ニジガクビルドダイバーズ   作:バース・デイ

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気付けばなんか70話以上もやってるんだから、こんな話があってもいいじゃない。




SDガンダムワールド

とある民家の窓際……そこに佇む一人の男。

彼は手に持った扇の様な物を仰ぎながら、自分の目の前にいくつものコンソールパネルを展開し、それらを操作していた。

月夜に照らされたわずかな明かりでそこに記された物を読み、彼は驚愕。

 

「まさか……こんな事が……!」

 

コンソールパネルをシャットアウトすると、彼は窓から自分の暮らす街を見る。

この街には、彼の大事な戦友が床に就いている。

もういい時間だ、彼も眠らなければ明日に堪える。

しかし彼は、この青天の霹靂ともいえるこの事象を放っておくことなど出来ない。

 

 

「張角先生……あなたは、このような研究までされていたんですね……。」

 

 

背中の翼を翻し、彼は家の扉を開き、その場を後にする。

彼の恩師が残した研究に、たった一人でケリを付けるために。

そして、男は、仲間たちに何も告げずにその場から姿を消した。

 

 

 

~~

 

 

「いっくぞーーーーーーー!!!」

 

 

その日、アイ、かすみん、りなこ、ミアの4人で、GBNの殲滅ミッション『SD三国伝英雄10人抜き』にチャレンジしていた。

このミッションではその名の通り、『SDガンダム三国伝』シリーズに登場する10人のキャラクターたちと戦い、そのクリアタイムを競うという物。

 

登場する相手はまずは馬超ブルーデスティニーや趙雲ガンダムといったサブ主役級の相手から始まる。

その二人を撃破すると敵キャラクターの呂布トールギスと董卓ザク。

さらにその次は曹操ガンダムと孫権ガンダム。

強敵を潜り抜けた先に待ち受けるのは主役級の張飛ガンダムと関羽ガンダムの二体。

 

SDガンダムと合体できるりなこのAEドムを含むこの4人はニジガクのSDチームと呼ばれ、多彩なギミックをふんだんに取り入れたトリッキーな戦い方で張飛と関羽までの合計6体をすでに撃破済み。

愛参頑駄無を筆頭に、無敵武者 魔殺駆罠とライトニングビルドガンドムが続く。

 

 

『アイ先輩!始める前に言ってた秘策ってなんですか?そろそろ教えてくださいよぉ!』

「えへへ、アイさんの秘密兵器だよ!皆のバトルを見て、色々研究したからね!」

『もったいぶらずにすぐ使えばいいのに……そんな事だからクリアタイムの記録更新出来ないんじゃないか。』

『ミアちゃん、こういうのは最後の最後まで取って置く事にロマンを感じる。そう、それが漢の浪漫……りなこちゃんボード『キリリ!』』

「そうそう!りなりーわかってるぅ!」

『いやいやいや!アイ先輩男じゃないでしょ!!って、うわぁっ!?もう次の相手来てますよぉ!!』

 

 

焦るかすみん達の前に登場したのは、天翔竜孔明νガンダム。

そして、ラスボスである主人公の翔烈帝劉備ガンダムだ。

この二人こそ三国伝の主役であり、このミッション最後の難関。

 

SDガンダム系のミッションは3系統に分かれており、主に『武者頑駄無シリーズ』『騎士ガンダムシリーズ』『三国伝シリーズ』となる。

このミッションは三国伝シリーズの最難関ミッションで、そのラスボスともなるといくら宇宙世紀系やアナザー系に比べて難易度の低いSDガンダムと言えど、GBNの中でもかなりの強さを誇る。

同時に襲い掛かって来た孔明と劉備の攻撃を、タフさが取り柄のライトニングビルドガンドムが受け止めるが、二体のガンプラが合体しているにも拘らずライトニングビルドガンドムの方が押されてしまっている。

 

 

『な、なんてパワーなんだ!こんなの、腕が千切れちゃうよ!』

『アイさん!かすみんちゃん!私とミアちゃんが抑えているうちに孔明と劉備を!』

『よーし!行っちゃいますよーーーー!!』

 

 

