ありふれた果実は世界最強   作:EXE@(O8O)

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 今回は『CSM デンオウベルト』と『CSM デンカッシャー』を予約しました。

 電王は作品の中でも一番好きな作品だったので買っちゃいました。
 前回買えなかったから発売されて嬉しいな!



ハウリアと帝国兵

 

 俺達はシアに自分たちの家族を助けて欲しいと俺達に依頼されそれを承諾してライセン大渓谷を移動する為に魔力駆動二輪を一気に加速させ出発した。悪路をものともせず爆走する乗り物に、シアがハジメの肩越しに「きゃぁああ~!」と悲鳴を上げた。地面も壁も流れるように後ろへ飛んでいく。

 

 

 

 谷底では有り得ない速度に目を瞑ってギュッとハジメにしがみついていたシアも、しばらくして慣れてきたのか、次第に興奮して来たようだ。ハジメがカーブを曲がったり、大きめの岩を避けたりする度にきゃっきゃっと騒いでいる。

  

 雄汰はハジメの後ろから走り、説明を任せた。

 

 ハジメは、道中、魔力駆動二輪の事やユエが魔法を使える理由、ハジメの武器がアーティファクトみたいなものだと雄汰には変身してもらい仮面ライダーという特殊な姿になれると簡潔に説明した。すると、シアは目を見開いて驚愕を表にした。

 

 

 

 シア「え、それじゃあ、お三人も魔力を直接操れたり、固有魔法が使えると……」

 

 ハジメ「ああ、そうなるな」

 

 ユエ「……ん」

 

 

 

 しばらく呆然としていたシアだったが、突然、何かを堪える様にハジメの肩に顔を埋めた。そして、何故か泣きべそをかき始めた。

 

 

 

 ハジメ「……いきなり何だ? 騒いだり落ち込んだり泣きべそかいたり……情緒不安定なヤツだな」

 

 ユエ「……手遅れ?」

 

 シア「手遅れって何ですか! 手遅れって! 私は至って正常です! ……ただ、一人じゃなかったんだなっと思ったら……何だか嬉しくなってしまって……」

 

 ハジユエ「「……」」

 

 雄汰「……アイツら…楽しそうだな……」

 

 

 

 どうやら魔物と同じ性質や能力を有するという事、この世界で自分があまりに特異な存在である事に孤独を感じていたようだ。家族だと言って十六年もの間危険を背負ってくれた一族、シアのために故郷である樹海までも捨てて共にいてくれる家族、きっと多くの愛情を感じていたはずだ。それでも、いや、だからこそ、〝他とは異なる自分〟に余計孤独を感じていたのかもしれない。

 

 

 

 シアの言葉に、ユエは思うところがあるのか考え込むように押し黙ってしまった。いつもの無表情がより色を失っている様に見える。ハジメには何となく、今ユエが感じているものが分かった。おそらく、ユエは自分とシアの境遇を重ねているのではないだろうか。共に、魔力の直接操作や固有魔法という異質な力を持ち、その時代において〝同胞〟というべき存在は居なかった。

 

 

 

 だが、ユエとシアでは決定的な違いがある。ユエには愛してくれる家族が居なかったのに対して、シアにはいるということだ。それがユエに、嫉妬とまではいかないまでも複雑な心情を抱かせているのだろう。しかも、シアから見れば、結局、その〝同胞〟とすら出会うことができたのだ。中々に恵まれた境遇とも言える。

 

 

 

 そんなユエの頭をハジメはポンポンと撫でた。日本という豊かな国で何の苦労もなく親の愛情をしっかり受けて育ったハジメには、〝同胞〟がいないばかりか、特異な存在として女王という孤高の存在に祭り上げられたユエの孤独を、本当の意味では理解できない。それ故、かけるべき言葉も持ち合わせなかった。出来る事は、〝今は〟一人でないことを示す事だけだ。

 

 

 

