ニジガクビルドダイバーズ   作:バース・デイ

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ユニットシングルのドラマパートにて、

エマ……射撃の名人
彼方……格闘家

って、完全にヴェルデブラストガンダムとビヨンドバルバトスじゃん。
だったらかすみんの職業も無敵武者とかにして欲しかったなぁ。






ロータスチャレンジ攻略作戦

『私、日本でスクールアイドルになりたい。』

 

そう言った時、家族は全員応援してくれた。

第二次有志連合戦以降、すっかり元気を無くしてしまったエマを立ち直らせてくれたのが、小さいころから好きだった物……他ならぬスクールアイドルだったから。

特に、ガンプラバトルに精通していた父は、エマをこれ以上ないぐらい応援してくれていた。

GBNの命か、サラの命か、そんな過酷な戦いを経験した自分の娘が、人を笑顔にするアイドルになりたいと言ったのだ。

 

 

『エマ、お前がやりたいと思う事ならやってみなさい。』

『いいの……?』

『もちろんだ。いいかいエマ……やりたいと思った時には、もう始まっているんだ。弟や妹たちの事は気にせず、思いっきりやってみるといい。』

『お父さん……ありがとう!』

 

 

その父の言葉に、どれほど励まされたかわからない。

それだったのに、その父に、まさかあんな事を言われるとは思いもしなかった。

 

 

 

 

~~

 

 

「お……お父さん……?今、なんて……。」

「聞こえなかったのか?エマ、今週中に、スイスへ帰ってくるんだ。」

「ちょ、ちょっと待ってよ……そんなの、急すぎるよ……。」

「仕方がないだろう。私だってそんなに急かしたくなかった。だが、もう時間が無いんだ。」

 

目の前にいる父……ヴェルダーが何を言っているのか、エマには理解できなかった。

勿論、エマだけでは無く、この場にいる同好会メンバー全員、ヴェルダーが何をしたいのかわかるものなどいない。

三年前、スクールアイドルになる事を応援してくれた最愛の父が、何故こんな事を?

エマにはもう、何も考える余裕などなくなっていた。

その時に声を上げたのは、意外にもカナタだった。

 

 

「あ、あの!待って下さい!!」

「君は確か……エマの友達の……。」

「近江彼方です……あの、エマちゃん、スクールアイドルを凄く頑張ってるんです……今度、皆でライブもするんです、なのにそんな急になんて、納得できません!!」

「彼方ちゃん……。」

 

 

カナタは、この中ではエマと最も付き合いが長い。

せつ菜が部長を務めていた、まだ同好会が5人だった頃、唯一の同学年のスクールアイドルと言う事で二人はすぐに意気投合した。

それからずっと一緒にやって来た、親友だった。

普段はエマとカリンが同じ寮と言う事で二人でいる事が多いが、カナタとの友情もカリンと同じぐらい強い。

そしてエマのスクールアイドルとしての頑張りを一番近くで見ていたのは、他でもないカナタだ。

 

 

「しかし、コレはもう決まった事なんだ。寂しくなるとは思うが、理解してくれないか?」

「私達から仲間を引き離す事を、理解しろって言うんですか?」

「彼方、ストップ。」

 

 

ヴェルダーに怒りを露わにするカナタの肩に、カリンが手を置く。

それで少し冷静になったのか、カナタは一歩下がった。

代りにユウが前に出て、ヴェルダーに言った。

 

 

「どうして、エマさんを連れて帰るんですか?」

「エマが必要だからだ。その為には、スイスに帰ってきてもらわなければならない。」

「私達、エマさんとずっと一緒にやって来たんです。これからもずっと一緒にいたいんです……どうしてもエマさんを連れて帰らなきゃいけないんですか!?」

「……そんなに、エマと離れたくないのか?君たちは。」

 

 

「「「「もちろんです!!」」」」

 

 

「皆……!」

「ふむ……。」

 

 

ユウと共に、エマ以外の全員が声を上げた。

するとヴェルダーは何かを考え込むように顎に手を当てる。

そして、しばらくして何かを思いつくと、彼女たちに提案をしてきた。

 

 

「ならば、一つ条件を出そう。」

「条件……?それを飲めば、エマちゃんは帰らなくていいんですか!?」

「あぁ、約束しよう。」

「なら早く教えてください!!」

 

 

カナタとユウが食い気味にヴェルダーに詰め寄る。

彼はコンソールパネルを開き、そこに記載されたミッションを彼女たちに見せた。

 

