【アズールレーン】修羅場発生器   作:そうすけ

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この作者ホント、ヤンデレとか修羅場好きだな()


赤城VSジャンバール

僕の母港は平和だ。他陣営同士雑談をしたり、カフェでお茶をしている。

 

たまに重桜の空母や重巡の人たちが何か言い争っているのを見かけるけど、それは至って日常だ。

 

そんな僕はほのぼのと、今日の秘書艦の赤城さんと事務処理をこなしている。赤城さんはこちらを恍惚な表情で見ながら、高速で書類を処理している。ブラインドタッチより凄くない?

 

 

 

 

 

 

「指揮官ーーー!!!! 新しい発明品が出来たにゃー!!!!」

 

 

 

 

 

 

これほどまでの露骨な嫌な予感というのは無いだろうなぁ……普段はKAN-SENの修理でお世話になっている明石さんだけど、その予感が杞憂に終わって欲しい。

 

「チッ……明石。何用かしら? 下らない用事なら帰りなさい」

 

開幕の舌打ちと共に、怖いモードの赤城さんにチェンジした。そのモードに慣れている僕も相当手遅れかもしれないけど。

 

「今回の発明品は『KAN-SEN同士が修羅場を起こす』機械なのにゃ!」

 

まさに正夢。修羅場が起きたらキューブが貰えるとかなら良いなぁ……という現実逃避しかけの頭を戻す。

 

「修羅場が起きるとどうなるの?」

 

「なんと! KAN-SENのステータスが高揚状態になるのにゃ! そうなれば、経験値も1.2倍! 母港に活気が出るにゃ!!」

 

明石さんの自己満足かと思ったけど、意外とメリットがあった。だけど、うちの母港は平和なだけで寂れた訳じゃないんだよ!?

 

「下らない……身内同士で争ったら、それこそセイレーンの思うツボじゃない」

 

赤城さんは一蹴した。よかった。確かにウチは平和ボケしているかもしれなかったので、若干の不安はあった。

 

「良いのかにゃあ? ひょっとしたらある時、グラーフやハウに指揮官を奪われるかもしれないのにゃ。それでも赤城は「早く機械を使いなさい! はよ!」りょうかーいにゃ〜」

 

赤城さんのレッドキャッスルが崩壊してしまった。平和ボケは欲望には勝てなかったのね……。

 

「指揮官! ここの母港のリストを見せてにゃ。それを読み込んで対象を決めるにゃ」

 

「指揮官様ぁ〜ここですわぁ〜うふふふふ……」

 

ぴらぴらと赤城さんが甘えた声で母港のドックリストを揺らしている。手際の良さがこんなにも仇となるなんて。

 

 

母港 KAN-SENリスト

 

※五十音順

 

赤城

愛宕

吾妻

アルジェリー

イラストリアス

エンタープライズ

加賀

紀伊

キングジョージ5世

熊野

グラーフツェッペリン

グロスター

サウスダコタ

ザラ

ジャンバール

隼鷹

翔鶴

ジョージア

シリアス

瑞鶴

鈴谷

セントルイス

ダイドー

大鳳

チェシャー

ティルピッツ

デュークオブヨーク

ハウ

ビロクシ

フリードリヒデアグローゼ

プリンスオブウェールズ

プリンツオイゲン

ベルファスト

ホーネット

モナーク

リシュリュー

リットリオ

ローン

ワシントン

 

 

 

「ふむふむ……これは面白いメンツなのにゃ……」

 

ピーっという音を立てながら機械が読み込んでいて、その間に明石さんから説明を受けた。

 

 

 

☆修羅場発生器の概要

 

AのKAN-SENとBのKAN-SENをランダムで表示します。

 

測定は一回のみで、Aは一度登場したら次回以降は登場しません。

 

ですがBは何回も表示される為、何度も修羅場に現れる可能性があります。

 

例) Aが赤城、Bがグラーフとします。

 

測定後、Aに赤城が抽選される事はありませんが、Bのグラーフはまた登場する可能性があります。

 

 

 

 

