ニジガクビルドダイバーズ   作:バース・デイ

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先週は新型コロナ陽性の為お休みしてしまい申し訳ありません……。
本日(3/26)から療養期間が開けますので、また再開します。




大嫌いの向き合い方

カツラギ・マリナの『大嫌い』から生まれたELダイバー……バンシィ・ノワール。

その意外な正体を前に、ニジガクの面々は全員放心状態にあった。

彼女たちの予想では、バンシィの正体はニジガクのアンチが成り済ました違法改造プレイヤーと思っていたが、実際には彼女たちの友人のガンプラが正体だなんて微塵も思わなかった。

現実が受け入れられない彼女たちの下へニルスとカワグチがセカイ、キョウヤと共にやってくると、ニルスは彼女たちに頭を下げた。

 

 

「申し訳ありません皆さん……。」

「どうしてニルス先生が謝るんですか?」

「本当であれば、君たちには何も知らないままでいてほしかった。だけど、次に奴が現れたら何をしでかすかわからない……だから私達は、このタイミングで強襲をしかけたんです。」

「ねぇ、バグの影響はアイツが原因っていうのはわかるんだけど、もしかしてブレイクデカールも?」

「その通りだ。ELダイバーの肉体は、放置していればGBNを脅かす重大なバグへと変化するが、同時にガンプラを何倍にも増強させる力を持つ。第1次有志連合戦でのミカミ・リクのダブルオーダイバーエースが発現した光の翼がその例だ。バンシィ・ノワールは自分の肉体を疑似ブレイクデカールへと改造し、カツラギ・マリナのアバターを乗っ取りGBNで拡散していたんだ。」

 

 

思えばマスダイバー達が出現している時にバンシィ・ノワールが出て来た事は0では無いがほとんど無かった。

それにリクのダブルオーと戦って負傷した際、再ログインすれば直る傷の手当てに時間がかかったのも、バンシィ・ノワールの本体がリアルでは無くこのGBNにあったからなのだろう。

思い返せばバンシィ・ノワールがELダイバーであるというヒントはいくつかあった。

 

 

「そんな事どうでもいいわ!!早くログアウトしないと!!」

「ランジュ、少し落ち着け。」

「アイツはログアウトしたのよね!?だったら、リアルのマリナのところに戻って来てるはずだわ!」

「本当にそうだろうか?」

「どういう事?」

「おそらくカツラギ・マリナはバンシィ・ノワールの存在自体に気付いていない可能性が高い。奴はELダイバーだ。その気になれば、ダイバーのみをログアウトさせて自分はGBNに留まらせている可能性だってある。私達はそれを警戒して確実にヤツとまみえる事の出来る現行犯逮捕を狙っていたのだ。」

「難しい理屈なんて知らないわ!ランジュにとっては今一番大切なのはマリナなの!カワグチに何を言われても、アタシはマリナのところに行くから!」

 

 

そう言い残すと、ランジュは真っ先にログアウトして行った。

彼女の事を心配して、ニジガクメンバーは次々とログアウト。

最期に残ったユウもログアウトしようとすると、キョウヤが彼女に話しかけてきた。

 

 

「ユウくん。君たちを、こんな事に巻き込んでしまってすまない。」

「……ううん。バンシィが、私への大嫌いっていう気持ちで生まれたんなら、私こそ、皆に迷惑かけてごめんなさい……。」

「君は何も悪くない。それにバンシィの今後だが……奴がELダイバーだと分かった以上、このままにしておくと何が起きるのかわからない。サラくんの時は彼女が友好的な存在だったが、あの力を悪意を持って振うとなると……。」

「私は……マリナちゃんを信じます。」

「そうか。なら私は、マリナさんを信じる、君たちを信じよう。」

 

 

そして、ユウもログアウトすると、その場にはカワグチ、ニルス、セカイ、キョウヤの4人が残された。

ユウ達がいなくなると、キョウヤはカワグチに尋ねる。

 

 

