ニジガクビルドダイバーズ   作:バース・デイ

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崩れる友情

GBNに蔓延る全てのバグの元凶……バンシィ・ノワール。

その名の通り、『機動戦士ガンダムUC』に登場する、プルトゥエルブが搭乗する黒いMS『ユニコーンガンダム2号機 バンシィ』がベースとなっている、凶悪な機体。

バンシィ・ノワールが現れる所にはバグが発生し、その頻度は以前の第二次有志連合戦と比較すれば小さい物ではあるが、サラの時とは違い、バンシィには明確な悪意がある。

更に、バンシィ・ノワールは何故か意図的に虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の前に現れ、彼女たちのライブやガンプラバトルに介入し、あらゆる手段で妨害を講じてくる。

そして、その正体は……、

 

 

「ゲームマスターであるカツラギの姪、カツラギ・マリナだ。」

「そんな馬鹿な……ありえない!!」

「キョウヤ、認めたくない気持ちはわかる。しかし、コレは事実だ。」

「まさか、Drカツラギのお嬢さんが……。」

 

 

モニターに映し出されたカツラギ・マリナの顔を見て、ニルスが眉を細めた。

彼の言う『Drカツラギ』とは、かつてニールセンラボで共にGBNの初期開発に携わった研究者。

ゲームマスターであるカツラギの年の離れた実の兄であり、カツラギ・マリナの母親。

大のガンダムファンであった彼は、ニルスと共に、戦えば壊れてしまうという、それまでは敷居の高かったガンプラバトルを、ガンプラ初心者でも楽しめるサービスを作る事に情熱を燃やしていた。

Drカツラギは妻と共に、ニールセンラボでGBNのβ版の開発を行っていたが、その際に発生した事故により夫婦共に帰らぬ人となってしまった。

偶然その場に居合わせたマリナもその事故に巻き込まれてしまい、崩れた瓦礫の下敷きとなり、左脚切断という大怪我を負う事になってしまった。

 

 

「ニルス博士、Drカツラギの事故というのは……、」

「GBNのプログラム調整中に起きた電子機器の暴走です。今思えば、おそらくあれが現在のELダイバー誕生の瞬間なのかもしれません。」

「ならばカツラギ・マリナの目的は、両親を奪ったGBNの復讐なのだろうか?」

「待ってくれカワグチ、それでは、侑くん達を目の仇にしている理由がわからない。元々バンシィ・ノワールが出現し始めたのは、侑くん達がガンプラバトルを初めてからだ。」

「そしてバンシィ・ノワールが表舞台に姿を見せたのは、ベアッガイフェスのあの時から、か……。」

「カワグチ、この事はカツラギさんには……、」

「まだ話してはいない。」

「そうか……。」

 

 

カワグチがそう言うと、キョウヤは少しホッとした。

カツラギとは今でこそ、GBNのチャンピオンとゲームマスターという関係ではあるが、元々はお互いにガンプラが好きだったただのガンダム友達。

そんな彼に、この残酷な真実を告げる為の時間が、彼には欲しかった。

 

 

「ですが、どうするのですかメイジン。カツラギ・マリナをこのままにしておくわけには……、」

「わかっている。早急に手を打つぞ。」

「…………。」

 

 

マリナを捉えるため、動き始めるカワグチとニルス。

その様子を見て、キョウヤは静かに拳を握った。

 

 

 

 

~~

 

「皆!コレ、見て!」

「どうしたの璃奈ちゃん?ずいぶん嬉しそうだねぇ。」

「朝からずっとこの調子なんだ。見てあげてくれよ、皆。」

「ん~?」

 

部室に来るや否や、璃奈が嬉しそうにダイバーギアを全員に見せつけてきた。

そこには、璃奈に送られてはいるが、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会とスクールアイドル部の13人全員宛てのメールが。

璃奈がそれを開くと、そこには予想外の人物からのメッセージが送られて来ていた。

 

 

『りなこちゃんと、そのお友達のみなさんへ。今度開催されるガンダムフェスへの招待状を送らせてもらいます。是非楽しんでください。イオリ・セイより』

 

 

「これって……イオリ・セイさんからのメッセージ?」

「そう!セイさん、約束覚えてくれてた!璃奈ちゃんボード『じ~ん』……!」

「セイって、前にミオが誘拐された時にガンダムマフィアを倒したストライクガンダムのダイバーだったよね?」

 