「……明石さんってセイレーンのスパイだったりしないよね?」

 

疑いたくは無いんだけど……ひと通り説明は受けて理解はしたものの、修羅場を起こす事には納得しづらかった。

 

「にゃにゃ!? そんなわけあるかにゃ! ほら見ろにゃ!」

 

そういうと明石さんは、自分の着ている服を脱ぎ捨てて身の潔白を証明した。

 

「ホントだ……何も無いや」

 

「そうにゃ! 明石は紛れもない重桜KAN-SENにゃ!」

 

「疑ってごめん……」

 

「ちょちょちょい!? 指揮官様!? このチーティングキャットと何しではるのですか!? 何であたかも裸に見慣れたかの反応なんですか!?」

 

僕と明石さんのやりとりに赤城さんは疑問を突っ込んだ。

 

何って言われても……身の潔白を証明されていたところとしか……。

 

「もうお互いの裸なんて見慣れ飽きてるにゃ。指揮官が母港に着任当時から明石もいるから服着てても裸でも変わらないのにゃ」

 

「飽きてるとは思ってないけど……まぁ明石さんとは今更だよね」

 

「ずうぅぅうるうぅぅうい!!!! 赤城なんて数回しか指揮官様の裸を見たことないのに!! あああもう! 3-4のドロップ率を低く設定しすぎたわ!」

 

般若の表情で何やら苦悩を唱える赤城さんは凄く怖かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「赤城が落ち着いたところで修羅場発生器を試すにゃ。指揮官、赤城に向けてスマホをタッチするにゃ」

 

憎しみがローンさん以上に溢れた赤城さんを落ち着かせる為に若干時間がかかったけど、手を繋いだら一瞬で恵比寿顔になった。ちょっと仕組みがよく分からない。KAN-SENには不思議がいっぱいだ。

 

 

 

 

修羅場発生:

赤城と

 

ジャンバールが

 

修羅場を起こします。

 

 

 

「ほお〜ジャンバールかにゃ。この組み合わせで修羅場を起こさない方がおかしいのにゃ」

 

「ジャンバールさんが赤城さんと揉めるの? ジャンバールさんは大体、木陰やハンモックで猫と戯れているから、滅多に執務室に来ないと思うけど」

 

「あら? 随分とお詳しいのね指揮官様ぁ……? あの女に何かされたのですかぁ?」

 

しまった。赤城さんの前で天城さんや加賀さん以外の名前を出すと、滅茶苦茶ヤンデレモードになるんだった。ヤンデレモードとは加賀さんが命名した。

 

「ねぇ、どうして赤城がいるのに他の女の名前を出すの? ねえ?」

 

ジリジリと距離を詰められて、僕は後ずさると、誰かとぶつかり肩を掴まれた。

 

 

 

「……ったく。たまに執務室に来るとうるさい連中しかいないな」

 

「ジャンバールさん!」

 

「……そんなに怯えた子犬みたいな目をするな。(抱きしめたくなるだろ)」

 

待ちかねていた訳ではないんだけど、すがる思いの表情をしてしまっていた。最後はジャンバールさんがそっぽを向いていたので聞こえなかった。

 

「噂をすれば……あなた。指揮官様に何、色恋仕掛けしたのかしら? 一緒に手でも繋いだの?」

 

「「それは色恋仕掛けなのか(な)……?」」

 

「ん」「あっ」

 

合わせようとしてないけど、偶然ジャンバールさんと思っている事がハモった。偶然とは言ったけど、ジャンバールさんとは結構な頻度で意見が一致したりする。この母港の中では一番気安い仲だと思う。

 

「お前、また被りやがったな」

 

「ジャンバールさんこそ」

 

「ったく……草むしりの時もオレが引き抜こうとした雑草に手を被せやがって」

 

「それは仕方ないよ〜」

 

ジャンバールさんは不機嫌そうな表情の割に口調は楽しげだった。僕も不思議とはにかんで会話していると、

 

「何イチャイチャしてますの!? 草むしり!? 赤城は知りませんよ!? 何故その女に頼んだのですか!?」

 

