ニジガクビルドダイバーズ   作:バース・デイ

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ホントは今回別のキャラの話だったけど、公式からの推しの供給の洪水により書かざるを得なくなった……。

ありがとう……しおにゃんありがとう……ハンバーガーありがとう……。

ちなみに元々予定していなかったのでいつもより短いです。




初めてのアルバイト

最近、しずくと栞子は練習はペアでやることが多い。

二人は1年生の中でも背が高い方で、体格もよく似ているため、1年生だけで練習をする時の柔軟などは二人で行っている。

なお、全体練習の時はしずくはかすみ、栞子は歩夢とよく組んでいる。

今日はかすみは彼方と一緒にパン作り、璃奈は愛とミアと出かけているため、二人だけで練習中。

練習の際、栞子が使っているミニタオルを、しずくがジッと見つめていた。

 

「あ、栞子さんのミニタオルかわいい~」

「これですか?これはその……以前、歩夢さんにお借りして、そのままいただいてしまったものなんです。」

「そうなの?」

「はい、入部したての頃、タオルを忘れてしまいまして……、」

 

 

~~

 

当時、入部したての栞子は、入部の際に自分を手助けしてくれた歩夢に連れられ、部室の中を改めて案内されていた。

 

『栞子ちゃんの荷物置き場、この辺適当に使ってね。』

『はい。』

『あ、もし忘れ物とかしちゃっても、なんでも貸せるように準備してるから安心して。』

『ありがとうございます、歩夢さん。でも、多分忘れ物はありませんので。』

 

大切な部活初日、忘れ物が無いかどうか、昨晩寝る前と起床後登校前に荷物はもちろんチェック済み。

このために買ったシューズや、入部祝いにせつ菜から貰った靴ひも、練習着、当然タオルもちゃんと準備している。

栞子がそう答えると、先ほどまでウキウキで先輩面をしていた歩夢が、少し落ち込んでしまった。

 

 

『そうだね、栞子ちゃんてしっかりしてるもんね……。私なんかよりもずっとずっと……。』

 

 

しまった、と栞子は思った。

なんとか歩夢を元気づける為、彼女は頭の中で思考を巡らせ、そして思い至った結論は……、

 

 

『あ、あ、あの!あの、やっぱり、今日は忘れ物をしてしまったようです。えっと……タオル……を、忘れてしまいました。』

 

 

忘れ物をした、と嘘をついた。

さすがに苦しいかと思ったが、栞子が歩夢を見ると、彼女の表情はとても明るく、先ほどまでの先輩面を取り戻していた。

キラキラした顔で歩夢は自分のポーチを取り出した。

 

 

『任せて!たくさん持ってきてるの!えっと……はい、これ。私のと色違いのやつ!』

『わ、かわいい……。』

 

 

そこから歩夢が取り出したのは、ピンク色のミニタオル。

歩夢の普段使っている緑色のミニタオルと、同じ模様の色違い。

彼女の愛用の物らしく可愛らしい花柄の刺繍がされていて、思わず見とれてしまった。

 

 

『えへへ、お気に入りなんだ。さ、練習行こう、栞子ちゃん!皆待ってるよ!』

『はい!これから、よろしくお願いします!』

 

 

 

~~

 

 

「……その時お借りしたんですが、洗濯してお返ししようとしたら『持ってて』と。」

 

 

歩夢との入部初日の事を話し終え、大事そうにミニタオルを畳む栞子。

その様子を見ながら、しずくは微笑んだ。

 

 

「ふふ、その時からのお気に入りなんだね。」

「え?」

「栞子さん、今すごくニコニコしてるもん。」

 

 

しずくに言われて、思わず自分の顔を手で覆う。

改めて言われると、だいぶ恥ずかしい話をしてしまったと一人落ち込んでいると、『でも』としずくが続けた。

 

 

「でも、ちょっと悔しいな……私たち1年生同士でも、お揃いで何か揃えたい……。」

「いいんですか!?」

「そんなに驚かなくても……。もちろんいいよ、っていうか、お揃いのもの欲しいな。1年生同士の団結の証として!かすみさんと璃奈さんにも相談してみない?」

「しましょう!わたし、おふたりを呼んできます!」

「あ、ちょっと待って栞子さん!二人とも今日は用事でいないよ!ちょっとどこ行くの!?栞子さん!?栞子さーーーーーん!!!」

 

