ニジガクビルドダイバーズ   作:バース・デイ

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来週はGW帰省のためお休みします


ミアの迷い

再起したせつ菜によって、同好会が決意を新たにした日から一夜明けた翌日。

ミアが目を覚ました時はすでに正午を過ぎており、頭を掻きながらぼーっとして鏡を見る。

昨日、ミアはずっとランジュの病室にいた。

しかしランジュは目覚めず、病院の医師に心配されて寮に帰された。

そこから寝つけずに、夜更かししていると、いつの間にか眠ってしまっていたのか、現在に至る。

 

 

「……学校、行かなきゃ……。」

 

 

スマホを見ると、璃奈や同好会の皆から凄い数の着信が入っていた。

特に栞子からの着信履歴が多く、ミアは思わずため息をついた。

 

 

「反省文とか書かされるのかな……嫌だなぁ……。」

 

 

制服に袖を通し、気乗りしないながらもミアは寮を後にした。

 

 

 

 

~~

 

 

学校に到着したミアは、気付いた時にはスクールアイドル部の部室だった部屋に来ていた。

すでに部室のネームプレートは外されており、ここがスクールアイドル部だった痕跡は消えてしまっていた。

いつも朝は教室に行く前に、まずここでランジュとミーティングするのが日課となっていたので、無意識にここに来てしまっていたらしい。

我ながら未練がましいと思いつつも、部屋のドアに手を掛ける。

 

 

(ニーハオ、ミア!さぁ、今日も始めるわよ!まずはランニング10キロね!)

(朝っぱらからそんなに走れるわけ無いだろ。君は少しは常識ってやつを学んでほしいね。)

(なによぉ。)

 

 

ドアを開けた先には、いつも通りの日常が広がっている……そんなありもしない期待を胸に抱きつつ、部屋を開けようとするミア。

しかし、当然ながら部屋には鍵がかかっており、ネームプレートの件も合わせてスクールアイドル部がもうどこにも存在していないんだとわからされた。

しばらくの間その場に立ち尽くしていると、偶然その場を通りがかった人物から、ミアは声を掛けられた。

 

 

 

「ミアさん!!」

 

 

 

「あ……やぁ、栞子。」

「やぁ、栞子……じゃ、無いですよ!!今までどこにいたんですか!?ずっと探していたんですよ!!まさか、今登校してきたわけじゃありませんよね!?」

「そのまさかだよ。お説教かい?」

 

 

そこにやって来たのは、三船栞子。

どうやら彼女は朝からずっとミアを探していたらしい。

真面目な彼女の事なので、きっと自分は今から説教を受けるだろう。

ミアはそんな事を考えながらため息をついたが、栞子はミアを咎めることはせず、ドアに手を掛けるミアの手を見ていた。

 

 

「スクールアイドル部の部室……。」

「ん?あぁ、癖って怖いね。登校するとまずここへ来るもんだから、無意識に来ちゃったよ。」

「……………。」

「なんだよ、そんな暗い顔しないでよ。もう君にも、ボクにも関係無い事なんだからさ。」

「か、関係無いだなんてそんな!私は……ただ……、」

 

 

悲しそうに顔を俯かせた栞子を見て、ミアは頭を掻く。

ミアは3年生で、栞子は1年生……いくら後輩とはいえ、年齢は栞子の方が上。

そんな栞子を困らせてしまったのが申し訳ないのか、ミアは再びため息をついて彼女に言った。

 

 

「話があるなら場所を変えようよ。ここにいると、お互い調子が狂う。」

 

 

 

~~

 

 

もうとっくに授業が始まってしまった時間になっても、栞子とミアは屋上にいた。

幸い次の栞子の授業は他クラスとの合同授業だったので、かすみに教師へ言い訳をしてもらうように頼み込み、人生初となる授業のボイコットをしてしまった。

しかし、今の栞子にとっては授業で単位を取る事よりも大事な事があるので、全く後悔せず、ミアと屋上で会話を再開する。

 

 

「私達、ガンフェスの前日にライブをすることになったんです。」

「へー、そうなんだ。」

「せつ菜さんの提案なんです。私たちの大好きを、バンシィに見せようって。」

「ッ……バンシィ・ノワール……。」

「それで、ミアさんも一緒に……!」

 

 

「お断りだよ。」

 

 

