Eques Libra   作:矢の木

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以下の注意書きを追加しました。
※以下の特典リーフレット等の内容を含む可能性があります。
「大正義・美少女サンドイッチ」
「イスカ・ブラ」
「セルティ・スロア」
「ネーゼ・ランケット」
「マリュー・レアージュ」
「リャーナ・リーツ」
「ノイン・ユニック」
「ゴジョウノ・輝夜」
「アスタ・ノックス」
「ライラ」
正邪決戦特装版小冊子
「決戦前夜」



First ordeal

 アストレア様の眷属になってから3か月がたった。アビリティも500を超えるところが目に見えてきたところだ。最近は道を聞かれてもすぐに答えれるくらいに迷宮都市(オラリオ)にも慣れてきた。

セルティ先輩がよく連れまわしてくれたのも大きな助けになった。セルティ先輩はよく俺とリューと手をつないでよく外に連れ出してくれた。みんなは先輩ぶりたいから付き合ってやれといって笑っていた。

そうそう、ライラ姉命名の「アイドル・リオンの握手会」もあった。なお、この命名にはリューは顔を真っ赤にして怒っていた。

エルフの習わしで他種族の手を振り払ってしまうリューが人の手を振り払わないようにする訓練で姉さんの発案で行われた。

結果は俺の番が来るまでに姉さんとセルティ先輩以外は振り払われ、ライラ姉に至っては背負投げを食らっていた。

 

 

「それじゃあ、あとはウィルだけね!ちゃっちゃといきましょう」

 

「ウィル。その、強めに振り払ってしまうやもしれません。ですから、先に謝っておきます」

 

「うん、まあ、訓練だし、数こなしてみるのも一つの手だろう?そっちが飽きるまでは付き合うさ」

 

 

とりあえず軽く握って様子を見ようと手を伸ばす。

ちなみにこの段階でライラ姉は背負投げられた。だが、まぁ、ちょっと手つきがいやらしかったから自業自得かも。それに振り払われるよりは接触時間長かったし目的は果たせてるんじゃないかな。

振り払われなかったので軽く握ってみる。振り払われない。

ふと顔を上げると目を見開いて呆然と驚いているリューと愉快そうな姉さんたちがいた。

なにも言われなかったから今度はしっかりと握ってみると視線があちこちに向かいだして表情もくるくると変わりだした。

ついついくるくる変わるリューの表情を眺めているとライラ姉からストップが入った。

 

 

「よし、終わりだ、終わり。ウィル、これ以上ポンコツエルフをポンコツにするな。あと、確かにリオンの右往左往する様は面白かったけどよ、無表情で小首傾げてのぞき込むなよ」

 

「そんな感じだった?」

 

「無表情のくせにその他の動作が興味深々ですって感じだった。いい加減、お前も表情と感情を一致させろよ。ったく、少しはチビみたいなあれは何、あれは何が収まったと思ったらこれだ」

 

「輝夜姉も一致してないと思うんだけど」

 

「あれは猫かぶってるだけだ。参考にするならガサツな時の極東姫様のほうがまだマシだ」

 

「なにか言ったか?小人族(パルゥム)

 

「いいや。なにも」

 

 

こんなこともあったが本日はファミリアとしても初めての遠征を行うことを決めたのだ。

市中の見回りを活動の主軸にしている【アストレア・ファミリア】は最近の闇派閥(イヴィルス)による事件が多発していたことと俺とリューが加入し、ステイタスの向上を図っていたため、このところダンジョンの到達階数を増やしていなかった。

また、活動資金を稼ぐためにも一度ダンジョンに長時間滞在しようという話になったのだ。

 

 

「それじゃあ、買い出し組はいくぞ。仲良くおててつないでな」

 

「ライラ、私たちはそんな子供ではない!」

 

「怒んな、怒んな。ほら、成長期のお前らのために装備の更新もするんだからトロトロすんなよ」

 

「装備の更新?」

 

「おう、輝夜のお許しが出たからな。お前らもある程度にはなったってことだ」

 

「あら、2人のおニュー装備?帰ったらお披露目会ね!」

 

「それじゃあ、行ってきます」

 

「え、ちょ、スルーしないで!お姉ちゃん、悲しいわ、ヨヨ~」

 

 

まあ、姉さんに対しては日ごろの行いである。姉さんの悪ふざけにみんなが即座に乗り出したら、相当余裕がないときなのでまあ平和な証なのだ。

 

 

「だからさ、姉さんは留守番だろ!なんで俺にしがみついてるんだよ」

 

「も~、ウィルは恥ずかしがり屋さんなんだから☆」

 

 

やっぱり日ごろの行いのせいだと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まあ、そんなこともあったが無事にバベルの商業エリアに到着した。

オーダーメイドを作れるほど派閥の余裕はないのでここで安めの数打ちか新人の作品を探すことにした。

 