「カワグチ……カツラギさんは……。」

「彼はヤジマ商事の本社に移動を命じてある。この事件がカツラギ・マリナの本意で無いならば、必要以上に彼がこの事件に関わる必要は無い。」

「マリナさんはカツラギさんのお兄さんの忘れ形見だ。彼はお兄さんの作ったGBNを守る為ならば手段を選ばなかった……もし、マリナさんに何かあれば、カツラギさんはまた無茶な事をするかもしれない。」

「第2次有志連合戦の時か。私からすれば、あの時はカツラギ以上に君の方が無茶な事をしていたようにも思えるが?」

「ハハ、そうかもしれない。ふぅ……頼んだぞ、皆。」

 

 

 

 

~~

 

 

ログアウトした一同は、愛から衝撃の連絡を受けた。

元々今回は各学年バラバラにログインしていたのだが、3年生組はニジガク寮の果林の部屋から、1年生組と2年生組はダイバーシティのガンダムベースからなのに対し、愛とマリナは別のゲームセンターからログインしていた。

そもそも愛はマリナをランジュ、せつ菜と仲直りさせる作戦だったので別の場所からログインするのは当然なのだが、その愛からニジガクのグループトークに緊急連絡があった。

 

 

『た、大変だよ皆!マリナっちがいないの!』

「え!?愛ちゃん、マリナちゃんと一緒にログインしたんだよね?」

『そ、そうなんだけど……おかしいんだよ。マリナっちの車椅子はあるのに、肝心のマリナっちがどこにもいないんだよ!!』

「そんなはず無いわ!だってマリナは……、」

「ここで話してても始まらないよ!急いでマリナちゃんを探そう!」

「歩夢さんの言う通りです。まずは愛さんのところで合流しましょう。」

 

 

3年生も急いで合流する事になり、全員で愛の待つゲームセンターへと向かう。

その間に栞子が近くの公共交通機関を調べてマリナが乗りそうなバスや電車を調べてみたが、どれもマリナが一人で向かうには時間のかかる場所にある為、愛であれば追いつけない事は無い。

だが、現にマリナはいない。

2年生組と1年生組が愛の下に着いた時にはすでに果林達3年生組は到着しており、愛は涙目になりながら果林に慰められていた。

 

 

「あたしがもっと早く気付いていれば……。」

「あなたのせいじゃ無いわ愛。」

「だけどマリナちゃん、どこに行っちゃったんだろう?」

「それに気になるのは、車椅子を置いて行っちゃってる事だよね。」

「……マリナ……。」

「手分けして探そう!まだそう遠くへは行って無いはずだよ!」

「バラバラに探すよりは二人一組で探した方がいいよ。一人ずつだと見落としがあるかもしれない。」

「ミアちゃんの意見に賛成。行こう。」

 

 

ミアの提案により、侑と歩夢、かすみとしずく、栞子とミア、愛と璃奈、せつ菜とランジュ、エマと果林と彼方の6組に分かれて捜索を開始する事に。

各組がバラバラの方角へと探しに行き、お台場中をくまなく探す。

まだログアウトしてからそう時間は経っていないし、すぐに姿を消すことは出来ない筈。

にも拘らず13人総出で探しても手掛かりすら見つからない。

 

 

「侑!歩夢!」

「あ……リクくん、皆……。」

 

 

ダイバーシティ周辺を探していると、キョウヤから事情を聴いたリク、ユッキー、モモカ、そしてサラが駆けつけてくれた。

サラはモモカの肩に乗っており、彼女は以前、ブレイクデカール事件の際に姿を暗ましたダブルオーダイバーエースを見つけた事もある。

 

 

「キョウヤさんから話は聞いたよ。俺達も一緒に探す!」

『ノワール……悲しい運命を背負ったELダイバー……。』

「ねぇサラちゃん、バンシィ・ノワールの場所って探せないかな?そこにマリナちゃんもいるだろうし……。」

『ごめんなさい……私、バンシィ・ノワールと出会った事が無いから、どんな反応を追えばいいのかわからないの……。』

「そっか……そう言えばサラちゃん、バンシィと戦った時はいなかったもんね。」

「今、コウイチさんやアヤメさんもマリナさんを探してくれてる。僕達も急ごう!」

「だね!じゃあ私とサラちゃんは向こうの方を探すから、ユッキーとリっくんはあっちお願い!」

「皆、ありがとう!」

『ねぇ、侑。』

「? どうしたのサラちゃん?」

『もし次にバンシィ・ノワールと戦う事があれば、私も彼に会ってみたい。ううん、会わなきゃいけない気がするの。』

「会わなきゃいけないって……どういう……?」

「侑ちゃん!私達も早く探そうよ!」

「あ、う、うん!行こう歩夢!」

 

