不良と皇帝陛下   作:アイリエッタ・ゼロス

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氷雪洞窟へ

「(ここは真冬の北海道か....)」

 ブルックを旅立って二日後、俺はシュネー雪原の空をファイヤーリトラに乗って“氷雪洞窟”を

 探していた。俺とリトラは防御障壁を張っていたため、シュネー雪原の吹雪を全て無効化に

 していた。

 

「おいべリアル。メダルの反応は?」

『もうちょっと待てって。あと少しでメダルの気配が....』

 ベリアルは俺にそう言いながら空中でメダルの姿で浮いていると、ある角度で動きを止めた。

 

『....見つけた。ミカド、東に三キロだ』

「東か....リトラ!」

 俺がリトラの名前を叫ぶと、リトラは東に向かって飛び始めた。

 

 〜〜〜〜

 

『ミカド、メダルの気配はこの谷の下だ』

 東に三キロほど進むと、何やら大きめの谷があった。

 

「下か。だったら....リトラ! ご苦労さん」

 そう言って、俺はリトラをメダルに戻し、そのまま谷の方に飛び降りた。そして、谷底の

 地面が見えると、重力魔法を使ってゆっくり地面に降り立った。

 

「さてさてさーて、迷宮の入り口は....」

 俺は周囲を見渡すと、右側から強力な魔力を感じ取った。

 

「あっちか」

 俺はその強力な魔力の方に向かって歩き出した。そして、しばらく歩くと行き止まりの

 先に洞窟の様なものが見えた。

 

「(あそこだな)」

 そう思って進もうと思ったのだが、その洞窟の方からモンスターがこちらに向かってくる気配を

 感じた。

 

「(モンスターか....)」

 俺は腰に装備しているベリアライザーを手に取り、ホルダーからメダルを取ろうとした。

 

「(どいつで行こうか....)」

 そう考えながらメダルを見ていると、ガラッドから貰ったメダルが目に留まった。

 

「(そういや、この怪獣は名前を知らねぇな....)」

「ベリアル、コイツの名前は?」

『あぁ....そいつは"ゼットン"。今お前が持ってるメダルの中では最強格の怪獣だ。

 まぁ俺には及ばないがな』

「へぇ....最強か。面白そうだ」

 そう言って、俺はゼットンのメダルをスリットに入れた。

 

ZETTON!

 

「行け、ゼットン!」

 俺がそう叫びトリガーを引くと、俺の前に黒いカミキリムシを彷彿させる怪獣が現れた。

 

「ゼットン! 前からくるモンスターを蹴散らせ!」

『ピポピポピポ。ゼットーン』

 すると、ゼットンは鳴き声をあげると腕を胸の前に持って行き、巨大な火球を作り出した。

 そして、その火球を前からくるモンスターに向かって放った。

 その火球はモンスターがいる付近に落ちると、大爆発を起こし、周りの氷や氷の床を

 消滅させていた。

 

「....マジか」

 俺は想像していたよりも威力のある一撃に言葉を失った。

 

『だから言っただろ。最強格だって』

「これは調整必須だな....」

 俺はそう呟くとゼットンを一度メダルに戻し、洞窟の中に入っていった。

 

 〜〜〜〜

 

 洞窟内はまるでミラーハウスの様だった。

 

「にしても、随分と死体が多いな」

 俺は周りの壁に埋まっている人間や魔人族らしきものを見てそう言った。

 

『そりゃあんな装備でこの寒さをしのぐのは無理だろう。お前みたいに常に自分の周りに

 結界を張れたら話しは変わるがな』

「そうだな」

 俺はベリアルがメダルを感じる方向に歩きながらも、周囲を見渡していた。そして、十字路の

 真ん中に着いた時、俺は足を止めた。

 

「....ベリアル」

『....あぁ。四方からか』

 俺はベリアライザーを持ち、ホルダーからメダルを四枚手に取り三枚をスリットに入れた。

 

ZETTON! PANDON! BIRDON!

 

 俺は三枚のメダルをスキャンすると、一度トリガーを引き、再びメダルをスリットに入れた。

 

VEROKRON!

 

「行け、お前達!」

 俺はトリガーを引き、ゼットンを進行方向に、パンドンとバードンを左右に、ベロクロンを

 さっきまで歩いていた方向に召喚した。

 

「パンドン! ベロクロン! バードン! 敵を焼き尽くせ! ゼットンは前進しながら全てを

 焼き尽くせ!」

 そう叫んだ瞬間、俺の周りは炎と爆発音に包まれた。その間に、俺はゼットンが攻撃を

 放つ方向に走り出した。ゼットンの炎は地面に着弾すると、モンスター達を炎で

 包んでいた。俺はその燃えているモンスター達を踏み台にしながら先に進み続けた。

 すると、俺は広い空間に出た。

 

「....何だここは」

 俺がそう呟いた瞬間、突然上空から何かが接近する気配を感じた。俺が上空を見ると、

 上空からは氷のイーグルの様なものが俺に突進しようとしていた。だが、氷のイーグルは

 俺に突進する前に俺が張った結界によって粉々に砕け散った。しかし....

 

『おいおい、随分と大所帯だな』

 上空には三桁を超えるほどの氷のイーグルが、地面には氷の狼達が、一体の巨大な氷の

 亀が現れた。

 

「めんどくせぇな....ベリアル、一気に燃やすぞ」

『はいよ』

 そう言うと、俺の目の前にアクセスカードが現れた。

 

Mikado Access Granted.

 

「戻って来い、ゼットン!」

 俺はそう叫び、ゼットンをメダルに戻してホルダーからベリアルとベムスターのメダルを

 手に取りスリットに入れた。

 

BELIAL! ZETTON! BEMSTAR!

 

「三つの闇の力! いただくぞ!」

 そう叫んで、俺はライザーのトリガーを引いた。すると、俺の周りに透明なベリアルと

 ゼットンとベムスターの姿が現れ、俺の身体に集まり一つになった。

 

BEMZADE!

 

 そして、俺の姿は“ベムゼード”に変わった。

 

『モエツキルガイイ!』

 俺は一兆度の火球を放ちながら、左腕で接近してくるモンスターやモンスターの

 攻撃を吸収していた。そうしている間に、俺の身体の中に大量の魔力が溜まった。

 

『ミカド、溜まった魔力を全部あのデカブツにぶつけてやれ』

『イワレナクテモ!』

 そう言って、俺は右腕を巨大な氷の亀に照準を合わせた。

 

『クラエ、トリリオンインフェルノ!』

 すると、俺の右腕からさっきまで吸収していたモンスター達の魔力が塊になった物が現れ、

 その塊に一兆度の火球をぶつけて氷の亀に向かって飛ばした。その巨大な炎の塊は氷の亀に

 当たると、この空間全てを巻き込んだ大爆発を起こした。俺は自分の周りにゼットンバリアを

 張っていたため爆発には巻き込まれなかったが、この空間はどこもかしこも穴だらけに

 なっていた。そして、周辺にいたモンスターも全て消滅していた。

 

『全部消えたみたいだな』

『アァ』

 俺はそう言いながら変身を解除し、パンドンとバードンとベロクロンを自分の元に

 呼び戻して、メダルをホルダーの中にしまった。

 

「さて、さっさと先に進むか。ベリアル、道案内は頼むぞ」

『はいよ』

 俺はベリアルにそう言って、迷宮の奥に向かって歩き出した。

 

 

 

 

 

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