次の日
「そういや、南雲はどこにいるんだ?」
「さぁ....? 魔力感知とかで探せないの?」
「どうだろな....まぁやってみるか」
そう言って俺は地面に手をつき魔力感知を発動した。すると、ここからかなり離れた
場所から巨大な魔力を二つ感じた。
「何か分かった?」
「あっちの山の方から魔力の気配を感じた。数は二つだな」
「二つ....一つは南雲君のものでしょうね。もう一つは一緒にいた女の子じゃ
ないかしら」
「アイツ女連れてんのか?」
「えぇ。うさ耳付けた子と金髪の女の子」
「どこぞのハーレム主人公か....」
そう呟きながら、俺はホルダーからリトラのメダルを手に取った。
「一先ず山の方に向かうか。雫は俺の背中に乗ってくれ」
「わかったわ」
俺はそう言ってリトラに姿を変え、雫を背中に乗せて山の方に向かった。
~~~~
『(マリョクノホウコウテキニコノヘンダガ....)』
『シズク、イルカ?』
「....見えないわね」
『ソウカ....』
そう話していると、突然先程感じた二つとは別の巨大な魔力を感じた。それと同時に、
山の一角で砂塵が舞い上がった。
「帝君! あの方向」
『ビンゴカモナ。ツカマッテロヨ』
~~~~
雫side
帝君が急速で向かった所には巨大な黒龍がいた。そして、その黒龍と戦う南雲君達と
少し離れた場所で様子を見ている愛子先生がいるのが見えた。
「帝君、あの銃を撃ってるのが南雲君よ」
『アレガナグモ!? ベツジンジャネェカ....』
「人は変わるものよ....まぁあれは特殊例だと思うけど。それよりもどうする?」
『スコシテヲカスカ....』
「了解」
そう言って、私は帝君の背中から黒龍に向かって飛び降りた。そして刀を抜き、頭に
向かって一撃を入れようとしたが、黒龍は私の気配に気づいたのか後退して攻撃を
避けた。
「(躱された....殺気の出し過ぎね....)」
そう考えながら私は刀を一度鞘に戻した。
「八重樫....お前何やってんだ」
すると、背後から南雲君がそう声をかけてきた。
「用があったのよ、南雲君に。そしたら何か戦ってるみたいだったから、援護しようと
思ってね」
「用だ?」
「えぇ、私じゃないけど。それよりも....」
私は黒龍が飛ばしてきた岩を刀で斬り裂いた。
「話はあれを止めてからにしましょうか」
そう言って、私は居合の構えを取った。
「剣技 彼岸花-閃-」
私は刀を抜き、縦一線の斬撃を放った。斬撃は黒龍に直撃したが貫通はせず、身体の鱗に
ひびを入れる程度で止まってしまった。
「(様子見で放ったけど、これならどうにかなりそうね)」
そう考えながら二発目を放とうとした時、突如上空から鳥の形をした炎の塊が黒龍に
向かって直撃した。
「新手か!」
南雲君は空中にいる帝君に向かって拳銃を向けた。それを私は手で制止した。
「大丈夫よ南雲君。あれ味方だから」
「あれが?」
「えぇ。というか、あれ帝君よ」
「はっ....?」
私の言葉に南雲君はぽかんとした表情をした。
「後で見ればわかるわ。それよりも....終わらせましょうか」
そう呟き、私は再び居合の構えを取った。そして私は刀に魔力を込めた。
「剣技 彼岸花-崩-」
そう呟き、私は黒龍の上空に跳び頭に向かって刀を振り下ろした。刀は黒龍の頭に直撃し、
黒龍に振動波を与え黒龍を地面に叩き伏せた。黒龍がいる地面は巨大なクレーターが
できており、黒龍の動きは停止した。
「ふぅ....」
「おい八重樫。人の獲物を勝手に取ってんじゃねぇよ」
彼方を鞘に戻し一息つくと、背後から南雲君がそう言ってきた。
「あら、ごめんなさい」
「....はぁ」
「ハジメ、この女って....」
「俺に巻き込まれて奈落に落ちた奴だよ。....いわゆる苦労人ってやつだ」
「誰が苦労人よ」
そんなことを話していると空から帝君が降りてきた。そして身体が光ると人間の姿に戻った。
「よっ。久しぶりだな南雲」
「月無....」
「また随分と様変わりして....厨二感増したな!」
「誰が厨二だ!」
そう言うと、二人は言い合いを始めてしまった。
「はぁ....いい加減にしなさい二人とも!」
私は二人の言い合いが長引きそうだったので一発ずつ拳骨を落とした。
「「いっ!?」」
「場所が場所なんだから少しは周りを警戒してからやりなさい!」
「「は、はい....」」
二人は頭を撫でながらそう言った。
「ハジメを止めた....あなた、一体何者?」
すると、南雲君と一緒にいた金髪の女の子がそう聞いてきた。
「私は八重樫 雫。剣豪よ。一応南雲君のクラスメイトね。で、そこで頭を擦ってるのが
私の恋人の帝君」
「....さっきの鳥?」
「そ。まぁあれだけじゃないんだけど....」
「....?」
そう話していた時、黒龍のいる方から風が吹いた。黒龍の方を見ると、倒れていた黒龍が
地面から立ち上がっていた。
「(っ! まだ立てる力を....!)」
そう思い、私は刀の鞘に手を置いた。帝君に南雲君、それに金髪の女の子も黒龍に気づき
それぞれ武器を構えたのだが....
『ま、待ってたもぉ! ぶ、武器を降ろして欲しいのじゃ!』
「「は?」」
「「えっ?」」
突然黒龍が人の言葉を話し始めた。