「ミアさん!」

「ボクは同好会のメンバーじゃない。君たちのステージは君たちだけの物だ。ボクには関係ない。」

「ですから私は!」

「同好会に入れって言うんだろ。前にも言ったけど、君たちの事は嫌いじゃない……だけどボクが日本に来た理由はランジュだ。彼女を置いて、ボクだけが同好会に入る事なんて出来ない。」

 

 

確かに、ミアはランジュが連れてきたスクールアイドル部を立ち上げるためのプロの一人。

たまたまミアだけが学生だったので一緒に虹ヶ咲に編入してきて部員として加入していたが、本来ならミアだってスクールアイドル部が廃部になった時点で帰国していてもおかしくは無い。

そんなミアがいまだに日本に留まっている理由は、栞子ならよくわかる。

 

 

「昨日ランジュの病院に行って来たよ。全然目を覚まさなかった。まさか、あの体力お化けがこんな事になるなんて。」

「…………。」

「ボクは途中でドクターから帰されたけど、理事長もお見舞いに来てた。病室の外から聞いてたよ

……あの人、結構大声で泣くんだね。感情表現が大げさなところはランジュにそっくりだ。」

「…………。」

「……なんか、もうどうでもよくなって来ちゃったよ。もうボクは、この学園に留まってる理由が無い。君たちとお別れになるのは少し残念だけど、今からでもステイツへ……、」

「ミアさん。」

 

 

屋上から空を見上げながら、栞子が拳を握った。

そしてまっすぐミアを見ると、真剣な表情で言った。

 

 

「ミアさん、私とバトルしていただけませんか?」

「バトルだって?どうしてさ。」

「私が勝ったら、ミアさんの力を私達に貸してください。その代り、ミアさんが勝てばアナタの今後について私達は一切口出しはしません。」

「嫌だって言ったらどうすんの?」

「あなたは断りませんよ。だって、あなたは誰よりも近くで、ランジュを見ていたのですから。」

「……ずる賢い生徒会長だよ、君は。」

 

 

栞子の提案は、なんとミアとのガンプラバトル。

実際、ミアにはこのバトルを断るという選択肢もあった。

しかし、もしもランジュが同じ立場だったら……そう考えると、断ることなどミアには出来なかった。

 

 

「だったら勝負の日時はボクが決めさせてもらうよ。」

「えぇ、構いません。」

「そうだね……明日の放課後、場所はニジガクのフォースネストのバトルステージ。どうだい?」

「わかりました。」

 

 

そう約束すると、ミアはその場から立ち去って行った。

胸の前でグッと拳を握り、栞子はそんなミアを見送った。

 

 

 

 

~~

 

 

「ミアちゃんと、バトルするの!?栞子ちゃんが!?」

「はい……勝手な事をしてしまってすいません、皆さん……。」

「謝る必要なんて無いよ!私達こそ、栞子ちゃん1人に任せちゃってごめんね。」

「いいえ歩夢さん、これは私がやりたいからしている事なんです。ミアさんを説得するなら、璃奈さんの方が適正がありますが……これは、私のわがままなんです。」

 

 

部室で全員に謝罪しながらも、自分のわがままを押し通そうとする栞子。

もちろん、ミアを説得するためには全員協力は惜しまない。

 

 

「こうなったら全員でしお子のサポートをしましょう皆さん!!あの強情ミア子に一泡ふかせてやるんです!!」

「一泡吹かせるんじゃなくて、ミアを仲間に引き入れなきゃいけないのよ、かすみちゃん。」

「ミアちゃん……。」

「心配しなくても大丈夫だよりなりー。」

「愛さん?」

「だってミアチだって、アタシらの友達なんだから!」

 

 

不安そうにしている璃奈を愛が励ます中、栞子は鞄からデスティニーフリーダムを取り出した。

自分のガンプラをジッと見つめる栞子に、歩夢が話しかける。

 

 

「どうしたの栞子ちゃん?」

「今のままでは、きっと私はミアさんのスピードに追い付く事は出来ません。彼女のライトニングトールギスのキラースピードは、見切ることは出来ても私の射撃では攻撃を当てる事が難しいと思います。」

「確かに……あのスピードは中々追いつけないよね。」

 

 

歩夢はミアの初戦の相手だった。

あの頃は歩夢もミアのスピードに翻弄されてしまったが、SEEDのスキルが開花しつつあった歩夢は常人離れした操縦技術の向上でなんとか相打ちに持ち込めた。

それは歩夢が接近戦用のガンプラを使っていたからであって、射撃がメインの栞子ではライトニングトールギスの攻撃をSEEDでかわすことは出来ても、攻撃を当てられない。

コレクションアロンダイトによる接近戦は火力不足であるため、これも期待は出来ない。

 