【!?】マークを約分できそうなくらい驚いている赤城さん。あぁ、たまたま草むしりしてたらジャンバールさんが近くにいたから手伝ってもらってただけなんだけどなあ……。

 

「オレだって草むしりくらいできる。着物着て薄着のお前じゃ不向きだろうが」

 

「あなたこそお腹丸出しで胸元ガラ空きで不適切な格好では?」

 

「ブーメラン刺さってんの分かってんのか?」

 

「そういえば昨日15時頃、一個の饅頭を指揮官様と分けて食べていたのを見ましたわぁ〜。あなた、無理矢理買わせたのではなくて?」

 

あれ見られていたのか。ジャンバールさんに戦術データを貰いに行こうとハンモックに行ったら、ジャンバールさんがカボチャ饅頭を食べてる最中だったんだ。小さめの饅頭なのに半分お裾分け貰ったんだよね。

 

「赤城さん「やたら突っ掛かってくるが、文句あるか? オレとコイツの仲を邪魔すんな」

 

赤城さんに事情を説明しようとしたら、さすがに言いがかりをつけられたジャンバールさんも黙っていなかった。あまり主力艦隊で組ませる機会が無いけど、仲悪そうだなと考えていた。

 

「あなたと指揮官様の仲……ふふふ、あははははは! ヴィシアは面白い冗談がお好きね……では試させてもらおうかしら。加賀!」

 

「不用意に私を呼ばないで下さい、姉様。まぁヴィシアの。少し待ってろ」

 

赤城さんが手を叩くと、忍者のようにどこからか加賀さんが現れた。何を待つんだろう。

 

「準備ができた。サロンに来い」

 

「……重桜って変な奴多くないか?」

 

「……個性的なんだよ、ジャンバールさん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サロンに来た僕たちは、クイズ番組で使われるような押ボタンの付いた机が二つ、ドデカい文字で【景品:指揮官様】と書かれたビスマルクさんが座っているような豪華な椅子が目に入った。そして全陣営のギャラリーでかなり賑わっている。よくサロンに入りきったなと思う。

 

「おい、何だこれ。馬鹿らしい……帰るぞ」

 

「ほう……このままではお前はヴィシアに泥を塗る事になるぞ」

 

「は?」

 

「指揮官との仲を邪魔されたくないのだろう? あんなにヒートアップした姉様は何をしでかすか分からん。それに敵前逃亡は負け犬のする事だ」

 

「……よく分からない勝負に勝って証明しろ、と?」

 

「そういうことだ。これから行うクイズ内容は公平にしてあるから、勝敗に大差は付きにくい」

 

「……ちっ」

 

クイズをやるようだけど、内容が気になるところだ。

 

「指揮官様に関する事ならば何でも分かる自信がありますわ……ふふふ」

 

「──────よし。両者とも席に着いたな。

 

 

──────では、第一回! 【指揮官の事をよく知っているのは誰だ!】クイズを開催する! 司会は私、加賀と───」

 

「明石がお送りするにゃ〜優勝商品として指揮官に何でも言うことを聞いてもらえる権利が与えられるにゃ! 精々、頑張るにゃ〜」

 

 

 

「わー!」 「いいなぁー! お姉さんも指揮官に色々シたいわ!」 「何でも!? じゃあ鈴谷は───っイクッ!」 

 

「指揮官様の事を知っているのは大鳳ですわ!」 「オサナナジミ! 隼鷹が何でもしてあげたの思い出して!」 

 

 

 

 

ギャラリーの賑わいがすごい。応援というよりかは、僕目当てが多い。何で……?

 

「ちっ……うるさい奴らだ」 

 

「ジャンバール! 今こそ私達の力を見せる時です」

 

「リシュリュー……」

 

「ジャンバール。メートルを確保できる確率は?」

 

「……分からん。だが、コイツと過ごした日々は本物だ!」

 

「あらあら。家族の応援が微笑ましいこと。でも私に勝てますの?」

 

「うるさい。どんな難問でも解いてやる! それが騎士道だ!」

 

そういえば僕関連の問題って何だろう? 好きな食べ物かな? それならジャンバールさんと饅頭を食べた時に会話したな。これは有利か?

