AKB49 〜浦川みのりRe:Start〜   作:YAYOI@小説書き始めました

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3話をお読みいただき誠にありがとうございます!
僕の作品を読んで、AKB49の原作を読み直してもよし、小説を書くのもよし、色々と考えてください!

(今のところ)AKB49の唯一の連載小説として頑張っていきます!
今回からAKBファン必見というか、僕が知っている曲の中で、この曲を聴きながら読むとさらにいいよ!と言うオススメの曲をご案内します。
第4話は、終始「365日の紙飛行機」を聴きながら読むのをお勧めします!
では4話です!


第4話 〜1年越しのファンレター〜

“浦川みのり”いや、”浦山実“は、そのファンレターを読み上げ、言葉を失った。

 

「このファンレターは...」

 

「そうだ、それは、“浦川みのり”卒業公演に足を運んでくれたファンのファンレターだ。

その内容にも書いてある通り、浦川みのりが“浦山実”と言う事実を知ってもなお、”浦川みのり“当てのファンレターを書き、ファン達もまた、浦川みのりが“浦山実”と知った上での、AKB48メンバーへの復活を望んでいる。

まぁ、僕自身もファンレターを見たわけではないし、君が読み上げてくれたのが初めてだったが、おおよその内容の予想はついていたがな。」

 

そのファンレターには、俺のことを“浦山実”と知った上で、”浦川みのり“として、AKB48のメンバーの復帰を望んでいるファンからのファンレターだったのだ。

 

「な、なぜっスか!?俺は、浦川みのりのファンに酷い仕打ちをして卒業した...。

でも、何で、俺が男だと知ってもみんなは待ってくれているんっスか...」

 

俺は、少し“有難い”、“嬉しい”と言う感情もあったが、やはり”何故“と言う感情の方が高かった。

誰だってそう思うだろう。

 

俺は”浦川みのり”の卒業公演の最後に自分が“浦山実”だと言う事実を浦川みのりを愛してやまないファンにストレートに突きつけた。

 

恨まれても仕方がないような仕打ちをしたはずだ。

だが、ファン達は俺を俺と知っていながらでも”浦川みのり”としての復活を望んでいるのだ。

 

「そこのファンレターにも書いていただろう?

“浦川みのりの無邪気な笑顔、無謀でもチャレンジするその心意気、その全てに心を動かされた人間が、少なからずいるのだから”と。

可愛いだけの理由でついてきたファンももちろん居るだろうが、君自身の“笑顔”、“努力”、様々な要素がファン達を魅了したと言う事実とも言えるだろうな。

そんなファン達がいる分だけ、“浦川みのり”自身が“浦山実”と言う事実を知ってもまた“浦川みのり”を見たいファンが大勢いるんだ。」

 

「ど、どうして...うっ...」

 

俺は感謝、疑惑、様々な感情が入り混じり、膝をついて、目頭に涙が潤んだ。

 

「実くん...」

 

「浦山くん...」

 

「みのりん...」

 

吉永、有栖、たかみな先輩は、心配そうな顔で、俺“浦山実”を眺めた。

 

「浦山、どうするんだ?

ファン達を無謀な頼みを飲み込んで活動を再開するか、それとも何事も起きないただただ平坦な生活を続けるのか、決断してくれ。」

 

秋元先生は、俺にどうするかの決断を迫った。

 

「秋元先生、すいません、流石に今ここで決断とかはちょっとできないっスね...やっぱり、まだ心の整理ができないって言うか、卒業したのにメンバー復帰とか、それこそ他のAKBファンの人が怒らないかなーと...」

 

だが、やはり、俺も色々と考えたい。

流石に今決断するのは難しい。

それに、俺は一度AKB48を卒業しているのだ。

それなのに、またAKBメンバーとして復帰なんて言うことになれば、よく思わないやつも居ると思う。

俺は秋元先生に、今すぐ決断するのは難しいと言う内容を伝えた。

 

「そう返答が来ると僕は思っていた。

今日すぐに決断を出せと言うほど僕は阿呆じゃないのでね。

何日か考えた上で、結論を出して欲しい。」

 

秋元先生は何でもお見通しか...そう思える程に、見抜いていた。

 

「わかったっス。でも、あまり期待はしないでくださいよ。俺は普通の生活をしたいだけのただの吉永寛子ファンだってことを忘れないでくださいっス」

 

俺はその言葉を残し、秋元先生の自室を後にしようと、扉に手をかける。

 

「ああ、わかっているよ。

だが僕は、浦山、君は必ずきてくれると、そう信じているよ。だから僕は信じて待つだけだ」

 

後ろから聞こえる先生の期待の声を他所に、俺は部屋を後にした。

 

 

▼▼▼▼▼

 

 

秋元先生の部屋を後にした俺は、去年まではほぼ毎日のように通っていた劇場の楽屋前の廊下を一人とぼとぼと歩いていた。

 

「しかし、何で俺みたいな唯の男をみんな待ってるんだろう...?

まぁ多分浦川みのり効果なのはわかってるし浦川の方を待ってるのは事実何だろうが、それだったらファンレターなんかに俺の名前をわざわざ書く必要もねぇからなー...

第一卒業してるのにもう一回見たい、デビューしたいってそれ卒業じゃねぇじゃん」

 

俺は普通の男だ。

 

何の取り柄もない、運動も勉強もそこそこできるが、そこそこなのであってどっちかが突出してすごいってわけでもない至って平凡な男子だ。

 

それが女装して“浦川みのり”になったらあれだけ人気になって...