 

「三日後にまた私はこのGBNに来る。その時、私の前でこのミッションをクリアしてみせろ。君たちが本気でエマを想うならば、出来るはずだ。」

「こ……このミッションって……!?」

「どうした?まさか、出来ないというのかな?」

 

 

ヴェルダーの提示した条件とは、とあるミッションのクリア。

しかし、そのミッションを見た途端、全員の顔から血の気が引いた。

何故ならそこに映っているのは、いまだクリア数の少ない、GBNの中でも最難関ともされるミッションだったからだ。

15分以内に、巨大要塞『ラビアン・クラブ』を破壊するという、一見シンプルに見えるがそれ故に難易度が高く、あのAVALONですらクリアするまでに2年の月日を費やした、極悪難易度を誇るクリエイトミッション。

 

 

「ロータス……チャレンジ……!?」

 

 

「……お、お父さん!!いくらなんでも三日後なんてそんな!!」

「そうしなければ間に合わないんだ。わかってくれ、エマ。」

「ちょっと待ってよ!!お父さん!!」

 

 

そう言い残して、ヴェルダーはヴェルデュエルガンダムと共にログアウト。

その場には、絶望しきった同好会11人だけが取り残され、ただただ呆然とするしかなかった。

 

 

 

 

~~

 

翌日、同好会の部室はすっかり覇気を無くしていた。

折角次なるライブへ向けての再スタートを切ったはずなのに、そこへ突然舞い込んできたエマの帰国……こんな状況で元気になろうと思えるはずが無い。

しかし、今そんな事では本当にエマが帰ってしまう。

今は最優先すべきことは、ロータスチャレンジをクリアするための作戦を練る事だ。

 

 

「そもそも、ロータスチャレンジってなんなの?」

「ロータス卿と名乗るダイバーが作った、クリエイトミッションの一種です。巨大要塞『ラビアン・クラブ』を、15分以内で破壊するのが目的です。」

「それだけ聞くと、あまり難しそうに思えないわ……。私と愛、せつ菜と栞子ちゃんの必殺技を使えば、簡単に出来そうな気がするけど……。」

「破壊するだけであれば、そうかもしれません。しかし、そう甘くは無いのがこのミッションの恐ろしいところなんです。」

 

 

そこからせつ菜がホワイトボードを使い、ロータスチャレンジの内容を説明してくれた。

 

 

まず、制限時間は15分。

しかし、ミッションエリアが宇宙であるにも拘らず、このミッションのスタート地点はなんと地表となる。

そこからマスドライバーや軌道エレベーターなどを用いて、宇宙に上がる必要があるのだが、この時点で並のマスドライバーならば10分近くの時間を費やしてしまう。

 

そうして、やっとの思いで宇宙へと飛び出たダイバー達を待ち受けるのは、ロータス卿率いるマーメイドガンダムを代表とするモビルファイター達。

彼らの猛攻や、空中機雷を突破し、ラビアン・クラブへと接近しなければならない。

 

更に、マーメイドガンダムたちを突破しても、待ち受けているラビアン・クラブのコアユニットは強力なIフィールドに守られている。

その強度は、ガンダムXのサテライトキャノンを5発同時に受けても耐え凌ぐほどであり、並大抵のガンプラでは破壊する事は困難を極める。

 

 

以上の工程を、たった5機のガンプラを使用して制限時間15分以内に完了させなければならないという、もはや『無理ゲー』を通り越した『クソゲー』の領域に達している超極悪難易度のミッション……それが『ロータスチャレンジ』だ。

 

 

「いや……いやいやいや!!そんなのクリアできるわけ無いじゃないですかぁ!!」

「クリアできる出来ないじゃないよ、クリアしなくちゃいけないんだよ。」

「彼方せんぱぁい……。」

「彼方さんの言う通り。エマさんは私たちが絶対に守る。」

「璃奈ちゃん、彼方ちゃん……皆、私の為にありがとう……そうだよね、今は落ち込んでる場合じゃない!作戦を考えなくちゃ!」

 

 

彼方と璃奈の励ましもあり、少し元気を取り戻したエマがさっそく作戦会議を開く。

このロータスチャレンジで重要視すべき点は3つ。

 

 

①いかに早く宇宙まで上がれるか

 

②マーメイドガンダムたちをいかにして退けるか

 

③コアユニットを破壊するだけの攻撃力

 

