ブルックに戻ってから一ヶ月後、この一ヶ月間で俺は新たなに四枚のメダルを手に入れていた。
そして今日、俺はブルックの街に別れを告げるためにギルドに来ていた。
「よっ、オバちゃん」
「おや、今日は依頼じゃないのかい?」
この一ヶ月、俺がギルドに来た時は必ずと言っていいほど依頼を受けていた。なので、
依頼の紙を持っていない事が意外だったのか不思議そうな表情をしていた。
「あぁ。今日にでも街を出て次の迷宮に行こうと思ってな」
「....っ! そうかい....そりゃ寂しくなるねぇ」
「もともと二週間滞在したら行こうと思ったんだがな。ガラッドや他のオッさんどもに
色々な依頼に関わってたらこんなに時間が経ってた」
「....アンタがいてギルドの雰囲気も賑やかだったんだけどねぇ」
「賑やかというか騒がしいの方があってると思うがな....」
「ハハハ! それもそうだね。それで、次の目的地は決まってるのかい?」
「あぁ。シュネー雪原にある氷雪洞窟。それが俺の次の目的地だ」
そう言うと、オバちゃんは呆れた様な表情をした。
「魔人族がいるって所によく一人で行くもんだね....ホント、規格外って言葉が似合ってるよ」
「俺にとっては褒め言葉にしか聞こえねぇよ」
「はぁ、全く....」
そう言いながらオバちゃんは、突然一通の封筒を俺の前に置いた。
「この手紙を持って行きな」
「コイツは?」
「中身は秘密さ。アンタがどっかの街で面倒ごとに巻き込まれた時、ギルドのお偉いさんに
見せな。ちょっとは役に立つからね」
「....? わかった」
俺は不思議に思いながらも、封筒をゲートの中に入れた。
「さ、それじゃあ行きな。....あんたの旅の無事を祈ってるよ」
「あぁ。何から何まで世話になった」
そう言って、俺はギルドから出て街の入り口に向かった。すると、入り口の所にガラッドや
俺が一緒に依頼を受けたオッさん達がいた。
「よっ、ボウズ」
「ガラッド....それにオッさんどもも....」
「今日ここを出るんだろ。見送りに来たぜ」
「....わざわざ見送りになんて来なくて良いのに」
「そう言うなよ。ボウズには随分と世話になったからな」
そう言いながら、ガラッドは俺に近づいてきた。
「それに、ボウズに渡す物があるんだよ」
「渡す物?」
「あぁ」
ガラッドはそう言うと、一枚のメダルを渡してきた。ガラッドが渡してきたメダルには、
黒い恐竜の様な怪獣が描かれていた。
「っ! これは....」
「ボウズが探してるメダルだろ。偶然見つけて拾ったんだよ」
「そうか....わざわざありがとな」
「気にすんな。....なぁボウズ」
「何だ?」
「何かあったらいつでもこの街に戻って来い。飯でも奢ってやるからよ」
「....あぁ。ありがとな」
そう言って、俺はベリアライザーを使いリトラを呼び出した。
「それじゃ、あんた達にも世話になった!」
「おう! 絶対に迷宮、攻略して来いよ!」
「あぁ!」
俺がそう言うと、リトラは飛び上がり南側に向かって飛び始めた。