不良と皇帝陛下   作:アイリエッタ・ゼロス

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幕間 ブルック

「地図を見る感じ、ここがブルックね....」

 そう言いながら、私はある町の前にいた。

 

「おーい嬢ちゃん。町に入ろうとしてるのか?」

 すると、町の門番のような人が私にそう聞いてきた。

 

「え、えぇ....」

「そうかい。んじゃ、ステータスプレートを見せてくれるか?」

「わかったわ」

 そう言ってプレートを見せると、門番のような人は目を見開いて驚いた。

 

「こいつはマジか....! あのボウズと良い勝負だな....」

「ボウズ....?」

「あ、あぁ気にしなくても大丈夫だ!」

 そう言いながら、私にプレートを返してきた。

 

「取り敢えず、町の事を知りたいなら町の中心にあるギルドに行きな。簡単な地図を

 くれるはずだ」

「そうですか。ありがとうございます」

 私は門番の人にそう言って、町の中に入った。そして、言われた通りギルドと呼ばれる

 場所の前まで向かった。

 

「ここかしら....」

 そう呟きながら、私は建物の中に入った。中は意外と綺麗で、受付のような所や、居酒屋の

 ような所があった。そして、お酒を飲んでいる冒険者の人達は入ってきた私をじっと見ていた。

 

「(場違い感がすごい....)」

 そう思いながらも、私は受付の様な場所まで歩いていった。そして、私はこの中で一番偉そうな

 女の人に声をかけた。

 

「あの、すいません」

「おや、女の子が一人でどうしたんだい?」

「ここでこの町の地図を貰えると聞いたのですが....」

「地図かい? じゃあこれだね」

 女の人はそう言いながら手書きの地図を渡してくれた。

 

「ありがとうございます」

 私は地図を受け取ってこの町にある物を確認した。そして、私は一つ疑問に思った事を聞いた。

 

「あの、こういう物ってこの町だったらどこで売れますか?」

 そう言いながら、私は隠れ家の様な場所で拾った鉱石をテーブルに出した。すると、女の人の

 目が変わった。

 

「これは....アンタ、これを何処で?」

「えっと....オルクス大迷宮って言う所からです」

 そう言った瞬間、後ろの方でお皿や瓶が割れる音が聞こえた。

 

「オルクス大迷宮ね....まさか、こんな短期間に二人も七大迷宮を攻略する人間が現れるのは

 予想外もいいところだね....」

 女の人はそう言いながらため息をついていた。

 

「他に七大迷宮を攻略した人がいたんですか?」

「あぁ。一ヶ月前ぐらいに若い男が一人でライセン大迷宮を攻略したんだよ」

「(それってもしかして....!)」

「あの! その男の人って帝って名前でしたか!」

「知ってるのかい?」

「はい! それで、彼は今どこに....!」

「あの子なら、数日前に氷雪洞窟に行くって町を出ちまったよ」

「っ....! そ、そうですか....」

 女の人の言葉を聞いて、私は内心ショックを受けた。

 

「ま、そんなにショックを受けなさんな。あの子の事だ、そのうちひょっこりこの町に

 帰ってくるかもしれないよ」

「....そうですか」

「....そうだね。どうしても行方が知りたいなら占ってあげようか?」

 そう言いながら、女の人は水晶の玉を取り出した。

 

「占い、ですか?」

「そ。意外と当たるんだよ? お代は鉱石を買い取ってからでも良いかい?」

「あ....じゃあ、お願いします」

「あいよ。冒険者登録もしとくかい? 買い取り金額が上がるよ」

「お願いします」

「じゃ、ステータスプレートを出しておいておくれ」

 そう言われ、私はテーブルにステータスプレートを置いた。すると、女の人は驚いた表情を

 浮かべたかと思うとため息をつき、私のステータスプレートに何かしていた。そして、

 鉱石を鑑定すると、私の目の前に一万ルタを三十枚、千ルタを四枚置いた。

 

「冒険者登録と占い料金を差し引いて30万4000ルタだよ」

「ありがとうございます」

「じゃ、占うからそこに座っておくれ」

「はい」

 私は女の人の前に座った。

 

「じゃ、水晶の上に手を翳して探したい人のことを想像しておくれ」

「わかりました....」

「(帝君....)」

 そうしていると、女の人も水晶に両手を翳していた。

 

「....見えるのは吹雪だね。だけど、見る感じ空を飛んで動いてるね」

「吹雪ですか....?」

「そうだね。かなり強い吹雪だからどこに向かってるかはちょっと時間をもらわないと

 わからないね」

「そうですか....」

「ま、ちょっと時間つぶしでもしてきな。町には来たばっかなんだろう?」

「はい....」

「だったら町を観光するなり依頼に行ってみると良いよ。依頼を受けるならそこのボードの

 紙を持ってきな」

「わかりました」

 そう言って、私は依頼の紙が貼られているボードを見に行った。すると、近くにいた男の人が

 私に話しかけてきた。

 

「嬢ちゃん、依頼を受けるのか?」

「え、えぇ。でもどれを受けようか....」

「そうか。だったらこれはどうだ? 嬢ちゃんが探してるボウズもこれを受けてたぞ」

 そう言って、男の人は一枚の紙を渡してきた。

 

「デスリザードですか....」

「あぁ。報酬金も良いからおススメだぞ」

「そうですか....ありがとうございます」

 そう言って、私は依頼の紙を渡しライセン大峡谷に向かって走り出した。

 

 ~~~~

 ライセン大峡谷

 

「....」

 ライセン大峡谷に来た私は開けた所で目をつぶって周囲の音を聞いていた。

 

「(....来た)」

 そして、私は左から走ってくるモンスターの気配を感じて刀を抜いた。その瞬間、刀からは

 三つの斬撃が飛び、私の方に走ってきていたモンスターの首は飛んだ。

 

「ふぅ....これで目標は討伐完了ね」

 そう呟きながら私は刀を鞘に納めて転がっているデスリザードを紐で縛った。

 

「(ザムシャーさんに教えてもらった縛り技がこんな所で役立つなんて....)」

 そう思いながら、デスリザードを引きずって町に戻ろうと思った時、上空から何かの鳴き声が

 聞こえた。上を見ると、上空に三体ほどの銀色の龍の様なモンスターがこちらを見ていた。

 

「(あのモンスター....デスリザードを食べるのが目的ね)」

 私は先読でデスリザードの動きを予測できた。

 

「悪いけど、渡すわけにいかないわよ」

 そう呟き、私は龍の様なモンスターに向かって斬撃を放った。すると、一体は真っ二つになって

 地面に落ちてきた。それを見てか、残りの二体は私に向かってきた。

 

「....遅い」

 私は居合の構えを取り、二体が目の前に来た瞬間剣を抜き真っ二つに両断した。

 

「....荷物は増えたけど、これで終わりね」

 そう呟き、私は三体のモンスターを縛って倒したモンスターを引き摺りながら町に戻った。

 

 

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