 

まず、もっとも先に考えなければならないのは、宇宙への到達方法。

スタート地点にあるマスドライバーでは、どう見積もっても10分は最低でもかかってしまう。

そのせいでAVALONは毎回チャレンジに失敗していた。

この問題をクリアしなければ、後の関門を全部合わせて5分以内に突破しなければならないのだ。

マーメイドガンダムたちを退け、ラビアン・クラブを完全破壊をするには、少なくとも7分は時間の余裕が欲しい。

その為にも8分以内には大気圏離脱をし、宇宙エリアに到達する必要がある。

 

 

「コレには私に考えがあります。」

「ホント?せつ菜ちゃん。」

「はい。その為には私としずくさんを出撃メンバーに加えていただく必要がありますが……。」

「私とせつ菜さん……まさか、トランザムを使うんですか?」

「えぇ、その通りです。」

 

 

トランザムを使えば、3倍の出力を使うことが出来る。

せつ菜の考えとは、スカーレットエクシアとO-ドリーのGNドライブを輸送シャトルに移植し、せつ菜としずくの二人で制御を行いつつ他の3機を安定かつ高速で宇宙へ送り届けるというもの。

だが、ただシャトルに移植すればいいというわけでは無い。

GBNでのトランザム発動には、ガンプラの完成度が影響する。

一見簡単そうに見える策だが、実際はかなり難しい作業だ。

 

 

「輸送用シャトルのフルスクラッチですか……時間は限られていますが、やる価値はありますね。」

「しかし、私達だけでどうにも……コウイチさんやユッキーさんにもアドバイスをいただきましょう。あとは……、」

 

 

せつ菜が悩んでいると、部室の外からドタドタと激しい音が聞こえた。

すると部室のドアが勢いよく開かれ、そこから息を切らしたランジュとミアが入って来た。

 

 

 

「エマ、スイスへ帰るって本当なの?」

「ミアちゃん……ううん、まだそうと決まったわけじゃ……、」

「アタシ達も協力するワ!!エマはアタシにガンプラバトルを教えてくれた、アタシの師匠みたいなものなの!!勝手に帰っちゃうなんて絶対にダメ!!大問題ラ!!」

 

 

 

そう言うと、ランジュは自分のカバンからシランジュを取り出し、それをせつ菜としずくに差し出した。

シランジュはベース機がシナンジュではあるが、同時にリボーンズガンダムの要素も組み合わせている……すなわち、疑似太陽炉のGNドライブを持つ機体だ。

 

 

「せつ菜、しずく!話は聞かせてもらったワ!アタシのシランジュも使って!」

「えぇ!?で、ですが……!」

「使ってあげてくれよ二人とも。ボクもランジュも、エマに帰ってほしくないんだ。」

「シャトルの製作ならマリナにも手伝ってもらいましょう!あの子、ガンプラ作るのが本当に上手なの!アタシだって、カワグチから指導を受けてるから力になれるワ!」

「ミアちゃん、ランジュちゃん……。」

「ありがとうございますお二人とも。必ず綺麗な状態に戻してお返ししますね!」

 

 

ランジュからシランジュを受け取るせつ菜としずく。

これで、3人合わせて4つのGNドライブが揃った。

すなわち、リクのガンダムダブルオーインフィニティーセイバーが搭載している最強システム『ダブルツインドライブシステム』を再現することが出来る。

ダブルオーガンダムとリボーンズガンダムが備えるツインドライブシステムの直列と並列の二つを組み合わせる事で、無限にGN粒子を生み出し、高速散布して圧倒的な出力を生み出すこのシステム。

再現するには非常に難しいが、今はそんな事を言っている場合では無い。

やらなければならないのだ。

 

 

「じゃあ、宇宙への行き方はせつ菜ちゃん達に任せるとして、次は宇宙に着いた後だよね。」

「ここで襲ってくるのはロータス卿のマーメイドガンダムをはじめとしたモビルファイター達だね。空中機雷は私のヴェルデブラストが撃ち落とすから、ここは接近戦が出来るガンプラで脇を固めたいかな。」

「だったら私が出るよ、エマちゃん。」

「うん、私も彼方ちゃんにお願いしたい。」

 

 