 すっかり変わってしまったハジメだが、身内にかける優しさはある。あるいは、ユエと出会っていなければ、それすら失っていたかもしれないが。ユエはハジメが外道に落ちるか否かの最後の防波堤と言える。ユエがいるからこそ、ハジメは人間性を保っていられるのだ。その証拠に、ハジメはシアとの約束も守る気だ。樹海を案内させたらハウリア族を狙う帝国兵への対策もする気である。

 

 

 

 そんなハジメの気持ちが伝わったのか、ユエは、無意識に入っていた体の力を抜いて、より一層ハジメに背を預けた。まるで甘えるように。

 

 

 

 シア「あの~、私のこと忘れてませんか? ここは『大変だったね。もう一人じゃないよ。傍にいてあげるから』とか言って慰めるところでは? 私、コロっと堕ちゃいますよ? チョロインですよ? なのに、せっかくのチャンスをスルーして、何でいきなり二人の世界を作っているんですか! 寂しいです! 私も仲間に入れて下さい! 大体、お二人は……」

 

 ハジユエ「「黙れ残念ウサギ」」

 

 シア「……はい……ぐすっ……」

 

 雄汰「……また…イチャイチャしてる…」

 

 雄汰は1人寂しく三人を追いかける。

 

 泣きべそかいていたシアが、いきなり耳元で騒ぎ始めたので、思わず怒鳴り返すハジメとユエ。しかし、泣いている女の子を放置して二人の世界を作っているのも十分ひどい話である。その上、逆ギレされて怒鳴られてと、何とも不憫なシアであった。ただ、シアの売りはその打たれ強さ。内心では既に「まずは名前を呼ばせますよぉ~せっかく見つけたお仲間です。逃しませんからねぇ~!」と新たな目標に向けて闘志を燃やしていた。

 

 

 

 しばらく、シアが騒いでハジメかユエに怒鳴られるという事を繰り返していると、遠くで魔物の咆哮が聞こえた。どうやら相当な数の魔物が騒いでいるようだ。

 

 

 

 シア「! ハジメさん! もう直ぐ皆がいる場所です! あの魔物の声……ち、近いです! 父様達がいる場所に近いです!」

 

 ハジメ「だぁ~、耳元で怒鳴るな! 聞こえてるわ! 飛ばすからしっかり掴まってろ!」

 

 

 

 ハジメは、魔力を更に注ぎ、二輪を一気に加速させた。壁や地面が物凄い勢いで後ろへ流れていく。

 

 

 

 そうして走ること二分。ドリフトしながら最後の大岩を迂回した先には、今まさに襲われようとしている数十人の兎人族達がいた。

 

 

 ライセン大峡谷に悲鳴と怒号が木霊する。

 

 

 

 ウサミミを生やした人影が岩陰に逃げ込み必死に体を縮めている。あちこちの岩陰からウサミミだけがちょこんと見えており、数からすると二十人ちょっと。見えない部分も合わせれば四十人といったところか。

 

 

 

 そんな怯える兎人族を上空から睥睨しているのは、奈落の底でも滅多に見なかった飛行型の魔物だ。姿は俗に言うワイバーンというやつが一番近いだろう。体長は三~五メートル程で、鋭い爪と牙、モーニングスターのように先端が膨らみ刺がついている長い尻尾を持っている。

 

 

 

 シア「ハ、ハイベリア……」

 

 ハジメ「インベスも居やがる…アイツら飛べるのか…」

 

 

 

 肩越しにシアの震える声が聞こえた。あのワイバーンモドキは〝ハイベリア〟というらしい。ハイベリアは全部で六匹はいる。その近くに羽を生やした初級インベス二匹ほど居てハイベリアと攻撃をしあっていた。

 

 ハイベリア一匹と戦闘するなかほかは兎人族の上空を旋回しながら獲物の品定めでもしているようだ。

 

 

 

