エリセンに向かって歩き続けて一週間程が経った。
「いや~、キャンプするのも悪くないな!」
「グォォ」
「そうだな。移動は基本飛んでばっかだったからな」
「そうね。私も走ってばかりだったからこうしてのんびり歩くのは久しぶりかも」
俺達は焚火の周りに座りながらそう話していた。
「それにしても、ミカドの使ってるそれすげぇ武器だな」
グロッケンは俺の腰に装備してあるベリアライザーを見ながらそう言った。
「あぁ。何でもベリアルが作った物らしいぞ。なぁベリアル」
俺はホルダーの中からベリアルのメダルを取り出してそう聞いた。
『あぁ。そいつは俺が闇の力で作った物だ。俺の魂が復活した時に近くにあった物を
コピーした物だがな』
「さっすが陛下! じゃあもしかしてメダルも陛下が?」
『まぁな。俺の記憶から作ったが、メダルはこの世界のあちこちに散らばったがな。それを
探すのもコイツの使命だ』
「使命だなんて初めて聞いたがな....」
そう話していた時、俺達四人は全員それぞれの武器を展開した。
「....グォォ」
「数50ってところか?」
「囲まれてるわね....」
「あぁ。だが、蹴散らせば関係ねぇ!」
『Mikado Access Granted.』
『VEROKRON!』
「武装!」
俺はベロクロンのメダルをベリアライザーに入れて武装をした。すると、俺の背中に無数の
ミサイルの発射口が現れた。
「全員殺すな! 何人か残せよ!」
「グォォォ」
「あいよ!」
「えぇ!」
そう言った瞬間、俺の目の前では俺が放ったミサイルの爆発が、雫の目の前では雫が放った
無数の斬撃が木々をなぎ倒しており、グロッケンの目の前の森は氷漬けにされており、
デスローグの目の前の森は炎に包まれていた。俺はそんな惨劇と化した森の中に入っていくと、
三人の鎧を装備している人間を見つけた。
「テメェ等か。俺達に殺気を向けてきた人間は」
「な、何だよ....!」
「何なんだよお前ら!」
「俺達帝国兵に手を出してただで済むと....!」
俺は最後に喋った人間にミサイルを放ってこの世から消滅させた。
「口の利き方に気をつけろよ雑種。質問をしたのは俺だ。テメェ等は俺の質問に答えて
いれば良いんだよ」
「ヒュ~! おっかねぇな」
すると、燃えている部分を凍らせながらグロッケンがやって来た。
「大人しく話しておいた方が身のためだぜ~? コイツ、意外と沸点が低いからよ」
「余計なお世話だ....それで、テメェ等何者だ? 何で俺達を囲んで殺気を向けた。答えないって
いうなら、さっきの人間と同じように消すぞ?」
そう言いながら、俺はミサイルの発射口を男達に向けた。
「しょ、正直に話したら殺さないか....?」
「....真実を話せば考えてやらんことは無い」
「お、俺達はお前達と一緒にいた女に用があった....あ、あの女はかなりの上物だ。
奴隷商に売ればかなりの大金が....」
「....わかった。もう良い。口を開くな」
そう言って、俺は男の一人をミサイルで消した。
「うわぁ、容赦ねぇ....」
「テ、テメェ! 正直に話せば殺さねぇって!」
「殺さねぇとは言ってねぇ。考えるって言っただけだ。安心しろ、すぐにお前も死ぬ」
そう言って、俺はミサイルを男に放とうとしたのだが....
「ふ、ふざけるな! こんなところで死んでたまるか!」
男はそう叫びながら何かを握っていた。すると、握っていた何かが光り出し、男は光に
呑み込まれた。
「何だ....」
俺とグロッケンは腕で目を覆って光を遮断していた。そして、光が収まり男の方を見ると
男は巨大な怪獣に姿を変えていた。
「コイツは....」
「おいおいおい....! 何でバキシムに変わってんだ!?」
グロッケンはどこか驚いた様子でそう叫んだ。そして、怪獣は俺達を踏みつぶそうと
してきた。だが、そのスピードは遅く、俺とグロッケンは簡単に避けることができた。
「おいグロッケン。アイツは俺がやる。二人が来たら待機って言っておいてくれ。ベリアル!