 

 

 

 

「じゃあ第一問。指揮官の通っていた幼稚園名と就学時に書いた将来の夢を答えよ」

 

 

 

 

 

「……分からん」

 

会場はざわつき、ジャンバールさんは頭を抱えて机に伏した。当の僕ですら記憶が曖昧な問題なのに。大衆が困惑する中、一部の重桜のKAN-SENは余裕の表情をしている。そして、赤城さんは解答ボタンを押した。

 

「はい、赤城」

 

「✖️✖️✖️✖️年に東✖️✖️幼稚園に通っていた指揮官様は、担任の✖️✖️先生の時に卒園アルバムに将来になりたい職業として【八百屋になりたい】と書きました」

 

「そこまで聞いてはいないが、正解です」

 

「こんな問題なんて朝飯前ですわ。指揮官様を知っているなら初級中の初級ですわ」

 

「うわ……」

 

赤城さんはさも当然のように答える。何で本人よりもスラスラ答えられるんですかね……? ジャンバールさんはドン引きしていた。

 

「……お前、そんな事喋ってたのか?」

 

「いや……一度も話した事ないんだけど……」

 

「……」

 

ジャンバールさんは絶望に絶望を重ねた表情で遠い目で僕を見る。史実よりも絶望感出してない……?

 

「まぁ初歩的だし、簡単すぎたか。では、少しレベルを上げようか」

 

「まだ上がるのか……」

 

「じゃあ次は明石が出すにゃ。これは指揮官にも答えてもらうにゃ」

 

「え? どういうこと?」

 

「これは二週間後の食堂の献立にゃ! この中で指揮官が選びそうなメニューを赤城とジャンバールには答えてもらうにゃ!」

 

「まあ……」

 

「これならいけるか……」

 

「食堂のメニューはこちらにゃ!」

 

 

【エンタープライズ作:あなたにずっと付いていく……墓場までカツ丼】

 

 

 

【愛宕作:これを食べればスタミナ満点! お姉さんのモノになるマムシスッポンうなぎ御膳】

 

 

 

【ダイドー作:捨てないでくださいご主人様……ダイドーは何でもしますから牛肉パスタカレー】

 

 

 

【グラーフ作:憎んでいる、全てを。煮込んでいる、ウィンナーピザ煮込み鍋を】

 

 

 

【リットリオ作:私の虜になりたい? それならこれを食べろ! リットリオの太ももで握った焼きおにぎり】

 

 

 

 

 

 

 

「コラボカフェにありそうなメニューですわ……指揮官様が選びそうなのは……」

 

「ねぇ、明石さん」

 

「何にゃ?」

 

「選ばないという選択は───」

 

「その場合、指揮官はこの五人から天井のシミを数える仕事が貰えるにゃ」

 

「よし、選ぶか!」

 

「お前……正気か!?」

 

「僕も『明日』は欲しいんだよ……」

 

しかしこのラインナップ、メニューが重くない? グラーフさんのウィンナーピザ煮込み鍋って何!? 闇鍋と化してない!? この中でまともそうなメニューが……、

 

 

 

 

「二人とも決まったかにゃ〜? それではオープンにゃ!」

 

 

ジャンバール:リットリオの太もも焼きおにぎり

 

 

赤城:エンタープライズの墓場カツ丼

 

 

 

「ほぅ……意見が分かれたか。はたまたどちらも選んでない可能性もあるがな。指揮官、フリップを見せてみろ」

 

正直作ったKAN-SENの子達には悪いんだけど、まともなメニューが無いんだ……だけど作る過程に目を瞑れば……!

