消えてしまった劉備たちの仲間、諸葛亮フリーダムガンダムを探す為、劉備、馬超、愛参頑駄無の3人がショク・エリアを旅立ってからすでに数日が経過した。
その間、愛参頑駄無は劉備たちから彼らの住む世界……キングダムワールドがどういう状況なのかの説明を受けた。
今から1年ほど前……劉備たちは各ワールドに眠る不思議な力を持つハロを集め、赤い月からやって来た『窮奇ストライクフリーダムガンダム』との戦いに勝利し、しばらくの間平和な生活を送っていた。
しかし数か月ほど前から、また新たな異変が各地を襲い始めたという。
「異変?」
「あぁ。どういうわけか、各地の野生動物たちがこぞって凶暴化し始めたんだ。愛参を最初に襲った巨大ムカデだって、普段なら自分の縄張りに入った奴以外を積極的に襲ったりなんかしなかった。」
「それだけじゃない。ショク・エリアの方は影響が少ないが、他のエリアやワールドに住んでいる連中も気が短くなったり、気分が沈んだりしちまってるらしい。些細な事で争いを始めたりして、近々戦争でもやるんじゃないかって噂もあるぐらいだ。」
「皆テン下げになってるって感じなのかなぁ?」
「そういうこった。諸葛亮はその原因を調べるために色々と調査してくれてたんだが……。」
野生動物の凶暴化や、各地のSDガンダム達の人格の急変。
それら全ての発生時期が同じである事から、諸葛亮はこれらの事件は全て同一の物なのでは無いかと考えていた。
そして、彼が見ていた資料から読み取れる情報から、劉備たちは諸葛亮が目指したと思われる場所を地図で指差す。
「アイツの見ていた資料に載ってた『ムシャワールド』!今俺達の手元にある手掛かりはコレだけだ。」
「ムシャワールドか……。」
「そう言えば愛参の格好って、ムシャワールドの物に似てるよな。もしかしてムシャワールドの出身なのか?」
「あー、いや、アタシはお台場って所から来たんだけど……。」
「オダイバ?そんなワールドあったっけなー……?まぁ、いいや!早いところ諸葛亮のヤツ見つけて、愛参の仲間を見つけ出す方法を考えてもらおうぜ!」
(仲間……りなりー達、今頃どうしてるんだろう……今頃大騒ぎになってるよね……。)
劉備と馬超が休憩がてら近くの野兎を狩って食事の準備に取り掛かる中、愛参頑駄無はふと同好会の仲間たちの顔が頭をよぎる。
すでにこのストーリーミッションが開始されてから数日が経つ。
その間、学校に行って無いし家にも帰れていない。
今頃家や学校では大パニックだろう。
特に愛の幼馴染でもあり姉と慕っている美里や、同好会では特に仲の良い璃奈たちは心配していると思う。
「なんでログアウト出来ないのかな……メイメイ達が前にやってたストーリーミッションはログアウト出来たって言ってたのに……。」
柄にも無く少し泣きそうになってしまう愛参頑駄無。
そこへ野兎を捕まえた劉備と馬超が戻ってきて、彼女の姿を見て慌てて愛参頑駄無へと駆け寄った。
「ど、どうしたんだ愛参!?大丈夫か!?」
「まさか、敵襲か!?」
「え、あ、ううん!違う違う!ちょっと、ホームシックになってただけだって!ホームシックでシックシック~……なんてね!」
「そ、そうか……ビックリしたよ……。」
「腹が膨れれば少しは元気になるさ。ほら、活きの良いヤツ捕まえたから、早速食おうぜ!」
そう言いながら馬超が笑顔でウサギを見せてくる。
このウサギも異変の影響で凶暴化しているが、見た目はラゴゥそっくりの可愛いウサギで、食べるのは少し気が引ける。
「ちょっ、か、可哀想じゃん!逃がしてあげなよ!」
「え、でも肉食った方が力もつくし……。」
