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pixivでもあルプ名義で活動してるので、そちらの方もよろしくお願いします。
ps
前話に重大な伏線の欠陥があったため、急遽書き直しました。もう一度読んでいただけると嬉しいです
全速力で多くの人通りの中路地を駆ける少女が2人と担がれる少年が1人。先の一報で焦りに焦る3人は通行人を押し退けて走る。通行人も文句を言う人は一人もいない。3人の、特に巷でも楽天家で通っているアリーゼの鬼気迫る表情が事態の深刻さを物語っている事を、言葉に出さずとも分かるからだ。
「!煙が……ホームの方向から火の手が上がっています!」
アリーゼにおぶられているベルがホームの方角から上がる黒煙を指さす。
「……スピード上げるわよ。しっかり掴まって!」
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「ふふっ、美味しそうね。あの子達にも食べさせてあげたいわ」
「案ずるな。そう言うと思って魚は用意してある」
「わあっー!流石ねアルフィア!」
「待てっ!抱きつくな!火が燃え移るだろうがっ!」
「下手しなければ大丈夫よ〜」
「………」
アリーゼ達は言葉を失っていた。確かにホームから煙は立ち上っている。しかし、その出処はアルフィアが不思議な道具で煽っている謎の器具。その上には魚が乗っており、こんがりと焼けて良い香りがしている。
そんな場面に出くわして、一同は一気に気が抜けてしまった。
「ん?お前たち帰ってきていたのか」
「あらあら、そんなにへにゃってなってどうしたの?」
「「「いえ、なんでもないです……」」」
ここまで気の抜ける事が有るだろうか。全身が緊張感で震えていたのが嘘のような光景。
「ほら、お前らの分も焼いてやるからこちらへ来い」
「ほんと?わーい♪やったやった!」
ベルは無邪気に大好きな母の元へ向かう。アリーゼもそちらへ行こうとした時、後ろから肩をガっと掴まれる。
「アリーゼ。今までの一連の流れに違和感を感じませんか?」
「うーん、無いこともないけど…一応、リオンの考えを聞かせてくれる?」
「はい。私達はホームが襲撃と言う知らせを受けた時、何も疑わずに走ってきました」
「そうね。でもそれは当たり前でしょう?」
「そう、だけど………」
「どうして他の人の目撃情報が無かったのですかね?」
「っ…!!!!確かに、そんな大事なら慌ただしくない方がおかしいわよね」
「嫌な予感が……しませんか?」
「そうね、気を引き締めておいt」
「っ!!!!!!!!」
どこからともなく耳に届いて来た轟音が地を揺らす。その揺れが収まった……かと思うと、次に聞こえたのは耳をつんざくような悲鳴の数々だった。
「やめてぇぇえええ!!!!」
「ど、どうして俺達がぁぁぁぁああ!?!?」
「嫌だ……死ぬのは嫌だよ…!!!」
「なにっ!?何が起きてるのですかっ!」
「そんなことどうだっていいわよ!!とにかく早く行くわ!」
アリーゼとリオンは目にも追えぬ速さで爆音響く現場へと走ってゆく。
「ま、待って!ぼ、ぼくも…」
少し経ってからオロオロと動くベル。だが、やはり
しかしそこは育ての親であるアルフィア。ベルの不安を拭うために背中を押した。
「行きなさい。神1人くらい、私1人でも守れる」
その言葉を背にベルは意を決して前に出る。
「お母さん!無茶……しないでね」
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「全く、なんでこんな時に…!」
「見て!あれって」
「はい。ソーマファミリアのホーム……そして、恐らくはイシュタルファミリアのアマゾネス」
「クソっ、ロキファミリアが居ない時に限って…たち悪いわね」
と、2人の前に飛び出して急襲してきたのはイシュタルファミリアの面々。
肉体派の彼女たちのハイキックに2人は上手く対応出来ず、そのまま弾き飛ばされる。
「グハッ…!」
壁に全身を叩きつけられた2人の身体はまともに言うことを聞かない。リオンは軽傷だが、アリーゼの方はもろに頭を打っており意識が薄れかけている。
「ええ?2人ともレベル5って聞いたけど弱すぎない?」
「一応パワーS、レベル4の蹴りだ。簡単にいなされたらやってらんないよ。それよりアンタは白兎の足止めに行ってこい!」
蹴った張本人が隣にいた小柄な娘を引っぱたき、慌ててその子娘はその場を去る。
切れ長の瞳に艶やかな黒髪。出るとこは出て引っ込むとこは引っ込んでいるグラマラスなボディ。そして
「ちっ。
距離を5Mほど詰めた時、リオンは一気に間合いを詰めてくる。しかし先程の衝撃で、力無い刃はいとも簡単に見切られ逃走を許してしまう。
「クソっ…!」
だが、リオンは大地を踏み切ってアマゾネスの眼前へ……
その時、横から風の揺らぎを感じて咄嗟にスキルを発動。アマゾネスを逃して屋根へと着地する。
リオンの風に巻き上げられた何かは、そのまま重力にしたがってリオンの真横へ突き刺さった。
「毒矢か…!」
間髪入れずに矢は遠距離から放たれる。それを回避し死角へ移動、昏倒しかけているアリーゼを保護しに向かう。
「大丈夫ですかアリーゼ!」
「あっはは〜……これ、大丈夫だと思う?」
頭から頬を伝って赤い雫が服を濡らしている。片目は血が滲み、開くのがやっとだ。見たところ恐らく蹴りのダメージはそれほどないのだろうが、如何せん受身を取れずに壁に追突、その壁の崩落の際に頭を強打したが故の今の状態だ。どんなにレベルを上げても人間の弱点を攻められれば為す術は無い。
「でもまあ、何とか…行けるっ!」
もちろんこれはアリーゼの痩せ我慢。足取りは覚束無く、頭を打っているからいつどんなことが起きても何らおかしくない。
しかし眼前に広がる状況を前に、休んでなどと言ってられなくなってしまった。
廃屋に潜んでいたアマゾネスが彼女たちの前に立ちはだかる。数にして10人はゆうに超えている。相手からは紛れもない殺気。臨戦態勢を一切解かない姿勢からも戦うことは必至なようだ。
「交渉は……無駄、みたいですね」
「本調子じゃないけどやってやるわよ。私の力にひれ伏しなさい!」
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裏路地の風を切るベルの気持ちは焦りと不安だけ。威勢よく飛び出して来たはいいが足でまといにならないかという不安や、早くつかなければという焦り。そうやって必死に走っていると不意に背後から抱き締められる。
背中に感じる柔らかい感触。身長は僕より少し高いくらいだろうか、警戒はしなければならないが女性特有のの甘い香りに多少油断してしまう。
「子うさぎくんっ、捕まえたぁ♪」
しかし、発せられた高くどこか幼い声は、間違いなく