雫side
「雫! そっちは任せるぞ!」
そう言うと、帝君は謎の黒い剣を持って銀色の怪物に向かっていった。
「(じゃあ、私はこっちね....)」
そう思いながら、私は赤と銀色の怪物の方を見た。すると、怪物は武器の様な左腕を
私に向けてきた。私は警戒して星斬丸に手を置いたのだが、左腕からは何も攻撃が
来なかった。不思議に思っていた私なのだが、突然上空から私に向かって何かが
飛んでくる気配がした。私は気配の方向を見ると、そこには巨大な炎の塊のような物が
あり私に向かってきていた。
「彼岸花‐閃‐!」
私は刀を抜き、炎の塊に斬撃を放った。斬撃は炎を真っ二つに斬り裂き、私の背後に
落ちていった。私はすぐに刀を納刀して怪物の懐に潜り込み、刀を抜いた。
「彼岸花‐壊‐!」
だが、私の攻撃を怪物は左腕で防いでいた。
「(っ、硬い....)」
私はすぐに距離を取って刀を構え直した。すると、怪物は自身の周囲にさっきよりも
小さい炎の塊を出して私に放って来た。私はそれを一つずつ確実に落としながら次の一手を
考えていた。すると....
『おいデスローグ! お前も戦うのをやめてこっちに来い!』
突然背後からベリアルが叫ぶ声が聞こえてきた。その声を聞き、私と戦っていた怪物は
武器である左腕を下ろした。そして、怪物はそのまま私の横を通り帝君のいる所に
歩いていった。
「雫。お前も剣を納めてこっちに来てくれ」
すると、いつの間にか黒焦げになっている怪物を叩いていた帝君が私にそう言ってきた。
「え、えぇ....」
私は困惑しながらも刀を納めて帝君のもとに急いで向かった。
~~~~
帝side
「さて....ベリアル、この二体はお前の知り合いって事で良いのか?」
黒焦げになった怪物を起こし、俺は空中に浮いているベリアルのメダルにそう聞いた。
『あぁ。コイツ等は俺の部下だ。グロッケン、デスローグ、コイツは今の俺の依り代の
ミカドだ。俺の新しい身体を探させている。で、この女はシズク。ミカドの女だ』
「もうちょっと言い方あるでしょ....」
『俺に指図するな。お前らも自己紹介しろ』
雫の言葉を横に流し、ベリアルは二体の怪物にそう言った。
『う、うっす! 俺は氷結のグロッケン! 陛下に仕えるダークネスファイブの一人だ!
急に襲い掛かって悪かったなミカド! で、コイツが....』
『グォォォ。グォ、グォォ』
『炎上のデスローグ。コイツは喋れなくてな。俺が通訳やってるんだよ』
「そうか。....一応俺達も挨拶をしておくか。月無 帝。この世界とは別の世界から
連れてこられた人間だ。今はベリアルの相棒をやっている」
「私は八重樫 雫。彼と同じようにこの世界に連れてこられた人間よ」
『そうか。ミカドとシズクだな』
『グォグォ』
『終わったか? それよりも、テメェ等なんでこの世界にいる』
黙って自己紹介を聞いてきたベリアルはグロッケンとデスローグにそう聞いた。
『それが分かんないんすよ。俺達陛下の魂がどこかに流れ着いていないか宇宙を探して
いたんすけど突然変な何かに呑み込まれたんすよ。で、気づいたらここに。元居た場所に
戻れないんでここでどうしようかって話してたんっすよ』
『残りの奴等はどうした?』
『さぁ? 二人一組で探してたんで分かんねぇっす』
『....そうか。まぁ良い。お前らはこれからどうするつもりだ?』
『それはもちろん陛下について行かせてもらいますよ! ようやく陛下とお会いできて
ついて行かないなんてダークネスファイブ失格っすよ!』
『グォォ!』
『って言ってるが、お前らは良いか?』
俺達の方を見てベリアルはそう聞いてきた。
「私はどっちでもいいけど....帝君は?」
「別に良いんじゃねぇか? 戦力増えるし」
俺と雫はベリアルにそう言った。
『....だとよ。ま、ついて来るなら好きにしろ』
『ありがとうございます陛下! ミカドもありがとな! これからよろしく頼むぜ!』
そう言ってグロッケンは手を差し出してきた。
「あぁ、こちらこそ」
俺がグロッケンと握手をしている時、デスローグも雫と握手をしていた。その時、
