「それじゃあ、2人の部屋もできたし必要なものを買いに行きましょう」
「その前にギルドに登録だ。忘れんなよアリーゼ」
「あら、今から行くの?」
「はい、アストレア様。2人の必要なものとかギルドに登録とかしてきます」
「なら、私も一緒に行こうかしら。少しウラノスに話したいこともあるわ」
「さあ、2人ともついたわ。ここがギルドよ。ダンジョンで手に入れたもののうち魔石はここでしか換金できないわ。それ以外のアイテムは最低価格でしか買い取ってくれないから高く買ってくれるとこをみつけることも冒険者の腕よ」
「ローヴェル、事実だけどそんなに大きい声で言うんじゃないわよ。それで今日は何しに来たの?」
「あら、こんにちわ、ローズ」
「それで今日は何しに来たの。冷やかしなら帰ってちょうだい」
「今日はこの子たちの冒険者登録にきたの」
「そう、それであんたたち字はかけるの?じゃあ、これにとりあえず書けることかいて、最低限名前と【ファミリア】を書いてくれればいいから」
とりあえず鏡を見て
「ええと、ウィリアム。あのね、【
「すいません」
少々紙を無駄にすることもあったがまあ問題ない。しかし、目が覚めてから見た字があれだったからあれが基本だと思ってた。
「あら2人とも似合っているわ」
「ありがとう、ございます。アストレア様」
「そうですか?」
「ええ、お世辞ではないわ。リュー」
ギルド支給の装備品の受け取るために奥で採寸を受けたのだが、やたらおしゃべりな職員のおかげでしゃべり慣れていない喉が疲労困憊である。すこし、途切れがちな返事をアストレア様に返す。
それいえばリューと初めてちゃんと喋ったのもこの時だ。ややぶっきらぼうではあったが武器と防具の種類を選ぶ際に助言をしてくれた。
軽装よりも少し身を守る面積の多いミドルアーマー。長めのショートソードを装備した姿を姿見で見回す。
「それでローヴェル?聞きたいことがあるんだけど」
「なにかしら?ローズ」
「そっちの男の子のことよ。あんたたちのところに男を入れるのもびっくりだけど。まだ小さいし、まあ、おいとくわ。ローヴェルって書いてあるからあんたの親類かとも思ったけど
「それを今アストレア様が神ウラノスに確認に行ったわ」
「身元も分からないのに引き入れたわけ?」
「
「
ギルドの職員に引き連れられて奥に消えていくアストレアと
「それでローヴェル...まぎらわしいわね、アリーゼ?この子たちにアドバイザーはいる?」
「ええ、そうね。お願いするわ!」
「じゃあ、やってあげるけどこの子たちは大丈夫そうだけどものになんなくても文句いわないでよ。ほら、来なさい。ダンジョンの常識を教えてあげる」
ちなみにつきっきりだった
地下の祭壇でアストレアは二
「何ようだ、アストレア」
「久しぶりね、ウラノス。昨日、観測された『
「世界に悪影響を及ぼすものではない」
「ええ、かもしれない。でも、私の
「・・・フェルズ。人払いを」
先ほどから感じていた視線が消え去る。
「あれはこことは異なる世界の神が面白半分に漂白待ちの魂をこの世界に投げ込んだ。生まれ方は精霊に近いが多少、残滓によって力を持っているだけでヒューマンに違いはない。ギルドとしても私としても現状、対処はしない」
