「(まぁそう簡単には見つからねぇわな....)」
日が暮れるまでライセンを探索していた俺はブルックに戻ってきていた。
ライセンスにある洞窟を色々と探したのだが、何処も途中で行き止まりになるので
迷宮と呼ばれる様な場所は一つもなかった。
『あんな広い所、ちまちま探してたら時間はかかるぞ。ここは少し、捜索範囲を絞って探せ』
「(絞ってって....あぁ、そういうこと)」
俺はベリアルが何を言おうとしたのかを察した。そして、俺はギルドに戻り、オバちゃんに
素材の鑑定をしてもらっている間、酒を飲んでいる冒険者に話しかけに行った。
「そこのおっちゃん、少し良いか?」
「あぁ....? って、ワイバーンのボウズ!?」
おっちゃんは俺が話しかけて来たのが意外だったのかものすごく驚いていた。周りいた
冒険者も、俺がおっちゃんに急に話しかけていた事に驚いていた。
「ボ、ボウズが俺に何の用だよ....」
「ちょっとばかし話を聞きたいんだよ」
「話?」
「あぁ。おっちゃん、ライセンには行ったことあるか?」
「ライセン? そりゃ、依頼で何度も行ったことはあるが....」
「じゃあ聞くけど、七大迷宮らしき迷宮は見たことあるか?」
「いや、そんなもん見たことねぇよ....見てたら俺、こんな所で酒を飲んでねぇっての」
そう言うと、周りで酒を飲んでいた冒険者は大笑いしていた。
「そっか....じゃあ最後に一つ」
俺はここに来る途中で買ったこの世界の地図のライセンのところを開いた。
「おっちゃんが今まで行ったことがあるライセンの場所をペンで塗りつぶしてくれ」
「場所を? 何のために?」
「捜索範囲を絞るためだよ。あんなだだっ広い所、ちまちま探してたら時間と金がかかって
仕方ねぇんだよ」
「なるほどねぇ....ま、良いぜ」
そう言うと、おっちゃんはライセンの手前の方を塗りつぶした。
「おいお前ら! 話しは聞いてただろ。ボウズに協力してやれ!」
「えっ....?」
すると、おっちゃんは周りにいた冒険者達にそう言った。
「このボウズはいつか七大迷宮を攻略する男だ! 今のうちに恩を売っておけば、
俺達の名前もきっと世界中に広がるぞ!」
おっちゃんがそう言うと、他の冒険者達は納得したのか、俺も書かせろと言って
地図を塗りつぶしていった。
「感謝しろよボウズ」
俺が地図が塗りつぶされているのを眺めていると、おっちゃんは俺にそう言ってきた。
「あぁ。ありがとなおっちゃん」
「フッ....迷宮攻略すんの、楽しみにしてるぞ。....あと、俺の名前はガラッドだ。
迷宮攻略した時は、俺の名前を広めてくれよ?」
「あぁ。約束する」
そう話している間に、ライセンの地図の七割が黒いペンで塗りつぶされていた。
「どうやら、残った部分はこれだけだな」
「あぁ。アンタらもありがとな。お陰で助かった」
俺はそう言って、開いていた地図を閉じ、ベリアライザーで作る空間に入れた。
「アンタも随分と人気者だね」
すると、後ろからオバちゃんがそう言ってきた。
「人気なのかは微妙な気がするけど....」
「そうかい。ほら、今回の分の報酬と素材の査定料だよ」
そう言って、オバちゃんは俺にルタ通貨を渡してきた。
「どうも」
「ま、死なないように気をつけるんだよ。昔、ライセンの七大迷宮を攻略しようとした
冒険者がいたけど行方不明になったからねぇ」
「そうか。肝には免じておくよ」
そう言って、俺はギルドから出ていつもの宿に向かった。そして、宿のベッドに寝転がり、
俺はホルダーからキングジョーとベリアルのメダルを手に取った。
「ベリアル、キングジョーと相性が良いメダルはあるのか?」
『あぁ。それも何枚かな』
「そうか....」
『そういえば....お前に言うのを忘れてたが、この街にメダルの気配が二つほど感じたぞ』
「へぇ....ちょっと待て。お前、今なんて言った?」
俺はベリアルの唐突の発言を聞きそう言った。
『あぁ? だから、この街にメダルの気配が二つするって言ったんだよ』
「お前....メダルがある場所がわかるのか?」
『まぁな。流石にこの姿だからか、近づかないと正確な場所まではわからねぇがな』
「そういう事はもっと早く言え! 他の人間に持ってかれたらどうすんだ!」
『持ってかれたところで使えねぇんだから心配はいらねぇ。それに、持ってかれたところで
バレずに盗めば良いだけの話だろ』
「他人事みたいに言いやがって....」はぁ
俺はベリアルの呑気そうな様子にため息が出た。
『それと、ライセンとかいう所でも何枚か気配を感じたから回収しておけよ』
ベリアルはそう言うと、さっさとホルダーの中に戻っていった。
「(コイツ....いつか絶対ぶん殴る....)」
俺はそんな事を考えながら、キングジョーのメダルをホルダーに戻して眠りについた。