「ダメダメ絶対にダメーーー!!アタシも一緒に探すから、果物とか探そうよ!アイさんこう見えて食べられる草とか詳しいからさ!」
「せっかく捕まえたのに……。」
「まぁ、でも、愛参が少し元気になってくれてよかったじゃないか、劉備。」
~~
その頃、劉備たちの探し人……諸葛亮フリーダムガンダムは一人、ムシャワールドにある巨大な神社の様な場所にやって来ていた。
彼の持つ扇型デバイス『宙天羅扇』を社に翳すと、社の前の空間が歪み、異空間へと繋がる穴が広がった。
「開いた……!やっぱり、張角先生の文献は本当だったんだ!と言う事は、この先にあるはずだ……別の世界同士を繋げる力を持つ『伝説の鎧』が。」
諸葛亮の師匠……張角デビルガンダムは高名な学者であった。
彼は自身の弟子で、諸葛亮の兄弟子に当たる司馬懿デスティニーガンダムに利用され、殺害されてしまったが、彼の残した研究はまだ各地に数多く存在する。
そのうちの一つが、『次元を超える力を持つ伝説の鎧』
そのあまりに危険すぎる力を恐れた張角は、この伝説の鎧をSDガンダムワールドのどこかへと隠した。
研究の対象とするには、それはあまりにも恐ろしい物だった。
今回の異変を調査していた諸葛亮は、自分たちの住むショク・エリアと他のエリアやワールドで異変の度合いに差がある事に気が付き、それらすべてを計算し、ついにこのムシャワールドが発生の原因であると特定。
「うっ……この濃過ぎる瘴気……長い事浴びていればボクもただでは済まないかもな……。でも、これが別の世界からやってきた物ならば……それを止める義務はボクにある。」
そう言いながら一歩を踏み出す諸葛亮。
社の中へと入ろうとする彼の後ろから、聞き覚えのある声が聞こえた。
「待て、諸葛亮。」
「! あなたは……!」
~~
愛参頑駄無達がショク・エリアを抜け、キングダムワールドを旅立ってからさらに数日後……彼らはついに目的地であるムシャワールドへとたどり着いた。
愛参……アイの知っている劉備たちの物語である『SDガンダムワールドヒーローズ』では、このムシャワールドを訪れた事がある彼らの仲間は同じくキングダムワールドの出身である曹操ウイングガンダムのみ。
なので劉備も馬超もムシャワールドを訪れるのは初めてで、和風で厳かな街並みに彼らは圧倒されていた。
「ここがムシャワールドか~!思ったよりでっかい街なんだな!」
「おい、見ろよ劉備!あそこにでっかい城があるぞ!」
「本当だ!確か、信長さんの城だよな?」
「天宮に似てるなー。やっぱり武者頑駄無と言えば天宮だよね~。」
「「アーク?」」
「あ、ううん。こっちの話こっちの話。よーし、じゃあ皆で諸葛亮って人を探すぞー!」
「おう!」
劉備と馬超の励ましのおかげで元気を取り戻しつつある愛参頑駄無は、意気揚々と街へと繰り出す。
この街の街並みは『SD戦国伝シリーズ』の城下町に似ており、あちらには歴代大将軍が治める烈帝城があるが、こちらは烈帝城よりもさらに巨大な城が構えられ、それを収める信長ガンダムエピオンなる人物がいるらしい。
ムシャワールドは他のワールドに比べて治安はそこまでいい方とは言えないが、この辺りの村は普段は平和そのもので人も多く、情報収集にはうってつけの場所と言える。
「愛参、気を付けろよ。キングダムワールドに比べて、ムシャワールドは血気盛んな奴が多いからな。」
「OK!」
馬超の警告を聞きつつ、愛参は城下町の中心部へ。
普段はこの辺りは人が多いのだが、何故か今はほとんど人が見当たらない。
しばらく歩いていると、彼らの目の前に数人の村人の姿が見えた。
早速諸葛亮についての目撃情報を得ようと愛参は大手を振って近づく。
「おーい!ちょっと話を聞きたいんだけd、」
