週始めの月曜日、それは一週間の中で最も憂鬱な日。だが、俺にとっては一切関係のない
ことだった。
....何故なら、俺は学校の屋上でイヤホンで音楽を聴きながら寝ていたからだ。すると、
突然俺は影に覆われた。影の方を見てみると、一人のポニテ女が俺を見下ろしていた。
「....またサボってるの、帝君」
「八重樫か....授業は終わったか?」
「えぇ。今はもう昼休みよ」
「そうか....」
そう言われて、俺はイヤホンを外して起き上がった。
「相変わらず、成績は良いくせに授業はサボって....」
「別に、授業を受けようが受けまいが俺の勝手だろ」
「....はぁ。内申点消えても知らないわよ」
「ノート提出してるから心配いらねぇ。後で南雲かお前に借りるしな。それに、
テストの点稼いでるから留年になる事はねぇよ」
「....ホント、タチが悪いわね。先生の苦労が眼に浮かぶわ」
八重樫は呆れたようにそう言ってきた。
「うるせぇ....てか、いつも思ってたが、毎日毎日ここに来てお前も飽きないな」
「別に....私がここに来るのも勝手じゃないかしら? 貴方が授業を受けないのと一緒よ」
「....確かに。そいつは違いねぇな」
俺は八重樫の言葉に素直に同意した。
「はぁぁ....今日の昼って何の授業あった?」
「英語物理、後は現代社会」
「そうか....今日の昼は大人しく授業を受けるか」
「あら....珍しい事もあるわね」
「たまに受けとかねぇとあのちびっ子担任がうるさいからな....」
「....それ、愛子先生の前で言わないでよ。愛子先生泣くから」
「それは俺の気分次第だ」
そう言って、俺は屋上の扉を開けた。
「おい、とっとと行くぞ」
「はいはい....」
〜〜〜〜
教室
「南雲、午前中のノート貸してくれ。昼休みが終わるまでには返す」
「帝君。いいよ、はい」
「悪いな。あぁ、あとこれ」
教室に戻って来て、ちびっ子担任からの小言を言われた俺は数少ない友人である
南雲 ハジメにノートを借りていた。そして、俺はノートを借りるとカバンの中から
一冊の小説を取り出して南雲に渡した。
「も、もう読んだんだ....それで、どうだった?」
「なかなか良かった。今度続きを貸してくれ」
「っ! う、うん! わかったよ!」
それを聞き、俺は南雲の隣の席に座り、片手にカロリーメイトを持ちながら
南雲から借りたノートを写し始めた。すると、再び八重樫が俺に近づいてきた。
「ねぇ、お昼それだけ?」
「あぁ。今日はあまり腹が減ってないからな」
「....だからって、それだけっていうのはやめておいた方が良いわよ。栄養偏るし」
「....お気遣いどうも」
そう言って、俺は軽く流したのだが、今日は機嫌が悪かったのか持っていた
カロリーメイトを奪われた。
「おまっ、何すん....!?」
俺は続きを言おうとしたのだが、突然口の中に何かを入れられた。口の中に入れられた
何かは甘い味がしており、噛んでみると、それは卵焼きだった。
「どう、味は?」
「....まぁ、悪くはねぇ」
「そ。なら、これから毎日作ってあげましょうか?」
そう言った瞬間、教室にいた生徒どもはザワつきだし、男どもは俺を睨みつけていた。俺は
それを逆に睨みつけて男どもを黙らせた。そして....
「....それは遠慮しておく。色々と面倒な事になるのが目に見える」
俺はそう言うと八重樫からカロリーメイトを取り返しノートを写していた。そうしていると、
突然教室の床に謎の魔法陣の様なものが現れた。その魔法陣は広がっていき、俺の足元にまで
届いてきた。そして、次の瞬間、真っ白な光に教室内は包まれた。
〜〜〜〜
? side
『(この気配....)』
俺はとある気配を感じていた。
『(いる、間違いなくいる! この俺の力に耐えられそうな人間の気配が!)』
その気配は、俺が今いる城から感じていた。
『(どいつだ。この俺の闇に耐えうる可能性を持つ人間は....)』
俺は気配を辿った。そして行き着いた先にいた人間は目つきの悪い男だった。その男からは、
周りにいる人間とは比べ物にならない程、心の中に闇を感じた。
『(コイツか....これ程の闇なら、利用価値は十分にある)』
そう思った俺は、すぐさま行動に移した。