「どうしたミカド? 首元赤くなってるぞ」
次の日、エリセンに向かって歩いている時、後ろを歩いていたグロッケンにそう言われた。
「首?」
俺は首を見たのだが、どこにも赤くなっている所はなかった。
「あぁ、ちょっと後ろの所だからな。虫にでも刺されたか?」
「さぁ....? まぁかゆいとかないから大丈夫だろ」
そう言いながら、俺は再び歩き始め地図を確認した。
「今ここか....どうする? 近くにフューレンっていうデカい街があるが寄っていくか?」
俺は三人にそう聞いた。
「フューレン....そうね。少し寄って行きましょ」
「俺も別に構わねぇぜ」
「グォォォ」
「そうか。んじゃ、少し寄り道していくか」
そう言って、俺達はフューレンの街に向かった。
~フューレン~
「さて....着いたのは良いがどうする? 俺は少し食い物買いに行こうと思うが....」
「俺とデスローグは酒だな」
「私も、少し買いに行きたいものがあって....」
「見事にバラバラだな....じゃあ、後でどっかに買い物が終わったら集合するか。場所は、
あそこのデカい建物にするか」
俺はここからでも見えるデカい建物を指差してそう言った。
「決まりね」
「んじゃ、また後でな~」
「あぁ」
そう言って、俺達はそれぞれ別の道に向かって歩き出した。
~~~~
雫side
「ここね....」
私はブルックで貰った商品券が使えるランジェリーショップに来ていた。店の場所は商品券の
裏に書かれており、着いた場所は人通りが少ない路地裏だった。だが、店の外観や雰囲気は
路地裏とは思えないポップな感じだった。
「(何だか、不思議な感じ....)」
そう思いながら、私は店の扉を開き店の中に入った。店の中には様々なランジェリーや
ベビードール、ガーターベルト、ネグリジェが置かれていた。
「....凄い」
「あら、随分と若いお客さんね」
すると、突然商品の裏から女の人が出てきた。女の人はスリットの深い胸元のざっくり開いた
黒いドレスを着ており、女の私でも思わず見とれてしまうほどの妖艶な女性だった。
「ようこそ私の店へ。本日はどんな物をお探しで?」
「あ、あの、これを使いたくて....」
私は持っていた商品券を見せた。
「あら....随分懐かしい商品券ね」
「これってまだ使えますか?」
「えぇ、もちろんよ。それで、どういったものが欲しいのかしら?」
「そ、その....しょ、勝負下着が欲しくて....」///
「あらあら....! それならしっかり選ばないといけないわね」
そう言うと、店長さんは私の腕を掴んで試着室の方に連れて行った。
「さ、じゃあ脱いでもらおうかしら」
「えっ?」
「スリーサイズを測ってサイズを絞り込みたいからね。脱ぐのが恥ずかしいなら私が脱がせて....」
「じ、自分で脱ぎます!」
私はそう言って試着室に入り、服を脱いだ。
「....ぱっと見でもわかるけど、随分スタイルが良いわね」
「あ、ありがとうございます....」
試着室のカーテンを開けると店長さんにそう言われた。そして、店長さんは私のスリーサイズを
測ってこう聞いてきた。
「ふむふむ。あなたのサイズならかなり種類はあるわね。色はどういったものが良いかしら?」
「色....」
「(帝君の好きな色....青と黒だったわね)」
「あの、青色と黒色ってありますか?」
「青と黒ね。少し待っていて」
そう言って、店長さんは商品のある方に向かい、数種類のランジェリーやネグリジェを
持ってきた。
「まずはこれとかどうかしら?」
「あ、ありがとうございます」
私は渡されたランジェリーを受け取り、試着室で着替えてみた。そして鏡で今の自分の姿を
見たのだが、今ここに立っている自分は自分でないような気がした。
「(け、結構スケスケだから見えそう....)」///
私は今の自分の姿を見直して、ランジェリーの先が見えそうになっている事に
恥ずかしくなった。
「着替えれた?」
「は、はい!?」
外から聞こえた店長さんの声に驚き、私は変な声が出た。
「そう。ちょっと見せてもらって良い?」
「は、はい....」
私は恥ずかしかったが、一度試着室から出た。
「うんうん。似合ってるわね」
「で、でもこれ、スケスケで恥ずかしいんですが....」
「男はこれぐらいの方が反応が良いわよ。それに勝負下着なんでしょ? だったら最高の物で
最高の思い出にしないといけないわ」
店長さんは商品券をくれた人と同じことを言った。
「そうなるとこれじゃダメね....」
そう言うと、店長さんは私の肩を掴んだ。
「悪いけれど、少し着せ替え人形にさせてもらうわね」
「えっ....」
~~~~
「....うん。これが一番似合うわ。あなたも彼氏もこれを見たらイチコロよ」
「....可愛い。それにすごく綺麗....」
数十分ほど様々な下着の着せ替え人形にされた私はある一つのランジェリーを着ていた。
「どう? 気に入った?」
「はい....でも、少し不安で....これで彼は本当に喜んでくれるか....」
「....心配ないわ。今のあなたはとても魅力的で美しいわ。私が保証する」
「....」
「それに、女は度胸よ。最終的にごり押して押し倒して下着見せれば獣になるわよ」
「け、獣って....」
「想像してみなさい。ベッドの上で押し倒されて彼氏に獣のように襲われる姿を」
そう言われ、私は帝君にベッドに押し倒された未来を想像してしまった。
「~~~~っ!?」///
「顔真っ赤にしちゃって。初心で可愛いわね」
そう言いながら、店長さんは笑っていた。
「さてと....じゃあ、これにする?」
「は、はい....これでお願いします....」///
私は顔の火照りが収まらなかったが、そう言って試着室の中に逃げて着ていたランジェリーを
脱いで店に来る時に着ていた下着と服に着替えた。そして、試着室から出てさっきまで着ていた
ランジェリーを店長さんに渡した。すると、店長さんはランジェリーを丁寧に袋に詰めてくれて
紙袋に入れてくれた。そして、何故か着ていたランジェリー以外にもいくつかのランジェリーや
ベビードール、ネグリジェを入れていた。
「あ、あの、さっき着ていたランジェリーだけじゃ....」
「私からのサービスよ。マンネリしないように貰っていって頂戴」
「あ、ありがとうございます....」
「彼氏と上手くいくことを祈っているわ。何かあったらまた来なさい」
「は、はい....」///
「ふふふ。またのお越し、お待ちしています」
そう言われ、私は店から出た。
「....」
「(....これ、帝君に見られないようにしなきゃ)」
そう考えながら、私は待ち合わせ場所に向かって歩き出した。