「メダルも回収できてラッキーだな」
『あぁ。そこそこの枚数が揃ってきたな』
そう話しながら、俺は街で回収したメダルを投げながらそう言った。回収できたメダルは
五枚で、レイキュバス、ガンQ、ベムラー、アーストロン、アントラーというらしい。
『だが、駒としての数はまだまだだ。駒は多ければ多いほど戦術が増える』
「まぁその辺はお前に任せる。怪獣の知識はお前と比べれば天と地ほどの差があるからな」
「ミカド~!」
そう話していると、デスローグとグロッケンがこっちに歩いてくるのが見えた。
「いや~この街凄いぜミカド! 面白れぇ酒がめちゃくちゃあったぜ!」
そう言って、グロッケンは袋に入った酒を見せてきた。
「大量に買ってきたな....取り敢えず中に入れとけ」
俺はべリアラアイザーを手に取ってトリガーを引き、ゲートの中に買ってきた酒を袋ごと
全部中に入れた。
「そういや雫は?」
「まだ来てないが....あ」
俺はそう言って周りを見渡すと、紙袋を持ってこっちに走ってくる雫が見えた。
「私が一番最後だった?」
「そうでもねぇよ。デスローグとグロッケンもついさっき着いたばかりだからな。それより
その紙袋、ゲートの中に入れとくか?」
「お願い。あ、でも中は見ないで。グロッケンもデスローグも」
「....? あぁ」
俺は不思議に思いながらもゲートを開いた。雫はゲートの中に入り、紙袋を置いて出てきた。
「さて、じゃあ向かうか」
そう言って、俺達は街を出て再びエリセンに向かって歩き出した。
その数分後、俺達が待ち合わせしていた建物からどっかの貴族が吹き飛ばされたとか....
~三日後~
雫side
「おいグロッケン。この町か」
「町の名前からしてそうっすよ!」
フューレンを出てから三日後、私達は目指していた町であるウルに着いた。帝君は昨日の
夜に一人で見張りをしていたため現在眠りについており、ベリアルが帝君の身体を所有権を
持っていた。
「そうか。じゃあさっさと飲みに行くぞ」
「まずは宿を探しなさいよ....というか、その身体帝君のものなのよ。未成年の身体で
お酒飲むのはやめなさいよ」
「チッ....固いこと言うな。一杯なら良いだろ」
「....はぁ。一杯だけよ」
これ以上文句を言われるのは面倒だったので私はベリアルにそう言った。
「よし! じゃあ飯屋に行こうぜ! 俺おすすめの店聞いてるからよ!」
グロッケンはそう言うと、私達の前を歩き出した。
~~~~
「ここだここだ! 教えてもらった店!」
「おいグロッケン。ここ宿だろ」
着いたのは水妖精の宿という宿だった。
「一階が飯屋になってるんすよ陛下」
「ほぉ....」
「グォォォ」
「シズクもここで良いか?」
「えぇ」
「よしっ! じゃあ入るか!」
そう言うと、グロッケンは店の扉を開けた。
「いらっしゃいませ。何名様で?」
「四人だ」
「かしこまりました。ではこちらへ」
そう言ってテーブル席に案内された。そしてテーブル席に座りメニュー表を見ていたのだが、
ベリアルはどこかイライラしていた。
「....どうしたのよ、さっきからイライラして」
「向こうのテーブルがうるさいんだよ」
そう言いながら、ベリアルはある方向を指差していた。
「短気過ぎるでしょ....」
「ちょっとうるさいぐらいなら俺だって何も言わねぇわ。だがあまりにもうるさすぎるだろ
あそこ」
「まぁ確かにそうかもしれないけど....」
「おい、お前! 愛子が質問しているのだぞ! 真面目に答えろ!」
「おいグロッケン....黙らせてこい」
ベリアルはついにキレたのかグロッケンにそう言った。
「わかりましたよ陛下」
グロッケンはそう言うと、大声が聞こえたテーブルの方に歩いて行った。
「(愛子....どこかで聞いたことがある名前のような....)」
そう考えていると、店の中の空気が少し寒くなった。
「黙らしてきましたぜ陛下」
「よくやった」
「何したの?」
「凍らして氷像にしただけだ。それよりも注文するぞ。すんませーん」
グロッケンは気にするようなそぶりを見せずにそう言うと店員の人を呼んだ。だが、そこに
来たのは店員ではなく小さな女の子だった。
「ちょ、ちょっとあなた! デビットさんを元に戻してください!」
その女の子の事を私は知っていた。
「....愛子先生?」
「えっ....?」
私がそう呟くと、女の子は私の方を見た。
「もしかして、八重樫さんですか....?」
「何だ、お前の知り合いか?」
愛子先生の言葉を聞き、ベリアルはそう聞いてきた。
「知り合いっていうか、私が元居た世界の担任よ」
「....こんなちっこいのがか」
「ち、ちっこいって失礼ですね! これでも私はれっきとした....!」
すると、ベリアルを見て先生は何かに気づいたようだった。
「月無君....? あなた、月無君ですよね!」
「コイツの事も知ってるみたいだな」
「帝君の担任でもあるからね」
「ほぉ....まぁ俺にとってはどうでもいいが」
「どうでもよくありません! 二人とも今まで何をやってたんですか! それとそこの二人は
一体誰なんですか!」
「ぴーちくぱーちくうるせぇガキだな....雫、どうにかしろ」
「えぇ....」
ベリアルは心底鬱陶しそうに私にそう言ってきた。
「せ、先生に対してガキとはなんですか月無君!」
「このアマ....」
ベリアルはかなりキレたのか身体に闇のオーラを纏っていた。
「ベリアル、流石にこんな所で魔力放ったらマズ....」
「おい先生。今八重樫と月無って....」
すると、先生が来た方から眼帯を付けた白髪の男がやって来た。私は見覚えがなかったが、
男は私達の事を知っているようだった。
「南雲君!」
「えっ....?」
先生は白髪の男を見るとそう言った。
「っ! やっぱお前らか....久しぶりだな」
「....あの時のガキか」
「南雲君....? いやでも髪の色にその眼帯....それに身長も....」
「あぁ....まぁあの後色々あってな」
南雲君は頭を搔きながらそう言った。
「あの時は悪かったな八重樫....俺のせいでお前にまで迷惑かけて」
「良いわよ、もう終わったことだから」
「....恩に着る。そっちは....」
「ベリアルの部下」
「そうか....おい先生、話しなら後にしとけ。あれ怒らすと普通に死ぬぞ」
「な、南雲君!」
そう言うと、南雲君は先生を引っ張って元の席に帰っていった。
「....どうする?」
「お前がどうにかしろ。俺は知らん」
そう言って、ベリアルは私から視線をそらした。
「(よりにもよって帝君が寝てる時に....運が悪いわね....)」はぁ
そう思った私の口からは大きなため息が出た。