 

 

 

~~

 

「あのー、すいません!こういう女の子見かけませんでしたか!?」

「んー……いや、知らないなぁ……。」

「そ、そうですか……ありがとうございます……。」

「それより君、ニジガクのかすみんだよね?」

「あ、はい。そうですけど……。」

「うわっ、マジ?本物?俺めっちゃファンなんだよ~!ねぇ、一緒に写真撮ってよ!ね?」

「え!?い、いや今は困ります!とっても嬉しいですけど困ります~!!」

 

写真を使ってマリナを探すかすみとしずくのペア。

人に聞いた方が早いというしずくの提案で実行していたが、その途中でかすみのファンだという男から引き留められてしまった。

ファンからの厚意を無碍にしたくないかすみが困り果てていると、その男の後ろにスーッと近寄る影が。

 

 

「ごめんなさい、私達、急いでるので♡」

「え……あ……はい……。」

 

 

後ろから笑顔でそう言ったしずくの雰囲気はとても怖く、ファンの男も助けてもらったかすみもゾッとしてしまう。

男は謝罪しながら逃げるように立ち去って行った。

 

 

「もう、だめだよかすみさん。こういうのはちゃんと断らないと。」

「だって~……。」

「はぁ……まぁ、ファンを大事にしたいって言うのはかすみさんらしいけど。それより、情報集まった?」

「ううん、誰も見てないって。どこ行っちゃったのかな、マリナ先輩。」

「心配だよね。」

「うん。」

「じゃあ早く探さないと!」

「ねぇ、しず子は大丈夫?」

「え?私?」

「ほら、さっき、バンシィに言われてたやつ……。」

 

 

先ほど、バンシィ・ノワールがニジガクの全員に言い放っていた言葉。

それぞれの『大嫌い』を叫ぶ呪詛の言葉。

しずくの場合は、演じる事への迷い。

それは以前、しずくを演者とスクールアイドルの間で惑わせていた。

 

 

「私は大丈夫!だって、私が私自身を嫌いでも、かすみさんが私の事大好きだって言ってくれたからね♪」

「~~からかうの禁止!かすみん本気でしず子の事心配してるのに!」

「からかってなんて無いよ。これが私の本心!それより、かすみさんの方こそ。」

「かすみん?」

「ほら、同好会が何度も廃部の危機になった時ってやつ……私も、その、関係してたから。」

「そんなの今はどうでもいいの!今はこうして皆で楽しく同好会やれてるわけだし!ほら、行くよしず子!」

「! うん!」

 

 

 

~~

 

 

「SNSで情報を集めてみたけど、全然目撃情報が無い。」

「そっかー……でも、諦めるわけには行かないね!行こう、りなりー!」

「……ねぇ、愛さん。」

「ん?」

 

 

その頃、SNSを駆使してマリナを探す愛と璃奈。

しかし目撃情報は少なく、まったく足取りを掴めない。

もっとくまなく探す為に愛が走り出そうとすると、璃奈が愛の制服の裾を掴んだ。

 

 

「美里さんの事、あれって本当?」

「お姉ちゃんの事って……あぁ、バンシィの言ってたやつ?」

「うん。そんな話、今まで聞いた事無かったから、少し気になって……。」

 

川本美里は、愛の幼馴染で愛が姉と慕う人物。

気さくで優しい女性だが、昔から病弱だったため、愛が中学生のころまで近所の男子が美里の事を馬鹿にする事があった。

その事をバンシィに暴露され、愛はポリポリと頭を掻く。

 

 