「だいたいお前、前からムカついてたんだよ!!」
「こっこそ!お前の面見てるだけで腸煮えくり返りそうになるぜ!!」
「あ……あれ……?」
見るからに穏やかでは無い雰囲気の村人たち。
すると、村人の一人がその辺に立てかけてあった農作業用の鍬を手に取り、もう一方に向けて振り上げた。
「テメェぶっ殺してやる!!」
「やれるもんならやってみやがれ、このへっぴり腰が!!」
「なにをぉ!?」
「ちょ……ちょちょちょーっと待ったーーーー!!」
村人が振り下ろした鍬を、急いで割って入った愛参頑駄無が受け止めた。
突然現れた愛参頑駄無に村人たちは驚いているが、すぐに険しい顔になる。
「ちょっと!危ないじゃん!もう少しで怪我させるところかもしれなかったんだよ!君、大丈夫?」
「余計な事すんなよ!!」
「あいたっ!?」
なんと、助けたはずの村人が愛参頑駄無を突き飛ばし、愛参頑駄無は地面に転がった。
村人は懐から包丁のような物を取り出すと、鍬を持った村人へと襲い掛かる。
愛参頑駄無は再びそれを止めようとしたが、その時ある事に気が付いた。
「……何……コレ……?」
「あなたのところの赤ん坊が毎晩五月蠅くて眠れやしない!!」
「まだ小さいんだから仕方がないでしょう!?」
「うるさい!こうしてやる!!」
「もう何日も食ってねぇんだ……食い物あるだけ寄越せぇぇ!!」
「な、なんだ貴様!?無礼なヤツめ、叩き切ってくれる!!」
「誰でもいいから斬りたい斬りたい斬りたい斬りたい……!」
この街の住人全員、誰かと争っている。
単に口論になっているだけならまだマシで、刀や農具で実力行使に出ようとするものも少なくは無い。
その光景を見た愛参頑駄無は思わず後ずさるが、その際に足もとにヌルっとした気色の悪い感触が。
「ッ……!?え、う、嘘……!?だ、大丈夫!?ねぇ!!」
その感触とは、地面に流れ出た大量の血であり、その近くに倒れていた村人を愛参頑駄無が介抱しようとした。
しかしすでに息絶えており、そのすぐ傍には血に濡れた刀を持った別の村人の姿が。
「お、お前が悪いんだ……!お前が……!」
「な、何してるの!?自分が何したかわかってんの!?」
「う、うるさい!お、お前も俺にたてつくって言うなら、こ、こうしてやる!!」
刀を振り上げる村人。
劉備と馬超が救援に向かうが、間に合わない。
目を瞑る愛参頑駄無だったが、次の瞬間、彼女の体を何者かが抱きかかえ、勢いよく近くの家の天井に飛び乗った。
その人物は正体がわからないように全身にマントを羽織っていて、顔はよく見えない。
「………あ、あれ……?」
「無事でござるか。」
「君は?」
「ここは危険でござる。劉備殿!!」
「あ、アンタは!よし、行くぞ馬超!」
「おう!」
愛参頑駄無を助けたそのマントの男の正体を察した劉備と馬超が、襲ってきた村人を適当にあしらってその男の後を追った。
~~
「ここまで来れば大丈夫でござろう。立てるでござるか?」
「う、うん。」
ある程度逃げてきた愛参頑駄無達。
民家のある場所から少し距離がある為、ここにいれば村人たちに襲われる事は無い。
愛参頑駄無に怪我が無い事を確認すると、劉備がそのマントの男へと握手を求めた。
「ありがとう、助かったよ、佐助!」
「仲間を見捨てるのは拙者の忍道に反するでござる。助けるのは当然でござるよ。」
佐助と呼ばれたその男がマントを脱ぎ捨てると、中から現れたのはグレーのボディを持つ忍者風のSDガンダム。
その見た目は『機動戦士Zガンダム』の百式に似ているが、色合いが全く違うので別のMSのようにも見える。
