「....着いたか」
氷雪洞窟のメダルと神代魔法を手に入れた俺は大陸一の商業都市と言われている
フューレンにいた。
「ベリアル、気配は?」
『そうだな....あ....?』
「どうした?」
『動いてやがるな....メダルが一枚』
「メダルが? ってことは誰かが持ってるって事か?」
メダルの気配を探していたベリアルに俺はそう聞いた。
『あぁ。それに....動いてるメダルがあるのはこの下だ』
「下って....下水道の方か」
『あぁ。どっかに流される前に回収しろ』
「はいはい....」
そう言って、俺は頭の中にベリアルに送られたメダルの気配がある場所に向かった。
~下水道~
「マジか....」
下水道にやってきた俺の目に入ったのは、幼い小さな女の子だった。ただ、見た感じ人間の
女の子ではなかった。
「ベリアル、空間に死んでない生物を入れても問題なかったよな?」
『あぁ』
「そうか」
そう聞いて、俺はベリアライザーでゲートを作り、その中に女の子を入れた。そして、地上に
上がり女の子に着せる服を買って宿の一室を借りて部屋に入った。部屋に入った瞬間、俺は
部屋の鍵を閉めてベリアライザーで作ったゲートの中に入った。ゲートに入ると、中に
入れていた女の子は目を覚ましていた。
「起きたか」
「....誰?」
「お前を助けたお兄さんだ。取り敢えず....」
俺はそう言いながら、俺はベリアライザーにレイキュバスのメダルを入れ、レイキュバスの
力で女の子の身体の汚れを落として服を着させた。
「これで良いか」
「....ありがとう? お兄ちゃん」
「その年で礼を言えるか....しっかりしてるな。お前、名前は?」
「ミュウ....お兄ちゃんは?」
「俺は帝だ。で、ミュウ。お前何であんな所にいた?」
「わからない....変な人に捕まって檻に入れられて、逃げたらいつの間にか....」
ミュウは頑張って思い出したことを俺に教えてきた。
「檻か....」
「あと、お金の声がうるさかった....」
「金....」
「(ベリアル、これって....)」
『(十中八九、オークションだろうな)』
「(だよな....どうしたもんか....)」
そうベリアルと話しながら考えていると、突然ミュウからお腹が鳴る音が聞こえた。
「お兄ちゃん。ミュウ、お腹減った....」
「(....一先ず、どうするかは後だな)」
「そうか....じゃ、何か食べに行こうか」
そう言って、俺はミュウを肩車して繁華街の方に向かった。
~~~~
「お兄ちゃん! ミュウ、今度はアレ食べたい!」
「はいはい」
繫華街に来ると、ミュウは目に入った食べ物をひたすら欲しいと言ってきた。
「(よく食う事で....)」
そう思いながらも、俺は出店で買った串焼きを食べていた。
「(....それよりも)」
俺は外を歩いている時に感じる視線を鬱陶しく感じていた。その視線は、どうもミュウを
見ているものだった。
「(オークションの人間か....視線の数的に十ぐらいか)」
そう思いながらも、俺は気づいていないふりをしながらミュウにレイキュバスのメダルを
見せてこう聞いた。
「なぁミュウ。お前、こんなメダル持ってないか?」
「....? 持ってるよ。パパから貰った宝物なの!」
そう言って、ミュウはリュウの絵が描かれたメダルを見せてきた。
『(見たことがない怪獣だな....)』
「(そうなのか?)」
『(あぁ。多分だが、伝説か幻の類の怪獣だな)』
「(そうか....)」
「ミュウ。そのメダル、俺が探している物なんだ。良かったらそれ、俺に譲ってくれないか?」
「ダメ! これはパパから貰ったものな!」
そう言って、ミュウは俺の上で暴れ出した。
「お、おいミュウ! 暴れるな!」
俺はミュウにそう言ったがミュウは暴れることをやめず、俺は地面に倒れてしまった。その隙を
狙ってか、ミュウは俺から降りて走って行ってしまった。
「おいミュウ待て!」
俺はすぐに起き上がり、ミュウが走っていた方に走り出した。
~~~~
雫side
「....広すぎて探すのも大変ね」
フューレンの街に着いた私は人ごみの少ない所を歩きながら帝君を探していた。すると、
曲がり角の所で私の足に誰かがぶつかった。見ると、私にぶつかったのは小さな女の子だった。
「っ! だ、大丈夫!? 怪我してない?」
私は咄嗟に女の子と同じ目線に座ってそう聞いた。
「うん....大丈夫」
「そう....なら良かった。それよりも、あなた一人なの? 親御さんは....」
そう言って話しかけていた時....
「ミュウ!」
彼女が走ってきた方向からそんな声が聞こえてきた。その声に私は聞き覚えがあり、声の方を
見るとそこには....
「っ!? 帝君!?」
「お前....八重樫か!?」
私の顔を見た瞬間、帝君は驚いた声を上げた。その時、突然帝君を背後からナイフで襲おうと
した男が十人ほど現れた。
「っ、帝君伏せて!」
そう叫び、私は刀を抜いて斬撃を飛ばした。それと同時に帝君は身体を伏せ、斬撃はナイフを
持った男達を真っ二つに斬り裂いた。
「っ!?」
帝君は一瞬の出来事に目を見開いて驚いていた。
「....帝君、取り敢えず場所を変えない? 色々と聞きたいことがあるの」
「....奇遇だな。俺も聞きたいことができた」
そう言って、私と帝君は女の子を連れてこの場から離れた。