「そりゃ、昔はムカついてたよ、その子たちの事。だけどさ、アタシがスクールアイドルをはじめてからしばらくして、その子たちがうちの店に来た事があってさ。」

「愛さんのもんじゃ焼き屋さんに?」

「その子たち、お姉ちゃんを馬鹿にしてたことすっごく後悔してて……ずっと謝ろうとしてたらしいんだけど、勇気が出なかったみたいでさ。でも、アタシのステージを見て勇気づけられて、それで謝る決心をしたんだって。今じゃその子たちも愛友の一員だよ!」

「そうなんだ……やっぱり愛さんは凄い。」

「りなりーは?」

「え?」

「りなりーはどう?スクールアイドルを始めてから、何か変わった?」

 

 

少し俯き、自分の腕をつかむ璃奈。

しかし次の瞬間には顔を上げ、まっすぐ愛の目を見つめた。

 

 

「パパもママも、今まで応援に来てくれた事は無い。」

「うん……。」

「でも、パパは私のステージの映像は全部記録してくれてて、会社の人にもお勧めしてくれてた。」

「!」

「これを知ったのはつい最近。ミオちゃんの旅館に旅行に行った後から。ミオちゃんがお父さんとお母さんが大好きだったから、私も仲良くなれるかもって思って……そしたら教えてくれた。」

「良かったじゃんりなりー!」

「パパもママも、パパとママなりに私に歩み寄ろうとしてくれてた。あの人達と繋がろうとしなかったのは私……スクールアイドルを始めなかったら、多分ずっと二人の気持ちを誤解したままだったと思う。」

「お互い、嫌いな物を好きになれたって事だね!」

「うん……だから、私は信じてる。マリナさんの大嫌いだって、大好きに変えられるはず。」

「そうだね。よーし、気合入って来た!!頑張って探そう、りなりー!」

 

 

 

~~

 

 

「ぜぇ……はぁ……ぜぇ……はぁ……。」

「だ、大丈夫ですかミアさん?少し休みましょうか?」

「No problem、大丈夫……問題ない……。」

 

いくらスクールアイドル部で厳しいトレーニングをしているからといっても、元々そこまで運動が得意では無いミアは街中を駆け回ってすでにばてていた。

幼少のころからランジュに引き回されて体力はある栞子はこれと言って疲れてはいないが、ミアの事が心配の為近くのベンチにミアを座らせる。

近くの自動販売機で水を買うと、それをミアに渡した。

 

「Thanks、悪いね、栞子。」

「マリナさんの事も大事ですが、ミアさんの事も心配ですから。」

「……情けないな……部でトレーニングを重ねて、レベルアップできたと思ってたのに、こんな事でへばっちゃうなんてさ……。」

「もしかして、バンシィ・ノワールが言っていた事、気にしていますか?」

「そ、そんな事!!……いや、強がっても意味ないか……。」

「ミアさんを期待してくれている、周りの大人たち、ですか。」

「テイラー家は結構名の知れた音楽家一家でさ。ボクもそれなりに周りからも注目されてたんだ。だから、ある日歌えなくなったボクに幻滅する声も少なく無くて……スクールアイドルになって、ちょっとは見返せるようになったと思ったんだけど、体力の方はまだ全然さ。」

「ご家族の方はなんと?」

「パパもママもお姉ちゃんも応援してくれてる。特にお姉ちゃんなんて、しょっちゅうメールをくれるんだ。自分も忙しいって言うのに。」

「フフフ。」

「な、なんだよ栞子!急に笑ったりなんかして!」

「す、すいません!でもミアさん、大嫌いどころか大好きなんですね、お姉さんの事。」

「栞子だってそうだろ。口では嫌々言ってるけど、薫子の事が好きなの隠せてないよ。」

「当たり前です、姉妹なんですから。」

 

 

バンシィ・ノワールに指摘されたミアに期待する周りの大人たちと、栞子を振り回す薫子。

2人とも、そんな人達の事が大好きだったことを再確認すると、ミアはベンチから立ち上がった。

 

 

「よし!水飲んで体力回復!」

「燃えていますね、ミアさん。」

「マリナはランジュの友達からね。それにボクらの友達でもあるんだ。絶対見つけ出すよ、栞子!」

「はい!」

 

 

 

~~

 

 