 

イオリ・セイはメイジン・カワグチとも肩を並べる伝説のビルダーであり、璃奈を何度も助けてくれた人物。

今度のガンフェスでリクのダブルオーインフィニティーセイバーと、セイのビルドストライクレイジングスターによるエキシビションマッチが行われる。

セイはペリシアで璃奈と出会った時に、全員分のガンフェスの招待状をくれる約束をしていて、それがついに今日届いた。

いよいよ開催が目前に迫った大きなイベントに、ニジガクメンバーも心を躍らせる。

 

「ガンフェスって招待状無いと入れないんですかぁ?」

「そんな事は無いけど、招待状があればVIP席でバトルが見れるよ。それに、お祭りの時のお買いものも全部半額になるし、来場記念で特別な強化パーツももらえたりするんだよ!」

「特典盛りだくさんってわけね。そんな凄い招待状を貰えるなんて、璃奈ちゃんのおかげね♪」

「私、リクさんの事も勿論応援したいけど、セイさんの事も応援したい。」

「璃奈がそう言うなら、ボクはイオリ・セイの方を応援しようかな。」

 

 

相変わらず璃奈に合わせてくるミア。

実はエマもキョウヤから招待状は貰っていたが、ここではあえて出さないようにして璃奈からの招待状を受け取る。

 

 

「伝説のガンプラファイターのイオリ・セイさんかー……私も早く会いたいよ~!」

「イオリ・セイさん、ヤサカ・マオさん、ヤジマ・ニルスさん……思えば、私達って凄い人達とお知り合いですよね。」

「言われてみればそうだね。第7回ガンプラバトル世界大会の上位ランカーの人ばかりだよ。」

「そのうちリカルド・フェリーニさんにも会えたりして?」

「私は3代目メイジンさんにお会いしてみたいです!」

 

 

セイは璃奈の恩人、マオはミオの父親、ニルスはフォースネストを提供してくれた協力者と、中々凄い面子と知り合いのニジガクの面々。

リカルド・フェリーニもガンフェスに行けば会えるかもしれない。

それに3代目メイジン・カワグチとは面識がなくとも、4代目のキジマ・ウィルフリッドはランジュの師匠の様な男でもある。

 

 

「カワグチは凄いのよ!」

「ランジュ、聞いていたのですね。」

「当たり前じゃない!そのお話し、ランジュも混ぜなさい!カワグチの凄さを徹底的に教えてあげるわよ!」

「ランジュさん、そろそろ時間ですよ。約束の時間に遅れてしまいます。」

「約束?せつ菜さん、ランジュと何か約束をしているんですか?」

「えぇ。これからマリナさんと一緒にガンプラを作る約束をしているんです。」

「今、3人でフェネクスを作ってるの!完成したら皆にも見せてあげるわ!」

「へー、フェネクスかー!私のユニコーンと同型のガンプラだよね?」

「えぇ。侑さんのレインボーユニコーンは1号機、フェネクスは3号機ですから。」

「ランジュ、フェネクスが完成したらつけてあげたいデカールを作って来たの!早く行きましょうせつ菜!バイバイ皆!」

 

 

そう言い残して、ランジュとせつ菜は同好会を後にした。

すでにマリナは家で待っているようで、2人はそのままカツラギ家へと向かって行った。

 

 

 

 

~~

 

カツラギ家へと到着したせつ菜とランジュが真っ先にした事は、マリナの叔父さんであるカツラギが在宅しているかどうかの確認。

圧もあって少し怖いので、どうしても無意識に警戒してしまう。

マリナの叔父は多忙なため、この時間帯に家にいる事は滅多になく、マリナしかいなかった。

 

「いらっしゃい2人とも!塗料、もう出来てるよ!」

「お邪魔しますマリナさん!」

「今日で完成させるわよ~!」

 

3人が作ろうとしているのは、サイコフレームが赤く光るフェネクス。

本来のフェネクスのサイコフレームは青く発光するが、せつ菜とランジュ共にイメージカラーが赤系統であるため、ランジュがサイコフレームを赤くしたいと提案。

ユニコーンモードでなおかつHGなので内部のサイコフレームを表現するのは難しいが、マリナがスミ入れに赤い塗料を使う事でサイコフレームを表現できるという。

 

