造形が多く、熊のように力強い。」
「熊?」
「いや……それより、どうだ?見つかったか?」
「うーん……あっ!あった!!」
お目当ての物を見つけ、愛はそのガンプラを手に取った。
それをマサキに見せつけるが、彼は顎に手を当て、首をかしげている。
何故なら、確かによく似たガンプラではあるが、これは『天翔狩人 摩亜屈』ではないからだ。
「宮下、それは摩亜屈じゃない。」
「え?でも、愛さんが子供の頃に見たやつはこんな感じだったよ?」
「それは摩亜屈をベースにリデコした『直江兼続頑駄無』だ。名前も書いてあるだろ。」
「ホントだー!アハハ!!偉人の名前がついてるガンプラなんて、いーじんせんだね!『いじん』だけに!」
「ふむ……やはり、烈伝シリーズは販売していないようだ。すまない、君の目的の物を見つけられなくて。」
「ううん!ありがとうねマサくん!」
「マサくん……?」
「あだ名だよ!愛さん、このガンプラにするよ!ほら、頭のところに『愛』って書いてあって、まさしく愛さんにぴったりじゃない!?」
目的の物よりももっといい物を買えたと言う事で、愛はマサキに感謝した。
直江兼続頑駄無を購入すると、せつ菜の待つ製作ブースへと向かう。
摩亜屈が見つけられなかったお詫びにと、マサキがガンプラ製作を手伝ってくれることになった。
「お待たせー!せっつー!」
「愛さん!気に入ったガンプラはありましたか?」
「うん、これ!」
「武者頑駄無ですか!兜飾りが『愛』になってるんですね。」
「もうこれしかない思ってさー!あ、そうだ。紹介するね!さっき友達になったマサくん!」
「シドウ・マサキだ。」
「えぇ!?まさか、ナンパですか!?い、いけませんよ愛さん!!アイドルがそんな……!」
「何の話だ?」
「違う違う!ガンプラ探し手伝ってくれて、作るのも教えてもらおうと思って。」
「そ、そうですか……。では、よろしくお願いします!」
「あぁ。任せろ。」
マサキの指導の下、エクシアと直江兼続頑駄無の製作に取り掛かった二人。
元々古いキットのリデコである直江兼続頑駄無はそう時間はかからずに製作でき、エクシアの方も順調に組み上がっていく。
そんな二人とマサキの姿を発見し、駆け寄ってきた者がいた。
「おーい!愛ちゃーん!せつ菜ちゃーん!!」
「ん?あれぇ!?ゆうゆと歩夢じゃん!」
「二人もガンダムベース来てたんだ。凄い偶然だね。」
そこにいたのは、同じ同好会メンバーの高咲侑と上原歩夢。
二人ともすっかりGBNにドハマりし、練習の後や休日にはこうやってガンダムベースに寄る事が日課になっていた。
「私と歩夢、昨日ようやくDランクに上がったんだ!」
「栞子ちゃんももうすぐランク上がりそうって言ってたし、1年生のみんなも結構やりこんでるみたいだから、近々フォースを組もうって話になってるの!」
「え!?みなさん、もうそんなに!?どうして誘ってくれなかったんですか!?」
「ご、ごめんごめん。私たちが始めた日はみんな用事でいなかったから……。」
「まぁまぁ、落ち着きなってせっつー!愛さん達もこれから追いつけばいいんだからさ!」
「かすみちゃんのガンプラ凄いんだよ!私、初めて見たときびっくりしちゃった!」
「璃奈ちゃんのも凄かったよね!なんか……ガンプラっていうか、スーパーロボットみたいだったよ。」
「しずくちゃんのはとっても綺麗だったよ。確か……Oガンダム?っていうの。」
「Oガンダムですか!それはぜひとも私のエクシアと一戦交えてみたいです!」
「二人とも、順調そうだな。」
「あれ!?マサキさん!?うわぁ、久しぶりー!」
「え?そこ知り合いなの?」
話を聞くと、マサキは侑達が初めてガンプラを作った時も指導をしてくれたらしい。
栞子のデスティニーの破損を直してくれたりもしたそうだ。
「あの後、お友達には会えたんですか?」
「あぁ。久しぶりに、アイツと一緒に飛ぶことが出来た。二人の活躍はマギーさんから聞いている。NT-Dが使えるHGのユニコーンの事もな。」
「それ、マギーさんにも言われたんだけど、よくわかんないんだよね。今度、シャフリヤールさん……?っていう人に見てもらう事になってるんだけど、なかなか会えなくて。」
「シャフリヤールさんですって!?」
「うわっ!?どうしたのせつ菜ちゃん……?」
「シャフリヤールさんと言えば、GBNでもトップレベルのビルダーとしても有名な方ですよ!?侑さんも動画見たでしょう!?有志連合戦で、セラヴィーガンダムに乗っていた方です!!」