 

ファンレターにも“浦川みのり”を復活させてほしいだけだったらわざわざ俺の名前を書く必要なんかあるんだろうか?

 

それとも”浦山実“が”浦川みのり“と考慮した上なのか?うーん、わからない...

 

いろいろな考えを巡らせつつ、一人でボソボソと喋りながら廊下を下に向いて歩いていた。

これじゃあ側から見たら一人でボソボソ喋ってるオタクみたいに見えるが、まぁ実際アイドルオタクなのは間違いないからオタクでは合っているが...

 

 

 

ドンッ

 

 

 

「いてぇっ!!!!あ、すみません、前見てなくて...」

 

下を向いて歩いていたせいで前から歩いてくる人に気づくことができず、ぶつかってしまい、尻餅をついてしまった。

 

「あぁ、すまない、こちらも仕事の事で考え事をしており...って、お前は!?!?」

 

どうやら相手も考え事をしており、前を見れていなかったらしい。

謝罪をされたが、何故か相手は俺の顔を見てびっくりしていた。

なぜだろうと、こちらも相手の顔を見上げる。

 

「え?って...えぇぇぇぇ!?!?戸賀崎さん!?!?」

 

「お前は浦川...あぁ、違った、浦山か!」

 

なんと、俺がぶつかった相手は、AKB48総支配人である戸賀崎智信であった。

 

「言い直すなら浦川でいいっス!!!!てか、戸賀崎さんは何故こんなところで?」

 

「ああ、実はだな...」

 

 

 

▼▼▼▼▼

 

 

 

すると、戸賀崎さんは、先程俺が秋元先生から聞いた話と同じ話を俺に話していた。

 

「こう言う話が秋元先生から出たんだが...」

 

俺に向かってその話をしている戸賀崎さんの表情は今までに見た事がない心配の表情をしていた。

 

「それなら、さっき秋元先生から直接聞きましたよ。しかも、吉永とたかみな先輩と、有栖も一緒に同席してましたね」

 

事実を淡々と話していく。

 

「そうか...と言うか、この話をするのに吉永と、有栖と、高橋は必要だったのか?」

 

確かに、俺の話をするなら俺と1体1で話すのが普通だろう。

当然疑問を持つことは当然の話だ。

 

「何故でしょうねー...有栖は元々一緒に生活してた仲、吉永は元同級生、たかみな先輩は、僕の事を一番気にかけてくれていたから、でしょうか?憶測の域を出ませんが、それくらいしか考えつかないですね」

 

「そうか...浦山は秋元先生の話を聞いて、どうするんだ?」

 

「それが、自分でもわからないんです...。僕は、吉永寛子という同級生の女の子を、夢であるAKBの世界に連れて行ってあげたい、そのために女装してオーディションに潜り込み、あえて嫌な役をしました。

僕は、吉永が夢であるAKBに入って、俺がファンとして応援するはずだったんです。

なのに、俺もそのまま合格してしまって、研究生として吉永と共にAKBの道を進んでいった...。本来僕は、いてはいけない存在だったんですよ...

でも、メンバーと活動を続けたり、舞台で踊ったりしているうちに、アイドルの魅力を知ってしまい、囚われていったんです。

もうその頃には“浦山実”は消えていて、新しい“浦川みのり”と言うアイドルがそこに出来たんだと思います。

でも、あの時スクープされて、俺は我に帰りました。

“俺は男で”浦山実“であり、”浦川みのり“ではないし、男である俺が女装をしてAKBにいてはいけない。

そう思って、卒業公演の時に逃げ出してしまいました。

でも、メンバーのみんなはそれを知ってもなお、嫌な顔一つせず、俺の補佐をしてくれていました。

それを思い出すと、今でも...涙が...うぅ...。」

 

自分の思いを熱弁すると、つい目頭が熱くなってしまう。

 

それを見た戸賀崎さんが、俺の横に回り、慰めてくれる。

 

「辛かっただろう...自分の正体を隠し続けながら、ファンやメンバーの期待に応えるべく、無理難題をやり遂げたり、何でもかんでも率先して行ったり...

それに、浦山、お前をこの世界に引っ張り込んだのはAKB48陣営である俺たちだ。

本来は、お前はAKBにはいない存在だし、普通の生活を送りたかったと思うだろう。

俺からは無理強いはしない。

日程に猶予はあるんだ、しっかりと、しっかりと考えて、その上で俺たちに答えを出してくれ。

秋元先生は期待しているが、俺はお前の事を大事なメンバーだと思っているし、そのメンバーの意見すら尊重できないのであれば総支配人失格だ。」

 

「うう...戸賀崎さん、ありがとうございます...しっかり考えます。」

 

流した涙を拭い、しっかりと前を向く。

 

「お前はまだまだ若い。

秋元先生の言うように、この業界に戻ってくるのもいいかもしれない。だが、お前は色々と考えられる年頃だ。

大学に行くもよし、新しい仕事を探すのもよし、男性アイドルをやってみるのもよし、様々な考えを巡らせて、その上でしっかりと考えたらいいと思うぞ。

ほら、いけ!浦山、お前の未来は俺達がレールを引いていくわけではない。自分で好きなようにレールを引いてゆけ!」

 

「はい!戸賀崎さん!!!!」

 

戸賀崎さんからの熱くも、タメになるアドバイスをもらい、しっかり前を向いて生きて、しっかりと考えようと、そう心に留めたのだった。

 

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