 

 

「たっくよぉ、ウィル、お前はちっとは顔の表情を動かせよ。さっきのアリーゼとじゃれてる時も言葉はいっちょ前なのに表情筋がかけらも動いてねぇぞ。あれだな、私たちならあのアリーゼにあんな対応をするからって似たような反応を返しただけだろ。ちゃんとお前の意思で動けよ」

 

 

ああ、人間らしく、自分らしく生きるとは全くもって度し難い。姉さんたちは自分の心のままに生きるように言うけれどなぜそうしなければならないのかがわからない。アストレア様もおっしゃることだから大切なのだろうけど。

だから、渡された英雄譚の中の英雄のように振舞ってみたけれどチガウらしい。奔放な姉に振り回される騎士のお話だから姉さんたちが望む感じであると思ったのに。

 

 

 

 

摩天楼(バベル)の8階まで上がった。エレベーターを床が動いたと緊急事態かと驚くリューを見て、2人は大笑いしていた。ちなみに、こいつは魔石を使ってどうたらしてるらしい。それ以上は知らないから聞くな。と何も言う前にライラ姉に釘を刺された。

 

 

「ほら、着いたぜ。リオンは輝夜とウィルはアタシと別れてよさげな装備を探して、そうだな、半時もしたら集合だ」

 

「あら、わたくしはエルフ様のお守りですか」

 

「な、先ほども言ったが私はお守りがいるほど幼児(おさなご)ではない!」

 

「あー、うるせぇから喧嘩すんな。仕方ないだろ、お前らは戦闘スタイルやポジションが似てんだよ。ほら、サッサと行ってこい」

 

 

リュー達を蹴りだすように送り出したライラ姉はどんどん歩いていく。

 

 

「お前は魔法はあるがまだまだそれだけで戦えるほど精神力(マインド)の量はないだろ。それにお前の魔法で出てくる武器はどれもでかいからな。閉所でも使えるサイズのものを探すぞ」

 

「わかった」

 

 

店舗を覗きながら移動する。

防具は武器を選んでから干渉しないものを選んだほうがいいと後回しに。

とある店舗の一角にあった一際、大きなカーゴには乱雑に武器が放り込まれていた。

 

 

「いらっしゃい!ああ、そのカーゴか?そこは鍛冶師たちが値段をつけるわけにはいかんがバラすのも忍びないって放り込んでいくんだが基準は鍛冶師それぞれだからな、掘り出し物もあるかもしれないぞ。ま、そんな幸運そうそうないがな。どれでも799ヴァリスだ」

 

 

店番のドワーフがそう言って笑う。カーゴの中を覗き込む。剣身が黒ずんでいたり、大剣は刃の中心から持ち手がずれていたりと不格好なものが多かった。ふと、見慣れたものを見た気がしてカーゴの中に手を伸ばす。

 

「お、刀か。まぁ、輝夜もいるし、いいんじゃねぇか。どれ、見せてみろ」

 

ライラ姉に手にした刀を渡す。輝夜姉が使っているものよりも小ぶりなものだけど外装が似ていたのだ。

 

「おお、刀身もきれいだし、どこも歪んじゃいないみてぇだが輝夜に見せないとわからねぇな。でも、いいもん見つけたんじゃないか、ウィル」

 

「お、なんだ。いいもんがあったか?坊主ども。・・・そいつぁ、まーた、椿さんだな?何が気に入らんかはしらんが十分売り物になるから。こんなところに入れるなつってんのによ。坊主ども、大当たりだぜ。そいつぁ、たぶんうちの団長のだぜ」

 

「ほんとかぁ?」

 

「ヘファイストスファミリアのドワーフが鍛冶と酒に関して嘘をつくかよ」

 

「まぁ、そうだな」

 

 

合流した輝夜からも良い脇差だとお墨付きをもらい、武器をたったの799ヴァリスで手に入れられたので予算の大部分が余った。

 

 

「お、この分ならよさげな防具が手に入れられそうだな」

 

「たしかにいまファミリアで一番弱いのはウィル、お前だ。防具に金をかけて悪いことはあるまい。それに今のお前は私以上に生に執着がない。お前に身を守るすべを叩き込み終わるまでは防具に託すほかないだろう」

 

「そういえば、リューのそれは杖?」

 

「いえ、木刀です」

 

 

リューが抱えていたものを指さし聞くと杖と剣を両立できる優れものだという。優れた技と発現したエルフの“詩”のどちらも活かせる。

 

 

「まぁ、随分とこだわられたせいで予算の3分の2を食いつぶしてしまいまして、防具は皮のプロテクターとグリーブしか装備できておりませんが」

 

「もとより防具はつけないので」

 

 

防具はみんなに選んでもらった。

「Hφαιστοs」のロゴが刻まれていないもののかなりの良物らしい。上半身を覆うレザーアーマーの胸、肩、腕が鉄で強化されたもので下半身も同じようにレザーの防具のところどころが鉄で強化されている。

