「....ここがブルックか」
数時間かけて、俺はブルックの街に辿り着いた。街の前には門番がいたが、
気配遮断ですり抜けた。
「さてと、ギルドは何処なんだか....」
俺は街をふらふらと観光しながらギルドを探していた。すると、ゲームで見る様な
ギルドっぽい建物が見えてきた。
「あそこか....?」
俺は疑問を持ちながらもその建物に近づき扉を開いて中に入った。中に入ると、中にいた
多くの人間が俺の方を見てきた。だが、俺はその視線を無視して受付の様な場所に向かって
歩いていった。
「すまない。少し聞きたい事があるのだが良いだろうか?」
「おっと、随分と若い子だねぇ」
話しかけたオバちゃんは少し驚いたようにそういった。
「それで、少年は何を聞きたいんだい?」
「ギルドを探しているのだが、この場所で合っているだろうか?」
「ギルドかい? それだったら運が良いね。ここは冒険者ギルド、ブルック支部だよ」
「(ここで合ってたか....)」ほっ
その言葉を聞いて、俺は内心ホッとした。
「それで、少年はギルドに何用だい?」
「冒険者登録がしたいんだ」
「冒険者登録かい? なら、1000ルタとステータスプレートを出してくれるかい?」
「あぁ」
そう言って、俺は千ルタとステータスプレートを渡した。すると、オバちゃんは俺の顔と
ステータスプレートを何度も見返していた。
「ちょっとアンタ....」
そして、オバちゃんは手招きして俺を小さな声で呼んだ。
「何だ?」
俺はオバちゃんに耳を近づけた。
「何だいこのステータスは」
「何だと言われてもだなぁ....最初からそのステータスなんだが....」
「....冗談かい?」
「いや、断じて冗談なんかじゃねぇ」
そう言うと、オバちゃんは俺の目を見てきた。そして、呆れた様にため息をついた。
「嘘はついてないみたいだね....取り敢えず、技能欄とステータスの数値は隠しておきな。
このステータスが公になったら面倒に巻き込まれるよ」
「あ、あぁ。てか、ステータスって隠す事ができるのか....」
「アンタ....知らなかったのかい?」
「あぁ。これ、俺の友人から貰ってステータスの表示を教えてもらっただけだからな」
「アンタ、よくこの街に入れたね....門の所で何か言われなかったのかい?」
オバちゃんは呆れながらそう言ってきた。
「気配遮断で上手く抜けたんだよ」
「....はぁ、そういうことにしておくかい」
そう言うと、オバちゃんはステータスプレートのステータスの隠し方を教えてくれた。
「これがステータスの隠し方だよ。そのステータス、バレない様に気をつけなよ」
「あぁ。....それよりも、この青いのは?」
俺は返ってきたステータスプレートに新たに書かれた“冒険者”の横にある青色の点を
指差してそう聞いた。
「そいつは冒険者のランクだよ。ランクは依頼をクリアして行けば上がってくんだよ。ランクが
上がればギルドと連携している宿や店は一割〜二割割り引いてくれるし、移動馬車も無料で
使えたりするからね」
「へぇ....最高ランクの色って何色なんだ?」
「金だよ」
「なら、ついでに目指してみるか」
俺はそう言いながらプレートをポケットに入れた。そして、俺は依頼の紙が貼られている
ボードを見た。
「あそこの紙を取ってここで受付をしたら依頼を受けられるのか?」
「そうだよ」
俺はボードに近づいて依頼の紙を見た。依頼の紙には制限が無いものもあるが、ランク制限が
あるものもあった。
『戦えるものだったら何でもいいだろ』
「(あぁ)」
ベリアルの声を聞き、俺は一枚の紙を取った。
「じゃあこれで」
「....最初に依頼する依頼がデスリザードかい」
すると、周りの冒険者達がざわざわし出した。
「....何か不味かったか?」
「別に問題は無いんだよ。ただ、デスリザードは十体程の群れで行動してるからね。これを