「あー……そういえば、いたような……?」
「それにマギーさんと言えば、あのビルドダイバーズのリクさんを導いたSランクダイバー!あの方無くして、今のビルドダイバーズは無かったと言っても過言ではありません!!愛さん、こうしてはいられません!私たちも早く、歩夢さん達に追いつきますよ!!」
必死に語ってくれるせつ菜の目は、とても輝いていた。
ようやく完成したガンダムエクシアと直江兼続頑駄無を手に、せつ菜と愛は専用のダイバーギアを受け取った。
今日はマサキも一緒にGBNにログインしてくれるそうだ。
彼の持っているガンプラはMK-IIIがベースになっていて、その隣には支援機らしき黒いドラゴンの様なガンプラが置いてある。
『ID data convert Please scan your Gunpla』
それぞれのガンプラをスキャンし、ニジガク2年生の4人と、マサキはGBNへと旅立った。
~~
「めっちゃひろーーーーい!!!」
ロビーを飛び出し、GBNのセントラルエリア全体が見渡せる高台へやってきたのは、コギャル風の衣装に身を包んだダイバールックの宮下愛、ダイバーネームは『アイ』
興奮する彼女の下に、現実世界と全く同じ姿のダイバールックの優木せつ菜、ダイバーネーム『セツナ』と、ユウ、アユムがやってきた。
「これがゲームの中ってマジ!?超リアルじゃん!めっちゃテンあげ!!」
「私も、ここまでリアルだなんて思っていませんでした!現実とほとんど変わらないんですね。」
「私もはじめて来た時は驚いちゃったよ。凄いよね、GBN!」
「セツナちゃん、いつものアイドル衣装と同じ姿にしたんだね。てっきり、アニメのキャラと同じ姿にするのかなって思っちゃったよ。」
「はい!最初は、刹那・F・セイエイと同じ格好にしようかと思ったんですが、やっぱりありのままの自分で、大好きな事をしたいなと思いまして。それに私、普段の格好が、もうアバターみたいですからね!」
「ハハハ、それ自分で言っちゃうんだ……。」
「そういえば、ゆうゆとアユムの二人だけ?マサくんは?」
「ロビーまで一緒だったんだけど、友達とはぐれたって子を見つけて、一緒に行っちゃったんだ。」
「えぇ、大変じゃん!アイさん達も手伝った方がよくない?」
「私もそう言ったんだけど、『好きでやってることだから』って。」
「いい人ですね、マサキさん。」
マサキは前に侑達と出会った時も、今回も、思い返せば困っている彼女たちを助ける為に声をかけてくれた。
きっと彼は困っている人を放っておけない性質なのだろう。
いつかそんな彼と一緒に、ミッションをプレイしてみたいものだ。
~~
まずは、ユウとアユムと一緒に遊ぶために、チュートリアルミッションにチャレンジするアイとセツナ。
ミッション内容は前に二人がクリアしたものと同様、グレイズ5機の殲滅。
今回は邪魔など入らずに、二人はスムーズにチュートリアルを終わらせていく。
受付に報告をしてチュートリアルミッションのクリア報酬を受け取ると、さっそくユウとアユムと一緒に他のミッションを受注してみた。
「今日はどれやる?」
「うーん、最近は殲滅ミッションばっかりだったし、単騎撃破ミッションなんてどうかな?」
「シンプルでいいね!面白そうなのは、『VSデビルガンダム』とか『VSデストロイガンダム』かな……二人は何がいい?」
「アイさんは楽しそうなのなら何でもいいよ!セッツー決めなよ!」
「いいんですか?じゃあ、これで!」
そう言いながらセツナが受注したのは、『VS魔星(マスター)大将軍』
SD系のボスキャラということであまり人気の無いミッションだが、難易度は他の撃破ミッションに比べて低め。
セツナとアイは初心者のため、これでも少し難しいぐらいだが、残りの二人……特に、アユムの成長スピードはマギーも認めるレベルであるため、4人で挑むには丁度いいだろう。
「今日は使えるかな、NT-D!」
「もう、あれ使ってる時のユウちゃんは本当に怖いんだからやめてよね!」
「でもあれから一度も発動してないから気になるじゃん。」
「気になりません。ほら、行くよ。」
さっそくカタパルトへ行き、それぞれのガンプラに乗り込むとする4人。
この時に初めてアイとセツナは、ユウとアユムのガンプラを等身大サイズで目にした。
ユウのレインボーユニコーンは同好会メンバーのイメージカラーが取り入れられていてとても綺麗で、アユムのドリームインパルスには、シルエットに新しく二本のレイピアが取り付けられている。