エマに言われると、彼方はいつもからは想像もできないぐらい力強くうなずいた。

彼方にとって、エマは虹ヶ咲学園では一番の親友と言っても過言では無い。

昨日、ヴェルダーの突然の通達に一番に噛みついたのは、他でもない彼方だ。

普段はおとなしい彼方だが、妹や友達の為になると一番怖いのはおそらく彼女かもしれない。

彼方のパワーアップしたガンダムビヨンドバルバトスリベイクは、阿頼耶識システム搭載の近接格闘に長けたガンプラ。

更にダブルリベイクライフルやテイルブレードを使った遠距離戦も可能なため、ロータスチャレンジの様な大勢の敵が押し寄せてくるミッションでこれほど頼りになる仲間は他にいない。

 

 

「私、彼方ちゃん、せつ菜ちゃん、しずくちゃん……あともう一人だね。」

「誰が出るんだい?やっぱり侑?それとも歩夢かな?」

「ううん、このメンバーなら……かすみちゃん、お願いしてもいい?」

「えぇ!?か、かすみんですかぁ!?」

 

 

まさか自分が指名されるとは思わず、かすみは驚いた。

思わず手に持っていたザクみんを落しそうになるが、慌てて璃奈と栞子が支えてくれた。

 

 

 

「かすみちゃんのガンプラも接近戦が得意だし、それに何より……この5人で出たいんだ。」

「この5人って……あ。」

 

 

メンツを見て、かすみはハッとする。

 

せつ菜、かすみ、しずく、彼方、エマ。

 

この5人は、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の最初期メンバー。

まだせつ菜が部長を務めていた頃、空中分解をしてしまい、一度はバラバラになってしまった5人だ。

 

 

「ロータスチャレンジは、皆の団結力が試されるミッションだから……5人で参加ってなると、私はこの5人がベストメンバーだと思う。」

「……わかりました!かすみん、頑張ります!」

「その意気だぞかすかすぅ!」

「かすかすって言わないでくださいよ!!」

 

 

ついにロータスチャレンジに挑むメンバーが決定した。

 

チームリーダーとして、エマとヴェルデブラストガンダム。

彼女に群がる敵機体の撃墜役として、彼方とガンダムビヨンドバルバトスリベイク、かすみとザクみん。

宇宙へ上がる為のGNドライブ搭載シャトルを操縦するせつ菜としずく。

 

これで後彼女たちに残された問題は、シャトルの製作及び、ロータス要塞ラビアン・クラブを破壊するための手段だけだ。

 

 

「では、私としずくさんはコレからガンダムベースでコウイチさんとユッキーさんにシャトル製作のお話を伺いに行きます!ランジュさんもお願いします。」

「わかったワ!マリナ連れてくるワね!」

「頑張ってね、せつ菜ちゃん、しずくちゃん。」

「ありがとうございます歩夢さん。私とせつ菜さんで、必ず成し遂げて見せます!」

 

 

しずくが歩夢にペコリと頭を下げると、3人はマリナを迎えに行き、そのままガンダムベースへと行く。

残ったメンバーもロータスチャレンジの助けになる為の方法を模索し、相談しあいながら次々と部室から出ていく。

 

 

「私と栞子ちゃんとミアちゃんで、スタート地点からミッションエリアまでの最短ルートを探してみる。璃奈ちゃんボード『むんっ』!」

「でしたら、過去のロータスチャレンジのデータを調べて見ましょう。」

「Good by。」

 

 

「果林さん、愛ちゃん、私と一緒に敵モビルファイターの事調べてくれませんか?」

「えぇ、いいわよ。行きましょう歩夢。」

「よーし!調べて調べて調べ尽くすぞー!!」

 

 

「エマさんかすみちゃん彼方さん!コレ使って!最近忘れられがちなレインボーユニコーンの武器!きっと役に立つと思うから!」

 

 

侑がレインボーユニコーンの腕や肩パーツを取り外し、武器として戦闘メンバーに渡す。

レインボーユニコーンがNT-Dにより驚異的な戦闘能力を持つので、歩夢がレインボーエクスカリバーを使う時以外あまり使われなかった武器だ。

腕はレインボーハンドガンとしてエマに、肩パーツはスナイパーライフルの先端パーツと組み合わせてレインボーGNドリルとしてかすみに、右足を丸ごと取り外してライフルの残ったパーツと組み合わせてレインボーハンマーとして彼方に。

 

「ありがとう侑ちゃん、絶対に役立てて見せるよ!」

「えへへ。」

「後は……ラビアン・クラブをどうやって壊すかだよねぇ……。」

 