魔殺駆罠が孔明と劉備に突進。

さらに、愛参頑駄無が愛参命全開をライフルモードにして、そこに『SDガンダムフォース絵巻 武者烈伝』に登場する『剛熱機械師 駄武留精太』に付属している武器『鉄肩』に似た武装を装着し、真正面に構えた。

そこへエネルギーを溜めると、磁場が発生しているのか周りの空間が少しねじ曲がったように歪み始める。

 

 

 

「いっくぞーーー!!これがアイさんの秘密兵器!!スーパー愛参キャノンだーーー!!」

 

 

 

エネルギーをチャージした新武装『愛参キャノン』が孔明と劉備へと放たれた。

 

それと同時に、愛参頑駄無の周りの空間がねじ曲がり、強烈な破壊光線の着弾時に激しい光が彼女たちを襲った。

余りの眩しさに魔殺駆罠とライトニングビルドガンドムは思わず自分の目を覆うが、両腕が巨大な武器でふさがれている愛参頑駄無は間に合わずにその光をそのまま喰らってしまった。

 

 

「うわっ……!?」

 

 

『ま、眩しいっ!璃奈、大丈夫かい!?』

『う、うん……なんとか……。』

『もう!やりすぎですよアイ先輩!!……あれ?』

 

 

目が開けられる程度には光が弱くなり、魔殺駆罠とライトニングビルドガンドムは周りを見渡す。

孔明と劉備は先ほどの異常な威力の破壊光線でミッションエリア外まで吹き飛ばされてしまったのか、その場から消えている。

しかし、消えていたのは孔明と劉備だけでは無い。

 

 

『あれ?アイさん……?どこ行ったの?』

『What?ホントだね、アイがいない。』

『もしかしてさっきので自分も飛ばされちゃったのかな?アイ先輩も以外とおっちょこちょいですね~!』

『アイがそんなヘマするかな……。』

 

 

なんと、先ほどまで一緒に戦っていたはずの愛参頑駄無とアイの姿がどこにも無い。

かすみんとミアが周りをキョロキョロと見渡す中、冷静にりなこがレーダーで愛参頑駄無の座標を特定する。

だが、それを見たりなこは驚きで少し表情がこわばった。

 

 

『どうしたんだい璃奈?』

『りなこ~、アイ先輩どこ行ったかわかった~?』

 

『……ノーシグナル……。』

 

『『え?』』

『アイさん……いなくなっちゃった……。』

 

 

 

 

 

~~

 

 

「……んー……?あれ……アタシ、どうしたんだっけ……?」

 

 

強烈な光と爆風で、気を失っていたアイが目を覚ました。

先ほどまで愛参頑駄無に乗っていたはずだが、何故か彼女は今モビルスーツに乗っておらず、生身の状態で砂漠のような場所に放り出されていた。

どこを見渡しても愛参頑駄無の姿が無く、一緒にミッションに挑戦していたかすみん、りなこ、ミアもいない。

 

「あ、あれ?皆ー?どこー?アイさんを一人にしないでよー!」

 

 

見覚えのない砂漠。

アイたちが戦っていた場所はSD三国伝のディメンション『三璃紗』で、三国伝の名にふさわしく古来中国の街の様な場所だった。

ふっとばされてたどり着けるほど近くに砂漠エリアも無かったため、おそらくここは別のディメンション。

愛参キャノンを使用した時に空間の歪みの様な物が発生していた為、もしかしたらそのせいで別のディメンションに転送されてしまったのかもしれない。

 

 

「あいてて……!吹っ飛ばされた時にどこかぶつけたのかなぁ?妙に身体のあちこちが固くて動かし……に、くい……?ん?ん~~~!?」

 

 

とにかくりなこ達を探しに行こうと立ち上がったアイは、自分の身体に違和感を覚えて何気なく自分の手を見た。

しかしそこにあったのは、いつもの様にネイルをバッチリと決めた白い肌の手で無い。

 

 

ゴツゴツとしていて、妙に色んなパーツに分かれていて、その割に可動範囲はそこまで広くない真っ黒な手。

どう見ても機械仕掛けにも関わらず、指先まで神経が通っている様で、動かすたびに関節間のパーツが擦れ合う感触が伝わってくる。

 

 

間違いなく、アイの愛機である武者頑駄無……愛参頑駄無の手、そのものだった。

 

 