 そのハイベリアの一匹が遂に行動を起こした。大きな岩と岩の間に隠れていた兎人族の下へ急降下すると空中で一回転し遠心力のたっぷり乗った尻尾で岩を殴りつけた。轟音と共に岩が粉砕され、兎人族が悲鳴と共に這い出してくる。

 

 

 

 ハイベリアは「待ってました」と言わんばかりに、その顎門を開き無力な獲物を喰らおうとする。インベス一匹もそれに遅れてつられるように追いかける、狙われたのは二人の兎人族。ハイベリアの一撃で腰が抜けたのか動けない小さな子供に男性の兎人族が覆いかぶさって庇おうとしている。

 

 

 

 周りの兎人族がその様子を見て瞳に絶望を浮かべた。誰もが次の瞬間には二人の家族が無残にもハイベリアの餌になるところを想像しただろう。しかし、それは有り得ない。

 

 

 

 なぜなら、ここには彼等を守ると契約した、奈落の底より這い出た化物がいるのだから…

 

 

 

ドパンッ!! ドパンッ!!

 

 『オレンジスカッシュ』セイハー

 

 

 

 峡谷に二発の乾いた破裂音が響くと同時に二条の閃光が虚空を走る。その内の一発が、今まさに二人の兎人族に喰らいつこうとしていたハイベリアの眉間を狙い違わず貫いた。頭部を爆散させ、蹲る二人の兎人族の脇を勢いよく土埃を巻き上げながら滑り、轟音を立てながら停止する。

 

 

 インベスはオレンジ色の光を右脚に纏った鎧を着た人物に飛び蹴りされ、爆散する。

 

 

 雄汰「くそ、あと一体は上空かよ。」

 

 

 同時に、後方で凄まじい咆哮が響いた。呆然とする暇もなく、そちらに視線を転じる兎人族が見たものは、片方の腕が千切れて大量の血を吹き出しながらのたうち回るハイベリアの姿。すぐ近くには腰を抜かしたようにへたり込む兎人族の姿がある。おそらく、先のハイベリアに注目している間に、そちらでもハイベリアの襲撃を受けていたのだろう。二発の弾丸の内、もう一発は、突撃するハイベリアの片腕を撃ち抜いたようだ。バランスを崩したハイベリアが地に落ちて、激痛に暴れているのである。

 

 

 

「な、何が……」

 

 

 

 先程、子供を庇っていた男の兎人族が呆然としながら、目の前の頭部を砕かれ絶命したハイベリアと、後方でのたうち回っているハイベリアを交互に見ながら呟いた。

 

 

 

 すると、更に発砲音が聞こえ、のたうち回っていたハイベリアを幾条もの閃光が貫いていく。胴体をぐちゃぐちゃに粉砕されたハイベリアが、最後に一度甲高い咆哮を上げるとズズンッと地響きを立てながら崩れ落ち動かなくなった。

 

 

 

 上空のハイベリア達が仲間の死に激怒したのか一斉に咆哮を上げる。それに身を竦ませる兎人族達の優秀な耳に、今まで一度も聞いたことのない異音が聞こえた。キィィイイイという甲高い蒸気が噴出するような音だ。今度は何事かと音の聞こえる方へ視線を向けた兎人族達の目に飛び込んできたのは、見たこともない黒い乗り物に乗って、高速でこちらに向かってくる三人の人影。

 

 

 

 その内の一人は見覚えがありすぎる。今朝方、突如姿を消し、ついさっきまで一族総出で探していた女の子。一族が陥っている今の状況に、酷く心を痛めて責任を感じていたようで、普段の元気の良さがなりを潜め、思いつめた表情をしていた。何か無茶をするのではと、心配していた矢先の失踪だ。つい、慎重さを忘れて捜索しハイベリアに見つかってしまった。彼女を見つける前に、一族の全滅も覚悟していたのだが……

 

 

 

 その彼女が黒い乗り物の後ろで立ち上がり手をブンブンと振っている。その表情に普段の明るさが見て取れた。信じられない思いで彼女を見つめる兎人族。

 