「そう、わかったわ」
「さあ、今日は市中警戒は【ガネーシャ・ファミリア】に任せてきたし、ウィルとリオンの初ダンジョンに行きましょう!!」
「なんでそんなに朝っぱらから元気なんだよ、アリーゼ」
「ライラ姉、朝苦手なの?」
「そんなんじゃあねえけどよ。あいつほどテンション高くねぇだけだ」
アリーゼを姉さんと呼んだところ、なんやかんやあってリューとアストレア様以外を姉と呼ぶことになってしまった。
「さあ、いきましょう。ま、私たちもまだパーティーを組んだ上で上層くらいまでしか安全にいけないんだけどね☆彡」
「なぜ、そんなに誇らしげなのですかアリーゼ」
「あきらめよう、リュー。もうこれが姉さんなんだよ」
出会って一日しかたっていないのになかなかに実感が籠ってしまった言葉とともに顔を見合わせる。
姉さんへの対処のせいでリューと妙に気ごころしれたのはうれしい誤算ではあったが。
「さあ、いきましょう!ゴー、ゴー」
ダンジョン1階層
「私たちは後ろで見守っている。なにかあったら助けてやるから気にせず戦ってみろ」
「私とリャーナさんもいますから魔法でも援護できますよ」
「あら~、ゴブリンよ~」
「2匹か。なら、俺は右で」
「なら私は左を叩きましょう」
アビリティの補助に導かれるように剣を抜いて駆ける。こちらに向けて振り上げられたこん棒が振り下ろされる前に切り裂く。
しかし、浅い!力みすぎた。仕留めきれない。振り下ろした剣を体に引き付けて突き出す。
剣はゴブリンの目を貫いて、頭蓋を破壊する。
灰になって消えたゴブリンの残骸から魔石を回収する。リューのほうも危なげなく終わったようだ。
「危なっかしいが、まあ、及第点だろう。頑張ったな」
「ありがとう、輝夜姉」
「リオン、さすがね!!」
「ア、アリーゼ。こんなところで抱き着かないでください!」
階層降りて3階層までやって来た。ここまでに数回の戦闘を行い、ゴブリンを9匹、コボルトを6匹を倒している。
前方にコボルトが5匹群れているのをみつけた。先ほどまでのようにリューと肩を並べて駆ける。
1匹目を切り伏せた
ピキッ、と壁と天井から音が鳴った。
横から伸びてきた舌にコボルトを切ろうとした剣が弾き飛ばされる。さらに体勢が崩れたに上からはダンジョン・リザード、正面からはコボルトが2匹突撃してくる。
後ろからの魔法が正面のコボルトを1匹吹き飛ばすが俺が盾になってしまい他のモンスターを迎撃できない。
これはぎりぎり死なないまでも大怪我をしそうだと覚悟を決めたとき、走馬灯でもみたのかアストレア様との会話を思い出した。
『これでステイタスが発現したわ。あなたは最初から一つ魔法を持っていたみたいね。詠唱は』
「【剣を、わが手に《リリィ》】!!」
鎧の上に形成された魔力の鎧でコボルトの牙を受け止めて、剣を振ってダンジョン・リザードを弾き飛ばす。
コボルトを切り捨てたところでフロッグ・シューターを姉さんが真っ二つにしたのが視界の片隅に見えた。
壁を駆け回るダンジョン・リザードを追いかけまわしたところで捕まえられる気がしない。
ならば!!