 

 

~~

 

 

逸る気持ちを抑えきれなかった栞子をなんとか抑えたしずく。

この後は二人で遊びに行く約束をしていて、冷静になった二人は更衣室で練習着から制服に着替える。

着替え終わり、練習着をカバンに入れようとした栞子の目に、その中に入れてある歩夢から貰った、しずく曰く『お気に入り』のピンクのミニタオルが入った。

 

 

(そう言えば、私はいつも歩夢さんからいただいてばかりですね……。このタオルもそうですし、美味しいお菓子や、スクールアイドルとしての大切な事も全部……。)

 

 

「OK、着替えおーわりっと。栞子さん、行こっか。」

「…………。」

「どうしたの?」

「え?あ、な、なんでもありません!行きましょうか。」

「うん。どこか行きたいところとかある?やっぱりガンダムベース?」

「今日はたくさん練習しましたから、甘い物が欲しいですね。」

「フフ、栞子さんって甘い物大好きだよね。甘い物ばかり食べてると、ほっぺたもちもちになっちゃうよ?」

「かすみさんのコッペパンの食べ過ぎでぷくぷくになってしまったしずくさんに言われたくはありません。」

「ぷ、ぷくぷくなのは栞子さんもでしょう!?」

 

 

仲睦まじい言い合いをしながら、二人は甘い物を求めてお台場のショッピングモールへと繰り出す。

よくコッペパンの移動販売をやっているが、かすみのコッペパンに体の隅々まで侵されてしまっている二人はそちらへは目もくれず、クレープ屋台へ立ち寄った。

しずくは苺とブルーベリーソースの洋風クレープ、栞子は抹茶と餡子の和風クレープを購入し、それを食べ歩きながらショッピングモールを散策。

最近はもっぱらガンダムベースばかりだったので、時々はこうやって普通のウィンドウショッピングも楽しいものだ。

 

 

「~~♪」

「栞子さん、本当に美味しそうに食べるよね。」

「美味しい物は美味しくいただくのが礼儀ですよ、しずくさん。一口食べますか?」

「じゃあ私のも食べて!」

「ありがとうございます。あら?」

「どうしたの?」

「歩夢さん……。」

「歩夢さん?あ、ホントだ。」

 

 

二人が目を向けた先にいたのは、同好会の先輩である上原歩夢。

珍しく侑やせつ菜たちと一緒にはおらず、一人きりだ。

しかし彼女の雰囲気は朝見た時とは少し変わっており、それを不思議に思いつつしずくと栞子は彼女へと駆け寄った。

 

 

「歩夢さーん!」

「ん?あ、しずくちゃんと栞子ちゃん!二人だけでお出かけなんて珍しいね?」

「そういう歩夢さんこそ、一人なんて珍しいですね。」

「うん、このあと家族でご飯に行くから、お父さんが車で迎えに来てくれるまで時間潰ししてたんだ。」

「そうだったんですね。ところで歩夢さん、その髪はどうしたんですか?」

「あぁ、これ?えへへ、実はヘアピンが壊れちゃって……。」

 

 

歩夢の雰囲気が少し違っていたのは、髪型が原因。

いつも頭の横でお団子を作っていたのだが、その時に前髪を留めるヘアピンが壊れてしまい、今はそのまま卸している。

元々歩夢は二年生の中でも一番落ち着いた雰囲気を纏う人物ではあるが、いつも以上に大人っぽい彼女に、思わず二人とも見とれてしまった。

 

 

「その髪型も、とてもお似合いです!」

「ありがとう栞子ちゃん。だけどちょっと恥ずかしいなぁ……来週新しいヘアピン買わないと。」

「えー、勿体無いですよ!今の歩夢さんなら、演劇部の次回の演目のヒロイン役に推薦できるほど美人なのに!」

「そ、それはちょっと……気持ちだけ受け取っておくねしずくちゃん。あ、お父さんから電話だ。それじゃあ二人とも、また学校でね!」

「はい、ではまた学校で。」

「お疲れ様でした歩夢さん。」

「ばいばーい!もしもしお父さん?うん、今から行くね。お父さん今どこにいるの?」

 

 

父親と電話をしながら歩夢はその場から離れて行った。

 

 

 

~~

 