 

 

 シア「みんな~、助けを呼んできましたよぉ~!」

 

 

 

 その聞きなれた声音に、これは現実だと理解したのか兎人族が一斉に彼女の名を呼んだ。

 

 

 

「「「「「「「「「「シア!?」」」」」」」」」」

 

 

 

 ハジメは、魔力駆動二輪を高速で走らせながらイラッとした表情をしていた。仲間の無事を確認した直後、シアは喜びのあまり後部座席に立ち上がりブンブンと手を振りだした。それ自体は別にいいのだが、高速で走る二輪から転落しないように、シアは全体重をハジメに預けて体を固定しており、小刻みに飛び跳ねる度に頭上から重量級の凶器である巨乳がのっしのっしとハジメの頭部に衝撃を与えているのである。そのせいで照準がずれ、二匹目のハイベリアを一撃で仕留められなかった。

 

 

 シア「あ、あの、ハジメさん? どうしました? なぜ、服を掴むのです?」

 

 ハジメ「…戦闘を妨害するくらい元気なら働かせてやろうと思ってな」

 

 シア「は、働くって……な、何をするのです?」

 

 ハジメ「なに、ちょっと飢えた魔物の前にカッ飛ぶだけの簡単なお仕事だ」

 

 シア「!? ちょ、何言って、あっ、持ち上げないでぇ~、振りかぶらないでぇ~」

 

 

 

 焦りの表情を顕にしてジタバタもがくシアだが、筋力一万超のハジメに敵うはずもなくあっさり持ち上げられる。

 

 

 

 ハジメは片手でハンドルを操作すると二輪をドリフトさせ、その遠心力も利用して問答無用に、上空を旋回するハイベリア達へ向けてシアをぶん投げた。

 

 

 

 ハジメ「逝ってこい! 残念ウサギ!」

 

 シア「いやぁあああーー!!」

 

物凄い勢いで空を飛ぶウサミミ少女。シアの悲鳴が峡谷に木霊する。有り得ない光景に兎人族達が「シア~!」と叫び声を上げながら目を剥き、ハイベリアも自分達に向かって泣きながらぶっ飛んでくる獲物に度肝を抜かれているのか、シアが眼前を通り過ぎても硬直したまま上空を見上げているだけだった。

 

叫びながら飛んでいくシアそれを見てハイベリアは度肝う抜かれ茫然としていてそのすきを見逃す俺とハジメではないので

 

 雄汰「おっ!ナイスアシスト!シア」

 

 『マツボックリ!』ロックオン ソイヤ

 

 『マツボックリアームズ 一撃!インザシャドウ!』

 

 

俺はマツボックリにアームズチェンジをして専用武器『影松』を持ち、シア目掛けて跳ぶ。ハジメもまた二つの拳銃で残りのハイベリアを掃討する。

 

 

 雄汰「シア、すまん!」

 

 

 俺はシアを踏み台にして残りのインベス目掛けてカッティングブレードを二回動かし、必殺技発動。

 

 

 雄汰「三枚に下ろさせてもらう!」

 

 

 セイヤ『マツボックリスパーキング!』

 

 

 影松を投げ槍のように敵に投げつけて、刺さったインベスにライダーキックを飛び蹴りの形で放つ。

 

 

 雄汰「せい、はぁー」

 

 

 インベスはそのまま貫かれ爆発する。

 

 

そして雄汰に踏まれ落下していくシアをハジメがしっかり回収して今回の戦闘........いやハイベリア達からすれば蹂躙劇は幕を下ろした。

 

 

 シア「ちょっと!!私の扱いが雑ですぅ!!待遇の改善を要求しますぅ~!!私も、ユエさんみたいに大事にされたいですぅ~」

 

 

 そんなコントみたいな出来事があったもののとりあえずはハウリ亜族の救助には成功?した。そうするとハウリア族の族長にしてシアの親父であるカムとやらにお礼をハジメたちとともに言われた。そうしてハジメはお礼は受け取る旨を話し、その対価を受け取るとも伝えるとカムらハウリア族たちは苦笑いを浮かべながらもうなずいていた。

