ヘスティア…オーソドックスな展開、おそらく他作品とダブること多い
アストレア…基本原作通りに進むが、登場キャラが大幅変更。
ロキ…どうやって展開広げてくか全く考えてない。おそらく更新頻度は遅くなる。でも、キャラは動かしやすいから日常回がメインになるかも
これを踏まえた上で投票お願い致します。
爽やかな秋晴れ。木々の葉は山をキャンバスにして彩り、その様子はまさに絵画に描かれた1枚の作品。一方、全てを出し尽くした葉は拠り所から脱落して細い獣道を覆う。
枯れ果てた名もなき屍の山を悠然と踏みつけ、木漏れ日を背に受けて、俺は進む。
木々の枝には果実が実り、1つ手に取って口に含むと自然由来の甘みが全身の疲れを癒す。何故か禁忌を犯したかのような背徳感にも似た感情も芽生える。
飽きのこない、先へ進めばどこを見ても変化してゆく景色の先に、俺の目的地があった。
「君たちがどんな選択をするのか……楽しみだよ」
※※※ ※※※ ※※※ ※※※ ※※※ ※※※
今日も一日が平穏に過ぎ、ベルが寝静まった頃、1柱の男神が現れた。名はエレボス。今私達がたっている大地より下を支配する神。誰よりも狡猾で、残忍で、機知に富み、英雄を愛し、この
………それとも愚者か、それは人智の及ぶところではない。
そんな神がふらりと、期日ピッタリにやって来た。
「やあ2人とも。元気してたかい?」
「気の抜けた雑音を出すな。危うく送還しかける」
「おっと、それはやめてくれ。子供はもう寝静まったかい?」
私は横目でちらりと確認する。
「大丈夫だ」
「俺達も、大丈夫だ」
「それでは、2人の決意を聞こうか。まどろっこしい話しは無しだ。単刀直入に聞く、君たちは【悪】に染まる覚悟は出来ているか?」
「もちろんだ」
「ああ、出来て「お前は行くな」
【静寂】を【暴喰】が喰らった。
「なっ、何故だ!私は先の戦いで
私の言葉は最後まで続かなかった。結局、それが運命の分岐点だった。
…いや、分岐点では無い。あの時、抱きしめたから。あの時、出会うことを選んだから。こうなることは必然だったのだろう。
「ベルはどうする」
ザルドが被せてきたたった一言の言葉は、私を黙らせるには十分過ぎた。
ザルドは冷静に、淡々と言葉を繋ぐ。
「お前がいなくなったらあの子はどうなる?まさかあの
「お前が居なくなれば、ベルは拠り所を失って壊れるだろう。ましてやあのベルだ。支える存在無くしては独りで生きてゆくことなど夢のまた夢…いや、支えられることを知った人間は、もう独りでは生きて行けない。妹の幻影を追い続けるお前や、ファミリアの記憶を抱き続ける俺のようにな」
ふと、冷淡な表情が崩れ、口元が緩む。
「母親は強い。俺達が必死に、泥水啜って命がけでやろうとすることをその2本の細腕で成し遂げるんだからな」
「だから…お前は残るんだ。俺の、ゼウス・ファミリアの最期の願いを聞き届けて欲しい」
反論の余地など無かった。全て身に染みて体感していたことだった。ベルを捨てたら、私は支えを再び無くして死地の道を一直線に駆けてゆくだろう。妹の幻影を支えに…か。紛れもない真実だ。痛い所を突いてくる。
それに、最期の願いと来た。ならばその願いとやらに、手を差し伸べなくてはならないだろう。
アルフィアは意を決したように、普段は閉じている瞳を見開き、真っ直ぐに1人と2柱を見据えた。
「分かった。私はベルを育てるため、ここに残ろう。お前たちに誇れるほどに、立派に、逞しく、優しく、強く……かっこいい男にしてみせるさ」
決意の言葉に、エレボスも応え、宣言する
「汝が誓いを告げるならば、
エレボスが誓いを告げ終わると同時に、小さな少年がトコトコと枕を持ってやって来て、アルフィアのドレスの裾を掴む。まだまだ眠いのに、朝だと勘違いしたのか起きてきた少年は、眠気に負けまいと船を漕ぎつつ立っている。
「ベル、まだ夜だ。寝ててもいいんだぞ?」
「ん……おき、ゆ」
まだまだ脳は眠っているらしく、まともに話せてもいない。
「その子が…ベルか」
「ああ、私の妹の息子であり、今は私の息子だ」
ベルは大人たちの会話を聞きつつ、ぽやぽやとした意識から次第に覚めていく。
目の前にいるのは、一目見カッコイイと思える男神様に、旅支度の祖父、黒い鎧を身に纏うザルドおじさん。
「お出かけ…?」
「んー、そうだね。ザルドを借りてくよ」
「おじいちゃんは…」
ゼウスは、ベルの頭にボフンッと手を乗せ、頭を撫で回す。
「わしはまた、英雄譚を集める旅をすることにする。いつか帰ってくるのを楽しみに待っておれ」
「…? うん、、」
ゼウスの次に、ザルドがベルの目線に合わせてしゃがむ。
「ベル、よく聞け。俺はもう、ここには帰ってこない」
「え…?」
「いいか、ベル。俺はお前と、お母さんの未来を創りに行く。そのために俺は『悪』へと身を堕とす」
「おじさんと最期の約束だ。一つだけ、必ず守ると誓って欲しい」
「ベル、お前は
「英雄じゃなくても良い。誰かを導かなくても、それでいい。100を救う前に、お前はお母さんという1を、大切な存在を守り通せる男になれ」
ぱちくりと紅い目を見開く。ぽたぽた、ぽたぽたと乾いた木の板に涙が落ちる。もう会えない、4人で過ごした数ヶ月はもう、二度と来ない。それを理解したベルの瞳からはとめどなく涙が溢れ出していた。
「ぅぅうっ…うっ…あ…ヒグッ、あう…うわぁーん!!!!!!!!!!!!」
とどまることを知らない涙が流れる。我慢してた声も出る。アルフィアがベルを慰めようとするも、やだ、やだ、やだ、いっしょがいいと、ザルドにくっついて離れない。
そんなベルを、ザルドは優しく抱きしめた。
泣き疲れてベルが寝てしまった頃、男たちは夜明けと共に出発する。
…と、その時だった。アルフィアが抱くベルの元へエレボスが歩み寄ってきた。
「なんだ、エレボス。用はもう済んだのではないのか」
「いや、一つだけ忘れたことがあってね」
そう言うと、エレボスは携行している小刀で自らの指を切り、ベルの背中に滲んだ血を一滴落とす。
「これは…言うなれば、俺なりの別れの挨拶。悪に堕ちる前の、ただ純粋に英雄を望む一柱の神として、誓いを君の背中に刻むよ」
エレボスの行為に、アルフィアは顔を歪める。
「だが…この子の了解を取らないことにはあまり褒められたことではない。この子がオラリオを夢見た時、この恩恵はこの子にとって身を滅ぼさんとする刃になり得てしまう」
アルフィアの指摘に「もっともだ」と言いつつも、話を続ける。
「俺はこの子に
最後にベルとアルフィアの頭をぽん、ぽんと軽く叩き、今度こそ発った。
誰も知らないのだろう。過去には英雄と呼ばれた
誰も知るはずがないだろう。狡猾な罠に
それでも彼らは
その先に、創りあげられる物語があると信じて……
「お義母さん、ここが…」
「ああ。ここがオラリオだ」