残ったしずくと栞子はクレープを完食すると、他のお店を見て回る事に。

道中、映画館で『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ 絶賛上映中!』の看板に目を奪われた栞子とは、今度見に行く約束をした。

二人でショッピングモール内を歩いていると、栞子はとある店のショーケースに置かれてある商品が目に入り、フラッとそちらへと立ち寄る。

しずくも栞子の下へ行くと、彼女が見ていた商品を見た。

 

「どうしたの?」

「いえ……このヘアピン、歩夢さんがつけたら似合うだろうなって……。」

「あ、ホントだかわいい。」

「色もピンク色で歩夢さんに合っていますし、何よりリボンの形が歩夢さんのアイコンと同じで、まさに歩夢さんが身に着ける為に生まれてきたデザインだと思います。」

「買うの?」

「私がですか?私はこういったデザインの物は似合いませんし……。」

「違う違う、歩夢さんにプレゼントしないのって事。」

「えぇ!?そ、そんな……私なんかがそんな……!確かに凄く似合うとは思いますが、いきなりでは迷惑では無いでしょうか……!?」

「そんな事無いよ。プレゼントはいつ貰っても嬉しい物だよ。栞子さんだって、ファンの人からプレゼント貰った時嬉しかったでしょ?」

「た、確かに……その通りです。」

 

 

スクールアイドルを始めてからというもの、ライブやイベントの度にファンからプレゼントを貰う事が増えた。

ちなみにGBNを始めてからはファンからの贈り物はガンダムマーカーやピンバイスやデザインナイフなどの工具類を貰う事が多い。

そのたびに嬉しさで胸がいっぱいになっていた、歩夢だってプレゼントを貰うと嬉しいだろう。

 

 

「歩夢さんのヘアピンが壊れた日に、栞子がさんがこのヘアピンと出会った。コレはもう運命だよ!デスティニーだよ!!」

「で、デスティニー!?」

「想像してみて栞子さん!これを貰って嬉しそうに笑う歩夢さんの顔を!」

「あ、歩夢さんの……!!」

 

 

 

~以下、栞子の妄想~

 

 

『ありがとう栞子ちゃん!プレゼントとっても嬉しいよ!』

 

 

『私、栞子ちゃんみたいな優しい仲間がいて本当に幸せだなぁ!』

 

 

『栞子ちゃん、大好きだよ!』

 

 

~妄想終了~

 

 

 

「……しずくさん、私、これ買います!!」

「その意気だよ栞子さん!!」

「はい!!……あ……。」

「どうしたの?」

「その……お、お金が……。」

 

 

改めて値段を見て見た二人。

あまりの高さに、目が飛び出るかと思った。

ただのヘアピンの癖に、その値段は『MGEX 1/100 ユニコーンガンダム』に迫るほど。

それもそのはず、この店はナデシコアスロンとも提携している女性向けブランドメーカー『サザメス』の物であり、普通の女子高生ではかなり無理をしないと手に入らない値段設定がされている。

栞子の月のお小遣いは3000円で、毎月貯金を残すようにやりくりしてはいるが、それでも最近は1年生4人組での食べ歩きなどが多く、貯金全額卸してもわずかに届かない。

 

 

「うぅ……た、高い……。」

「ご、ごめんね栞子さん!私、ちゃんと値札見て無くて……。」

「いえ、私もちゃんと見ていませんでした……。」

「もう行こう?さすがにコレは買えないよ。」

 

 

プレゼントを勧めまくったしずくも、さすがにコレは無理だと諦める。

しかし、当の栞子はどうも諦めきれない。

歩夢に喜んでもらいたいのはもちろんだが、彼女には返しても返し切れないほどの恩がある。

栞子にとっての歩夢は、友人であり憧れの先輩でありつつ、恩人でありスクールアイドルとしての師の様な存在。

なんとしてでもこれをもらって喜ぶ歩夢の顔が見たい……そう願う彼女の瞳には、決意の炎がメラメラと燃えていた。

 

 

「私、何としてでもこれを歩夢さんにプレゼントしてみせます!!」

「だけどどうするの?」

「………バイト……そう、アルバイトをします!!」

「アルバイト!?栞子さんが!?やった事あるの?」

「ありませんが……きっと私の適正にあったアルバイトがあるはずです!」

 

 