ハッとしてアイは自分の首から下を見下ろし、更に手で自分の頭の形を確認する。

ところどころ角ばって、SDガンダム特有のデフォルメされた体型。

頭部にはデカデカと掲げた『愛』の文字の兜飾り。

 

 

 

「あ、アイさん……愛参頑駄無になってる~~!?『アイさん』だけに!?って、ダジャレ言ってる場合じゃなーーーーい!!」

 

 

 

先ほどまで自分が載っていた愛参頑駄無。

アイは愛参頑駄無から降りていたわけでは無く、愛参頑駄無そのものになってしまっていた。

 

 

「え、なにこれなにこれ!?なんかのバグなのかな……でも、自分がガンプラになっちゃうバグなんて聞いた事無いし……そうだ!いったんログアウトして、りなりー達とはリアルで合流すればいいよね!」

 

 

愛参頑駄無になってしまったアイは、とりあえずりなこ達との合流を最優先に考えて、ログアウトの為にコンソールパネルを開こうとする。

だが、いつもは自分の目の前に手をかざせば出てくるコンソールパネルが出てこず、問題が発生した時に行える強制ログアウトも何故か出来ない。

普段はポジティブ思考なアイも、これにはさすがに動揺し、何度も試してみるが全くうまくいかない。

 

 

「あ、あれ?どうして、なんでログアウト出来ないの!?そんな事あるぅ!?」

 

 

何度も何度も何もない空間を指で触ろうとする愛参頑駄無。

彼女の奮闘虚しく、コンソールパネルは一向に反応してくれない。

それで少し意地になってしまったのか、その場から動かずに上手くいくまで試そうとする。

 

 

だからこそ、彼女は迫りくる危険に気付かなかった。

 

 

 

ここは静かな砂漠……どれだけ集中している愛参頑駄無でも、地面の中を何かが掘り進んでくる切削音がすれば嫌でも気が付く。

ドドドドド!という接近してくる大きな音と、徐々に大きくなる地鳴りでようやく我に返った愛参頑駄無が後ろを振り返った。

 

 

 

『キシャアアアアアアアアア!!!』

 

 

「えぇぇぇ!?こ、今度は何~!?」

 

 

 

地面を突き破り、そこから何故か頭がグフになっている超巨大ムカデが姿を見せた。

 

その体長は愛参頑駄無のおおよそ5倍にも及び、その驚異的な巨大さに圧倒されながらも、愛参頑駄無はとっさに自慢の反射神経で襲い掛かって来た巨大ムカデの攻撃を躱した。

攻撃が空振りに終わった巨大ムカデは再び地面へと潜り、地面を掘り進めながら愛参頑駄無へ接近。

今度は地面の中から飛び出し、愛参頑駄無へと襲い掛かる。

 

 

「おっと!ちょ、な、何コイツ!?こんなガンプラ、見た事無いけど……変な形のガンプラなら、Gガンのやつなのかな……っと!そうだ、このままじゃ負けちゃう!倒さないと!」

 

 

キョロキョロと辺りを見回すと、少し先の方に巨大な槍が地面に突き刺さっているのが見えた。

愛参頑駄無専用武器の巨大槍『愛参命全開(あいさんライフル)』だ。

巨大ムカデの攻撃を避けているうちにこの身体にも慣れて来たのか、愛参頑駄無は巨大ムカデを振り切りながら、地面に刺さっている愛参命全開の下へと走る。

同好会メンバーの中でも特に強力なこの武器と、愛参頑駄無の実力があればこの程度のピンチは乗り切れる。

 

 

「うおーーー!!間に合えーーーー!!」

 

 

襲ってくる巨大ムカデは完全に無視し、陸上部の助っ人で鍛えた脚力で武器の下へ。

あと少しで愛参命全開に手が届く……その時、ソイツは現れた。

 

 

 

『キシャアアアアアアア!!!』

 

 

 

「!!? も、もう一匹いたの!?」

 

 

なんと、愛参命全開を目前にして、彼女の目の前にもう一体の巨大ムカデが地面から姿を現した。

二匹の巨大ムカデが同時に愛参頑駄無へと襲い掛かってくる。

なんとか回避には成功したが、もう武器に構っている場合じゃ無くなってしまった。

必死に巨大ムカデから逃げ続ける愛参頑駄無。

スーパー愛参イーグルに変形出来れば空を飛べるが、そのためには愛参命全開が必要。

 