手を貸せ!」
そう言って、俺はベリアライザーを構えた。
『好きにしろ....』
そう言われ、俺は武装を解除してホルダーから三枚のメダルを取ってスリットにセットした。
「ベリアル! エースキラー! エレキング!」
『BELIAL! ACE-KILLER! ELEKING!』
「三つの闇の力、いただくぞ!」
俺はベリアライザーを空に掲げてトリガーを押した。
『THUNDER KILLER!』
~~~~
雫side
テントを立てた場所で待機していた私とデスローグは、巨大な怪獣が現れるのが見え、帝君と
グロッケンが向かった場所に走っていた。
「グロッケン!」
着いた私は一人残っていたグロッケンに話しかけた。
「グロッケン! これは一体....」
「さぁな。急に残っていた人間があの超獣に変化してな。今ミカドが殲滅しようとしているところだ」
そう言っていると、金色の怪獣がオレンジ色の怪獣に攻撃を仕掛けていた。
「金色が帝君なのよね?」
魔力の気配から察して私はグロッケンにそう聞いた。
「あぁ。にしても、バキシムくっそ弱いな」
グロッケンはそう言いながらオレンジ色の怪獣を見ていた。オレンジ色の怪獣は帝君が姿を
変えた怪獣にボコボコにされており、帝君はボロボロになった怪獣にも一切容赦がなかった。
そして、帝君が姿を変えた怪獣はオレンジ色の怪獣の首を掴み空中に浮かばせた。そして、
掴んだ腕から強力な電撃を流し始めた。オレンジ色の怪獣は痙攣し、体が真っ赤に光ると
大爆発を起こした。すると、私達の目の前に黒焦げになった人の形をした何かが落ちてきた。
「あ~りゃりゃ。碌な死に方してねぇな」
グロッケンはそう言いながら落ちてきたものを凍らして足で砕いていた。すると、金色の
怪獣は光り出し帝君の姿に戻って私達の方に歩いてきた。
「お疲れさん」
「....あぁ」
グロッケンの言葉に帝君は機嫌が悪そうに答えていた。
「さっさと戻るぞ....」
そう言って、帝君は一人先にテントがある方に戻っていった。
「ありゃ随分機嫌が悪いな」
グロッケンは歩いていった帝君の背中を見てそう呟いた。
「グロッケン、ここで何かあったの?」
「ん? さっき俺らの命を狙った奴等に目的を聞いてな。それを聞いてあの状態だ」
「目的聞いてって....一体目的は何だったの?」
「お前を奴隷商に売るってよ」
「えっ....」
グロッケンの言葉に私は言葉を失った。
「まぁお前美人だし売ったら相当な金を貰えるだろうしな。で、連中がそんな事を言ったから
ああなっちまってな。いや~、一切の容赦がなかったな。まるで陛下かと思うほどの殺気と
殺意だったぜ。それに良かったなシズク。お前、アイツにめちゃくちゃ愛されてるな。めちゃくちゃ
愛されてなかったらあんなにキレてないからなぁ」
「....少しだけ複雑だわ」
「あっはっはっは! 良いじゃねぇか、わかりやすい愛で! さ、俺らも戻るぞ」
そう笑いながら、グロッケンはテントの方に歩いていった。それを見て、デスローグも
グロッケンの後ろを歩いていった。
「(複雑とか言っておきながら心の中で喜んでるとは言えないわね....)」
私は二人の姿が遠くなるとそう考えていた。
「私も、大概歪んでいるのかしらね....」
そう呟き、私もテントの方に向かって歩き出した。
~~~~
「グォ、グォォ」
「じゃ、先に寝させてもらうぜ」
そう言って、グロッケンとデスローグはテントの中に入っていった。そして、私と帝君は
見張りのために起きていた。普段だったらもう少しイチャイチャしているのだが、今日の
帝君はかなりイライラが溜まっているのか私に触れてこようとはしなかった。
「(....こういう時は、彼女の私がどうにかしてあげないと)」
そう思い、私は帝君の隣に座ってこう言った。
「ねぇ帝君。膝枕してもあげる」
「....は?」