 

 

 

 

指揮官:リットリオの太もも焼きおにぎり

 

 

 

 

「なっ!?」

 

「ふん……やはりお前もそうだよな」

 

「焼きおにぎりならオーブンで焼いてしまうから手で握ろうが関係ないからね」

 

「指揮官様はカツ丼がお好きでは!? 着任当初から指揮官様の選択メニューでよく選ばれたメニューのカツ丼が13%ですのに!」

 

「なんだ? 朝飯前じゃないのか? こういうのは直感で決めるもんだからな。下らないデータに惑わされすぎだ」

 

確かにカツ丼は好きだけど……以前、エンタープライズさんの作った料理を食べていたら厨房から目力強く見られていた気がして怖くて……。

 

「あはは! 指揮官はやはり見る目がある! 安心したまえ! 太ももで焼くから問題ないぞ!」

 

「姉様が間違えるとは……では最終問題行くぞ」

 

「ちょっと!? 今大事な事聞こえた気がするんだけど!?」

 

「ラストにゃ!」

 

 

 

 

 

「毎晩、指揮官の自室には何人かのKAN-SENが隠れている。隠れているKAN-SENを全て答えよ」

 

「は!? あんな狭い部屋に何人も入るのか!?」

 

「ジャンバールさん、驚くところそこじゃないよ!? 僕全然知らないんだけど!?」

 

大体疲れて風呂入って寝るだけの部屋にそんなにいるの!? 人の気配とか全然しないんだけど!?

 

 

 

 

「クローゼットにシェフィールド、トイレにグロスター、風呂場に愛宕、ベッド下にシリアスとダイドー、天井裏にベルファスト、窓辺に大鳳……が昨日いました」

 

「場所まで正確だ。もちろん正解だ」

 

「なん……だと……!? この雪辱にどれだけの利子が付くか……! すぐに思い知らせてやる!」

 

「そんなに居たの!? 僕昨日、スマホいじってて少し起きてたよ!? カーテン開けてた割には少し暗いなとは思っていたけど───」

 

「では指揮官様をお借りしますわ〜ヴィシアの。良い勝負でしたが、最後は愛が勝つのですわ〜ふふふ」

 

「そんな愛は重すぎる! くっ! 重桜の空母め、離せ!」

 

「安心しろ。他の輩と違って姉様は無理矢理拐って行ったりはしない」

 

「まさに今無理矢理拐って行ったんだが……?」

 

「まぁ、その、なんだ。お前も姉様に認められた実力の奴だ。誇りに思え」

 

「ストーカーもどきの奴に認められたくはねえよ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

優勝が確定した瞬間に赤城さんにガッチリホールドされて(優しく)連れて行かれた場所は、重桜敷地内のホテルだった。まあホテルとはいっても大きくはないんだけれども。

 

赤城さんは準備があるらしいので、僕は控え室で待機させられている。何故か案内してくれた飛龍さんは男装をしていた。聞いてみても、赤城さん絡みな事が分かるだけで、震えていた。

 

 

 

 

「お待たせ致しました、指揮官様〜この赤城に下さったパーティドレス、如何でしょうか?」

 

 

 

控え室のカーテンが開かれて、ワインレッドの煌びやかなドレスを纏った赤城さんに僕はしばらく見惚れてしまった。

 

「ふふふ……もっと見てても良いのですよ? 今日は私と指揮官様の二人だけ、ね?」

 

「赤城さん、似合ってるよ。綺麗だ」

 

やっと絞り出したセリフがこれ。リットリオさんならもっと気の利いた事でも言えるだろう。『あはは! 君に彼岸花を贈ろう!』とか。彼岸花は贈る物か……?

 

「ありがとうございます。指揮官様らしく素直な感想で嬉しいですわ〜そ・れ・と……」

 

 

 

 

 

 

「他の女の事を考えてるのもバレバレですの──────今は赤城の事だけを考えて下さいませ」

 

 

 

 

 

 

気がつくとハイライトの灯っていない目で間近で見られていた。ワインレッドのドレスも真っ黒に見えた。

 

「では指揮官様。クイズの景品は何か覚えていらっしゃいますよね?」

 

「僕に何でも言う事を聞いてもらえる権利だっけ」

 

「そうですわ〜では……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「赤城と手を繋いで、お話して貰えませんか……?」

 

 

 

 

 

 