武器が無い状態では戦えない愛参頑駄無が巨大ムカデから逃げ続けたその先は、断崖絶壁の崖だった。

 

 

 

「マジ……?もうこれ以上逃げらんないじゃん……。」

 

 

崖に追い詰められ、もう後が無くなってしまった愛参頑駄無。

そんな愛参頑駄無を、巨大ムカデはジッと睨み付ける。

そうして、巨大ムカデ二匹がガバッ!と手を広げて、愛参頑駄無に襲い掛かろうとしたその時……、

 

 

 

 

「ちょぉぉぉぉぉっと待ったーーーーーー!!!」

 

 

 

 

突然、男の叫び声とバイクのエンジン音が聞こえてきた。

 

愛参頑駄無が振り返ると、崖の向こう側から二台の奇妙な形をしたバイクが迫って来ており、それらには2人のSDガンダムらしき人影が見える。

 

バイクが崖を飛び越え、愛参頑駄無の頭上を通り過ぎると、そのまま巨大ムカデに体当たり。

 

バイクから飛び降りた2人は地面に着地すると、1人は剣を、1人はメイスの様な武器を構えて巨大ムカデと愛参頑駄無の間に立った。

 

 

「君、大丈夫か!?」

「え……あ、う、うん!」

「そうか、良かった!」

「劉備、気を抜くなよ!」

「馬超こそ!」

 

 

劉備、馬超と呼び合う2人のSDガンダム。

愛参頑駄無はこの2人に見覚えがある。

確か、ガンダムベースの最新のSDガンダムコーナーに積まれていた中に、彼らの姿はあったと思う。

 

 

巨大ムカデがまずが馬超と呼ばれた方へと襲い掛かる。

だが、馬超は持っていたメイスでそれをガードし、真正面から力比べを始めた。

メイスにしがみ付いた巨大ムカデを振り回し、そのまま地面に叩き付ける。

 

「喰らえぇええ!!」

 

地面に倒れた巨大ムカデを再びメイスを使って空へと放り投げると、そのまま彼はメイスで巨大ムカデを野球のバッターの様にかっ飛ばしてしまった。

 

 

一方の劉備は、巨大ムカデの攻撃を軽やかな動きで回避しつつ、巨大ムカデとの距離を詰めていく。

接近した劉備は巨大ムカデの手足を剣で切り刻み、攻撃手段をまず奪う。

 

 

「ハロ!!」

 

 

劉備が叫ぶと、彼はいつの間にか手に持っていたハロを宙へと放り投げる。

するとハロに龍の紋章が浮かび上がり、どこからか飛んできた強化パーツ『ドラゴンメモリ』が劉備の左腕に装着。

彼の体が耀き、剣を構えると、勢いよく巨大ムカデへと迫っていく。

 

 

 

「超絶!!龍破斬!!!」

 

 

 

『キシャアアアアアアア!!!』

 

 

劉備により一刀両断された巨大ムカデ。

爆発と共に消滅するその姿を見て、愛参頑駄無はポカンとしていた。

戦いを終えた馬超と劉備が愛参頑駄無へと駆け寄ると、彼女を心配した劉備が愛参頑駄無へと手を差し伸べた。

 

 

「危ないところだったな!」

「……凄い……。」

「え?」

「めっちゃ凄い!!2人ともめちゃくちゃ強いね!!アイさん、マジでテン上げだよ~!!」

「えー……っと……げ、元気そうで何より……。」

「ハハハ、ちょっと変わった子みたいだね……。」

「自己紹介がまだだったな、俺は劉備。劉備ユニコーンガンダム。」

「俺は馬超ガンダムバルバトス。君は?」

「アタシは宮下愛……じゃなくて、愛参頑駄無……で、いいんだよね?この場合。」

「愛参頑駄無?この辺じゃあんまり聞きなれない名前だな。キングダムワールドの人間じゃないのか?」

「劉備、キングダムワールドの出身なら丸腰でこんな危険地帯うろつかないって。」

「それもそうか。」

 

 

2人の名は、劉備ユニコーンガンダムと馬超ガンダムバルバトス。

愛参頑駄無はこの2人を知っている。

この2人はどちらも人気のSDガンダムシリーズ『SDガンダムワールド三国創傑伝』に登場するガンプラ達だ。

 