 

 

 そうしてライセン大渓谷の出口を目指し移動する。道中、俺達大集団を狙い襲おうとしてくる魔物もいたが俺とハジメによってことごとくを撃退して進み続ける。ハジメや俺のそんな様子を見て子供たちはキラキラした目で見てくる。まるで物語のヒーローにでも見えているのだろう。柄でもないなぁなんて考えていると調子に乗ったシアがハジメをからかう

 

 

シア「ふふふ、ハジメさんちびっ子たちが見てますよ~?手でも振ってあげたらどうですか?」

 

 

 

そう言いながら「うりうり~」とか言ってハジメにちょっかいをかける。まぁそんな態度をとっていればハジメのとるの行動はおのずと決まってくる。それはもちろん................

 

 

 

ドパンッ! ドパンッ! ドパンッ!

 

 

青筋を浮かべ無言でゴム弾を放つ

 

 

シア「あわわわわわわわっ!?」

 

 

そう変な奇声を上げながら奇怪なステップを踏みながらタップダンスのように回避する。その様子をカムたちは苦笑いを浮かべる。

 

 

 

 カム「はっはっはっ、シアは随分ハジメ殿を気に入っているようだ。そんなに懐いて、もうシアもそんな年頃か............。わしは寂しいよ。だがハジメ殿なら..............」

 

 

 

すぐそばで娘が発砲されているのにそれでいいのかよ...............なんて俺が思っているとユエもハジメも同じことを思ったらしく、「ズレてる.........」やら「それでいいのかよ」と口に出して突っ込んでいた。

 

 そうこうしている内に、一行は遂にライセン大峡谷から脱出できる場所にたどり着いた。ハジメが〝遠見〟で見る限り、中々に立派な階段がある。岸壁に沿って壁を削って作ったのであろう階段は、五十メートルほど進む度に反対側に折り返すタイプのようだ。階段のある岸壁の先には樹海も薄らと見える。ライセン大峡谷の出口から、徒歩で半日くらいの場所が樹海になっているようだ。

 

 

 

ハジメが何となしに遠くを見ていると、シアが不安そうに話しかけてきた。

 

 

 

 シア「帝国兵はまだいるでしょか?」

 

 

 

 ハジメ「ん? どうだろうな。もう全滅したと諦めて帰ってる可能性も高いが……」

 

 

 

 シア「そ、その、もし、まだ帝国兵がいたら……ハジメさんと雄汰さん……どうするのですか?」

 

 

 

 ハジメ「?どうするって何がだ?」

 

 

 

 質問の意図がわからず首を傾げるハジメに、意を決したようにシアが尋ねる。周囲の兎人族も聞きウサミミを立てているようだ。

 

 

 

 シア「今まで倒した魔物と違って、相手は帝国兵……人間族です。ハジメさんと同じ。……敵対できますか?」

 

 ハジメ「残念ウサギ、お前、未来が見えていたんじゃないのか?」

 

 シア「はい、見ました。帝国兵と相対するハジメさんを……」

 

 ハジメ「だったら……何が疑問なんだ?」

 

 シア「疑問というより確認です。帝国兵から私達を守るということは、人間族と敵対することと言っても過言じゃありません。同族と敵対しても本当にいいのかと……」

 

 シアの言葉に周りの兎人族達も神妙な顔付きでハジメを見ている。小さな子供達はよく分からないとった顔をしながらも不穏な空気を察してか大人達とハジメを交互に忙しなく見ている。

 

 

 

 しかし、ハジメは、そんなシリアスな雰囲気などまるで気にした様子もなくあっさり言ってのけた。

 

 

 ハジメ「それがどうかしたのか?」

 

 シア「えっ?」

 

 