 

「ガンダムマーカーじゃダメなの?ほら、茶色いヤツあるでしょ?」

「ダメダメ!あれを使うとメッキがはがれちゃうから!」

「そうなの?」

「ガンダムマーカーのスミ入れペンは素組み用のエナメル塗料ですから、メッキが剥がれてしまうんですよ、ランジュさん。」

「ガンプラって奥深いのね~。」

「だからこうして、メッキの剥がれない塗料を使って……こうやって……。」

 

 

マリナが慎重に塗料を流し込み、フェネクスのモールドに赤いラインが入る。

全身が派手な金メッキであるため見えづらくなってしまうが、蛍光塗料を混ぜているため暗い場所でブラックライトを当てるとサイコフレームの耀きを再現してくれている。

マリナがスミ入れをしている間、せつ菜とランジュはフェネクスの特徴でもある背面の2枚のシールド『アームドアーマーDE』を製作。

そうして作業する事1時間強……ようやく、3人で作り上げたフェネクスが完成した。

 

 

「ふぅ~……よし、完成!」

「おぉぉ!!か、カッコいいですぅ!!金色のボディに赤く輝くラインが最高ですね!!」

「きゃあ!やったわね、せつ菜!マリナ!」

 

 

見た目は侑のレインボーユニコーンやマリナのバンシィによく似た形状。

腕部と脚部にはアームドアーマーDEのスタビライザー同様、不死鳥の尾羽をイメージしたようなパーツが取り付けられている。

やはり目を引くのは、輝く赤いサイコフレーム。

3人で協力して作り上げた新しいガンプラの完成だ。

 

 

「そうだ!この子に名前を付けてあげなくちゃ!何が良いかなぁ?」

「そうですね……赤いサイコフレームのフェネクスですから……、」

「ランジュに任せなさい!このガンプラにふさわしい名前を考えてきたの!」

 

 

自信満々に胸を張って、ランジュはフェネクスをマリナとせつ菜の前に掲げる。

そして、高らかにこのガンプラの名を宣言した。

 

 

 

「この子の名前は『クリムゾンフェネクス』よ!ランジュ、昨日の夜たくさん考えたの!いい名前でしょう!」

 

 

「クリムゾンフェネクス……。」

「良い!良いじゃ無いですかランジュさん!赤いフェネクスでクリムゾンフェネクス……うん!しっくり来ます!そう思いますよねマリナさん!」

「うん、私もカッコいいと思う!」

「そうよねそうよね!2人ともそう思うわよね!」

 

 

こうしてフェネクス……クリムゾンフェネクスをとうとう完成させた3人は達成感と満足感に満たされた。

一息ついている間にランジュがふと、マリナの作業机の上に置いてあったノートに目が行った。

それは先日、ランジュの『みんなとやりたい事ノート』を真似してマリナが書きたいと言っていたノートだった。

 

「マリナさん、そのノート、マリナさんも始めたんですね。」

「うん。えへへ、なんだか恥ずかしいなぁ。」

「恥ずかしがることなんて無いわ!ねぇ、見てもいいかしら?」

「えぇ!?は、恥ずかしいからダメ!私、ジュース注いでくるね。」

「あ、マリナさん無理はなさらずに!私が淹れてきますから!」

「ううん、せつ菜さんはお客さんなんだから。大丈夫、お家の中だし、義足でも十分に歩けるから!」

 

 

そう言ってマリナは3人分のジュースを注ぎにキッチンへと向かった。

その間、ランジュはさっきのマリナのノートが気になっているのかチラチラと見ている。

 

 

「ダメですよ。」

「なによぉ!まだ何を言って無いじゃない!」

「マリナさんが見ないでほしいって言ってたんですから。」

「わかってるわよ~。」

「さて、私達はジュースが来るまでの間、片付けでもしましょうか。」

「そうね。よいしょっと……アイヤー!?」

「ランジュさん!?」

「あいたた……う~……机がランジュをいじめる~……あら?」

 

 

立ち上がろうとしたランジュだったが、その時にバランスを崩して作業机の角に足をぶつけてしまった。

その衝撃で机の上からマリナのノートが、ページが開かれた状態で床に落ちてしまう。

マリナにばれない間に急いでそれを拾おうとしたランジュだったが、開かれたそのページに書かれている言葉を見て思わず動きが止まってしまった。

 