ラビアン・クラブはIフィールドに守られている。

遠距離攻撃で破壊するためには、TRYAGEマグナムのハイパードッズキャノンや、リライジングガンダムの必殺技レベルの強力な攻撃を放つ必要がある。

ヴェルデブラストガンダムは確かに強力な機体ではあるが、貫通力と命中率に優れている一方で破壊力そのものが群を抜いて秀でているわけでは無い。

この問題をクリアするためには、ヴェルデブラストガンダム自身を、更に強化する必要がありそうだ。

 

 

「あと3日でヴェルデブラストをパワーアップさせないといけないなんて……。」

「やろうよ、エマちゃん。」

「そうですよエマ先輩!かすみん達もお手伝いします!」

「うん……私が一番頑張らないとだもんね……!えへへ、久しぶりのパワーアップだね、ヴェルデブラストガンダム。」

 

 

手に取った愛機に、優しく微笑みかけるエマ。

バスターガンダムだったこの機体を、当時未発売だったヴェルデバスターガンダム風に改造し、そこから更に強化させたヴェルデブラストガンダム。

彼方の伝手でガンプラバトル同好会兼近江彼方姫親衛隊から改造に必要なパーツやプラ版を分けてもらうと、彼方とかすみと共に、エマはさっそく愛機の更なる強化の為に工具を手に取った。

 

 

 

 

~~

 

 

「これが僕たちがロータスチャレンジに使ったシャトルだよ。」

「うわぁ……凄い完成度……!コウイチさんが一人でコレを!?」

「うん!ボクとリッくんとアヤメさんが迎撃部隊、モモちとコウイチさんがこのシャトルを操作して、ロータスチャレンジをクリアしたんだ!」

「それにしても、トランザムを搭載するだなんてよく思いついたね。けど、簡単な事じゃないよ?」

「わかってます。その為に、皆さんの力をお借りしたいんです!」

 

ガンダムベースで、コウイチ、ユッキーのアドバイスを受け、大気圏離脱の為のシャトルの製作に取り掛かるせつ菜としずく。

ランジュとマリナでシランジュからGNドライブを取り外し、各々担当のパーツを作っていく。

スカーレットエクシアとO-ドリーガンダムは分解せず、私設武装組織『ソレスタルビーイング』の乗る戦艦『プトレマイオス』を参考に、モビルスーツそのものを動力源として使用。

こうする事でダブルツインドライブシステムによりかかる負荷を、シャトルとスカーレットエクシア、O-ドリーの3つに分散。

ベース機がエクシアとOガンダムであるため、この二機のGNドライブの相性は問題ないが、そこに疑似太陽炉を持つシランジュのGNドライブが吉と出るか凶と出るか。

 

 

「…………。」

「どうしたんですかマリナさん?」

「ううん、皆凄く真剣だなって……。ヴェルデ先輩の事、皆大切に思ってるんだね。」

「当たり前じゃないですか!エマさんは凄い人なんですよ!それにとっても優しいんです!いなくなるなんて、絶対に嫌です!」

「エマさんは同好会が一度廃部になる前から、皆の心の拠り所となってくれました。言うなればエマさんは、私達の『お母さん』みたいなものです。娘が母を想うのは、当然の事ですよ、マリナさん。」

「皆に慕われていて、ヴェルデさんは幸せ者だね。」

 

 

マリナとしずく、せつ菜の会話を聞きながらコウイチが笑う。

二人の話を聞いてマリナも気合を入れ直し、再びシャトル製作を再開した。

 

 

(エマ・ヴェルデがいなくなれば、彼女たちの心は壊れる……。)

 

 

「マリナ、何か言った?」

「え?ううん、何も言ってないよ?」

 

 

 

 

~~

 

 

ヴェルデブラストガンダムのパワーアップ作業を続けるエマ、彼方、かすみの3人。

用意されたキットは少し古い物で、可動域が狭く、リファイン版も出ているためわざわざこのキットを購入する者は少ない。

だが、今回目当てなのは本体の方では無く、付属している追加武装の方。

時間も無い為、本体の方には一切手を付けず、そちらのみを組み立てる。

 

「これ、エマ先輩のガンプラにちゃんと取り付けできます?」

「心配しなくても大丈夫だよかすみちゃん。ちゃんとくっつけれるように作るから大丈夫!」

「エマちゃんがそう言うなら大丈夫だよ~。」

「コレってどういう効果があるんですか?」

「火力、機動力、防御力が上がるんだよ。だけどさすがに航行形態への変形はヴェルデブラストの形じゃ無理だから、そっちは諦めるしかないね……。」

 