 疑問顔を浮かべるシアにハジメは特に気負った様子もなく世間話でもするように話を続けた。

 

 

 ハジメ「だから、人間族と敵対することが何か問題なのかって言ってるんだ」

 

 シア「そ、それは、だって同族じゃないですか……」

 

 ハジメ「お前らだって、同族に追い出されてるじゃねぇか」

 

 シア「それは、まぁ、そうなんですが……」

 

 ハジメ「大体、根本が間違っている」

 

  シア「根本?」

 

 

 さらに首を捻るシア。周りの兎人族も疑問顔だ。

 

 

 ハジメ「いいか?俺達はお前達を守るって約束した。そのかわりに樹海まで案内してくれって事だ。お前達に危険があればそりゃこっちだって手段は選ばない。」

 

 シア「はい……」

 

 ハジメ「だから守る。それを邪魔するヤツは魔物だろうが人間族だろうが関係ない。道を阻むものは敵、敵は殺す。それだけのことだ」

 

 シア「な、なるほど……」

 

 

 

 何ともハジメらしい考えに、苦笑いしながら納得するシア。未来視で帝国と相対するハジメを見たといっても、未来というものは絶対ではないから実際はどうなるか分からない。見えた未来の確度は高いが、万一、帝国側につかれては今度こそ死より辛い奴隷生活が待っている。表には出さないが〝自分のせいで〟という負い目があるシアは、どうしても確認せずにはいられなかったのだ。

 

 

 

 カム「はっはっは、分かりやすくていいですな。樹海の案内はお任せくだされ」

 

 

 

 カムが快活に笑う。下手に正義感を持ち出されるよりもギブ&テイクな関係の方が信用に値したのだろう。その表情に含むところは全くなかった。

 

 

 

 一行は、階段に差し掛かった。ハジメを先頭に順調に登っていく。帝国兵からの逃亡を含めて、ほとんど飲まず食わずだったはずの兎人族だが、その足取りは軽かった。亜人族が魔力を持たない代わりに身体能力が高いというのは嘘ではないようだ。

 

 

 

 そして、遂に階段を上りきり、ハジメ達はライセン大峡谷からの脱出を果たす。

 

 

 

 登りきった崖の上、そこには……

 

 「おいおい、マジかよ。生き残っていやがったよコイツ等。隊長の命令で仕方なく残っていたがいい土産ができそうだ。」

 

 

 

 そこには三十人もの帝国兵をたむろしていた。シアの話では兎人族........ハウリア族を狙ってきているようだ。そうして品定めするように後ろのハウリア族を見ていた。すると..............

 

 

 

 

 

 「小隊長! 白髪の兎人もいますよ! 隊長が欲しがってましたよね?」

 

 「おお、ますますツイテルな。年寄りは別にいいが、あれは絶対殺すなよ?」

 

 「小隊長ぉ~、女も結構いますし、ちょっとくらい味見してもいいっすよねぇ? こちとら、何もないとこで三日も待たされたんだ。役得の一つや二つ大目に見てくださいよぉ~」

 

 「ったく。全部はやめとけ。二、三人なら好きにしろ」

 

 「ひゃっほ~、流石、小隊長! 話がわかる!」

 

 

 

はぁ~気分悪いなぁ~そう思いながら俺は前に出る。そしてハジメも俺と同じように前に歩き出していた。

 

 

 

 「ん?お前等兎人族......ではないな?」

 

 

 

 ハジメ「あぁ俺達は人間だ」

 

 

 

 「はぁ~?なんで人間が兎人族と一緒にいるんだ?しかも峡谷から。あぁ、もしかして奴隷商か?情報掴んで追っかけたとか?そいつぁまた商売魂がたくましいねぇ。まぁ、いいや。そいつら皆、国で引き取るから置いていけ」

コイツ等俺達がきっと従うことが当然だと思っているんだろうなぁ~まぁ答えはすでに出ているんだけど........