唯一3人で捜索していた果林、エマ、彼方。

聞き込みしたり、マリナのいた形跡がないかどうかを調べたり、他のチーム以上の連携を見せて捜索を続けるが成果があがらない。

すでに周りは暗くなってきている。

いくら都心で周りが明るいと言っても、義足で歩き回っているマリナにとっては非常に危険だ。

時刻は夜の20時……全員に焦りが見え始める。

するとその時、離れたところから彼方を呼ぶ声が聞こえた。

 

 

「おーーーい!お姉ちゃーーーーん!」

 

 

「あ……遥ちゃん……。」

「全然帰って来ないから心配したよ!今日はGBNで話し合いがあるから練習しないで早く帰るって言ってたのに!」

「………。」

「お姉ちゃん?」

 

 

遥の顔を見て、彼方はバンシィ・ノワールに言われた事を思い出す。

妹にわずらわしさを感じた事が一度も無かったのかという彼の言葉は、彼方の胸に深く刺さった。

何よりその言葉が刺さるという事が、彼方には辛かった。

だから遥の顔を見た途端、彼方は思わず涙がこみ上げ、遥に抱き着いた。

 

 

「遥ちゃ~~~ん!!」

「え、えぇ!?どうしたのお姉ちゃん!?」

「大好きだよ遥ちゃ~~~ん!!!」

「う……うん?って恥ずかしいよお姉ちゃん!果林さんとエマさんも見てるのに!」

「いいのぉぉぉぉ!!!」

「私が良くないよ~!!」

 

 

その様子を見て、果林とエマはひとまずホッとした。

この3人の中で、ずっとバンシィの言葉を引きずっていたのは彼方だったから。

 

 

「大丈夫そうね、彼方。」

「うん。果林ちゃんの方は?大丈夫?」

「私?」

「ほら、バンシィに言われた事……。」

「私はそもそも気にして無いわ。だって自分の事を嫌いになる事なんて、人間生きてれば誰だって一度や二度ぐらい思う事じゃない。その上で今の自分があるんだもの。今の私の事を今の私が好きだったら、それで十分よ。」

「本当に、強いね。果林ちゃんは。」

「それを言うなら、エマの方こそ。私が言うのもおかしいけど。」

 

 

果林が言っているのは、一度部へ移籍したメンバーの事。

尋ねると、エマは首を横に振った。

 

 

「私は全然強くなんて無いよ。果林ちゃん達の本当の想いに気付かないまま、酷い事言っちゃったもん。」

「だけどもし、私が逆の立場だったらって考えると……そう思うと、エマは本当に強いと思う。」

「今の私はニジガクのスクールアイドル皆が大好き。同好会の皆だけじゃなくて、ランジュちゃんとミアちゃんの事も。次にバンシィ・ノワールに会う事があれば、そう伝えたい。」

「えぇ。」

 

 

「うぉおおおおお!!!彼方ちゃんやる気出てきたぁああああ!!!」

 

 

「「彼方(ちゃん)!?」」

 

 

エマと果林がしんみりとしていると、突如やる気を出した彼方が叫んだ。

恐らく遥の事が吹っ切れて、そのままエンジンがかかったのだろう。

普段おとなしい彼方だが、やる気は人一倍だ。

 

 

 

 

~~

 

 

「マリナーーーー!!」

「マリナさーーん!!返事をしてくださーーーーい!!」

 

 

マリナと最も仲の良かったせつ菜とランジュの2人は、学園の周辺を捜索していた。

電話してもマリナにはつながらず、メッセージも既読にならない。

いつの間にか虹ヶ咲学園の正門前まで来ていた2人は、いったんその場で話し合う事に。

 

 

「見つかりませんね……家にもいませんでしたし……。」

「まだ学校の中は探して無いわよね。」

「えぇ。ですがもう完全下校時刻はとっくに過ぎています。先生方も残っているとは思えませんし、学校の中にはさすがに……。」

「! ちょっと待ってせつ菜!あそこ!」

「あそこ?あ、あの教室だけ電気がついていますね。」

「マリナかしら?」

「わかりません……。消し忘れって言う可能性もありますし。」

 

 