 

(この2人がいるって事は、やっぱりここはGBN……だよね?三国創傑伝のディメンションなんて来た覚え無いんだけど、NPDでも人に会えたのはちょっとホッとするなぁ。)

 

 

「で、愛参はどうしてこんな所に?」

「あ、そうだった!ねぇ、この辺でアタシの友達見てない?ドムみたいなトールギスみたいなガンダムと、黄色いザクなんだけど!」

「ドムみたいなトールギスみたいなガンダムと黄色いザクって……情報量多すぎだろ……。」

「いや、俺も劉備も君以外は見ていないな。ここいらで俺達の知らない顔のやつなんていないから、君みたいなのがいればすぐわかるんだけど。」

「俺と馬超がここに来たのも、俺達の砦のあるショク・エリアで君が襲われている所を目撃したからなんだ。」

「そうなんだ……。」

 

 

りなこ達の情報を得られるかもしれないと期待していた愛参頑駄無は、思わず肩を落とす。

劉備と馬超が顔を見合わせると、2人はバイクに乗り込み、劉備は愛参頑駄無にバイクのサイドカーに乗るように案内した。

 

 

「とりあえず、ここは危険だ。まずは俺達の住んでるショク・エリアに帰ろう。」

 

 

 

 

~~

 

 

このキングダムワールドは、地球で言う所の中国の様な国だった。

その中でもショク・エリアと呼ばれる場所は現実の中国にもっとも近いエリアであり、劉備たちが所属する自警団『ドラゴンズ・ウォッチ』もこのショク・エリアに在中している。

 

劉備たちに連れられてこのショク・エリアにやって来た愛参頑駄無を出迎えたのは、ガンダムデュナメスによく似た少し年配のSDガンダムだった。

 

 

「よう、劉備!」

「黄忠のおっちゃん!ただいま!」

「ほれ、趙雲から手紙が来とったぞ。アイツ……まだネオワールドで遊んでるのか……。」

「ま、まぁアイツにとっちゃ一応アルセーヌさんのところで修行しているようなもんだから……ハハハ……。」

「ん?おい劉備、そっちの嬢ちゃんは?」

「あぁ、困っていたみたいだから連れて来たんだ。とりあえず、諸葛亮にも相談してみようかなって。」

「そうか。嬢ちゃん、ワシは黄忠ガンダムデュナメス!何かあれば頼ってくれよ!」

「う、うん!ありがとう、おじさん!」

 

 

バイクから降りて、劉備が言う『諸葛亮』という人物の下へと向かう劉備、馬超、愛参頑駄無。

その途中で、愛参頑駄無が先ほどの黄忠の事を思いだして劉備たちに言った。

 

 

「この街の人、優しい人ばっかだね!」

「あぁ、この街は全員が家族みたいなもんだからな。」

「俺達ドラゴンズ・ウォッチが、このでっかい家族を守ってるって言うわけさ!」

「へー!劉備も馬超もカッコいいね!」

「そ、そうかな……えへへ……。」

「劉備、鼻の下伸ばすんじゃねーよ。」

「の、伸ばしてねーよ!!ほら、早く諸葛亮んとこいくぞ!!」

 

 

劉備たちの言う『諸葛亮フリーダムガンダム』とは、彼らの仲間であり彼らのブレイン的存在。

とても頭のいい研究者で、もしかしたら愛参頑駄無の仲間を見つけ出す方法がわかるかもしれないという。

しばらく歩いて村の端の方まで行くと、そこには少し小さな家があり、そこが諸葛亮のショク・エリアでの住まいだという。

劉備は特に断りも無く家のドアを開けて、大声で諸葛亮の名前を読んだ。

 

 

「おーい、諸葛亮ー!いるかー?」

 

 

しかし、劉備の声に誰も反応しない。

首をかしげている劉備に、愛参頑駄無が尋ねる。

 

「どうしたの?」

「いや……諸葛亮のやつ、留守なのかな?」

「でもここに来るまでの間に、諸葛亮の姿は見てないぜ、劉備。」

「アイツが出かける用事なんて飯時かガンプラ買いに行く時ぐらいだしなぁ。ん?」

 