デスローグは何か言っていた。
『攻撃して済まなかったってよ』
グロッケンはデスローグの言葉を翻訳して雫にそう言った。
「いえ、気にしていないから大丈夫よ」
雫はデスローグにそう言っていた。
『さて、やる事も終わったし帰るぞお前ら。デスローグとグロッケンは人間の姿に
化けておけ。その姿だと人間に攻撃されて面倒だ』
『了解っス』
『グォォ』
そう言うと、二人の姿を光り出し人間へと姿が変わった。
「こんなもんか」
グロッケンの姿は銀髪のチャラそうな男に、デスローグの姿は寡黙な表情の硬い男に
姿を変えた。
「喋り方との親和性が凄いな」
「だろ? じゃあ行こうぜ」
そう言われ、俺達はブルックに向かって歩き出した。
~~~~
「森で迷っていた人間、ねぇ....」
ブルックに戻り、俺はギルドのおばちゃんに二人の事情を話していた。
「あぁ。ステータスプレートも紛失したみたいでなぁ。プレートとかってどこかで
貰えないか?」
「....一応ギルドで買えるよ」
「じゃあ二つくれ。代金は俺が払う」
そう言って、俺は代金を払ってステータスプレートを二つ買い二人に渡した。
「変に厄介ごとを起こすんじゃないよ」
おばちゃんは明らかに怪しんだ様子でそう言ってきた。
「わかってるっての。この町では問題を起こさないようにするって」
「そうしておくれ」
「あいよ。んじゃ」
俺はおばちゃんにそう言って雫達と一緒にギルドを出た。
「怪しまれてた?」
「確実にな。頼むから二人とも、あまり厄介な事は起こさないでくれよ」
「わかってるわかってる。陛下の迷惑になる事はしねぇよ」
「グォォ」
「なら良いが....」
~それから数日後~
「ありがとよデスローグ。おかげで早めに退院できたぜ」
「グォォ」
「相変わらず良い飲みっぷりだなグロッケン!」
「ははは! それはテメェもだろ!」
「....二人ともすごく馴染んでるわね」
「だな....」
デスローグとグロッケンはギルドの冒険者と上手くやっていた。デスローグは冒険者達と
共にクエストに行ったりしており、グロッケンは毎日飲み会をやっていた。そんな中、
俺と雫はクエストの攻略を進めており、ランクは黒になっていた。
「そろそろ町を移動するか....」
「どこに移動するの?」
「それはまだ決めてないんだよな....」
そう話していると、ジョッキを持ったグロッケンがこっちにやって来た。
「おいおい帝! 移動するんだったらこの町に行こうぜ!」
そう言って、グロッケンは一枚の紙を見せてきた。
「....ウル?」
「あぁ! 何でも酒にあう料理が山ほどあるんだとよ! それに米に似た料理もあるぜ!」
グロッケンはそう言いながら別の紙を見せてきた。
「っ!」
「へぇ....! それは良いな。どうする雫?」
「行きましょう」
「即決かい。じゃ次の目的地はここにするか。取り敢えず、明日には出発するか」
「OK!」
そう言うと、グロッケンは飲みの席に戻っていった。
「さて、雫。出発の準備しに行くぞ」
「えぇ」
俺と雫はそう言ってギルドから出て出発の準備をしに買い出しに出かけた。
~次の日~
「んじゃ、また来るぜおばちゃん」
「お世話になりました」
「グォォ」
「お前ら! また飲みに行こうぜ!」
「元気でやりなよあんた達。それと、あんた。これ持って行きな」
俺達の出発には多くの冒険者が集まっていた。そして、おばちゃんは一枚の封筒を
渡してきた。
「また封筒か?」
「前のやつは捨てて良いよ。何か面倒があったらそれをギルドの職員に見せな」
「わかった。....じゃ、そろそろ行く。本当に世話になった」
そう言って手を振りながら、俺達はエリセンに向かって歩き始めた。
氷結のグロッケン ?歳 男 レベル:測定不能
天職:?
筋力:計測不能
体力:計測不能
耐性:計測不能
敏捷:計測不能
魔力:計測不能
魔耐:計測不能
技能:?
炎上のデスローグ ?歳 男 レベル:測定不能
天職:?
筋力:計測不能
体力:計測不能
耐性:計測不能
敏捷:計測不能
魔力:計測不能
魔耐:計測不能
技能:?