 

「私、決めました。ミアさんのスピードに追い付くためには、私と、デスティニーフリーダム自身も強くなる必要があります。」

「ガンプラの改造だね!」

「はい!そこで、歩夢さんにアドバイスを戴きたいんです。」

「私に?」

「私のデスティニーと歩夢さんのインパルスは兄弟機、習得したスキルも同じ物です。ですので、参考になればと思いまして……。」

「うーん、そうだなぁ……。」

 

 

考えて、歩夢は一つ思いついた。

 

「私のブレイブインパルスみたいに、『AGE』のガンプラを使ってみるのはどうかな?」

「AGE……ですか。」

「歩夢の使ってるブレイブインパルスって、確かAGE-FX使ってるんだっけ?チャンピオンから貰ったんだよね。」

「うん。本体はドリームインパルスのままなのにSEEDのスキルを発揮できるようになったのは、多分この子のおかげだと思うんだけど。」

「多分それは、AGE-FXがXラウンダー専用機だからですね。」

 

 

話しの途中にせつ菜が割り込んできた。

彼女はガンプラ塾で急ごしらえで作ったスカーレットクアンタを微改造し、カラーリングを統一させていた。

赤いボディが輝くそのガンプラは、とても力強そうに見える。

そんなせつ菜が、何故ドリームインパルスにAGE-FXを取り付けただけのブレイブインパルスがあそこまで劇的なパワーアップを遂げたのか、その考察を披露してくれた。

 

 

「AGE-FXはXラウンダーと呼ばれる特殊能力を持つキオ・アスノ専用に作られたモビルスーツなんです。Xラウンダーの能力自体はSEEDとよく似た物ですから、おそらくそのおかげだと思われます。」

「Xラウンダー専用機……他にどのような物があるんですか?せつ菜さん。」

「そうですね……有名どころだと、ゼイドラ、ギラーガ、ファルシア……あとはガンダムレギルスでしょうか。」

「ガンダム……レギルス……。」

「栞子ちゃん、ガンダムベースに行ってみようよ!きっとデスティニーフリーダムのパワーアップに必要なガンプラが見つかるはずだよ!」

「歩夢さん……はい!行きましょう!」

 

 

 

 

~~

 

 

寮に戻ったミアは、鞄からある物を取り出した。

それは、バンシィ・ノワールとの戦いで砕け散ったシランジュのパーツの一部。

もはやランジュの使っていたシランジュは完全破壊されており、修復など到底不可能なほど。

そのパーツの一部を取り外し、ミアはライトニングトールギスを作った時に余ったパーツと組み合わせ始めた。

騎士トールギスをイメージしたライトニングトールギスが使うには似つかわしく無いような武器……斧型の武器だった。

SDガンダムにしては大型の武器を作り上げたミアは、それをライトニングトールギスに持たせてみる。

 

 

「……うん、思った通りバッチリだ。ランジュ……少しの間だけ、シランジュを借りるよ。」

 

 

新たな武器を手にしたライトニングトールギスを眺め、ミアは翌日の戦いに備え、その日は早めに床に就いた。

 

 

 





~にじビル毎回劇場~

第96回:GWの予定

侑「皆はGW何するの?私は歩夢の家族と旅行に行くんだ!」

歩夢「楽しみだね侑ちゃん!美味しい物いっぱい食べようね!」

エマ「私とせつ菜ちゃんと栞子ちゃんは福岡に遊びに行くよ。」

せつ菜「ららぽーと福岡に行くんです!」

栞子「等身大のνガンダム……今から待ち遠しいです!」

ランジュ「ランジュは香港に帰省するわ。かすみと彼方も一緒なの!」

かすみ「かすみん、一度本場の中華食べて見たかったんです~♡」

彼方「遥ちゃんは合宿だから来れないんだって。残念~。」

愛「愛さんとりなりーとミアチはしずくん家行くんだ!鎌倉だっけ?」

しずく「はい!皆さんにオフィーリアを紹介したいです!」

璃奈「ゲームたくさん持っていくね。」

ミア「かまくら……?っていうのは初めてだから楽しみだよ。」

果林「私は補習よ。」

エマ「…………。」

果林「補習よ。」

彼方「…………。」

果林「そんな目で見ないで………。」


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