アルバイトを決意し、強く拳を握りしめる。

二人が盛り上がっていると、背後から『フッフッフ』という聞き覚えるのある声が聞こえ、その声の主は勢いよく栞子の肩を掴んだ。

びっくりしながら振り返った先にいたのは、いつもガンダムベースで見かける一つ年上の少女と、その先輩の女子大生。

 

 

 

「話は聞かせてもらったよ、栞子ちゃん!!」

「も……モモカさん!?」

「アヤさんも。こんにちわ。」

「こんにちわ、しずくちゃん栞子ちゃん。珍しいね、今日は二人だけ?」

「はい。かすみさんも璃奈さんも用事で、二人で遊んでました。」

 

 

 

ヤシロ・モモカとフジサワ・アヤ。

共にビルドダイバーズのメンバーで、モモカはガンダムベースのバイトリーダー。

何でも今からバイトだそうで、たまたまガンダムベースへ向かう際中だったアヤと合流したそうだ。

 

「そう言う事なら、うちで働かない!?」

「うちでって……まさか、ガンダムベースで!?」

「そうそう。といっても、今度の土日の二日間だけだけど。」

「どうしてその二日間だけなんですか?」

「コウイチさんがELバースセンターの会議で二日間留守にするんだって。その間私が手伝うって話になってたんだけど、良かったら代りにどうかな?」

「い、良いのですか……!?とてもありがたいお話ですが、アヤさんの予定は……、」

「ううん、私は良いの。それより、栞子ちゃんの為になれたら嬉しいな。」

「あ……アヤさん……!」

 

感動のあまり涙目になっている栞子。

アヤに近づき、しずくがアヤに耳打ち。

 

 

「いいんですかアヤさん?」

「えぇ、もちろん。むしろ好都合よ。」

「え?」

「想像して見て、普段堅物な子が、大好きな先輩の為に一生懸命慣れないアルバイトを頑張っている姿を……最高に可愛いじゃない。」

「なるほど。」

「当日は見に行きましょうね。」

「お供させていただきます。」

 

 

アヤとしずくが不穏な会話をしている中、栞子の手を取るモモカ。

満面の笑みで、栞子に言う。

 

 

「それじゃあ、週末はよろしくね栞子ちゃん!」

「はい!!私、一生懸命頑張ります!!」

「じゃあさっそくナナミ店長に話通しに行こーー!」

「お、おー!」

 

 

 

 

~~

 

その頃、中須家でかすみと一緒にパンが焼き上がるまでお昼寝をしていた彼方。

かすみのお気に入りのクッションを枕にしてすやぴしていると、突然電流が走ったように目が覚めた。

 

 

「ハッ!!」

「どうしたんですか彼方先輩?焼き上がりまだまだ先ですよ?」

「なんだか今……彼方ちゃんと全然関係ないところで本来彼方ちゃんとやるべきイベントが発生したような気がする……!」

「変な夢でも見たんじゃないですかー?」

「……そうかも。」

「早くコッペパン焼けないかなー♪彼方先輩何はさみます?実はかすみんお手製のジャムを作って来たんですけどこれがもう絶品d」

「………もっかい寝よ。」

「って聞いてくださいよかすみんの話を!!」

 

 

 




~にじビル毎回劇場~

第53回:変な同好会

リク「前に変な同好会が沢山あるのは聞いたけど、他にはどんな同好会があるの?」

愛「アタシと果林は探偵同好会を兼部してるよ。」

果林「詳しくは私達の新曲買ってね♪」

かすみ「かすみんは兼部じゃないですけど、よくコッペパン同好会のみなさんとお料理してます!」

璃奈「焼き菓子同好会もあるよ。」

リク「楽しそうな同好会だね!うちの高校は普通の部しかなくてさー。サッカー部とか野球部とか……プラモ部はあるけど。」

愛「そう言えば最近面白い同好会出来たよね?」

果林「あー、そう言えばそうね。」

リク「どんなの?」

あいかり「「高咲侑応援同好会。」」

リク「なにそれ。」

かすみ「えー!?なんですかそれ!!かすみんも入りたいんですけど!?」

璃奈「どういう同好会?」

果林「スクールアイドル同好会を一生懸命応援する侑を応援する同好会ですって。公式Tシャツもあるのよ。」

愛「ゆうゆの頑張りが皆に伝わって愛さんも嬉しいよ!」

リク「ニジガクすげぇ。」

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