 

 

 ハジ雄「「断る」」

 

 

 「今なんて言ったんだ小僧ども。もう一度行ってみろ」

 

 

 雄汰「くどい。断るといった」

 

 

 

 ハジメ「なんだ?耳が退化でもして聴き取れなくなったか?」

 

 

 

 そう言った俺達のでかい態度が気に入らなかったんだろう、青筋を浮かべながらさらに俺達に脅すように語り掛ける

 

 

 「..............小僧ども。口には気を付けろよ。俺達のことが分からないほど馬鹿じゃあるまいな?」

 

 

 

 ハジメ「十分に理解したうえでの発言だが、あんたに頭が悪いとは言われたくないな」

 

 

 

 雄汰「いきがるだけの半端な強さじゃ、俺達がには勝たれへん」

 

 

 

 俺達の言葉にスッと表情を消すと、その場にいるすべての帝国兵と俺達の間で剣呑な雰囲気で睨み合う。すると後ろでユエもシアたちの前に立ったところで隊長と呼ばれていた男が下卑た笑みを浮かべる。

 

 俺達の言葉にスッと表情を消すと、その場にいるすべての帝国兵と俺達の間で剣呑な雰囲気で睨み合う。すると後ろでユエもシアたちの前に立ったところで隊長と呼ばれていた男が下卑た笑みを浮かべる

 

 

 「あぁ~なるほど。よぉ~くわかった。てめぇらがただの世間知らずのガキどもだっていうことがなぁ。俺らが世の中の厳しさってのを教えてやんよ。くっくっく、そっちの嬢ちゃんえらい別嬪じゃねぇか。てめぇらの四肢を切り落とした後、目の前で犯して、奴隷商に売っぱらってやるよ」

 

 

 その言葉にハジメは眉をピクリと動かし反応する。ユエも表情はたいして変化はないがとても不快そうにしていた。かく言う俺も不愉快だ。

 

 

 ハジメ「つまり敵ってことでいいな」

 

 雄汰「仕方がない。お前ら殺すけどいいよな、まぁ答えは聞いてないけどな!」

 

 

 「あぁ?!てめぇら立場理解してんのか?こっちが何人いると思ってんだ!地面にはいつくばって震えながら許しを請えば.........

 

 

 

ドパンッ!  シャリーン、ドサッ

 

 

 

 続くはずの言葉は紡がれず、ハジメの銃撃によって隊長の眉間に大穴を開けて倒れた。そしてその隣にいた兵士も俺によって首を切り落とされ倒れていた。

 

 

 雄汰「知ってるか、戦いっていうのはなあ、ノリのいい方が勝つんだよ!数なんて関係しないんだよ!」

 

 

 

 茫然としていた帝国兵達をさらにハジメの超絶銃技巧である同時に六人の帝国兵の頭を吹き飛ばした。この時銃声は一発分が少し間の抜けたように聞こえるが実際は六発放たれていて余りの速さの速射により一発分しか聞こえなかったのだ。

 

 

 雄汰「いくぜいくぜいくぜぇ!!」

 

 

 俺もその時一気に帝国兵たちに肉薄し、大橙丸を振るい一気に8人もの帝国兵を沈める。

 

 

 帝国兵の後衛が魔法を詠唱を開始したと同時に前衛もこちらに突っ込んでくるので俺はそのまま斬り込んでくるのを逆に切り伏せ後衛の呪文を唱えている奴らに襲い掛かる。ハジメも俺が斬らなかった一部の帝国兵を粛々と処理する。

 

 

 俺やハジメからすれば本当に対した疲労感も感じず瞬殺することができた。そんな戦闘とも言えない蹂躙劇はすぐに終わりあえて一人だけ生かしておいた奴に尋問を始めたのであった。

 

 

 「ひぃぃぃ!く、来るな!い、嫌だぁ、死にたくない!だ、、誰か助けてくれ!」

 

 

そうみっともなく命乞いをするそいつを俺達は冷たい目で見降ろしているとハジメが

 

 