その時、劉備の目にある物が留まった。

諸葛亮が調べもので使う机の上に置かれている、一冊の本。

本というより、研究資料の様に見える。

勿論劉備も馬超も愛参頑駄無も、そこに書かれている意味なんてものは解らず、ただ一文『ムシャワールド』という単語だけしか解読できない。

 

 

「これ、諸葛亮の字じゃないな。アイツの師匠の張角さんって人の書いた本かな?」

 

 

 

「劉備ーーー!!」

 

 

諸葛亮の残して行った本を読んでいると、家の外から村人の声が聞こえた。

家の外に出てみると、そこには村人(おそらくジム)がいて、彼は焦った声色で劉備へと訴えた。

 

 

「どうしたんだ!?」

「実は、昨日の夜、俺がこの辺を通りがかっていると、諸葛亮のヤツがこっそりと家を抜け出しているの見たんだ!」

「諸葛亮が!?」

「なんか怖い顔しててさ……俺、怖くなってアイツに話しかけられなくて……でも気になって見に来たら、劉備と馬超がいたから、お前らには話した方がいいと思って……!」

「アイツが俺達に何も告げずにいなくなるなんて……何かあったに違いない!」

 

 

どうやら、諸葛亮は昨晩から姿を暗ましているらしい。

村人がそう言い終わると、愛参頑駄無の目の前に、先ほどまでいくら頑張っても出てこなかったコンソールパネルが出現。

しかし、それはログアウトをするための物では無かった。

 

 

『STORY MISSION Are You Ready?』

 

 

「え、なにこれ……ストーリーミッション……?」

 

 

そこに表示されたのは、今まで見た事が無い『ストーリーミッション』の開始の通知。

しかもキャンセルは無く、あるのは『YES』のボタンだけ。

劉備や馬超には見えていないのか、彼らは愛参頑駄無に表示されているそのコンソールパネルに気が付かない。

劉備が振り返り、愛参頑駄無に頭を下げた。

 

 

「悪い愛参!君の仲間は必ず見つける!でも、その為には諸葛亮を連れ戻さないと!だから、ここで黄忠のおっちゃん達と一緒に待っててくれ!」

「俺と劉備が諸葛亮を連れて戻ってくる。大丈夫、そう時間は取らせないさ。」

 

 

そう言ってくれる劉備と馬超。

確かに、愛参頑駄無……アイはこのディメンションについての知識は浅い。

ここで彼らを待っていた方が安全かもしれない。

しかし、いくらゲームだと言っても、アイは劉備と馬超に助けてもらった。

だからこそ、今度はアイも2人の事を助けたい。

 

 

「アタシも一緒に行くよ!2人の力になりたい!ここで恩を返さなきゃ、女が廃るってもんだよ!オンだけに!」

 

 

そうして、愛参頑駄無は勢いよく、ミッションスタートの『YES』ボタンを押した。

 

 

 

 





~にじビル毎回劇場~

第76回:ずっと気になってたアレ

侑「ランジュちゃんって髪綺麗だよね~、触ってもいい?」

ランジュ「えぇ、いいわよ!どんどん触って頂戴!」

侑「ありがとう。これだけ髪長かったら色々楽しめていいなぁ。」

ランジュ「この髪、小さい頃に薫子に褒められてから伸ばしてるの!侑だって綺麗な髪よ!」

侑「そうかな?」

ランジュ「えぇ!あとでランジュも侑の髪の毛触りたいわ!そうそう、そう言えばずっと気になってたんだけど……。」

侑「?」

ランジュ「あなたの髪の毛……どうして先の方が緑色になってるの……?地毛?染めてるの?」

侑「あぁ、コレはね。」

ランジュ「ワクワク!」

侑「サイコフレームだよ。」

ランジュ「!!?」


~後日~


ランジュ「ジーーーーっ……!」

ミア「どうして侑の事をずっと見つめてるのさ、ランジュ。」

ランジュ「侑の髪の毛はサイコフレームだから、ランジュの脳波を感知して考えてる事を察知してくれるはずなのよ!だからランジュ、『放課後ステーキ食べに行きましょう』ってテレパシーを送ってるの!」

ミア「馬鹿なの?」


侑「嘘だって言いだし辛い……。」

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