ヘルメットは魔法の行使に邪魔になるだろうということでつけていない。

腰には刀やポーチを取り付けるためのベルトを付けた。本来の差し方ではないそうだが鞘に巻かれたベルトについたボタンで腰のベルトに固定する仕方だ。

 

 

「さて、装備は整ったな。帰るぞ」

 

 

ライラの号令で一同はバベルを後にしてホームに目指す。

 

 

ホームまであと少しというところで前から駆けてくる集団が見えた。

4人の中で一番背の高い輝夜がいち早く集団の正体に気づいた。

 

 

「団長…?いや、全員いるな。装備を確認しろ。厄介ごとだぞ」

 

 

 

 

 

「いた、みんな揃ってる?あら、リオンもウィルもお似合いね!あとでじっくり見せてね☆」

 

「ネーゼ、何があった」

 

「工業区の倉庫街で襲撃だ。ガネーシャ・ファミリアが向かってる。アタシらは後詰だ」

 

「アリーゼ、ウィルとリオンは連れていくの?」

 

 

ノインの言葉に全員の目が2人に注がれる。

いままでモンスターと戦ったことしかない。

都市の見回りでも闇派閥(イヴィルス)には遭遇していなかった。

 

 

「団長、一度こ奴らには現実を見せたほうがいい。ガネーシャ・ファミリアがいるのならば万が一動けなくても逃がす時間はある」

 

「そうね、ウィル、リオン、あんたたちには今から怖い思いをさせるわ。でも、私は二人が乗り越えられると思ってるわ。だから、頑張って」

 

 

 

 

都市の住宅地の屋根の上を駆け抜ける12の影があった。

襲撃された工業区へと急ぐアストレア・ファミリアだ。

 

 

「いいか、ウィル。長丁場になるかもしれねぇ。マインドダウンを起こしたらどうしようもなくなっちまう。魔法はここぞというときまで使うなよ」

 

「いいか、リオン、ウィル。絶対に団長や私、ネーゼのそばを離れるようなへまをするなよ、青二才ども」

 

「わかった」

「わかりました」

 

 

注意や情報の共有を走りながら行っていると工業区のほうから爆音とともに煙が上がる。

 

 

「おいおい、工業区ごと吹き飛ばす気か?」

 

「魔石製品を奪うことが目的じゃない?」

 

 

ネーゼ、リャーナが驚きの声を上げる。

これまでの闇派閥(イヴィルス)はオラリオへの嫌がらせと運営資金の調達のため、工業区から魔石製品を強奪し都市外へ売りさばくことを目的としていた。

そのため()()を傷つけるような大規模な破壊を引き起こすような真似はしなかった。

定期便のようないつもの襲撃とは違う。

その事実に全員の顔が険しくなる。

 

 

「みんな、安全第一でいくわ」

 

 

アリーゼの一言で早く駆けつけるためにバラバラに走っていた集団が陣形を組む。

純粋な魔導士であるセルティ、回復役であるマリュー、不慣れなリューとウィリアムの4人を中心に囲むように輪形を組む。

12の影が工業区へ突入した。




お久しぶりです。アストレア・ファミリアの面々の口調に違和感があり、書き直し続けていたものが特典小説により、決定的になり、全部書き直しましたがまだ違和感があります。
それと普通に冒険していた場合のステイタスの伸びがわからない。ベル君は成長期が過ぎる。ウィリアム君のステイタスこれでいいのか?

【ウィリアム・ローヴェル】
所属:【アストレア・ファミリア】
ホーム:星屑の庭
種族:ヒューマン
職業:冒険者
到達階層:10階層
武器:小太刀
所持金:8920ヴァリス

ステイタス
Lv.1
 力:E489
耐久:F381
器用:F396
敏捷:E469
魔力:E480

《魔法》
【ナイト・オブ・ラウンズ】
・選択魔法。複数存在する起動キーのいずれかを唱えることで対応するステータスを上昇させ、『魔法』『スキル』『発展アビリティ』を一時発現させる。
・魔力で編まれた武器と防具を作成可能。
・発展アビリティ『騎士』の一時発現。
・詠唱、『剣よ、わが手に《起動キー》』
・現在選択可能な起動キー
〇リリィ
〇べディヴィエール
〇ガエリエ

《スキル》
【正義剣翼(ユースティティア・アーラ)】
・獲得する経験値(エクセリア)に微補正。
・正義を願う限り、効果持続。


小太刀
某団長作。自由気ままに鍛冶をしていたところ作品が溢れかえり、主神直々に説教を受けた。片付けのごたごたの中でバベルに持ち込まれるコンテナの中に数打ちの無名の小太刀が一振り紛れ込んだ。数打ちとはいえなかなかの業物。
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