「へっ?」

 

いつものような重圧を感じさせる赤城さんではなく、しおらしくモジモジして顔を赤くしていた。

 

てっきり愛宕さんや鈴谷さんのように滅茶苦茶にされるお願いかと構えていたけど、拍子抜けしてしまった。ちなみに前者二人のお願いは却下しました。

 

「だ、ダメですか……?」

 

上目遣いでウルウルした瞳を見せられて、NOと言える心の狭さは無い。

 

「い、いやいや! もちろんOKだよ! でもそれで良いの?」

 

「はい……赤城はそれで充分でございます。それだけで一ヶ月のご飯のオカズには困りません」

 

「ははっ、冗談が面白いなぁ……冗談だよね?」

 

「……ですわ」

 

「う、うん……ほら、例えば一緒に食事したい、とかハグして欲しいとか、でも良いんだよ?」

 

「指揮官様にハグされたら──────爆発します」

 

「爆発!? 怖すぎるよ!?」

 

「何故、指揮官様の提案にハグが出るのでしょうか? 誰かとしたのかと───」

 

両手首をグッと握られて『逃がさないぞ』という意思を感じた。

 

「ロー……鉄血の人と話していた時にそういう提案を貰ったんだよ」

 

危うく赤城さんの前で他の子の名前を出すところだった。話の流れ次第では大丈夫だと思うけど、一応ね?

 

「鉄血の……あぁ、最近μ兵装でアイドル活動しているとやらの。まぁ、良いでしょう……赤城が雑談を望むのには理由がありますの」

 

 

「指揮官様、最近、限られた陣営のKAN-SENしか出撃させていませんものね。理由を知れば納得致しますが、それまでは赤城はお役御免と誤解してしまいました……それに伴い指揮官様とお話する回数も減ってしまいましたので」

 

 

最近、開発艦のチェシャーさん、ドレイクさん、ガスコーニュさん、シャンパーニュさんの為にロイヤル、鉄血、ヴィシア、アイリス、ユニオンのKAN-SENしか運用していなく(現在進行形で運用中だけど)、重桜の主力艦隊は使っていないに等しかった。さすがに親愛度は下がらないけど、フラストレーションを溜めてしまっていたとは……。

 

「心配かけちゃったね……」

 

「本当に心配しましたわ……ご飯も1日3食しか食べれませんでしたもの」

 

「それは───健康じゃないか!」

 

「うふふ……ちゃんと突っ込んで下さいましたね。でも心配したのは本当ですわ。これからしばしお話に付き合っていただきます。ワインは……指揮官様は甘党でしたわね。抹茶の饅頭がありますが、如何でしょうか?」

 

「もちろんいただきます」

 

赤城さんと久々にした雑談は煌びやかに花が咲いた。好きな料理は何か? 本当にリットリオさんの太もも焼きおにぎりを食べるのか? ジャンバールさんと食べた饅頭と赤城さんのくれた饅頭どちらが美味しいのか? 和やかな雰囲気だったので焼きおにぎりを食べる、と答えると赤城さんは自分自身にワインをぶっ掛けて、僕に手錠を掛けられました。頭を撫でたら手錠を外してくれた。

 

そんなこんなでひと通りのお話が終わると赤城さんと分かれ、僕は執務室に戻ることにした。背を向けていたから分からないけど、僕が安全に帰れるまで見送ってくれていたのだろう。そう視線を感じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「指揮官様はやはり優しい方ですわ。もう赤城は胸が一杯です。ヴィシアのお邪魔虫に邪魔されましたが、まあ良いでしょう。

 

 

それと、指揮官様。

 

 

寝る前のスマホいじりは睡眠を妨げるのでお止めになられては?

 

 

 

どうして分かるか、ですって?

 

 

 

 

昨日の夜は指揮官様の自室にあちこちKAN-SENがいましたわよね? 

 

 

 

 

 

 

──────ドアの前にいたKAN-SENにお気づきになりませんでしたか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 




あまり修羅場っぼくなかったですかね?

組み合わせ次第では面白くなりますね!
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