 ハジメ「そうか。なら残りの兎人族はどうした?結構な数がいたはずだが..............すべて帝国へ移送済みか?」

 

 

 「は、話せば見逃してくれるか?」

 

 

 雄汰「お前の立場よく考えたほうがいいと思うぞ?」

 

 

 俺は暗にお前が要求できる立場にはないと告げる

 

 

 ハジメ「さっさと話せ。それともなんだ、逝っとくか?」

 

 

 「ひぃぃぃ!わ、わかった話す!話すから!」

 

  

 そう言って帝国兵は語りだす。すべて移送済みであるということを。そしてその時に””数を絞った””つまりは売れそうにないやつは殺したと話した。後にいるシア達兎人族は悲痛な顔を浮かべる。

 

 

 そうして情報を得られると...........ハジメは再び銃を帝国兵に向けた

 

 

 「ッ!待った!待ってくれ!頼む見逃してくれ!帝国の何でも話すから!だから.......」 

 

 

 

 ドパッン!

 

 

 ハジメの返答、それはつまりはこういうことだ

 

 そんな様子を見ていたシアが声をかけてくる

 

 

 シアが「.......あの、さっきの人は見逃してもよかったのではないでしょうか?」

 

   

 ハジメはそんな発言をしたをしたシアを、そして同じことを考えているだろう兎人族に対しあきれたようなまなざしを向け発言しようとすると、先にユエが話し出した

 

 

 ユエ「.........先に剣を向けた者が、結果、相手の方が強かったから見逃してもらおうなんて都合がよすぎ。」

 

 

 シア「そ、それは.......そうですが」

 

 

 ユエ「そもそも守られているだけのあなた達がそんな目をハジメと雄汰に向けるのはお門違い。」

 

 

 

 ハウリア「「「「..........」」」」

 

 

 ユエは静かに怒っている。守られておきながらハジメや雄汰に負の感情を向けるのは許さないとでも言わんばかりだ。兎人族も正論であるのでばつの悪い表情をしている

 

 

 雄汰「.............ユエありがとうな。俺もハジメも気にしてない。な?ハジメ」

 

 

 

 ハジメ「あぁ、ありがとなユエ。俺も気にしてないから大丈夫だ」

 

 

 俺達が感謝を伝えると落ち着いたみたいなので俺は兎人族に向かいあって話しかける

 

 

 

 雄汰「あんたら兎人族が温厚な種族というのも知識として知っているし、そういった反応が普通だ。むしろ殺すという行為をする俺達がおかしいとも思うしな。」

 

 

そういうとカムとシアが代表するように前に出てくる

 

 

 

 カム「ふむ、ハジメ殿、雄汰殿、申し訳ない。別に、あなた方に含むところがあるわけではないのだ。ただ、言い訳になるが雄汰殿の言う通りこういう争いに我らは慣れておらんのでな……少々、驚いただけなのだ」

 

 

 

シア「ハジメさん、雄汰さん、すみません」

 

 

 

 シアとカムが代表して謝罪するが、雄汰は気にしてないという様に手をヒラヒラと振るだけだった。

 

 

 ハジメは、無傷の馬車や馬のところへ行き、兎人族達を手招きする。樹海まで徒歩で半日くらいかかりそうなので、せっかくの馬と馬車を有効活用しようというわけだ。魔力駆動二輪を宝物庫から取り出し馬車に連結させる。馬に乗る者と分けて一行は樹海へと進路をとった。

 




 
 今回は電王の台詞を使用させていただきました。

 必殺技でもロットフォームの必殺技『ソリッドアタック』を模させていただきました。

 ウラとキンはどんな台詞にしようか迷いましたね。
 モモとリュウは使いやすくて助かります。

 一昨日、1人カラオケしてきまして、平成、令和ライダーOP 歌ってきました。ノンストップでいったのだ。帰り、喉が軽く枯れました。

 「ClimaxJump」が一番歌いやすかった。

 
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