 

「どうしたの2人とも!?凄い音したけど、大丈夫!?」

 

 

先ほどの音に驚いたのか、心配したマリナがジュースを持って可能な限り急いで戻って来た。

すると彼女は、目の前で見ないでほしいと言ったノートを開いているランジュと、そのノートに視線が釘付けになっているせつ菜を目撃。

しかも最悪な事に、ランジュが開いていたページには、この2人には絶対に見られたくなかった事が書かれていた。

 

 

「ま、マリナさん……こ、コレは不可抗力で……!」

「……………。」

「マリナ、コレって……、」

「私、見ないでって言ったよね?」

 

 

今まで聞いた事も無いようなマリナの冷たい声。

せつ菜はその声に少し臆してしまったが、ランジュは開いているページをマリナに見せた。

そこには、以前マリナがランジュとせつ菜に尋ねた質問と似たような事が書いていた。

『生まれ変われたら何になりたいのか』……マリナの答えが。

 

 

『生まれ変われたら、スクールアイドルになりたい。』と。

 

 

 

「マリナ……あなた……!」

「……2人には、見られたく無かったなぁ……。」

 

 

マリナはスクールアイドルが好き。

それは今まで彼女もそう公言していたし、部屋にもスクールアイドルのポスターが貼られていたり、ライブも見に来てくれたりするのでランジュもせつ菜も知っていた。

だが今まで、マリナがスクールアイドルになりたいとは聞いた事が無かった。

いや、無意識のうちにその質問は避けていたのかもしれない。

何故ならマリナは……、

 

 

「可笑しいでしょ……?私がスクールアイドルになりたいだなんて……。だけどもし、生まれ変われたらもしかしたらって……だから、それが私のやりたい事。今の人生で、この脚で、スクールアイドルなんて絶対になれないんだから。」

 

 

マリナの左脚は、過去に事故で失われている。

義足は付けてはいるが、激しいダンスなど出来るはずも無い。

暗い顔で俯くマリナに、ランジュは臆することなく言った。

 

 

「やればいいじゃない!!」

「え?」

「ら、ランジュさん……。」

「生まれ変われたらとか、そんな事言わずに!今!ランジュ達と一緒にスクールアイドルをやりましょうよ!」

 

 

そんな事を言われるとは、マリナは夢にも思わなかった。

そのままランジュは続ける。

 

 

「あなたの歌は素晴らしいわ!当然よね!だってこのランジュを魅了したんだもの!ランジュ達ならあなたの歌声をもっと世に知らしめることが出来るわ!スクールアイドル部に入りなさいマリナ!最高の環境で、ランジュがあなたを最高のスクールアイドルにして見せるわ!!」

 

 

思えばいつも、ランジュはこうだったとせつ菜は頷いた。

彼女は人のマイナスな面を見ない。

常にプラスの面を見て、それを伸ばそうとする。

元々この3人の出会いは、ランジュがマリナの歌に惹かれたのが始まりだった。

ランジュはまっすぐにマリナを見て、自分の想いをマリナに伝えた。

 

 

「一緒にやりましょうよ!マリナ!!」

「……………。」

「マリナさん?」

「………酷いよ……ランジュさん……。」

「え……?」

「絶対無理だってわかってるのに……なんで、そんな酷い事言うの……?私がスクールアイドル出来ないって、わかってる癖に!!」

 

 

先ほどまでの冷たい声とは打って変わり、今まで聞いた事無いほどの大声で叫んだマリナ。

その声に、せつ菜もランジュも驚き、特にランジュは、今までに向けられた事が無いほどの怒りの感情をぶつけられている事をビリビリと肌で感じていた。

 

 

「そ、そんな事……アタシは、ただ……、」

「スクールアイドル部に入れ?入ってどうするの!?こんな脚で、一体何の練習をしろって言うの!?」

「お、落ち着いてくださいマリナさん!」

「ランジュさんは良いよね……思いつきで始めたスクールアイドルですぐに人気者になって、たくさんのファンに囲まれて……。私だって……私だって、あんな事故が無かったらスクールアイドルになりたかったよ!!スクールアイドルになって、大好きな歌を、パパやママに聞いてもらいたかったんだよ!!だけど……だけどぉぉ……!!」