受けるのはパーティー組んでるのが多いんだよ。それに、この依頼は青の中でも最難関って
言われてるからね」
「そうか....ま、俺には関係ないが」
「....ま、死なない様に気をつけるんだね。デスリザードがいるライセン大峡谷はたまに
ワイバーンが出るからね」
「....あぁ。ご忠告どうも」
そう言って、俺はギルドから出て街を出ると、浮遊を使ってライセン大峡谷に向かった。
〜〜〜〜
ライセン大峡谷
数十分をかけて、俺はライセン大峡谷に辿り着いた。
「さてと、討伐対象は何処にいるんだか....」
俺は空中を飛びながらデスリザードを探した。すると、小さな洞窟からデスリザードの群れが
現れた。
「....見つけた」
俺は腰に付けたベリアライザーを手に取り、目の前に現れたアクセスカードをライザーに
入れた。
『Mikado Access Granted.』
そして、俺はホルダーの中からレッドキングのメダルを取り出しスリットに入れブレードを
音声認識のところで止めた。
『RED KING!』
「武装」
そう言ってトリガーを引くと、俺の両腕は巨大な拳に変化した。
『RED KING! KNUCKLE!』
そして、俺はデスリザードの前に降り立った。すると、デスリザードは俺に敵意を向けてきた。
俺はデスリザードが敵意を向けてきた瞬間、一気に接近して一番前にいたデスリザードを
地面に叩きつけた。すると、他のデスリザード達は怒ったのか、一斉に俺に襲いかかってきた。
俺は一体一体の攻撃を避けながら、確実にデスリザードを倒していった。そして、ものの数分で
デスリザード達は全員死んでいた。
「思ったより呆気なく終わった....」
『それはそうだろう。あの程度の敵を倒せないようじゃ、俺の力なんて受け継げねぇっての』
「そいつもそうか....」
そう言いながら、俺はデスリザードの残骸を見ていると、突如上の方から気配を感じた。
俺は上空を見てみると、俺に向かって銀色の龍の様なものが俺に向かってきていた。
俺は咄嗟にその場から避け、地面に降り立った龍の様なものを見た。
「アイツ....オバちゃんが言ってたワイバーンか」
俺は両腕を構え直してワイバーンを睨んだ。すると、ワイバーンは飛び、俺に向かって
突っ込んできた。俺はそれを紙一重で避け、横を通り過ぎ去ったワイバーンの尻尾を掴んで
地面に叩きつけた。そして、俺はワイバーンの背中に乗って翼を引きちぎった。ワイバーンは
鳴き声を上げていたが、俺はそれを無視してワイバーンの体にレッドキングの腕を叩き込んだ。
ワイバーンの体には巨大な穴が空き、ワイバーンは絶命した。
「....こいつ一体で終わりか」
俺は腕を元に戻して周囲に散らばっている残骸を見渡した。
「(そういや、ギルドは魔物の素材の買取ができたな....)」
俺は南雲から貰ったメモの事を思い出した。
「なぁベリアル。ゲートをくぐった先の空間に物を入れる事ってできるか?」
『別にできるが』
「そうか。じゃ、コイツら突っ込んでこの辺を探索して今日は帰るか」
そう言った俺は、ベリアライザーで作ったゲートの中にデスリザードとワイバーンの残骸を
突っ込んだ。そして、俺は周辺にある洞窟を見て回った。そのうち、見て回った洞窟の一つに
宝箱があった。俺はトラップかどうかを確認するために透視で見ると、その宝箱には
メダルらしきものが一枚入っていた。
「コレは....」
俺が宝箱を開けると、宝箱の中には金色のロボットが描かれたメダルが入っていた。
『キングジョーのメダル....こんな所に落ちていたのか』
俺がメダルを手に取ると、ベリアルのメダルはそう言いながら浮いてきた。
「落ちてたって言うより入ってたが正しいけどな....まぁその辺はどうでも良いが....」
俺はそう言って、ホルダーの中にメダルを入れた。
「さてと、謎に収穫もあったし。今日のところは帰るとするか」
そう呟いた俺は浮遊を使ってブルックの街に向かった。