「申し遅れた。拙者は佐助デルタガンダム。このムシャワールドを収める信長ガンダムエピオン様にお仕えする忍でござる。」
「アタシはみy……じゃなくて、愛参頑駄無だよ。助けてくれてありがとう。」
「愛参殿、無事で良かったでござる。」
「なぁ、佐助。この街はどうしちまったんだ?俺、ムシャワールド来るの初めてだけど、いつもこんな感じなのか?」
「まさか!これもすべて、異変のせいでござるよ。」
佐助デルタガンダムと名乗る男は、ここ1ヶ月で急激に異変の影響が強くなった事を教えてくれた。
最初のうちは、それこそ些細な喧嘩が目に見えて多く感じるだけという印象だった。
それがだんだんとエスカレートしていき、最終的には先ほどの様な人の命を奪うほどの争いまで起こるようになってしまったという。
「それだけでは無く、信長様に反旗を翻そうとする百姓たちが、一揆を起こそうと企て、信長様は城を追いやられてしまったのでござる。」
「けど、信長さんならそのぐらい簡単に追い払えそうだけど……。」
「信長様とて、民を斬るのは本意ではござらん!その為信長様と拙者は異変の原因を突き止めるべく、調査を続けていたのでござる。」
「じゃあ、何かわかったのか!?」
「勿論でござる。そんな折、偵察に出していた拙者のオトモカラスからムシャワールドへやってくる劉備殿たちの存在を知り、一度信長様の下を離れてこうして参上した次第でござる。」
「もしかしたら、そこに諸葛亮もいるかもしれない。行ってみようぜ、馬超!愛参!」
「あぁ!案内してくれ佐助!」
「承知!」
佐助に案内され、異変の原因となっていると思われる場所まで赴く事となった劉備たち。
早速向かおうと立ち上がる愛参頑駄無だったが、その時彼女の耳にまた嫌な音が聞こえてきた。
悲鳴に怒号、そして刀の交わる金属音。
耳を塞ぎたくなるような音ばかりが聞こえてくる。
(コレ、本当にゲームなんだよね……?GBNの、ミッションの一つなんだよね……?だとしても、こんな……。)
「おーい!行こうぜ、愛参!」
「……うん、今行くよ。」
~にじビル毎回劇場~
第77回:ガンダムブレイカーバトローグ
せつ菜「皆さん!ガンダムブレイカーバトローグ見ましたか!!すっっっごく熱い展開で感動しましたーー!!あぁ……1クールにも満たないなんて勿体無いです……もっともっと見ていたいですぅ!!」
果林「なんかすごい形のガンダムいたわよね。あの黒いの……なんていう名前なの?」
せつ菜「ガンダムバルバタウロスです!!ガンダムバルバトスをベースに二機分のガンダム・フレームを使って組み上げた異形のガンダム!!あんな改造を出来るだなんて尊敬してしまいます!!」
果林「彼方のバルバトスは人の形してるけど、あれは全然違ったわね。同じベース機でもこんなに違いが出るのね。」
せつ菜「はい!!もちろん正統派な改造機もありまして、たとえばガンダムヘリオス!!」
果林「栞子ちゃんのガンダムに似てたわね。」
せつ菜「どちらもデスティニーとフリーダムですからね。ヘリオスはそこにさらにガンダムXの要素も合わせたガンプラで全身から放つフルバーストの威力は想像を絶するほどです!!」
果林「どれも素晴らしいガンダムだったし、話の内容も面白かったのだけれど、私としてはもっとガンダム以外のモビルスーツが出てもいいと思うのよ。グフぐらいしかいなかったでしょ?」
せつ菜「それは今後の展開に期待ですね!!」
果林「私、今の映像技術で動くキュベレイが見て見たいわ。」
せつ菜「次のビルドシリーズでは、ガンダム以外のモビルスーツを主役に据えるのも面白いかもしれませんね!!お話していたらもう一回見たくなってきちゃいました!果林さんもご一緒しましょう!!」