「ま……マリナ……。」

 

 

 

その場に座り込み、泣き崩れたマリナ。

その際に義足が発するプラスチックの擦れ合う無機質な音を聞き、マリナは自分の左脚をガシガシと叩き始めた。

せつ菜がマリナに手を貸そうとするが、その手を振り払われ、小さい声で彼女は2人に告げた。

 

 

「……もう、帰ってよ……せつ菜さんも、ランジュさんも……。」

「ま、マリ、」

「帰りましょうランジュさん。」

「で、でもせつ菜!」

「ランジュさん。」

 

 

ランジュの肩を掴み、その手にグッと力を入れたせつ菜。

何度もマリナに謝ろうとしたが、せつ菜に無理やり連れだされ、2人はマンションの外へと出て行った。

 

 

 

マンションの外に出て、少し冷静さを取り戻したランジュ。

せつ菜が買ってきてくれた缶コーヒーに口をつけ、いつもの天真爛漫な彼女とは似ても似つかない程落ち込んだ姿で深いため息をついた。

 

 

「ランジュ、またやっちゃったわ……こんなのはダメって、皆から教えてもらったはずなのに……。」

「気持ちはわかります、ランジュさん。けど、私は同時にマリナさんの気持ちもわかる気がするんです。大好きな事を、大好きだと叫べない辛さを。」

「ねぇせつ菜……ランジュ、マリナにどうやって謝ればいいの……?」

「皆にも相談しましょう。そうですね、歩夢さんと愛さん、それと侑さんにも。きっと力になってくれます。」

「ランジュ、またマリナとお友達に戻れる……?」

「弱気はらしくないですよ。いつも言っているでしょう?無問題ですよ、ランジュさん!」

「うぅぅ……せつ菜ありがと~!そういう所が大好き~!」

 

 

 

~~

 

 

せつ菜とランジュを追い出したマリナは、部屋の電気を消して、一人で泣いていた。

だが泣いているのはランジュに辛い事を言われたからでは無い。

ランジュの気持ちも考えずに、感情的になって2人に当たってしまった事を後悔していたからだ。

3人で作り上げたクリムゾンフェネクスを見るたびに、悲しさと後悔がこみあげてくる。

 

「ぐす……ぐす……どうしようノワール……私、ランジュさんに酷い事言っちゃった……。もう友達でいられなくなっちゃうのかなぁ……?」

 

愛機であるノワールにそう語りかけるマリナ。

泣きつかれた彼女は、そのまま目を赤く腫らしたままいつの間にか眠りについていた。

その手には、愛機のノワールを持ったまま。

そして、彼女が眠りについた瞬間、ノワールのカメラアイが赤い光を放った。

 

 

 

 





~にじビル毎回劇場~

第88回:ブチ切れ生徒会長

薫子「アハハハ!!」

栞子「姉さん!静かにしてください!」

薫子「アハハハ!!あー、ごめんごめん!いやー、ちょっと面白い動画見ててさ~。」

栞子「全く……テスト勉強中の生徒の傍で動画を見て大笑いとは、それでも教師ですか!」

薫子「まぁまぁ、家じゃ先生と生徒じゃなくて、美人で優しいお姉ちゃんとカワイイカワイイ妹ちゃんなんだから、別にいいじゃん。」

栞子「そもそも姉さんは教育実習生なのですから、提出物や課題だったあるでしょう?」

薫子「あー、うん、それはまぁ追々。」

栞子「というか、さっきから一体何の動画を見て笑ってるんですか?」

薫子「見る?この前たまたま教室の前を通りがかった時に撮ってさー、はい、これ。」


しおにゃん『しおちゃん、あなたのためにお歌をうたいますにゃん!あなたが幸せになってくれたら、しおにゃんもうれしいにゃん……?』
侑『歌ってー!栞子ちゃーん!』


栞子「ななななな……!?」

薫子「いやー、この動画凄いよー。ほら見て、SNSでこんなにいいねが……、」

栞子「早く消してください!!あ~、もう!!何でこんなもの撮影してるんですか!!」

薫子「歌ってー!しおにゃーん!」

栞子「歌いません!!!」

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