「【選定の剣よ、力を!邪悪を断て!】」
歌を紡ぐ、剣や鎧とともに一時の間だけ使えるようになったまほろばの魔法を。
「【
突き出した剣先からあふれ出した光がダンジョン・リザードを貫き爆ぜる。
「短文詠唱!?」
「いえ、
「セルティの見立てならたぶんそうね。それにしてもさすが私の
「なんでお前がそんなに自慢げなんだよ、アリーゼ」
「でも、まあ、団長様の
「第1級冒険者でもなければダンジョンの壁を抜くなんてむりだよ。セルティと同時でも私たちじゃ無理だと思う」
一人称すら定まらなかったのに
もし、彼を拾ったのが
一度もステイタスを更新しないでこの威力だ。
成長したこの力が敵に回るなど冗談ではない。
「ん、ちょっと待て、輝夜」
「なんございましょう、ライラ」
彼女の視線の先を見るとウィルを掲げてくるくるしているアリーゼがいた。
「なにをしていらっしゃるんでしょうか、団長様は」
「いや、そうじゃなくて、ウィルのほうだ。なんかおかしくねぇか」
いわれてみればやけに勢いよく手足が揺れているような。
「わ、わわ、
「はやく、回収しろー!」
「今日は災難だったわね。アリーゼも悪気はないのよ。ただ、少し素直すぎるだけなの。許してあげてね」
ステイタスを更新しながらアストレア様と今日のことを話す。
「いえ、気絶してたのでなにも覚えていないから大丈夫です」
それにもう姉さんはホームの共用部分すべての清掃、1週間という罰を下されている。13人で暮らしていてもなお余裕があるこのホームの共用部分だけとはいえ重労働である。なのでもういいかなぁといった感じである。
「ステイタスの更新、終わったわ。はい、これがあなたのステイタス」
ウィリアム・ローヴェル
Lv.1
力:I0→I20
耐久:I0→I22
器用:I0→I23
敏捷:I0→I17
魔力:H100→H148
《魔法》
【ナイト・オブ・ラウンズ】
・選択魔法。複数存在する起動キーのいずれかを唱えることで対応するステータスを上昇させ、『魔法』『スキル』『発展アビリティ』を一時発現させる。
・魔力で編まれた武器と防具を作成可能。
・常時、発展アビリティ『騎士』の一時発現。
・詠唱、『剣よ、わが手に《起動キー》』
・現在選択可能な起動キー
〇リリィ
〇べディヴィエール
〇ガエリエ
《スキル》
【正義剣翼(ユースティティア・アーラ)】
・獲得する
・正義を願う限り、効果持続。
「ここの塗りつぶされている欄はどうされたんですか?」
「・・・とても素晴らしいスキルなのだけどね。他の神に知られてしまうと多くの神が持つ悪癖を引き出しかねないスキルでもある。神に子供の嘘は通じない。だから、あなたには詳細を伝えないでおくわ。それにそのスキルは効能を知らなくても十分あなたの助けになってくれる」
「わかりました。ありがとうございました」
ステイタスが書き写された紙をもらって、アストレア様の神室を辞する。
「あら、おかえりなさい。ステイタスどうだった?」
「はい、姉さん。こんな感じ」
先ほどアストレア様にいただいた紙を姉さんたちに渡す。
「んなぁっ!!なんだよ、この上昇値!トータル120以上ってなんだお前成長期か!」
「うるさいぞ、
「やっぱり、私の教え方がいいのかしら!」
「アリーゼちゃんより輝夜ちゃんが教えてたような気がするけど~」
「それにしてもお前の装備は考え直さんといかんな。あまり長物は魔法の行使に邪魔だろう。明日からはナイフや短刀、脇差の使い方も叩き込んでやろう」
「まあ、装備の更新はいまの装備の代金を返してからだろ」
「そうですね、魔法も長時間は持たないようですし、ステイタスを伸ばすことも意識したほうがよさそうですね」
「よし、それじゃあ、明日からの予定を決めましょう!明日は市中巡回のやり方を2人に教えるためにみんなで巡回ね。それから2人のステイタスを上げるためにダンジョンに潜る回数を増やしましょう。でも、これはシャクティたちと相談ね」
暖炉のある居間で各々くつろぎながら明日からの予定を話し合う。
「よし、リオン、ウィル。明日は少し早起きしろ。朝飯前に稽古をする」
「わかった」
「わかりました」
「それじゃあ、いつものをやりましょう!」
「うぇ、またやるのかよ」
「あきらめろ、
「ごちゃごちゃ文句言うのは可愛くないわ。輝夜、ライラ」
「「イラッ☆」」
「使命を果たせ!天秤を正せ!必ずこのオラリオに平穏をもたらす!──正義の剣と翼に誓って!」
「「正義の剣と翼に誓って」」