 

ランナーからパーツを切離し、ヤスリで磨いていると、エマのお腹が鳴った。

恥ずかしそうに照れるエマを見た彼方が席を立ちあがろうとすると、それをかすみが止める。

 

 

「彼方先輩はエマ先輩のお手伝いをお願いします!かすみん、コッペパン作って来たんで持ってきます!」

「わ~!ありがとうかすみちゃん!」

「ちょこっと待ってて下さいねー!」

 

 

コッペパンを取りに教室まで戻ったかすみ。

残ったエマと彼方が作業を続けていると、エマが突然手を止めた。

 

 

「エマちゃん?」

「……ねぇ彼方ちゃん、もし……本当に私がスイスに帰る事になったら、どうする……?」

「な……ッ!?」

「ごめん。かすみちゃんがいる前だと、強がって『大丈夫』って言っちゃったけど……ホントは凄く不安なんだ……。」

 

 

良く見ると、エマの作業は彼方とかすみと比べると全然進んでいない。

パーツの表面も傷だらけで、ヤスリ掛けも満足に出来ていなかった。

 

 

「私、前はAVALONの皆とガンプラバトルをやって来て、今は皆と一緒にフォースを組んで、ここまでずっとやって来たけど……今回挑むミッションは今までとわけが違う……。隊長たちだって、クリアするのに何年もかかったんだよ……?不安にならないわけが無いよ……。」

「うん……。」

「もし私がスイスに帰る事になっちゃったら、私の事忘れないで欲しいな……皆の事、海の向こうでもずっと応援してるから……だから……!」

「エマちゃん。」

 

 

震えるエマの手を、彼方が握る

そのままもう片方の手でエマの頭を撫でた。

 

 

「大丈夫だよ、エマちゃん。」

「彼方ちゃん……。」

「エマちゃんの事は私達皆が守る。エマちゃんが不安なら、私たちが『大丈夫』だって言ってあげる。私達だって、エマちゃんと離れたくないから。」

「…………。」

「だから、そんな事言わないで……お願いだから……。」

「か、かな……ッ!?」

 

 

顔を上げたエマ。

見ると、彼方の顔が涙でグチャグチャになっていた。

そのまま彼方がエマに抱き着くと、大声で泣き叫び始めた。

 

 

 

「うわぁぁぁぁん!!エマちゃん帰っちゃ嫌だよぉぉぉぉ~~!!ずっと一緒にスクールアイドルやりたいよぉぉぉぉ!!!」

「な、泣かないで彼方ちゃん!!そ、そんなに泣かれると……私も……泣きたくなっちゃうよぉぉ……!うっ……うえぇぇぇぇん!!」

 

 

 

「おっまたせしましたー!コッペパン持ってきましたよーーーー……って、えぇぇ!!?何で二人とも泣いてるんですかぁ!?かすみんがコッペパン取り入ってる間に何があったんですかぁ!?」

 

 

戻って来たかすみが、エマと彼方を見て困惑。

一旦コッペパンを、開封した『HGUC スーパーガンダム』のパッケージの上に置くと、かすみは急いで彼方とエマを慰めた。

 

 

 

 





~にじビル毎回劇場~

第57回:ポーカーフェイス

メイ「愛はダジャレが得意なのか?」

愛「うん!ゆうゆなんていっつも大爆笑だよ!」

メイ「ほう、それは興味深い。」

愛「メイりんもダジャレ興味ある?それならメイいっぱい楽しもうよ!メイだけにね!」

メイ「なるほど。ではさっそく頼む。」

愛「(あれ?今言ったのにな?)あ、このガンプラ、関節がプラプラしてるね!もっとガンっ!とキツくしなくちゃね!ガンプラだけに!」

メイ「そうだな。あとで直そう。」

愛「……えっと……あ、お腹すいてない!?もんじゃでも食べない!?どんなもんじゃーい!」

メイ「私はELダイバーだから飲食を必要としないのだが。」

愛「……うん……そうだね……。」

メイ「では、早速ダジャレを頼む。」

愛「……布団が吹っ飛んだ……。」

メイ「……? それは大変だな。」

愛「うわーーーーん!!メイりんがいじめるーーーーーー!!!」

サラ「こらっ!メイ!」

メイ「わからない、文化が違う……。」

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