頭を抱える2人。

今の時間であれば警備員が校内を巡回しているはず。

ニジガクは広い為、巡回にはそれなりの時間がかかる為、急いで行って電気のついた部屋を調べればバレる前に退散できるかもしれない。

そう考えた2人は、電気のついた部屋を目指すことに。

その部屋は部室棟の方にあり、警備員にばれないように、かつ急いで向かう。

途中、その部屋の近くまでやってくると、ランジュが何かに気付いて足を止めた。

 

 

「ランジュさん?」

「待ってせつ菜!何か聞こえる……。」

「………あ、これは……歌?」

「間違いないわ……これ、マリナの歌よ!!」

 

 

道中聞こえてきたのは、歌。

聞き間違えるはずも無い、ランジュがマリナを初めて見つけた時に聞いた歌。

その歌を聞いたランジュは警備員を警戒する事無く一目散に走り、その歌声を目指す。

到着した場所はやはり電気のついていた部屋で、その中で佇んでいたのは、ランジュとせつ菜が探していた人物だった。

 

 

「……こんにちわ、ランジュさん、せつ菜さん。」

「マリナ!!」

「マリナさん!!心配したんですよ!!」

「さぁ、行きましょうマリナ!皆もあなたの事探してくれているの……大丈夫、あなたの事はアタシ達が守ってあげるから!」

 

 

念願のマリナを見つけて、ランジュは彼女の手を掴む。

しかしマリナは表情を変えず、鞄から自分の愛機のガンプラ……バンシィ・ノワールを手に取った。

 

 

「ねぇ2人とも、私とガンプラバトルしない?」

「え?」

「マリナさん……こんな時に何を……?それに、そのガンプラは!」

「ねぇ、やろうよ。ガンプラバトル。今、ここで。」

 

 

その時にふと気づいた。

この部屋に置かれている巨大な装置……これは実機バトルGPD用の筐体だ。

つまりここはガンプラバトル同好会の部室。

マリナはバンシィ・ノワールを其処へ置くと、ランジュとせつ菜へバトルを促す。

 

 

 

「ま、マリナ……何を言って……?」

「ランジュさん、このマリナさん、どこか様子が……それに、どうしてマリナさんが一人でここまで辿り着けたのか……。」

「やるの?やらないの?」

「……わかったわ。やりましょう、マリナ。」

 

 

マリナの様子がおかしい。

それを確かめるため、2人は意を決して筐体の前に立つ。

シランジュとガンダムスカーレットエクシアを筐体に置き、二体がバトルフィールドへと出撃。

同じくバンシィ・ノワールもバトルフィールドへと出てきて、三機は見合った。

 

 

 

「優木せつ菜、ガンダムスカーレットエクシア、行きます!」

「鐘嵐珠!シランジュ!行くわよ!!」

 

 

「バンシィ・ノワール……目標を、破壊する。」

 

 

 

 

 





~にじビル毎回劇場~

第92回:MGドム

璃奈「さっそく買って来た、MGのドムver1.5。」

愛「お~、カッコよさそう!じゃあ手分けして作ろうよ!」

璃奈「うん、愛さん、よろしくお願いします。」

~間~

愛「ドワッジのランナー多いなぁ……ほとんどドワッジと旧ドムのランナーだね。」

璃奈「でもちゃんと新規のランナーもある。璃奈ちゃんボード『ムンッ』!」

愛「え?新規ランナーってこれだけなの?少なくない?」

璃奈「組み立てて見ればわかる。私、工場見学の時にこのドムのサンプル品見て来たからわかるんだ。」

愛「そーなの?」


~間~


愛「出来たー!」

璃奈「とってもカッコいい!」

愛「ほとんどドワッジと旧ドムのランナーなのに、新規のランナーをほんの少し足すだけでこんなにカッコよくなるなんて思わなかったよ!」

璃奈「それだけドワッジと旧ドムの出来が良かったって事。」

愛「愛さん今までSDガンダムしか作った事無かったからMGは新鮮だったよ!また一緒に作ろうねりなりー!」

璃奈「じゃあ今から作る?積んでるのがあと一つあるんだ。」

愛「お、なになに?」

璃奈「PG UNLEASHED 1/60 RX-78-2ガンダム。」



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