「うわぁ~……!ゆうゆのユニコーンも、アユムのインパルスもめっちゃカッコいいじゃん!すごくキラキラしてる!」
「私たち、家でお互いのガンプラの相談なんかもしてるしね!途中で寝落ちしたアユムの顔ってすごく可愛いんだよ。」
「ユウちゃん余計な事言わなくていいよ!!」
「お二人は、GBNで何か目標とかあるんですか?」
「目標?」
「はい。チャンピオンになりたいとか、有名になりたいとか、色々目的を持ってGBNをしている人もいますし。私みたいに、ガンダム作品が好きでやってる子もいます。何か目標とかあれば教えてください!」
「うん!あるよ、もちろん!」
そういうと、ユウはレインボーユニコーンへと手を伸ばした。
以前アユムへ語った夢、そこからさらに見つけた、大きな目標。
「同好会の皆で、最高にかわいくて最強に強いガンプラアイドル!そしていつか、リクさんと……ビルドダイバーズとバトルしてみたい!!」
~~
『こ、こいつ……強い!!』
『どうなってんだあの装甲!?びくともしねぇぞ!!』
同じ頃、GBNでフリーバトルを挑まれた一人の男。
大柄の体に黒いマント、そして黒い仮面をつけたその男は、自慢の愛機と共に目の前の敵機3体に銃口を向ける。
『諦めるんじゃねぇ!!俺たち、フォース『魂太(ごんぶと)』の男気を見せてやろうぜぇ!!』
『あ、兄貴ぃ!!』
『リーダー!!』
愛機であるビルドγガンダムに乗り込み、男のガンプラへと挑むフォース『魂太』のリーダー兼アニキであるオノコ。
舎弟のノブヲとザカモトと共に、男のガンプラへ攻撃を仕掛ける。
ただ、装甲が厚すぎて相手は全く動じていない。
「私の『ヴェルデブラストガンダム』は、そのぐらいじゃ倒れないよ。」
男のガンプラは、ヴェルデバスターガンダムの改造機である『ヴェルデブラストガンダム』
全身に取り付けてある砲台が全て大型化された、超重量級のガンプラだ。
もはやバズーカとも言えるほどの巨大なライフルを構え、引き金を引く。
『『ひぃっ……!?』』
たった一撃でノブヲとザカモトを撃破してしまい、残るはオノコのビルドγガンダムのみとなってしまった。
オノコはその筋骨隆々の見た目らしかぬほどの涙にまみれた表情で、足を震わせていた。
「あとは君一人だけ……。」
『ま……負けないもん!!だって、今日の占い……1位だったんだからぁああ!!!』
ドカアアアアアアン!!!
強烈な爆発音とともに、ゲームオーバーとなるビルドγガンダムとオノコ。
男はヴェルデブラストガンダムから降りると、オノコへ握手を求めた。
「いいバトルだったよ。」
「あ……あんた、強いじゃねぇか……!な、なぁ!最後に名前を教えてくれねぇか!?」
「私の名前?エ………いや、ヴェルダー卿、とでも名乗っておこう。」
「ヴェルダー卿……!マジかっけぇッス!!俺、ファンになりました!!」
「ねぇ、リーダー……?」
「『ZA-AZ』の追っかけやるんじゃなかったんスかー……?」
「う、うるさいなぁもう!いいじゃない別に!ホントにかっこよかったんだもん!!」
「グラッツェ。そう言ってもらえると、エモエモで嬉しみが深くて草だよ。」
「は?え、今なんて……?え?」
「さて……私はもう行くよ。友人を待たせてあるんでね。」
再びヴェルデブラストガンダムに乗り込み、飛び立とうとするヴェルダー卿。
最後まで彼を見送るために手を振っている『魂太』たちへ、彼もまた、返事を返した。
「アリーヴェデルチ(また会おう)!!」
~にじビル毎回劇場~
第4回:せつ菜(エクシア)VS菜々(ダブルオー)
せつ菜「やはり、『せつな』と言えばエクシアですよね!」
菜々『お待ちなさい。』
せつ菜「あ、あなたは!心の中のもう一人の私!!」
菜々『本当にそう思ってるんですか?本当にエクシアでいいんですか?』
せつ菜「どういう事ですか?」
菜々『あなた、本当はダブルオーが作りたいんじゃ無いんですか?でも、ビルドダイバーズのリクの真似と思われるのが嫌で、自分の大好きに蓋をしているんじゃないんですか?かつての私みたいに。』
せつ菜「そんな事はありません!私は本当にエクシアが……だって私は『せつな』なんですよ!?」
菜々『ダブルオーだって『せつな』ですよ。それに、私たちは『なな』です。ほら、ここにあるでしょう?私たちにピッタリな……『ダブルオーガンダム セブンソード』が。』
せつ菜「わ……私は、どうすれば……!?あぁ~……!!」
愛「せっつーは表情がコロコロ変わって見てて飽きないなー。さっきから誰と話してるの?」